TAAKKの魅力をプロの視点から読み解く # 3
しかし見た目は魅力を構成するひとつの要素でしかなく、ブランドそのものの美学を語るときには様々な捉え方が存在する。本企画で迫るのはプロならではの角度ある視点。
第3回は<TAAKK(ターク)>にフィーチャー。
本企画を通して、新たなファッションのミカタ(楽しみかた)が広がることを願って。
<TAAKK(ターク)>ってどんなブランド?
ブランドコンセプトは「形に、中身に、素材に、技術に、方法に、体験をなぞり新しい体験を重ねる。終わりのない探索をデザイン」。デザイナーの森川拓野は文化服装学院を卒業後、(株)イッセイミヤケに入社。ISSEY MIYAKE / ISSEY MIYAKE MEN パリコレクションの企画デザインの担当を経て、2012年自身のブランド<TAAKK>を立ち上げる。
【PR】kato kotaroさん
― katoさんにとって<TAAKK>の魅力とはなんでしょうか?
芯の強さです。
― PRするに至った経緯はなんでしょうか?
― PRする上で意識していることを教えてください。
― コレクションで印象に残っているものはどれでしょうか?
2024春夏コレクション
最新シーズン2024春夏パリでのファーストルックです。ショー本番時はルックを観ることよりも来場者の反応や表情を注視していましたが、こちらのルックが登場した瞬間の来場者達はまるで吸い込まれていくようで、会場の空気感が明らかに変化しました。フィナーレの拍手はかなり盛大でした。
TAAKK 2024SS COLLECTION はこちらから
― katoさんの私物の<TAAKK>について教えてください。
初めて購入したということもあり思い入れのあるのが、2021秋冬のセンタープリーツ入りフレアシルエットのジャージパンツです。毎シーズンアップデートを繰り返していて、穿きやすく、どんなコーディネートにも合わせやすいので自分の中での定番アイテムになっています。
【編集記者】後藤 洋平さん
― 後藤さんにとって<TAAKK>の魅力とはなんでしょうか?
素材の研究・開発に飽くなき好奇心をぶつけ、独自のスタイリングを生み出す力です。
― 取材・執筆するに至った経緯はなんでしょうか?
パリのデビュー前からセレクトショップのオーナーさんたちから「面白いブランドがあるよ」と聞いていました。第一印象は「いい服だけど、結構力が入りすぎている。」でした。それが、2022年6月のパリ・メンズでの初の公式ランウェイショーで目にしたのは、独自性のあるグラデーションの生地などを使いながらしっかりとしたテーラリングの技術に目が覚めるようなコレクションでした。なによりも驚いたのは、パリでの初お披露目にもかかわらずパリの有力PR会社から認められたことで、各国の有力バイヤーや著名なジャーナリストも席を埋めていたことです。まさに、「鮮烈デビュー」といってふさわしいものだったと思います。
― 取材する上で意識していることを教えてください。
最も気になるのはシーズンを追うごとに進化していく生地で、森川拓野という人は一つのことを「掘り下げる」のに向いているのだろうと感じます。その一方で同じところばかりを掘っていてはいつかは飽きられることも知っている。だからこそ「同じこと」を深堀りする一方で「違う穴」も掘り始めることができる。取材対象としてものすごく面白いです。「FASHION PRIZE OF TOKYO」といった国内の大きな賞も獲得し、コロナ禍における公的な助成金も活用した。自らの実力と公助を上手に使って世界に羽ばたいた好例であり、後に続く若手デザイナーやブランド運営者の励みにもなるでしょう。
― コレクションで印象に残っているものはどれでしょうか?
2023春夏コレクション
パリでの最初の公式ショー。ジャケットとショートパンツの颯爽としたセットアップが忘れられません。このショーでは、フィナーレの後に招待客が退場する付近にランウェーを終えたモデルたちを集めて素材をじっくり見せる演出もよかったです。
後藤 洋平さん
@yohei510
【ショーディレクター】齋藤 隆城さん
― 齋藤さんにとって<TAAKK>の魅力はなんでしょうか?
角度の違いを感じさせてくれるブランドです。
― ショーディレクションするに至った経緯はなん
<TAAKK>が「TOKYO FASHION AWARD」を受賞したタイミングでご縁をいただき、それ以来、東京、クアラルンプール、ニューヨーク、現在はパリでのショーディレクションを担当しています。
― ショーディレクションをする上で意識していることを教えてください。
強く意識しているのは「服を伝える」ことです。素材やクオリティなど物理的なことを伝えるのはもちろんのこと、その服に乗っかっている想いやエネルギーみたいなものをダイレクトに伝えるにはどうすればいいだろうと、いつも永遠のテーマのように森川さんと二人で話をしています。
― コレクションで印象に残っているものはどれでしょうか?
2021春夏コレクション
パリでのショーが出来なかったシーズンとして、2021春夏が今ではとても良い記憶として残っています。コロナ禍で急遽映像作品を作ることになったのですが、ショーに招待予定だったゲストにBCC;で一斉に同じ映像を送るのは何か違うよねっという話になり、一人ひとりにTo;で送りましょうと映像の冒頭に「Dear 〇〇〇〇…」とゲスト全員の名前をそれぞれオリジナルで入れた250本の映像を作りました。とにかく大変な作業でしたが人を大切にする<TAAKK>の姿勢と想いを表現することができた大好きなコレクションです。なかでも裾をタックインして着られるジャケットはその後の<TAAKK>のスタイルを形成するようなターニングポイントとなったルックで、そのアイテムを初めて見たときのゾクっとした感覚を今でも強烈に覚えています。ルネ・マグリットの《共同発明》という絵画がありますが、それが着想源だと聞いたその夜はどういうわけか寝れなかった記憶があります。
TAAKK 2021SS COLLECTION はこちらから
― 齋藤さんの私物の<TAAKK>について教えてください。
齋藤 隆城さん
@takashiro_saito
【スタイリスト】階戸 かず代さん
― 階戸さんにとって<TAAKK>の魅力はなんでしょうか?
素材と生地です。
― スタイリングするに至った経緯はなんでしょうか?
森川さんとは10年来の友人で、<TAAKK>がウィメンズの展開を始めたことをきっかけにスタイリングを担当しています。
― スタイリングをする上で意識していることを教えてください。
<TAAKK>のスタイリングを簡単に感じたことは一度もありません(笑)。いわゆるスタイリングアイテムというのが存在しないので、スタイリングを組むのに時間がかかります。ここ2シーズンはルック撮影にも参加していますが、
― コレクションで印象に残っているものはどれでしょうか?
2020秋冬コレクション
特にランウェイでモデルの髪に花飾りがついたことをすごく新鮮に
TAAKK 2020AW COLLECTION はこちらから
2024春夏コレクション
2024春夏コレクションも印象に残っていて、華やかでありながら論理的なところが魅力的です。
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― 階戸さんの私物の<TAAKK>について教えてください。
先日、商品化されなかったエンブロイダリージップアップフーディー
階戸 かず代さん
@kazuy0shinat0
【バイヤー】 IDIOMEの藤本康太さん
― 藤本さんにとって<TAAKK>の魅力はなんでしょうか?
ファッションの持つ美しさや力強さに独自の視点から常にアプローチしている姿勢、そこから生み出される多種多様な生地を用いた華やかなクリエイションです。
― バイイングするに至った経緯はなんでしょうか?
お互い独立して初めてのシーズンに東京のショールームで<TAAKK>のサンプルを目にして、即オーダーさせてもらいました。その時から光る物がありましたね。モノに対する視点の角度が違うと言いますか、僕には考えもつかないような洋服を作っていました。以来、展示会の度に驚きと感動をいただいています。
― バイイングする上で意識していることを教えてください。
圧倒的パワーを含んだアイテムが多いので、森川さんがこの洋服を通して伝えたいイメージは何か、それをどれだけ「IDIOME」で噛み砕くことができるか、オーダーの段階でしっかりアナライズするようにしています。毎シーズン<TAAKK>らしい攻めた生地や素敵な色柄が多くラインナップされているので、なるべく幅を持たせたセレクトを心がけています。
弊社の10周年の際には別注でワイドデニムパンツを作って頂きました。シグネイチャーでもある<TAAKK>デニムを極限までブリーチしたホワイトにオリジナルのレザーパッチがついています。より付加価値を感じ、「IDIOME」の顧客に喜んでもらえるようにノベルティでビアグラスまで作成してくださいました。
― コレクションで特に印象に残っているのはどれでしょうか?
2020秋冬コレクション
それまでのシーズンももちろん”らしさ”は内包していましたが、2020秋冬で一気に華開いた感じがしました。とにかくエレガントで感動したのを覚えています。残念ながらショーを見ルコとができなかったのですが、パリ展には伺えたので現場の空気感の残り香のようなものは吸収できたと思っています。お互い身一つでブランド、お店を立ち上げて数年、ファッションの都パリで一緒に呑んだのも良い思い出の一つです。
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2021春夏コレクション
別のシーズンになりますが、2021春夏のフラワーモチーフのジャケットをタックインしたルックは印象に残っています。先述の”ファッションの持つ美しさや力強さに独自の視点から常にアプローチしている姿勢、そこから生み出される多種多様な生地を用いたクリエイション”が、まさに詰まったルックではないでしょうか。このシーズンはショーも拝見させていただきましたが、圧巻でした。
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―藤本さんの私物の<TAAKK>について教えてください。
初めての海外出張でアテンドをしていただいたのがHIDANO氏で、森川さんに紹介いただいたイタリアをベースに活動しているシューズデザイナーです。そんなHIDANO氏とTAAKKのコラボシューズがこちらで、ノーモーションで購入を決めました。スクエアトゥも気に入っていてワイドパンツとの合わせを楽しんでます。
IDIOME
@the_idiome