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ひとり時間を彩る名盤たち | ディスクユニオンスタッフが教える、かけがえのない音楽 # 23

Sep 28, 2025
首都圏を中心にしながら、名古屋、大阪まで、音楽CD・レコード店を展開し、ビギナーからマニアまで多くの音楽ファンの絶大な支持を集める「diskunion(ディスクユニオン)」。ロックやソウル、ジャズ、JPOP、クラシックなど、さまざまなジャンルごとに精通したスタッフが在籍するのもディスクユニオンの大きな魅力になっている。ここではそんなマニアックなスタッフたちが毎月のテーマに沿って、おすすめのアーティストの作品を紹介していく。

連載第23回目となるテーマは、「ひとり時間を彩る名盤たち」

各ジャンルを担当する音楽マニアならではの深い知識と独断と愛情にあふれるリコメンドを楽しんでほしい。ここで見つけたディスクユニオンの“推し”が、あなたにとってかけがえのないライブラリーになることを願いつつ。

ひとり時間を彩る名盤たち | ディスクユニオンスタッフが教える、かけがえのない音楽 # 23

Sep 28, 2025 - MUSIC
首都圏を中心にしながら、名古屋、大阪まで、音楽CD・レコード店を展開し、ビギナーからマニアまで多くの音楽ファンの絶大な支持を集める「diskunion(ディスクユニオン)」。ロックやソウル、ジャズ、JPOP、クラシックなど、さまざまなジャンルごとに精通したスタッフが在籍するのもディスクユニオンの大きな魅力になっている。ここではそんなマニアックなスタッフたちが毎月のテーマに沿って、おすすめのアーティストの作品を紹介していく。

連載第23回目となるテーマは、「ひとり時間を彩る名盤たち」

各ジャンルを担当する音楽マニアならではの深い知識と独断と愛情にあふれるリコメンドを楽しんでほしい。ここで見つけたディスクユニオンの“推し”が、あなたにとってかけがえのないライブラリーになることを願いつつ。

孤独を優しく包んでくれた「A GOOD DAY」

recommend by ディスクユニオン 浦和店 藤原 理希さん
理希と書いてミチキと読みます。日本のロックもPUNKも愛してます。Jリーグ、お笑いも愛してます。

アーティスト名:Priscilla Ahn
アルバム名:A GOOD DAY(2008年/ユニバーサルミュージック)

スタッフのおすすめコメント:

小中高とゴールデンウィークには毎年栃木のじいちゃんばあちゃんの家に行っていた。やることがなく近所の図書館に行ってCDコーナーから何枚か借りて帰った。当時住んでいた山梨のTSUTAYAではで会えなかったものを中心に貪った。このアルバムは正直手に取った記憶がない。むしろ筋肉少女帯を借りた記憶の方がある。しかし家に戻って聴いた時に感動した記憶だけは鮮明にあります。今も1曲目の『Dream』のアルペジオと瑞々しく透き通る声を聴くとあの時の障子と畳の部屋で夜中1人、固まって小さく叫ぶことしかできなかったあのときの空気感に戻される感覚があります。

その後、山梨に戻ってもこの盤が見つからずモヤモヤしてたら、大学のオープンキャンパスの際に訪れた下高井戸のTSUTAYAで中古CD200円で見つけて飛びつきました。その後も何も上手く行かず、結果として滑り止めもどこも受からなかったセンター試験の帰り道に聴いた『Red Cape』と歩道橋と街の光の景色もまた鮮明で。所々でこのアルバムの曲は思い出を作ってくれました。その思い出は常に1人で、自然と自分に向き合う時間をくれています。

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孤独と温もりを往復する70年代の傑作「灯ともし頃 MAKI VII」

recommend by ディスクユニオン物流 稲垣 吉人さん
気になったものは何でも試しに聴いてみる者。フリージャズやアヴァン系、メタルからパンク、ニューウェーブ等。一番好きなミュージシャンは浅川マキ。

アーティスト名:浅川マキ
アルバム名:灯ともし頃 MAKI VII(1976年3月5日/EXPRESS/現・東芝EMI)

スタッフのおすすめコメント:

孤独や静けさに寄り添いながらも、聴く人の内面を温かく満たしたり、新しい気づきを与えてくれるような作品というテーマと聞き、真っ先に浮かんだミュージシャン…そう、浅川マキです。彼女ほど夜に寄り添える空気を持てる方は極めてまれです。

レコーディングに参加したメンバーや影響を受けた方々を調べれば彼女が不世出のミュージシャンズ・ミュージシャンであったことは明々白々。今回紹介するのは1976年に発表した70年代浅川マキの中でも特に人気の高い作品です。

アルバムのイントロダクションを彩る1曲目の「夕凪のとき」から曲名の通り、夜の前の静謐な時間帯を思わせるナンバーで一気に引き込みにかかります。ファン間の中でも特に名曲の誉れ高い「それはスポットライトではない」、「夜」、個人的なハイライトナンバーは7曲目の「センチメンタル・ジャーニー」。どこまでも、沁みます...。最後のナンバーである「何処へいくの」の朝焼けを思わせる明るさの流れ含めて完璧です。

2025年7月1日より、このアルバムを含む70年代の作品が再版されておりますので、この機会にぜひ浅川マキの世界に入ってみては如何でしょうか?というか入ってほしいです。決して損はさせません。

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詩と音が境界線を揺さぶる「Taba」

recommend by ディスクユニオン下北沢店 谷 雄大さん
稲中を読み返してたら夏が終わりました。

アーティスト名:Satomimagae
アルバム名:Taba(2025年/RVNG Intl.)

スタッフのおすすめコメント:

先日、下北沢LIVE HAUSにて彼女のライブを拝見。本作の楽曲『Dottsu』にも参加されているAKHIRA SANOのライブドローイングVJセットが彼女の世界とシンクロし、夢幻のような空間と化した会場。魂に直接流れてくるような詩と音は自分自身とこの世界の境界線を曖昧に、時に鮮明に紡いでくれます。ゆっくりしたい休日にはこのレコードを。自分自身と向き合う素晴らしい時間を与えてくれます。

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過ぎ去る日々を見つめるための一曲「Time Waits For No One」

recommend by ディスクユニオン 新宿ジャズ館 沖 昌宣さん
遠浅の海のように広く浅く深く潜らず全ジャンルの音楽を愛しています。レスポール弾き。趣味はボクシング。

アーティスト名:THE ROLLING STONES
アルバム名:Time Waits For No One(1974年/ROLLING STONES RECORDS)

スタッフのおすすめコメント:

「夏は逝ってしまった、時は誰も待ってはくれない」
夏の余韻と秋の始まりを感じる季節の中で、一人過ごす時間を豊かにしてくれる音楽をテーマに私がお届けしたい曲は、The Rolling Stones1974年のアルバム「It's Only Rock'n'Roll」から「Time Waits For No One」という曲です。

ローリング・ストーンズにとって70年代という時代は、その暴力的、悪魔的なイメージから、スキャンダルやトラブルが絶えなかった時代。実際この時期、多くの厄介ごとに巻き込まれていたローリング・ストーンズであったが、そんな渦中にありながらも、こんなに繊細で美しい名曲を残していたという事実はやはり、彼らが一流のロックンロールバンドであることを物語っている。まず、オープニングを飾るフェイザーの効いたイントロのメランコリックさが、この曲のイメージを決定づける。私はローリング・ストーンズほど、イントロですべての世界観を物語ってしまうような、そんな曲を多く作ったロックバンドは他にいないと信じている。

そしてこの曲の中で、ミック・ジャガーはこう歌う。“そうさ、喜びの中で星は交差し小川は流れていく。俺たちは満たされた時間を過ごしながらそれらを眺めている。時は誰も待ってくれない。俺のことも待ってくれない。”過ぎ去っていった日々、その輝かしい日々のことを歌った曲は世の中に無数に存在するであろう。あらゆる名声と莫大な富を得たミック・ジャガーのような男でさえ、やはり過ぎていく時間というものは、ひたすらそれを眺めるだけでどうすることもできないのだ。そんなどうすることもできない感情というものを、この世界最高のシンガーはあっさりとクールに唄い切っている。私がこの季節にこの曲を、一人時間に聴いてほしいと思うのはそういう理由からである。

今年の夏も暑かった。その暑い夏を我々は「暑い暑い」と嘆きながらも十分に謳歌し楽しんだのである。ようやく秋の気配を感じられる季節になった今あえて、そんな今年の夏の楽しかった思い出を振り返りながら聴いてほしい1曲である。過ぎ去った日々を振り返るという事は同時に、これからやってくる未来に眼を向けるという事と同義語なのだから。そして最後にこの曲は、当時のリードギタリストであったミック・テイラーのレスポールから奏でられる、艶やかで伸びやかなギターソロでエンディングを迎える。数あるローリング・ストーンズの曲の名演奏の中で1,2位を争うギターソロなのではないだろうかと私は思う。

さらに皮肉なことにこのアルバムのこの曲を最後に、このミック・テイラーという若き天才ブルースギタリストはローリング・ストーンズを去り、全く正反対と言ってもいいほどの「ロニー・ウッド」という斬新な感覚を持った素晴らしいギタリストを新たに迎え、70年代という闇の時代を抜けて80年代以降、世界最高のロックンロールバンドとして文字通りゴロゴロと転がって行くのだ。それこそがまさに「Time Waits For No One」そんなローリング・ストーンズというモンスターバンドの、ある時代を切り取った名曲。この季節にぜひお勧めしたい。

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懐かしさと寂寥感のはざまで揺れる音「An Empty Bliss Beyond This World」

recommend by ディスクユニオン 商品部ハウス/テクノ担当 北島宜晃さん
入りたての新人です。雑食的に何でも聴くのでジャンルへのこだわりはないけど何だかんだで90年代テクノは最高だと思ってる。

アーティスト名:Caretaker
アルバム名:An Empty Bliss Beyond This World(2011/HISTORY ALWAYS FAVOURS THE WINNERS)

スタッフのおすすめコメント:

こんなのオススメしていいのか我ながら懐疑的な気持ちになるが、個人的にこの作品、聴いてて妙に和むのです(変ですかね?)。

といっても、アンビエント・ハウスの名盤と言われるKLFの「Chill Out」やJimmy Cautyの「Space」のようにステレオタイプなサウンドスケープではなく、もっと人間個人の内面にフォーカスした世界観を描いています。内容は全編ビートレスで1920~1930年頃のSP盤/78rpmの音源(ダンスホール・ビッグバンド等)をサンプリングし、ループ加工、ヒスノイズ、過剰なリバーブなど空間系エフェクト処理を施したアルバムです。見方によっては退屈な懐古趣味に走ったドローン・アンビエント・ミュージックと言えなくもないが、その有無を言わさぬ徹底ぶりに聴いてるこちらの脳内もトリップしてきて心地よくなってくるから不思議だ。

作者のリーランド・カービーは認知症患者の病理プロセスや記憶喪失をモチーフに制作したとのことで、そう言われてみれば、タイトル名は「この世を超えた空虚な幸福」だし、「人生」という時間軸がねじれながら、最後には消滅していく自我の世界を想起させるような生気のないサウンドからは、まるで亡霊のような不気味さ、怖さ、奇妙さも感じられる。それは端的に言って、映画「シャイニング」に登場するボールルームのイメージといえば分かりやすいだろう。ちなみに“Caretaker”には「世話人」や「介護人」という意味の他に「施設管理人」という意味もあり、映画の主人公ジャック・トランスがまさにそれにあたります。すなわちリーランドは「シャイニング」の影響を受けているのは明らかです。

まとめると、これは「甘い郷愁と忘却に満ちた孤独な舞踏会」といった風情の幽霊的ムード音楽なんだと勝手に解釈してます。「懐かしさと安らぎ」と「孤独と寂寥感」の二重性がこのアルバムの魅力ではないでしょうか。
知らんけど。

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黄昏時に心を揺らす「Deux Paradis」

recommend by ディスクユニオン お茶の水駅前店 櫻 流瑠美さん
主にテクノを中心に民族的・神秘的な音楽が好き

アーティスト名:Domenipue Dumont
アルバム名:Deux Paradis(2025年/ ANTINOTE)

スタッフのおすすめコメント:

ドリーミーで浮遊感あふれるサウンド。ただ爽やかなだけでなく、不思議なシュルレアリスム的な独特な世界観があります。中でも『vvisages visages』という曲がとても綺麗で落ち着くサウンド。ミニマル寄りのビートなのに重すぎず、体が自然に揺れます。どんな季節にもぴったりな感じですが、私は夕暮れ時にこの曲を聴くととても癒されて好きです。

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サーフ&スケートの感性が響くアルバム「Jam Ka」

recommend by ディスクユニオン 買取センター M. F.さん
査定に係る事務手続き、カスタマーサポートなどをさせていただいております。

アーティスト名:小沼ようすけ
アルバム名:Jam Ka(ソニー・レコーズインターナショナル/2010)

スタッフのおすすめコメント:

ギタリストとして世界中を旅するかのように活動されている小沼ようすけさんの作品をご紹介いたします。

奴隷と共に海を渡ったアフリカの土着音楽がカリブの風土と交わり、フランス植民地時代の17世紀グアダルーペで生まれた打楽器音楽グオッカ(Gwo Ka)。

今作品はマスター・グオッカ・ドラマーたちをフランスから招き、同じくグアドゥループ出身でNYを拠点に活動するジャック・シュワルツバルトをコ・プロデューサーに迎え、ニューヨークにて録音。グアドループの 太鼓“Ka(カ)”と“Jam”セッションするかのような作品が収録されています。

1曲目の“Rain Drops”からそのスムーズさに引き込まれます。滑らかなギターの音がハンドドラム”Ka”の柔らかい感触の音と合わさりとても心地よい雰囲気を醸し出しており、激しい音がない分各楽器の音が際立っています。他参加ミュージシャンの楽器もサックス、フルート、ピアノ、ハーモニカ等、エレクトリックギター/ベースやフェンダーローズ等の電子ピアノやプログラミングを用いている部分もありますがそれを感じさせないアコースティックな響きに満ちた作品です。

また、本作品のジャケット写真に使われている水の張られていないプールの写真は現在写真家として活動されている平野太呂氏の作品が使用されています。スケートボードのカルチャーに造詣が深く、写真集の『POOL』ではカリフォルニアの住宅の裏庭にある空になったプールのある風景をモチーフとしています。

豪邸にあるプールは曲線を多用した丸い設計のものが多く、サーフィンの延長として生まれたスケートボードを手にしたかつてのスケーターは水の抜かれたプールを探し忍び込んでは滑らかなプールの壁面/底面部分を波に見立てて滑っていたという歴史があります。サーフィンも嗜まれる小沼ようすけさんとも非常に相性が良く、この秀逸なジャケットデザインは私が今作品を手に取ったきっかけでもあります。

グアドゥループ島で浜辺を散策しているとストリートミュージシャンが集まりセッションをしている。立ち止まって聴き入るうち、夕暮に染まった海からは心地よいそよ風が吹き、潮騒とともに通り過ぎてゆく・・・。新品の取り扱いはすでに終了していますが、弊社では中古品にて取り扱っております。ぜひ弊社オンラインストアもしくは店頭にてお買い求めください。

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ジャズとレゲエをつないだマーナ・ハーグの歌声「Melody Life」

recommend by ディスクユニオン 買取センター M. F.さん
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アーティスト名:Myrna Hague
アルバム名:Melody Life(Studio One/1979)

スタッフのおすすめコメント:

マーナ・ハーグさんは一度ジャマイカを離れ、イギリスで育った後、故郷ジャマイカに戻りました。彼女はシンガーとしての活路を見いだす為に故クレメント“サー・コクソン”ドッド氏の運営するスタジオ・ワンの門を叩きます。コクソン・ドッド氏から「おいで、何ができるかやってみよう」とのサポートを取り付け、現在ではレジェンドと呼ばれるキーボード奏者のジャッキー・ミットゥー氏に音楽監督としての助力を得て録音されたのが本作です。

ジャマイカで最も歴史ある新聞社のひとつであるJamaica Gleaner紙の取材に彼女は「ミットゥーはジャズマンだったので、私の音楽的背景を理解してくれました。彼は私にとって、私のジャズ志向とドッドが目指すレゲエをつなぐ架け橋のような存在でした」、「優秀なミュージシャンに恵まれたんです」、「当時も今も同じように仕事をしています。事前に準備をするんです。スタジオに入る時には、もう準備ができているんです。最初にやるのはバランスを取るためです。2回目で完成です。3回目はもっと良いものができるかどうか試すかもしれません」と答えており、彼の地特有の環境で自己の才能を最大限に発揮しようとしていた姿勢が見てとれます。

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バブル前夜、夜遊び人たちのための一枚「Cool Music」

recommend by ディスクユニオン 買取センター M. F.さん
査定に係る事務手続き、カスタマーサポートなどをさせていただいております。

アーティスト名:Water Melon Group
アルバム名:Cool Music(Alfa/1984)

スタッフのおすすめコメント:

この作品が発表された1984年、ロサンゼルスオリンピックが開催され、グリコ・森永事件が起き、アニメ『風の谷のナウシカ』が公開されました。日経平均株価が初めて10,000円の大台を突破し、数年後に訪れるバブル経済の絶頂に向けて右肩上がりの好景気を続けているなか発表された事になります。

夜遊びに明け暮れる、眠らぬ紳士淑女に向けられて作成された本作は巨匠レス・バクスター、マーチン・デニーの作品として有名な“Quiet Village”等のエキゾチック・ミュージック、映画音楽から“On A Clear Day”等のスタンダード・ナンバーが数多くカバーされるなどモチーフはオールドファッションながらもその音像は帯に謳われている通りモダンな響きを持っており、過剰な程の経済成長のさなかにごく限られた人々へ向けて作られたからこその遊び心を感じます。

本作は製造枚数が少なかったのか当時発売されたLP盤は現在高額で取引されていますが後年再発されたCDは探せば手頃な値段でご購入いただけます。1995年、2005年にそれぞれCDで再発されており、2005年の再発版CDにはボーナストラックとして同グループの別タイトルに収録されている“Fly Me To The Moon”も収録されています(そのせいか中古市場でのお値段も若干高くなっております)。LP盤とは違い歌詞の一部に「ピー」音が入っていますが私はこちらのヴァージョンの「ピー」音が楽曲中の良いアクセントとして機能しているので専らこちらを聴いております。

ぜひ弊社オンラインストアもしくは店頭にてお買い求めください。今すぐ聞きたいお時間に余裕のない方はYou●ube/●pple Musicにて検索いただくか、i●unes store でもご購入いただけます。

それでは最後にプロデューサーである中西敏夫氏の、帯に書かれたコメントを抜粋させていただき今解説の締めとさせていただきとうございます。

シンプルサイコロジー[よーするに気持ちいい]と
テクノロジー[サンプリング・システム]を駆使した、
本当に南太平洋にパラダイっちゃう人も、
行けなくてカフェ・バーでウダっちゃってる人も、
この夏ゼッタイ一枚は持っていたい!
ウラミンゴなしのリッチなクール・ミュージック。
[ただし、このレコードはクーラーのかわりにはなりません。]
プロデューサー 中西敏夫

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フリー・ソウル時代を駆け抜けた名盤「Alive」

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アーティスト名:Love Tambourines
アルバム名:Alive(Crue-L Records/1995)

スタッフのおすすめコメント:

1991年結成。1993年、DJの瀧見憲司氏が主宰するCrue-L Recordsからデビュー。ソウルフルなボーカルと英詞曲で注目され、1994年にシングル『Midnight Parade』がヒット。カヒミ・カリィと並んで「渋谷系の歌姫」と呼ばれた。1995年にアルバム『ALIVE』を発表し、当時のインディーズとしては異例の10万枚以上のセールスを記録したが、バンド内の確執などにより、同年7月のライヴをもって解散した。(以上某wikiサイトより抜粋)

現在もDJとして活動されている瀧見憲司氏のディレクションによるレーベルに在籍している事もあり、本作品に前後して発売されたタイトルは当時のクラブシーンから新進気鋭の日本人プロデューサーにリミックスを依頼したり、クラブプレイを想定しすでに音楽メディアとしては廃れていたEPレコードでシングルで切るなど音楽性は一定のターゲット層を意識した作りが多く、クラブミュージック等を扱う専門誌での露出が多かったように思います。

それは置いておきまして、本作は南国のリゾート感と甘く切ない愛のメッセージで一杯の作品となっております。現在もフィメールシンガーとして活動されているEliさんのボーカルをメインにして、爽やかなソウル・ファンクテイストのバンド演奏が支える作りはジャクソン・ファイブ等一連のソウル・クラシックを連想させます。

ごく最近知った事ですが本作品冒頭のナンバー“Love Alive”が深夜に放送されていた斬新な設定のテレビドラマ「シチリアの龍舌蘭」に主題歌として使用されていたようです。お茶の間に浸透する事はありませんでしたが、それでも当時流行していた「フリー・ソウル(懐かしい)」とも相まって洋楽に興味を持ち始めた若者からの支持を集めました。高校生だった私はクラスメイトの女子生徒と今作品のリリースとグループの今後について話した記憶があります。ボーカルを担当したEliさんには同性を惹きつける普遍的な魅力があるのでしょう(と推察されます)。

今作品から約10年後に発売された“Love Parade”には本作品と同時期に制作されたと思われる未発表曲やヴァージョン違い等が収録されており、こちらにも“Spend The Day Without You”、“Never Can Say Goodbye”というキラー・チューンが入っております。DJをされる方には“Midnight Parade”のRemix盤をオススメします。DMR岡本浩/クボタタケシ両氏のRemixの他、“DJ Ben The Ace Madness Mix”にはYou The Rock氏が参加されており、ATCQ/Midnight Marauders収録の“We Can Get Down”と同ネタを使ったトラックの上でSlick Rick“La Di Da Di”をオマージュしたキャリア初期のラップを聴く事ができます。

大切な人を想いつつ、夏の終わりを今作品と楽しんでいただければ幸いです。それでは素敵な一日をお過ごしください。

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「DIVE INTO MUSIC.」に込められた想い

世界中どこにいても同じ音楽を楽しむことができる今の時代に、ディスクユニオンは違和感を感じています。なぜなら、本来音楽というものは、ひとりひとりが自らの手で触れて、自らの脚で探して出会うべきものだからです。だからこそ私たちディスクユニオンは、見たことのない曲、聴いたことのない世界を求め、音楽の海へ飛び込んでいきます。そしてこの想いを「DIVE INTO MUSIC.」というスローガンに込め、お客様と共有して参ります。

diskunionHP:https://diskunion.net/
公式youtube:https://www.youtube.com/@diskunion_official
instagram:https://www.instagram.com/diskunion/

前回の記事はこちらから
「Ready Steady Go ! 2025 FUJI ROCK」をテーマにおすすめアーティストをご紹介

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Ready Steady Go ! 2025 FUJI ROCK | ディスクユニオンスタッフが教える、かけがえのない音楽 # 22
Jul 18, 2025

  • Edit : Yusuke Soejima(QUI)

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