Is it love? — starring Honami Sato
うまくいかない、愛なのに。
女優・さとうほなみと考えた、そんなこと。
blazer ¥48,400 / MURRAL (03-3463-5663)、dress ¥66,000 / YOHEI OHNO (03-5760-6039)、camisole ¥27,500 / muller of yoshiokubo (03-3794-4037)、necklace ¥37,400・earrings ¥17,600・duo ring ¥25,300・fate ring ¥18,700 / TEN. (092-409-0373)
Interview with Honami Sato
さとうほなみインタビュー
— 映画『愛なのに』、めちゃくちゃ面白くて愛すべき作品でした。さとうさんはご覧になっていかがでしたか?
すごく厄介で、可愛くて、きゅんとする話なんですけど、私の役は最低だなと思いました。
— さとうさんが演じた⼀花(いっか)のことですね。
で、一花が一番ひどいって思ったんですけど、やっぱり全員ダメで。
— ですよね(笑)。
全員ダメなところがあって、人間臭くて。でもそれが今泉(⼒哉)監督や城定(秀夫)監督の手に掛かると、こんなにも可愛さに繋がるんだなぁって、すごく不思議な感覚でした。
— 登場人物それぞれが抱える多様な愛の形を否定することなく描いていました。
本当にみんな真っ直ぐですよね。不安になるぐらい。だから面白いなって。
— 中でもこのキャラクターはいいなっていうのは?
(河合優実さん演じる岬と丈太郎さん演じる正雄の)学生2人はすごいと思いましたね。
— あぁ、いいですよね。
映画のキャッチコピーの「真っ直ぐで厄介で」って、2人の関係に全部入ってる。
— 今泉さんの脚本の段階ですでに面白かったですか?
そうですね。でも言ってることとかやってることが最悪なことだったりするので、どういう感じになるんだろうなと。で、本読みをさせていただいた時に笑いが絶えないというか、もう最低すぎて笑っちゃうみたいな(笑)。どのセリフの中にもキャラクターの中にも、ちゃんとポップさが入ってるんですよね。
— 本作のテーマのひとつに「結婚とは」ということがあるのかなと思ったんですけど……結婚ってなんですかね? 劇中では「変な儀式」ってセリフがありましたけど。なんのためにあるの?って。
籍を入れなくてもいい、みたいな方たちも増えてますもんね。その考えも理解できますけど、そもそも結婚なんてそんなに深く考えなくていいのになって。
— 一花は結婚式の準備でかなりイライラしていましたが。
一花もそうでしたけど、知り合いに聞いたところ、結婚式の準備って絶対もめるんですって。だから、一花が抱えてた想いって、結婚式をやろうとしている人、もしくはやった人ならすごく共感してもらえるところなんじゃないでしょうか。
— そしてその準備中に、婚約者の亮介(中島歩)による裏切り行為が。あれって許せます?
許せないですよね。でも私が1番びっくりしたのが、亮介の嘘。つらつらつら…すっごいなと思って。ああいうもんですか? 息をするように嘘ついて。
— 「やってないよ」じゃなくて、嘘と本当を入れ混ぜた……
そう、ちょっとリアリティのある。
— 上手に嘘をつくには、すべてを嘘で固めないことが大事らしいですね。
そうなんだ。それはちょっと勉強になりますね。
— でも許せないですよね、なかなか。最終的に一花がとった行動は、ご自身の中で理解できましたか?
亮介にどういう感情が芽生えたのかわかりたいっていう気持ちは共感できなくもないですけど、本当に行動に移しちゃうっていうのは理解できないです。でも、これと決めたらそこしか見えなくなるっていうのが良くも悪くも一花だなっていう理解の仕方はしました。
— そういう一花を演じる上で、大切にしたことは?
まさにいまの話で、周りが見えなくなるような真っ直ぐさは大事にしてました。
— さとうさん自身がシンパシーを感じるところもありますか?
私も構猪突猛進なタイプではあるので、周り見えなくなるところはちょっとかぶってるかなぁって。
— 一花を演じることは難しくなかったですか?
難しいとは思わなかったですね。城定監督が空気を作ってくれたり、瀬戸さんがすごくフランクに接してくださったり、現場は本当に和やかだったので。きついということは全然なかったです。
— 今回R-15っていうことでちょっと大胆なシーンもあるんですけど。
濡れ場のシーンは男性とは初めてでした。
— 抵抗はなかったですか?
まったくないですね。作品に必要なことであれば全然やらせていただきます。
— 城定監督とはどういうお話を?
オーディションの段階で、おとなしめな女性で考えて欲しいとは言われていて。でも本読みの時点で全然そうならなくて、もう「好きにやっちゃって」「じゃあ、好きにやっちゃいます」みたいな。
— ノリが良いというか(笑)。現場は楽しい雰囲気だったみたいですね。
本当に。濡れ場も監督と助監督が絡み合って見せてくれたりするような。
— こうするんだ…って?
そう。もう大爆笑でしたね、良い絡みを見せていただきました(笑)。
— 映画を観ていてもその楽しそうな雰囲気は全体を通して感じました。深刻になりそうなシーンでも重くならないというか。
そうですよね。最低なことをポップに映せているなぁって。
— さとうさんは普段「ゲスの極み乙女。」のドラマー「ほな・いこか」として音楽活動もされていますが、音楽とお芝居で相乗効果を感じることってありますか?
うーん、「二足の草鞋だよね」みたいなことを言っていただく機会は多いんですけど、自分の中ではそんなに違う感覚じゃないので。もちろんやってること自体は違うんですけど、自分の心持ちとしては変らないかなって思います。
— では、最後にこれから作品をご覧になる方にメッセージをお願いします。
(映画のキャッチコピーの)「真っ直ぐで厄介で、否定できないこの想い。」ってもうこれに全部入ってるんですけど。本当にみんな真っ直ぐで、ただ、していることは最低で。でも「あぁ、今泉監督、城定監督っぽい」みたいなところが垣間見えるかわいい映画になっているので、ぜひ楽しんでいただければなぁという感じです。
— デートでも行けますかね?
デート…行けますかね?
— 行けそうですけどね。観た後の感じが爽やかだし。
デート行けるかもしれない。付き合いそう…みたいな人に観てほしいかも。
Profile _ さとうほなみ
1989年8月22日生まれ。東京都出身。2017年より「さとうほなみ」名義で本格的に女優業を開始。近年の出演作に【ドラマ】『まんぷく』(19・NHK)、『30までにとうるさくて』(22・Abema)【舞台】『カノン』(21)『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』(22)【映画】『窮鼠はチーズの夢を見る』(20・行定勲)、NETFLIX『彼女』(21・廣木隆一)など、今後も多数の劇場公開作が控える。ゲスの極み乙女。のドラマー、ほな・いこかとしても活動。
Instagram Twitter
Information
さとうほなみさん出演映画
L/R15 『愛なのに』
2022年2月25日(金)より、新宿武蔵野館ほか全国順次公開
- Photography : Hana Yoshino(guilloche management)
- Styling : Yudai Ichinosawa (TEN10)
- Hair&Make-up : Makiko Nonaka
- Art Direction : Kazuaki Hayashi(QUI / STUDIO UNI)
- Text&Edit : Yusuke Takayama(QUI / STUDIO UNI)