にしなインタビュー|最新アルバム『1999』全曲解説
にしな本人によるアルバム収録全11曲のコメントに加え、気になるファッション事情についてもQUI独占でお届け!
にしなによる、アルバム『1999』全曲解説
― 1stアルバム『odds and ends』から1年3ヶ月。ご自身の中で変化はありましたか?
着飾りすぎず、自分らしくいられるようになったかなと思います。最初のころはにしなをどういうキャラクターにしていこうかと考えていましたが、にしなは自分の人生の上にあるものだと気づいてからは、どう見られるかよりも自分としていられることを大切にして過ごせるようになりました。
― ニューアルバム『1999』をつくる際に軸となったものは?
アルバムを作ることが目的でなく、1曲ずつ作っていった結果がアルバムになったという感覚です。最初から最後まで楽しめて、最後の曲を聴いたらまた最初から聴きたくなるような流れは意識して作っていきました。
― アルバム収録曲それぞれに、ひとことずつコメントをお願いします。
01. アイニコイ
昔バンドをやっていたときに作った曲です。疾走感を大切に、一発録りでレコーディングしました。
02. FRIDAY KIDS CHINA TOWN
遊び心をぎゅっと詰めた、やみつきになるような不思議な世界観を目指しました。
03. debbie
映画『ずっと独身でいるつもり?』の主題歌ですが、脚本だけでなく自分自身と向き合って作りました。ちょっと暗くてもがいているけど、進んでいきたい気持ちを描いた曲かなと思います。
04. 東京マーブル
ドラマ『お耳に合いましたら。』のエンディングテーマで、その世界観をイメージしながら、夏の深夜に1人で気持ちよく徘徊できるような曲になったらいいなと思いながら書きました。
05. U+
GMOクリック証券のCMソング。コラージュアーティストの五反田和樹さんの映像と合わせたい、そして私が思う多様性について書いてほしいというオーダーがあったので、常日頃から考えていたことを歌詞の面でもコラージュ的に切り貼りして表現しました。
06. 夜になって
この曲を書いたのはわりと前で、新たにDメロを書き足しました。様々な愛の形をテーマに描いてはいますが、性に関係なく人を好きになるという気持ちを大切に、形にとらわれずそのままでいれたらいいなという思いを込めています。
07. ワンルーム
恋愛の中ですれ違っていくことだったり、誰もの記憶の中で重なることがある曲かなと思います。
08. モモ
ある小さな女の子と、彼女が持っているモモという名前のぬいぐるみ、2人の空気感を大切に作りました。
09. スローモーション
衝動感と色気を持ち合わせているけど、少女性を持った曲。椎名林檎さんの『ギブス』のような曲が書きたいと思っていて、そこから広げて書きました。Rakuten Fashion Week TOKYO 2022 A/Wのテーマソングにもなっています。
10. 青藍遊泳
音楽活動をする中でバンドを組んだりもしていたのですが、ここから先はにしなという一人での活動だけに集中していこうというタイミングで書いた曲です。仲間との別れは寂しいけれど、みんなのことを忘れちゃうぐらい自分の進むべき方向に夢中でいたい、そしてみんながそれぞれの道を進んでふと振り向いたときに、ちゃんとがんばれている自分でいたいという思いを込めています。
11. 1999
タイトルは1999年のノストラダムスの大予言から。地球最後の日が来ることをみんなが心の底から信じるなら、嫌いな人のことを考えて過ごすよりも、好きな人や自分がしたいことのために時間を費やすんだろうなと。滅亡というと悲しい感じがするけれど、ポジティブにそういう時間の使い方ができればいいなということを思って書いた曲です。
この曲を書いている途中にアルバムタイトルも『1999』にしようと決めました。今の時代だから生まれたこの曲の世界観と、私が1998年生まれなのですが、ファーストアルバム「odds and ends」が出てから1年経ったので、ミュージシャンとして1歳年を重ねたという2つの意味を込めています。
にしなのファッション事情をチェック
― にしなさんはMVやライブなどもファッショナブルな印象ですが、いままでで一番気に入っている衣装は?
一番というのは難しいですが、以前QUIの撮影で着用させていただいた黒のトップスとオレンジのスカートは普段着ないタイプの服装だったので、ひとつ違う扉が開けたように感じました。
MVだと『夜になって』。私に合わせてオールインワンを作ってくださって。赤のサテンっぽい生地で、ツナギだけれど上品。撮影後にいただいて、思い出に残っています。
― プライベートではどのような服装を?
ジャージみたいな日もありますし、ワンピースを着る日も、キレイめな日もあります。背が低いのもあるかもしれないですが、下にボリュームが出るシルエットが好きで、靴を重めにすることも多いです。あと最近はアーティストのフォトTも好きですね。
― よく着るブランドはありますか?
古着屋さんにも行きますし、歩いていていいなと思ったものを買うことが多いです。FILL THE BILL(フィルザビル)というブランドは、スタイリストさんにおすすめしてもらって好きになりました。
― 最近買ったファッションアイテムをいくつか教えてください。
猫耳がついた帽子
ブランド品とかではなく500円ぐらいでしたが、かわいくてお気に入りです。
OUAT(オーユーエーティー)のカーディガン
通年で着られそうな生地感。糸が長く垂れていて、邪魔だったら切りながら楽しんでねというユニークなデザインです。
JINS(ジンズ)のメガネ
最近買い足したメガネが2本。ひとつは薄めのカラーレンズにしてみました。普段ジャージを着ることが多いので、これでちょっとはおしゃれになるかなって。
― おしゃれの師匠はいますか?
スタイリストの石谷衣さんには、デビューしたばかりのころから仲良くしてもらっています。プライベートでもご飯に行ったり、展示会に一緒に行ったり。あと、最近はピンタレストをよく見ています。
― にしなさんにとってのスタイルアイコンは?
Maison Margiela(メゾン マルジェラ)が似合う女性はかっこいいなって。棘がありながらも日常的というか。いつか自分もそうなれたらという憧れがありますね。タレントだと渡辺直美さんがめっちゃ好きです!
Profile _ にしな
新時代、天性の歌声と共に現れた新星、「にしな」。やさしくも儚く、中毒性のある声。どこか懐かしく、微睡む様に心地よいメロディーライン。無邪気にはしゃぎながら、繊細に紡がれる言葉のセンス。穏やかでありながら、内に潜んだ狂気を感じさせる彼女の音楽は、聴く人々を徹底的に魅了する。Spotifyがその年に注目する次世代アーティスト応援プログラム「RADAR:Early Noise」に選出。ゆっくりとマイペースにリスナーを虜にしてきた彼女の声と音楽が、静かに、そして、より積極的に世の中へと出会いを求めに動き出す。「儚さと狂気」を内包する才能が、ここに現る。
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Information
にしな 2ndアルバム『1999』
2022年7月27日(水)リリース
01. アイニコイ
02. FRIDAY KIDS CHINA TOWN
03. debbie
04. 東京マーブル
05. U+
06. 夜になって
07. ワンルーム
08. モモ
09. スローモーション
10. 青藍遊泳
11. 1999
- Text&Edit : Yusuke Takayama(QUI / STUDIO UNI)