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New Vintage Sounds いま再評価される“古くて新しい”音楽 | ディスクユニオンスタッフが教える、かけがえのない音楽 # 27

Apr 9, 2026
首都圏を中心にしながら、名古屋、大阪まで、音楽CD・レコード店を展開し、ビギナーからマニアまで多くの音楽ファンの絶大な支持を集める「diskunion(ディスクユニオン)」。ロックやソウル、ジャズ、JPOP、クラシックなど、さまざまなジャンルごとに精通したスタッフが在籍するのもディスクユニオンの大きな魅力になっている。ここではそんなマニアックなスタッフたちが毎月のテーマに沿って、おすすめのアーティストの作品を紹介していく。

連載第27回目となるテーマは、「New Vintage Sounds:いま再評価される“古くて新しい”音楽」

各ジャンルを担当する音楽マニアならではの深い知識と独断と愛情にあふれるリコメンドを楽しんでほしい。ここで見つけたディスクユニオンの“推し”が、あなたにとってかけがえのないライブラリーになることを願いつつ。

New Vintage Sounds いま再評価される“古くて新しい”音楽 | ディスクユニオンスタッフが教える、かけがえのない音楽 # 27

Apr 9, 2026 - MUSIC
首都圏を中心にしながら、名古屋、大阪まで、音楽CD・レコード店を展開し、ビギナーからマニアまで多くの音楽ファンの絶大な支持を集める「diskunion(ディスクユニオン)」。ロックやソウル、ジャズ、JPOP、クラシックなど、さまざまなジャンルごとに精通したスタッフが在籍するのもディスクユニオンの大きな魅力になっている。ここではそんなマニアックなスタッフたちが毎月のテーマに沿って、おすすめのアーティストの作品を紹介していく。

連載第27回目となるテーマは、「New Vintage Sounds:いま再評価される“古くて新しい”音楽」

各ジャンルを担当する音楽マニアならではの深い知識と独断と愛情にあふれるリコメンドを楽しんでほしい。ここで見つけたディスクユニオンの“推し”が、あなたにとってかけがえのないライブラリーになることを願いつつ。

昭和歌謡の美学を現代の感性で更新する「NEO RETRO POPS」

recommend by ディスクユニオン 商品部 西 純一郎さん
普段はヘヴィメタルの商品の仕入れを担当しており、音楽ジャンルを問わず幅広く聴いています。

アーティスト名:Rip van cats
アルバム名:NEO RETRO POPS(2026年 / Great Hunting)

スタッフのおすすめコメント:

TikTokのタイムラインをスクロール中、ふと指が止まった。
そこに流れてきたのは、どこか懐かしいサウンドとメロディー。ブラウン管テレビのような質感の映像に映り込む、かつての昭和アイドルのような姿。
「当時のアーカイブ映像だろうか?」――正直、そのときはそう思いました。

しかし、その正体は令和の今、現在進行形で活動するバンド、RIP VAN CATS。
彼らは「令和に歌謡曲をもう一度」をコンセプトに掲げ、都内のライブハウスを中心に活動する昭和歌謡風バンドです。

待望の1stアルバムとなる本作『NEO RETRO POPS』では、その徹底したこだわりを端々に感じさせます。特筆すべきは、ヴォーカルMARIAの変幻自在な歌声。楽曲によって、山口百恵の持つ凛とした佇まいや、松田聖子の可憐さ、中森明菜の憂いを含んだ表現力を彷彿とさせ、聴き手を一瞬にしてあの時代へと引き戻します。

単なるノスタルジーの再現に留まらず、昭和歌謡の美学を現代の感性で鮮やかにアップデートする彼ら。まさに「ネオ・レトロ・ポップス」という新たなムーブを形作っていく1枚になるでしょう。

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懐古を昇華し、令和に立ち上がる異形アートポップ「物語を終わりにしよう」

recommend by ディスクユニオン 物流 稲垣 吉人さん
気になったものは何でも試しに聴いてみる者。メタルからパンク、フリージャズやアヴァン系、ニューウェーブ等。一番好きなミュージシャンは浅川マキ。

アーティスト名:想像力の血
アルバム名:物語を終わりにしよう(2025年 / 想像力の血)

スタッフのおすすめコメント:

カメラ=万年筆に始まり、ムーンライダーズ及びそのメンバー、カーネーション、スカート、僕とジョルジュ、KID FRESINOなどのサポートや劇伴、プロデュース、ミックス、リミックス等々も手がけてきた佐藤優介こと想像力の血が、2025年4月16日に配信発表した1stアルバムです。

15年近くにわたる活動で培った人脈と経験を注ぎ込んだ本作は、ニューウェイヴ/シンセポップを土台にしながら、ドリーミーなノイズ、グリッチポップ、渋谷系、ポストパンク、さらにはZolo的な屈折したポップ感覚を織り込みつつ、全体を通してストレンジな気配を濃密に漂わせるアートロックを形成しています。

その音像は、80年代国産ニューウェイヴの一勢力だったナゴム系を、令和的な音響感覚で洗練し直して立ち上げたかのようでもあり、ヴァン・ダイク・パークス『Song Cycle』、ムーンライダーズ『カメラ=万年筆』、さらに有頂天『AISSLE』あたりを思わせる、短めの曲を多めに収録したアルバムならではの目まぐるしい転換と編集感覚を備えています。

そうした先人たちの系譜を下敷きにしつつも、渋谷系、さらにはグリッチ以後の編集意識で再構成された本作は、懐古を昇華した令和の異形アートポップとしてきわめて鮮烈な玉虫色の光を放つ一作です。

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古い録音に宿る新しさ、意識に波紋を広げる「Dialoghi del presente」

recommend by ディスクユニオン お茶の水駅前店 櫻 流瑠美さん
テクノを中心とした神秘的・民族的な音楽が好き

アーティスト名:Luciano Cilio
アルバム名:Dialoghi del presente(2026年 / SUPERIOR VIADUCT)

スタッフのおすすめコメント:

今回私がおすすめしたいアルバムはLuciano CilioのDialoghi del presente(1799)だ。突然の自殺で他界した彼が、生前唯一残した名盤である。作品自体40年以上前のものであるが、今聴いてもアンビエント・ミニマル系の現代音楽に通じる新鮮さがある。

アルバム全体を通してどこか霊的で、霧がかった中を彷徨うような孤独や切なさが感じられる。私が特に好きなのはA面1曲目のPrimo Quadro“Parte Seconda”だ。アコースティックギターを中心としてピアノ・ヴァイオリンなどが静かに重なっていく。そして徐々に淡く光るような女性の声が空間に漂い、頭の中で静かに波紋のように広がる。この音が、聴く者の意識の中でまるで生き物のように存在感を帯びていく。

古い録音ながら今聴いても新鮮で、空気の中に溶けていくような、まさに時代を超えた新しい体験が得られる。 現在このアルバムは2026年にsuperior ViaductからLPリマスター再発となっている。ぜひ聴いていただきたいです。

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スタンダードの装いに宿る新しさ、時間を遡るポップの感覚「West Of Broadway」

recommend by ディスクユニオン JazzTOKYO カイピリーニャさん
JazzTOKYOアルバイト勤務のシティポップ好きな困ったオヤジ。渋谷毅のピアノと一十三十一の歌声の中毒患者。

アーティスト名:Rachael & Vilray
アルバム名:West Of Broadway(2025年 / Concord)

スタッフのおすすめコメント:

懐かしいのに新しいといったらレイチェル & ヴィルレイ。まだ新型コロナが話題になる前、細野晴臣のFM番組で流れてきたそのサウンドは古いジャズソングのようでいて未来から時間をさかのぼって届いた音楽のようでもあり、聴き流してはおけない不思議な魅力を感じました。

早速ネットを検索して新進ユニットのデビューアルバムと知りCDを購入。新録音の新譜を買うのは十数年ぶりでした。何年かして出た2作目は即買いし、この3作目は予約購入。いずれも古いスタンダードのような装いの新しいオリジナルソング集。ロックバンド、レイク・ストリート・ダイヴのシンガー、レイチェル・プライスの歌は歌唱力を誇示するわけでもなく、淡々と無表情なわけでもない。さらりと力の抜けた自然体にして確信のある歌いっぷり。街角の小さなカフェから聞こえてきそうなカジュアルなストリート感覚がレイチェル & ヴィルレイの魅力です。

今回はNYブロードウェイと西海岸ジャズの時空を超越した不思議な融合。奇妙でとぼけた味わいのラブソングにのせて些細な懸念などは歌い飛ばしてくれます。あとは冷えたビールがあれば文句なし!

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岡村靖幸 × 坂本龍一による名曲の新たなかたち「Tribute To Taeko Onuki」

recommend by ディスクユニオン 買取センター M.F.さん
査定に係る事務手続き、カスタマーサポートなどをさせていただいております。

アーティスト名:Various Artists
アルバム名:Tribute To Taeko Onuki(2013 / Commmons)

スタッフのおすすめコメント:

大貫妙子さんの名曲を豪華アーティストがカバーする2枚組アルバムは岡村靖幸さんによる「都会」のカバーにより始まります。大貫さんによるオリジナルはもちろん素晴らしいですが、華やかで踊りたくなるようなアレンジに岡村さんの良さが発揮されており、坂本龍一さんによるキーボードの再演も聴きどころとなっております。酸いも甘いも噛み分けた大の大人ふたりの競演をぜひ聴いてみてください。

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東洋と西洋の文化と感性が交差する旋律「Pictures - Very Best Of Sandii '87~'92」

recommend by ディスクユニオン 買取センター M.F.さん
査定に係る事務手続き、カスタマーサポートなどをさせていただいております。

アーティスト名:Sandii
アルバム名:Pictures - Very Best Of Sandii '87~'92(1994 / Eastworld)

スタッフのおすすめコメント:

「蘇州夜曲(Soochow Serenade)」戦時下の日本、中国、アジア各国の歴史とともに歩んだこの曲の素晴らしさは若輩者である私よりも戦中・戦後を生きた方がよくご存知かと思います。

東洋の風土が生み出した音階と品のある詩の世界観が国の枠を超えて広く愛されるこの曲を、アメリカ人と日本人のハーフで幼い頃から歌手として活動、その美貌も相まって1970年代以降数多くの作品に歌を提供しているサンディーさんがカバーしています。
エレクトロニックなトラックに尺八が被さる斬新なアレンジは中国の俊英ディック・リーさんによるもので、原曲が内包していた「西洋と東洋の文化的融合」を現代にブラッシュアップする事に成功しています。

もし身近にいらっしゃるようであれば年長の方、ご家族にこの曲について、当時の思い出を尋ねてみるのも有意義かと思います。正真正銘のスタンダード・ナンバーであるこの曲は多くのアーティストに時代を超えて唄われていますので皆さんも自分のお気に入りを探してみてください!

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「DIVE INTO MUSIC.」に込められた想い

世界中どこにいても同じ音楽を楽しむことができる今の時代に、ディスクユニオンは違和感を感じています。なぜなら、本来音楽というものは、ひとりひとりが自らの手で触れて、自らの脚で探して出会うべきものだからです。だからこそ私たちディスクユニオンは、見たことのない曲、聴いたことのない世界を求め、音楽の海へ飛び込んでいきます。そしてこの想いを「DIVE INTO MUSIC.」というスローガンに込め、お客様と共有して参ります。

diskunionHP:https://diskunion.net/
公式youtube:https://www.youtube.com/@diskunion_official
instagram:https://www.instagram.com/diskunion/

前回の記事はこちらから
「アンビエントの現在地〜サウンドスケープ2026」をテーマにおすすめアーティストをご紹介

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アンビエントの現在地〜サウンドスケープ2026 | ディスクユニオンスタッフが教える、かけがえのない音楽 # 26
Feb 25, 2026

  • Edit : Yusuke Soejima(QUI)

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