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パリ・ファッションウィーク 2027年春夏メンズコレクションガイド — 夏を多角的に捉える視点 vol.1

Jul 24, 2026
2026年6月23日(火)〜6月28日(日)、パリ・ファッションウィーク 2027年春夏メンズコレクションが開催された。今シーズンは、都市の暑さや海辺のライフスタイル、旅先での装いを起点に、軽やかな素材や機能性、身体との距離を見直すシルエットなど、夏という環境を多角的に捉える提案が数多く見られた。会期中のパリは40℃を超える暑さに見舞われ、その環境のなかでランウェイに並んだ衣服は、今季のキーワードをより鮮明に映し出していた。世界的ブランドから気鋭のデザイナーまで、注目のショーをvol.1からvol.3にわたってご紹介。

パリ・ファッションウィーク 2027年春夏メンズコレクションガイド — 夏を多角的に捉える視点 vol.1

Jul 24, 2026 - FASHION
2026年6月23日(火)〜6月28日(日)、パリ・ファッションウィーク 2027年春夏メンズコレクションが開催された。今シーズンは、都市の暑さや海辺のライフスタイル、旅先での装いを起点に、軽やかな素材や機能性、身体との距離を見直すシルエットなど、夏という環境を多角的に捉える提案が数多く見られた。会期中のパリは40℃を超える暑さに見舞われ、その環境のなかでランウェイに並んだ衣服は、今季のキーワードをより鮮明に映し出していた。世界的ブランドから気鋭のデザイナーまで、注目のショーをvol.1からvol.3にわたってご紹介。

※コレクション発表順

KIDILL/キディル

<KIDILL>が、2027年春夏コレクション「CHAOTIC DISCORD」を発表した。デザイナーの末安弘明は、直截なカルチャーの記号やグラフィカルな総柄、思想を共振させてきたコラボレーションを意図的に手放し、複数のダーツによって歪みとうねりを生むパターンワークと、服地そのものへの特殊加工を探求した。約300個の安全ピンでカットアウトを縫合してクラック塗装を重ねたデニムやスウェット、原寸を大きく逸脱したタータンチェックのパッチワーク、シリコンラバーで被膜した紙を貼り付けたシャツやTシャツが並んだ。唯一行った<Juicy Couture(ジューシークチュール)>との協業では、スパンコールやラインストーン、羽根のモチーフを配した巨大なパーカーが登場した。着用や経年によって塗膜や紙の層が剥がれ、内側に潜むバッヂやシルクスクリーンが現れる構造を取り入れながら、「正当性や真正性からの能動的な脱却」という思想のもと、時間のなかで更新され続けるカオスと、服の中に残る謎や秘密を表現した。

KIDILL 2027SS COLLECTION RUNWAY

AURALEE/オーラリー

<AURALEE>が、旅を通して一時的に日常の外側へ身を置く体験を着想源に、2027年春夏コレクションを発表した。旅への期待、自由な時間、余韻を抱えて日常へ戻る瞬間という三つの流れを軸に、ホリデーウェアを再解釈し、馴染みのあるテーラリングに旅先の空気を重ねながら、仕事と休息、日常と新しい発見のあいだを行き来するワードローブを組み立てた。ウールやカシミヤ、杢調の素材に、リネン、シアーウールマドラス、シルク羽二重、サマーツイードを組み合わせ、身体に沿うスリムなテーラリングとリラックスしたフォルム、細長いプロポーションとクロップド丈を対置。ターコイズやオレンジのレザーアクセント、ガーメントケース、フルーツモチーフのビーズチャーム、メタルフレームのサングラスを添えた。偶然の出来事や見知らぬ文化との出会いが人を別人に変えるのではなく、わずかに新しい自分として日常へ戻していくという感覚を、コレクション全体へ織り込んだ。

AURALEE 2027SS COLLECTION RUNWAY

Louis Vuitton/ルイ・ヴィトン

<Louis Vuitton>が、巨大な波のトンネルと砂浜、シルバーのキャンパーを配したパリの会場で、ファレル・ウィリアムスによる2027年春夏メンズ・コレクションを発表した。文化や信条を超えて共有されるサーフィンのライフスタイルに着想を得て、海と海岸を人が普遍的に帰属する場所と捉え、サーファーのドレスコードやウェットスーツの技術、サーフグラフィック、スケートボードコミュニティの要素をメゾンのダンディズムへ接続した。世界を旅する男性に向けた機能的なテーラリングを中心に、海を題材とした装飾やアクセサリーを展開し、立体的なサンゴをビーズで形づくったバッグがコレクションの核となるピースとして登場した。生命や機会、自然とのつながりを担う水をショー全体に通わせ、サーフィンの自由な精神をラグジュアリーと機能性が並走する新たなメンズスタイルへ結びつけた。

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Louis Vuitton 2027年春夏メンズコレクション──サーフィンの自由な精神が導く、新たなダンディズム
Jun 29, 2026

LEMAIRE/ルメール

<LEMAIRE>が、折衷的な事物が息づく世界と、新たな理想主義の感覚を描いた2027年春夏コレクションを発表した。マットと光沢、構築性と流動性、東洋と西洋の影響をウィメンズとメンズの双方で交差させ、メンズではトロピカルなワードローブを、ウィメンズでは1970年代の開放感やロマンティシズムを表現した。酸化した銅を思わせるガーメントダイのコットン、ラッカー加工やシルバーコーティングを施したデニム、ウェットルックのチンツ、シャンタンのテーラリングを用い、浴衣着想のラップシャツや軽量レザーのマンダリンジャケット、タイでシルエットを調節できるスカートを展開した。さらに、フランス人アーティストのクローディーヌ・ウィック(Claudine Wick)による身体、鳥、花、手の絵を透明なメッシュジャージーにプリントし、松かさのイヤリングや草の葉を思わせるジュエリーへと発展させた。意外な着想源を好奇心のままに集め、実用性と装飾性、見せることと隠すことのあいだを行き来しながら、服やバッグに鮮やかな色彩や親密なディテールを潜ませた。

LEMAIRE 2027SS COLLECTION RUNWAY

Ami Paris/アミ パリス

<Ami Paris>が、ジャン・ヌーヴェル設計の旧カルティエ現代美術財団で、パリの日常と自由な生き方を描く2027年春夏コレクションを発表した。アレクサンドル・マテュッシは、メンズテーラリングの原型的な美しさを掘り下げながら、マスキュリンとフェミニン、仕立ての精度とスポーティな軽快さをミックス&マッチし、街を歩き、働き、旅をし、友人と過ごすためのワードローブを組み立てた。部分的に裏地を施す、または完全に省いた柔らかなジャケット、フィットしたラインとオーバーサイズ、ポプリン、シルク、繊細なウール、ナイロンを用いた服が登場。そこにカーゴパンツ、ヴィンテージウォッシュのTシャツ、ストライプやグラフィックを重ね、ナッパレザーの「Boyfriend」バッグ、メタルボールで長さを調節できる「Bingo」バッグ、「Mirage」ランニングシューズ、パリの街灯や新聞をかたどったチャームを合わせた。服を人の動きを縛るものとせず、着る人に心地よさと自信を与える存在として捉え、個人的な記憶を宿す服と、パリを行き交う多様な人々のエネルギーを結びつけた。

Ami Paris 2027SS COLLECTION RUNWAY

RICK OWENS/リック オウエンス

<RICK OWENS>が、パレ・ド・トーキョーで、脅威に向き合う人間の反応を題材とした2027年春夏メンズ・コレクション「STONE」を発表した。武装する、鍛える、背を向ける、石になるという態度を並べ、権威や信頼を示すエポレット、身体を冷却するテクノロジー、緊張と圧縮の均衡によって成り立つテンセグリティ構造を、鋭いテーラリングと膨張したボリュームへ落とし込んだ。<adidas(アディダス)>との高機能ランニングシューズや、内部ファンを備え、アイスベストと組み合わせた場合はClimacool仕様となるジャケットとショーツが登場。ポリコットンや軽量レザー、リサイクルナイロン製ガードル生地のジョギングスーツ、着脱式レザーエポレットを備えたシルクコットンのコート、膨らんだデュシェスのカバン、手作業でラテックスを絞り出したシアータンクトップ、フォームとラテックスによるテンセグリティ・チャップスも並んだ。環境危機への取り組みを高い目標へ向けて積み重ねる姿勢と、骨を圧縮し結合組織を緊張させて成立する人体の構造を重ね、外部の脅威に備えるための訓練、装備、権威の形を衣服の機能と造形に置き換えた。

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Rick Owens 2027年春夏メンズコレクション──脅威を、どう処理するのか。
Jul 16, 2026

Rick Owens 2027SS MENS COLLECTION RUNWAY

IM MEN/アイム メン

<IM MEN>が、パリ5区の文化施設Césureで、竹が生み出す影に着想を得た2027年春夏コレクション「竹翳礼賛 — In Praise of Bamboo Shadows —」を発表した。黒い竹と影が交差する会場を舞台に、竹そのものの形に加え、光や空間との関係から生まれる陰翳、重なり、余白を素材と構造へ移した。竹の影を大胆なグラフィックにしたルック、水墨画の竹林を思わせる濃淡を抜染で描いた布、竹細工のござ目編みを写したジャカード、竹林や竹の節を形づくるプリーツ、筍の皮の重なりを一枚布のドレープに置き換えた服が並んだ。十二単に着想を得た襟元のレイヤーや、ポケットを外した空白から身体と内側の服を覗かせる構成も用いられた。あらゆるものが瞬時に可視化され、意味づけられる時代に、対象だけを捉える視線から、その周囲に残る影、気配、不在へと目を移し、美しさが立ち現れる場所と世界を見る方法を衣服を通して問いかけた。

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IM MEN 2027年春夏メンズコレクション──「竹翳礼讃」が問いかけた、世界の見方
Jul 03, 2026

IM MEN 2027SS COLLECTION RUNWAY

Feng Chen Wang/フェン チェン ワン

<Feng Chen Wang>が、2027年春夏コレクション「Dreaming of Spring」を発表した。中国・魏晋時代の「竹林の七賢」とサンドロ・ボッティチェリの『プリマヴェーラ』を着想源に、東洋と西洋、芸術と文学が交わる夢のような世界を軸とし、古代中国の文人とルネサンスの神々や詩人の姿を一つの物語として描いた。中国の文人を思わせるゆとりのあるローブ調のシルエットや豊かなドレープ、裁ち切りのディテールやほつれた糸、風にほどけるような結び、花柄と墨のような筆致を重ねたテキスタイル、朝靄を思わせるシアー素材、肩から流れる新たなテーラリングが登場。中国の赤をアクセントに取り入れた<Under Armour(アンダー アーマー)>との初のコラボレーションも披露された。身体の動きやクラフト、想像力を通して文化に新たな生命を吹き込み、自由な創造性が国境や文化を越えて響き合う風景を描いた。

Feng Chen Wang 2027SS COLLECTION RUNWAY

 


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パリ・ファッションウィーク 2027年春夏メンズコレクションガイド — 夏を多角的に捉える視点 vol.2
Jul 24, 2026
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パリ・ファッションウィーク 2027年春夏メンズコレクションガイド — 夏を多角的に捉える視点 vol.3
Jul 24, 2026

  • Edit & Text : QUI Editorial Team

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