本だけではない出逢いと刺激を|「透明書店」の長期ポップアップが阪急メンズ東京でスタート
在庫を持ち、紙に囲まれる…IT企業とは真逆の書店経営
透明書店はだだの本屋ではない。会計ソフトなどを展開するIT企業「freee」が2023年にグループ会社として立ち上げた。自らスモールビジネスを実践することでその実情を理解しながら、スモールビジネスを応援することを目的としてスタート。そこで得られた知見や失敗談、日々の売り上げなどを“明け透け”に公開することから「透明書店」と名付けられている。
スモールビジネスといっても多種多様なジャンルがあるなかで、なぜ本屋を選択したのだろうか。
「freeeの事業とは真逆のことにチャレンジしようという試みでした。我々はIT企業なので、在庫を持たないビジネスですし、提供しているクラウド型のソフトもペーパーレスにつながるもの。対して本屋は少量多品種の在庫を持つ必要がありますし、なにより紙にあふれていますよね(笑)。そういったまったく異なる環境に身を置きながら、スモールビジネスの実践には日々どのような苦労があるのかを理解し、freeeのサービスに改善点がないかを検証する。その繰り返しが、現在さまざまな製品のアップデートにも繋がり、スモールビジネスの業務理解にも活かされています」

阪急メンズ東京7Fから発信する、カルチャーの「リバイバル」
蔵前に実店舗を構えて3年。AI機能が搭載された「くらげ副店長」による選書サービスなども話題となり、各地のブックイベントにも出店。しかし、6カ月にもおよぶ長期のポップアップは今回が初めての経験だという。
「今回出店させていただく阪急メンズ東京の7階は、『ヴィンテージ&リバイバル』というテーマのフロア。近年『テキストヒップ』という言葉も生まれているように、本を読むことがかっこいいというムードが再び広がっていると感じます。まさにリバイバルですよね。透明書店の隣にはレコード屋さんがありますし、ファッションだけでなくカルチャーの発信地になっているところにも親和性を感じています」
日本のものづくりや文化に触れる、新たな本屋体験
今回のポップアップショップには、本だけでなく、日本各地のさまざまな企業が携わる日用品、食品などのセレクトアイテムが並んでいる。蔵前の店舗とは異なるこれらの品揃え。どのような意図が込められているのだろう。
「いまはもはや、特定の本を買うならネットの方が便利な時代。その時代に本屋に行く価値はなんだろうと考えると、やはり新しい出逢いや刺激をもらえることだと思うんです。幸いfreeeには、小規模ながらユニークな商品を開発している企業や、高い技術で日本のものづくりを支えているメーカーなど、魅力的なスモールビジネスのユーザーさんがたくさんいらっしゃいます。そういったみなさんのものづくりに触れられる場所にできたらという思いがありました」
その言葉通り、店内に並ぶ商品には、アルマイトや鉄加工、塗装技術、伝統工芸の西陣織など、普段身近に感じることの少ない日本の技術や文化に触れられるものも多数。それぞれの商品に合わせてセレクトされた書籍とともに販売されている。
店内に並ぶ商品を手に取りながら、さまざまな企業の活動について知り、さらに商品にまつわる独自の選書を楽しむ…。そんな新たな本屋体験を提供するのが、透明書店のポップアップストア。最後に、このポップアップを通して実現したいこと、さらには透明書店の展望について聞いた。
「繰り返しになりますが、まずはお客さまにとって出逢いの場になること。さらには、企業同士のコラボレーションが生まれるような、新しいコミュニティづくりのきかっけになれたらうれしいですね。今回のポップアップではさまざまな商品に合わせて選書を行っていますが、あらためて感じたことは、本には無限のジャンルがあるということ。だからこそ、もっといろんな空間に本を共存させるような活動をしていきたいです。書店は斜陽産業などと言われますが、本そのものが持つ価値が失われたわけではありません。これからもさまざまなアイデアでその魅力を伝え続けていきたいです」

TOMEI BOOKSTORE by freee<透明書店 by freee>
期間:2026年10月14日(水)〜2027年4月中旬
場所:阪急メンズ東京 7Fヴィンテージ&リバイバル
住所:〒100-8488 東京都千代田区有楽町2丁目4-1
ウェブサイト:https://global.hankyu-hanshin-dept.co.jp/ja/store/menstokyo/
Instagram:@hankyu_mens_tokyo
透明書店
「スモールビジネスにちょっとした刺激をもたらす、明け透けな本屋。」をコンセプトに統合型経営プラットフォームを提供するfreee株式会社のグループ会社として、2023年4月オープン。蔵前店は有人・無人ハイブリットで24時間営業。
ウェブサイト:https://tomei-boookstore.square.site/
Instagram:@tomei_1111
X:@tomei_1111
- Text : Midori Sekikawa(BUNTOAN)
- Edit / Photograph : Seiko Inomata(QUI)




