「Obol」、未来の冥界が立ち上がるクラブ空間へ──アンドリウス・アルチュニアンの日本初個展が2/20(金)より銀座メゾンエルメス ル・フォーラムで開催
「Obol」は、古代の神話、秘教文献、地下レイヴの美学を横断しながら、未来の冥界をクラブ空間として再構築するインスタレーション展示だ。展覧会タイトルでもある「Obol」は、冥界の渡し守カロンに支払う銀貨の名前。その象徴を中心に、儀式的で生成的な図像や蛇、「瀝青(れきせい)」といった素材が空間を満たし、粘性と反響を孕んだ音像とともに、静かで妖艶な別世界が浮かび上がる。
アルチュニアンは、音楽を「歪んだ時間の建築」と捉え、音と政治的同調の関係、儀式のスペキュラティヴな性格を作品に織り込んできた。本展では、古代と未来、現世と冥界、神格と身体、遊戯性と厳粛さが交錯しながら、訪れる者をその境界へと誘う。

Andrius Arutiunian | Geryon & Herakles | 2025 Courtesy of the artist | Photo by Kunstraum Memphis

Andrius Arutiunian | Synthetic Exercises | 2023 Courtesy of the artist | Photo by Jonas Balsevicius

Andrius Arutiunian | Under the Cold Sun | 2024 Courtesy of the artist | Photo by Kunstmuseum Magdeburg

Andrius Arutiunian | End Pull | 2024 Courtesy of the artist and Future Art Generation Prize | Photo by Ela Bialkowska OKNO studio
瀝青やタール、金属、木綿といったマテリアルで構成された作品は、物質そのものが持つ宗教的・儀礼的な記憶を喚起しながら、時間や存在についての深い問いを投げかける。観る/聴くという経験そのものが、どこか異界の入口のように変容していく。
【プロフィール】
アンドリウス・アルチュニアン(Andrius Arutiunian)
1991年生まれ、アルメニア/リトアニア出身のアーティスト・作曲家。「聴く」ことのハイブリッドな形式を探求し、時間性や共鳴、オルタナティヴな世界観を軸とした作品を制作する。第59回ヴェネチア・ビエンナーレではアルメニア館代表を務めたほか、光州、上海、リヨンなど世界各地のビエンナーレに参加。音楽的および政治的調和への批評的アプローチを特長とする。
Instagram:@andrius_arutiunian
【キュレーター】
岩田智哉(TomoyaIwata)
1995年、愛知県生まれ。東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科修了。アジア各地のオルタナティヴ・スペースと制度の関係性をリサーチし、実践者としてもThe 5th Floorを運営。展覧会「さかむきの砂」や「ANNUAL BRAKE」シリーズなどを手がけ、従来の枠組みにとらわれないキュラトリアルを展開している。
Instagram:@tomoya_iwta
【開催情報】
展覧会名:Obol
会期:2026年2月20日(金)~2026年5月31日(日)
会場:銀座メゾンエルメス ル・フォーラム(東京都中央区銀座5-4-1 8・9階)
開館時間:11:00–19:00(入場は18:30まで)
休館日:水曜日
観覧料:無料
主催:エルメス財団
協力:東京日仏会館
URL:https://www.hermes.com/jp/ja/content/343162-mgeditopagearticleforumf73/