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いま行くべきアートイベント|2025年6月

Jun 1, 2025
6月開催のアートイベントの中からQUIおすすめのイベントをピックアップ。詳細情報も併せてチェックを。

いま行くべきアートイベント|2025年6月

Jun 1, 2025 - ART/DESIGN
6月開催のアートイベントの中からQUIおすすめのイベントをピックアップ。詳細情報も併せてチェックを。

ポーラ美術館にて「ゴッホ・インパクト―生成する情熱」展が開催

フィンセント・ファン・ゴッホ《アザミの花》1890年 油彩/カンヴァス 40.8×33.6 cm ポーラ美術館

フィンセント・ファン・ゴッホの芸術と、その情熱が後世に与えた影響を検証する展覧会「ゴッホ・インパクト―生成する情熱」が、2025年5月31日(土)から11月30日(日)まで、神奈川県・箱根のポーラ美術館にて開催される。

本展は、開館以来初めてゴッホをテーマに据えたもので、彼の生涯にわたる画業や思想、そしてそれがどのように日本と世界のアーティストたちに受け継がれ、変奏されてきたかを多角的に探る構成となっている。情熱に生き、芸術に殉じたゴッホの“インパクト”は、世紀を超えて現代にまで共鳴し続けている。本展ではその軌跡と広がりを、壮麗なコレクションと共に体感することができるだろう。

「ゴッホ・インパクト―生成する情熱」展
会期:2025年5月31日(土)〜11月30日(日)※会期中無休
会場:ポーラ美術館(展示室1・2・3)
所在地:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285
開館時間:9:00〜17:00(最終入館16:30)
入館料:大人 2,200円、大学・高校生 1,700円、中学生以下無料
主催:公益財団法人ポーラ美術振興財団 ポーラ美術館
公式サイトはこちら

福田尚代「日な曇り」、YOKOTA TOKYOにて初個展を開催

《漂着物/ひとすくい》展示風景

福田尚代は、紙、糸、本、文房具といった日常的な素材に、書く、縫う、消す、読むといった行為を繰り返しながら作品を制作してきた。ことばになる以前の「かたち」をすくい上げるように折られ、ほぐされ、削がれ、綴じられたものたちは、記憶の底にたゆたう気配や、過ぎ去った時間を内包しながら、目に見えるものとは異なる位相で立ち上がる。

展覧会タイトルの「日な曇り」とは、やわらかな光が差し込みつつも、空に薄く雲がかかった、晴れと曇りのあわいにある気象を表す言葉。その微かな明るさと翳りが共存する空気感は、福田の作品世界とも深く呼応している。本展は、書物の記憶を宿すもの、漂う断片、ことばの影をとどめたかたち、静謐な気配など— —福田の創作に通底するいくつかの造形を、自然光が差し込むギャラリー空間に織り込む試みでもある。

福田尚代(ふくだ・なおよ)
1967 年埼玉県生まれ。東京藝術大学美術研究科油画専攻修了。
本や文房具、郵便物、ハンカチなど、日々の傍らにあった私物に繊細な手仕事をほどこし、彫刻、コラージュ、刺繍、折り込みなどの技法により作品を制作している。
また、始まりから読んでも終わりから読んでも同音となる「回文」の詩作にも取り組み、多くの詩集を刊行してきた。音の粒が交差し、反転しながら立ち上がるその詩は、言葉の奥に眠る気配を静かにすくい上げていく。
福田の作品は、存在と不在、儚さと確かさのあわいに佇みながら、言葉と物質のあいだにひそむ感覚を、造形と詩の往還のなかで静かに問いかけている。

福田尚代 個展「日な曇り」
会場:YOKOTA TOKYO
住所:〒105-0022 東京都港区海岸1-15-1
会期:2025年5月19日(月)~6月13日(金) ※土日休
開廊時間:11:00–17:00
公式HP:https://yokotatokyo.com/exhibition.html
Instagram:@yokota_tokyo

長谷川愛 没入型インスタレーション「PARALLEL TUMMY CLINIC」をSHUTLにて開催

SHUTLにて、2025年6月6日(金)〜7月7日(月)にかけて、SHUTLプロデュース、長谷川愛 没入型インスタレーション「PARALLEL TUMMY CLINIC」コラボレーター:山田由梨を開催。

本作は、今から50年後の未来都市・東京を生きる人々のすがたを想像する没入型のメディア・インスタレーションである。バイオアートやスペキュラティヴ・デザイン等の手法によって、生物学的課題や科学技術の進歩をモチーフに、現代社会に潜む諸問題を掘り出す作品を発表しているアーティスト、長谷川愛。今作は、彼女がこれまで継続して取り組んでいる“人工子宮(PARALLEL TUMMY)”を主題に、鑑賞者が1組ずつタイムラインの指示に従って、SHUTLの空間を移動しながら体験・没入する形式をとる。

SHUTLプロデュース 長谷川愛 没入型インスタレーション『PARALLEL TUMMY CLINIC』 コラボレーター:山田由梨
会期:2025年6月6日(金)〜2025年7月7日(月)
会場:SHUTL
住所: 〒104-0045 東京都中央区築地4-1-8
時間: 13:00 〜 20:00
休館日:火曜日、水曜日
鑑賞所要時間:約50分(標準)
日時指定予約制(15分おき入場)
※1回につき1組(最大1名)のみ入場・鑑賞できます。
※本展覧会は、鑑賞者おひとりずつ、作品の指示に従って空間内を移動していただく形式の展覧会です。
公式サイト

Kansai Art Annual 2025「CO」が、心斎橋PARCOにて開催

本展は、20年以上にわたり大阪を拠点に現代美術に特化したアートフェア「ART OSAKA」を運営してきた一般社団法人日本現代美術振興協会(APCA)と、新進気鋭のクリエイターたちと共に文化的価値を発信してきた心斎橋PARCOによる協働プロジェクトとして誕生。

関西には、個性豊かで実験精神に富んだギャラリーが数多く点在し、アーティストたちに表現の場を提供している。「Kansai Art Annual 2025」では、心斎橋PARCO周辺の注目ギャラリーと連携し、それぞれの視点で選出されたアーティストの作品が展示される。出展作家には、厚地朋子、岡本啓、神出謙、菊池和晃、栗棟美里、宮田彩加、ユーダイといった、今まさに注目すべき気鋭の才能たちが名を連ねる。

Kansai Art Annual 2025「CO」
会期:5月23日(金)〜6月22日(日)
会場:心斎橋PARCO 9F EVENT SPACE
住所:〒542-0085 大阪府大阪市中央区心斎橋筋1丁目8−3
開館時間:10:00-20:00(最終日は18:00まで)
入場料:無料
公式サイト

やんツー 個展「Homage to NewYork」が、WALL_alternativeにて開催

今回の展覧会は、やんツーが昨年、<ACC(アジアン・カルチュラル・カウンシル)>の助成を受けて半年間滞在したニューヨークをはじめとするアメリカ各地でのリサーチ成果を基に構成。タイトルは、1960年にジャン・ティンゲリーが<MoMA>の庭で発表したキネティック作品《Homage to New York》に由来する。この作品は自己崩壊しながら燃え上がる上演形式のアートとして知られており、本展ではその精神を現代的に継承する。

やんツー / yang02
1984年、神奈川県生まれ。美術家。先端テクノロジーが組み込まれた既成品や動力装置、廃品、あるいは既存の情報システムなどを誤用/転用/ハッキングする形で組み合わせ、平面や立体、インスタレーション、パフォーマンスといった形式で作品を発表している。テクノロジーによって無意識化/隠蔽される政治性や特権性について考察する。文化庁メディア芸術祭アート部門にて第15回で新人賞(2012)、同じく第21回で優秀賞(2018)を受賞。TERRADA ART AWARD 2023 ファイナリスト寺瀬由紀賞。ACCニューヨーク・フェローシップ(2023)にて6ヶ月渡米。近年の主な展覧会に、「MOTアニュアル2023」(東京都現代美術館、東京、2023)、「六本木クロッシング2022展:往来オーライ!」(森美術館、東京、2022)、「遠い誰か、ことのありか」(SCARTS、札幌、2021)、「DOMANI・明日展」(国立新美術館、東京、2018)、あいちトリエンナーレ2016(愛知県美術館)などがある。また、contact Gonzoとのパフォーマンス作品や、和田ながら演出による演劇作品発表など、他分野とのコラボレーションも多数。

やんツー 個展「Homage to NewYork」
会期:2025年6月4日(水) – 6月28日(土)※日曜定休
時間:18:00-24:00
会場:WALL_alternative
住所:東京都港区西麻布4-2-4 1F
入場:無料・予約不要
HP

ayaka nakamura個展「Awakening」が、tagboatにて開催

ayaka nakamuraは、「命の存在」を主題に、光や風、気配といった目には見えないエネルギーを、色彩と筆致、素材の重なりによって表現してきた。アクリル絵具やメッキ調の顔料など、多様な画材を用いながら、偶然と計画性が共存する手法で生み出される作品は、繊細なニュアンスと力強い構成力をあわせ持ち、鑑賞者に深い余韻を残す。

本展では、近年取り組んでいる正方形キャンバスによる小作品から、100号のスケールを誇る大作まで幅広く展示。初夏の光を思わせる爽やかな色彩と、幾重にも重ねられたレイヤーによって、まるで「命の呼吸」が画面上に宿るかのような表現が展開される。視覚だけでなく、感覚全体で「存在」そのものを感じ取るような体験が味わえるだろう。

ayaka nakamura
1988年、東京都生まれ
2013年、武蔵野美術大学油絵学科版画専攻卒業
国内外で活動し、近年ではアメリカ・デンマーク・中国にて滞在制作を行う。
「命の存在」をテーマに、繊細かつ力強い画面づくりを目指し、絵や映像などを手がける。
TVや雑誌に数多く掲載され、高級マンションのラウンジなどにも作品が展示されている。
主な個展にBunkamura Box Gallery(東京)、MU GALLERY (東京)、
参加したグループ展はEPICENTRO ART(ベルリン)、White Box(NY)、WAH Center(NY)、Anthology Film Archives(NY)、ART FORMOSA(台北)、OLA Galleri & Ateljé(スウェーデン)などがある。
大型新人発掘アートコンテスト「ARTIST NEW GATE」第1回 グランプリ受賞 (2020)
第1回NY公募展アートインキュベーション, 最優秀賞受賞 (2023)

ayaka nakamura個展「Awakening」
会期:2025年5月29日(木) ~ 6月17日(火)
会場:tagboat
住所:〒103-0006 東京都中央区日本橋富沢町7-1 ザ・パークレックス人形町 1F
営業時間:11:00-19:00 休廊:日月祝
※初日の5月29日(木)は17:00オープンとなります。
※オープニングレセプション:5月29日(木)18:00-20:00
※5月30日(金)はセミナー開催のため、18:00閉場となります。
入場無料・予約不要
公式サイト

  • Edit : Seiko Inomata(QUI)

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