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いま行くべきアートイベント|2025年2月

Feb 1, 2025
2月開催のアートイベントの中からQUIおすすめのイベントをピックアップ。詳細情報も併せてチェックを。

いま行くべきアートイベント|2025年2月

Feb 1, 2025 - ART/DESIGN
2月開催のアートイベントの中からQUIおすすめのイベントをピックアップ。詳細情報も併せてチェックを。

東京オペラシティ アートギャラリーにて「今津景 タナ・アイル」が開催中

《Memories of the Land/Body》2020 油彩、キャンバス 300×600cm タグチアートコレクション photo: 木奥惠三 courtesy of The Artist and ANOMALY

本展は、近年国内外で注目を浴びる今津の初めての大規模個展である。タイトルにある「タナ・アイル」とは、インドネシア語で「タナ(Tanah)」が「土」、「アイル(Air)」が「水」を指し、二つの言葉を合わせると故郷を意味する言葉である。現在生活するインドネシアと自身のルーツである日本という二つの土地での経験と思考にもとづく今津の作品は、鑑賞者に対しても自らが生きる場所について考える契機となるだろう。

今津景
1980 年山口県生まれ。インドネシアのバンドン在住。2007 年に多摩美術大学大学院美術研究科を修了。2009 年「VOCA2009」佳作賞、2013 年絹谷幸二賞奨励賞を受賞。国内では、「六本木クロッシング2019 展:つないでみる」(森美術館)や、「あいちトリエンナーレ2019」などの展覧会に参加。2020 年フランスの「Prix Jean François Prat」ファイナリストに選出され、2022 年には「ドクメンタ15」に参加。2024 年には、「チャンウォン・ビエンナーレ」(韓国)、バンコク・ビエンナーレ(タイ)に参加するなど、国内外で大きな注目を集め、精力的に活動を行っている。

「今津景 タナ・アイル」
日時:2025 年1 月11 日(土)- 3 月23 日(日)
時間:11:00-19:00(入場は18:30 まで)
休館日:月曜日(祝休日の場合は翌火曜日)、2月9 日(日曜日・全館休館日)
場所:東京オペラシティ アートギャラリー(ギャラリー1, 2)
住所:〒163-1403 東京都新宿区西新宿3丁目20−2
公式サイト

森美術館にて「マシン・ラブ:ビデオゲーム、AIと現代アート」が開催

ビープル《ヒューマン・ワン》2021年 展示風景:「ビープル:ヒューマン・ワン」M+(香港)、 2022-2023年 撮影:ロク・チェン

本展では、ゲームエンジン、AI、仮想現実(VR)、さらには人間の創造性を超え得る生成AIなどのテクノロジーを採用した現代アートを紹介。そこではデジタル空間上のさまざまなデータが素材となった全く新しい美学やイメージメイキング(図像や画像を作ること)の手法、アバターやキャラクターなどジェンダーや人種という現実社会のアイデンティティからの解放、超現実的な風景の可視化、といった特性が見られる。ただ、これら新しい方法を採用しながら、アーティストの表現の根幹では普遍的な死生観や生命、倫理の問題、現代世界が抱える環境問題、歴史解釈、多様性といった課題が掘り下げられている。

「マシン」(※1)とアーティストが協働する作品や没入型の空間体験は、「ラブ(愛情)」、共感、高揚感、恐れ、不安など私たちの感情をおおいに揺さぶる。現実と仮想空間が重なりあう本展は、人類とテクノロジーの関係を考えるプラットフォームとして、不確実な未来をより良く生きる方法をともに想像する機会となるだろう。

※1 ここで言う「マシン」は従来の重工業的な「機械」のイメージではなく、コンピューターおよびハードウェアの総称としての「マシン」を主に意味します。20世紀初頭には機械のスピード感やダイナミズムが象徴する新たな時代を「マシン・エイジ」と呼び、多様な芸術分野で支持されました。本展では21世紀に広く浸透したコンピューターやインターネットに深く関わる新しい「マシン」時代のアートに注目します。なお、「ゲームエンジン」はハードウェアではなく、コンピューター・ゲーム制作に必要な機能をまとめたソフトウェアをさします。

「マシン・ラブ:ビデオゲーム、AIと現代アート」
日時:2025年2月13(木)~ 6月8日(日)
時間:10:00~22:00
※火曜日のみ17:00まで
※ただし2025.4.29(火)、5.6(火)は22:00まで
※最終入館は閉館時間の30分前まで
休館日:会期中無休
場所:森美術館(六本木ヒルズ森タワー53階)
住所:〒106-6150 東京都港区六本木6丁目10−1 六本木ヒルズ森タワー 53階
公式サイト

Yutaka Kikutake Gallery Kyobashiにて「トレヴァー・ヤン、毛利悠子 帰ってきたやまびこ」が開催中

Yutaka Kikutake Gallery Kyobashiにて、香港を拠点に活動するトレヴァー・ヤンと、東京を拠点にする毛利悠子による二人展を開催。それぞれが第60回ヴェネチア・ビエンナーレの日本代表、香港代表としてパヴィリオンの展示を手がけ、東アジアを代表するアーティストとして活動の場を広げるヤンと毛利。コスモポリタン的な感性を同じくするふたりは本展に向け、ヴェネチアと東京での滞在を通し親交を深めた。その間に交わされた会話や目にした情景が、日常における些細な事象を掬い上げる共通のプロセスの起点となり、本展での作品に反映されている。

トレヴァー・ヤン
1988年生まれ。個人的な経験と社会への鋭い観察を織り交ぜ、写真作品から大規模なインスタレーションまで多岐にわたり制作を続けてきました。近年取り組むミクストメディア作品においては、オブジェや植物を美的要素として機能させながら、閉じた環境や社会的規範が私たちの感情や行動に及ぼす作用、あらゆる生き物の間におけるパワーダイナミクスを探求しています。植物や水生生物を人間関係における感情の機微のメタファーとして用いた作品に代表されるように、ユーモアとアイロニーを交えた繊細な表現が特徴です。 2024年には第60回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展に香港代表として選出されたほか、第24回シドニー・ビエンナーレ(オーストラリア)、ラホール・ビエンナーレ2024(パキスタン)にも参加。2023年にはロンドン、ブリュッセル、ペナンで個展を開催し、国際的に注目を集めています。

毛利悠子
1980年生まれ。既製品、ファウンド・オブジェ、自作の装置を組み合わせて、展示環境などの諸条件によって変化していく事象を生成するインスタレーション作品を発表してきました。電子回路によって生み出されるエネルギーが、作品のコンポジションを通じて乱反射することで、日々生起する予測できない諸現象やより大きな世界構造に潜在する複雑性の断片を、視覚や聴覚、またときには触覚を通じて鑑賞者に伝えます。2024年には第60回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展に日本代表として選出されました。2025年は、2月9日まで開催中のアーティゾン美術館での個展「ピュシスについて」のほか、9月からはピレリ・ハンガービコッカ(ミラノ)での個展を控えています。

「トレヴァー・ヤン、毛利悠子 帰ってきたやまびこ」
会期:2025年1月24日(金)- 3月8日(土)
時間:11:00 – 19:00 日・月・祝 定休
会場:Yutaka Kikutake Gallery Kyobashi
住所:〒104-0031 東京都中央区京橋1丁目7−1 TODA BUILDING 3F
公式サイト

ANOMALYにて、原田裕規 個展「夢と影」が開催

原田裕規《光庭》2024年 ©︎Yuki Harada
Yuki Harada Light Court 2024 ©︎Yuki Harada

原⽥裕規は、とるにたらない視覚⽂化をモチーフに、テクノロジーやパフォーマンスを⽤いて、社会や個⼈の本性(ほんせい)に迫る作品を発表してきた。2023年には、TERRADA ART AWARD 2023で1,000組以上のアーティストからファイナリストに選出され、審査員賞(神⾕幸江賞)を受賞。2024年には⽇本ハワイ移⺠資料館に初の現代美術コレクションとして《シャドーイング》が収蔵・常設化されるなど、いま最も注⽬される若⼿作家の⼀⼈である。現在、広島市現代美術館にて原⽥の美術館では初となる⼤規模個展「原⽥裕規:ホーム・ポート」が開催中であり、本展はそれに合わせて開催されることとなった。

原⽥裕規
アーティスト。とるにたらない視覚⽂化をモチーフに、テクノロジーやパフォーマンスを⽤いて、社会や個⼈の本性(ほんせい)を「⾵景」や「⾃画像」のかたちで表現している。2012年に「ラッセン展」と「⼼霊写真展」の企画でデビューし、2013年には編著『ラッセンとは何だったのか?』を上梓するなど、議論喚起型のプロジェクトからその活動を開始。2019 年以降は断続的にハワイに滞在し、ピジン英語に代表されるトランスナショナルな⽂化的モチーフに着⽬。2021年にはCG作品の制作を始め、⻑さが33時間あるCGアニメーション作品の《Waiting for》、⽇系アメリカ⼈の混成⽂化をモチーフにした《シャドーイング》などを発表している。⽂化庁新進芸術家海外研修制度研修員として2017年にニュージャージーに、2021年にハワイに滞在。2023年にTERRADA ART AWARD 2023でファイナリストに選出、神⾕幸江賞を受賞。2024年に⽇本ハワイ移⺠資料館に初の現代美術コレクションとして《シャドーイング》が収蔵・常設化。
公式サイト

トークイベント
日時:2月15日(土)18:00 – 19:30
登壇者:原田裕規、卯城竜太(Chim↑Pom from Smappa!Group)
トークイベント:3月1日(土)18:00 – 19:30
登壇者:原田裕規、西川美穂子
※トークイベントへのお申し込みはArtStickerよりご予約、もしくはANOMALYへ直接お問い合わせください

原田裕規 個展「夢と影」
会期:2025年2⽉1⽇(⼟)‒ 3⽉1⽇(⼟)
時間:12:00 ‒ 18:00 *休廊⽇:⽇ ⽉ 祝
場所:ANOMALY
住所:〒140-0002 東京都品川区東品川1丁目33−10 TERRADA Art Complex I 4F
公式サイト

HENKYOにて国内外4名のアーティストによるグループ展「Each View」を開催

本展では、それぞれの作品は、見る人の視点によって異なる解釈を引き出し、具象と抽象の間に広がる曖昧な領域を探求することができる。写真が描き出すリアリティや絵画が生み出す想像力、それらが交錯することで「見る」という行為そのものに問いを投げかける。

「Each View」
グループ展:川内倫子・濱田祐史・Christian Franzen・Liane Chu
会期:2025年2月1日(土) – 3月1日(土)
開催時間 : 12:00 – 19:00
休廊:日曜、月曜、祝日
入場料:無料
会場:HENKYO
住所:東京都渋谷区神宮前5-9-15-B2F
公式サイト
Instagram:@henkyo.jp
お問い合わせ:info@henkyo.jp

▼ニュース記事

ピーター・サザーランド、9年ぶりの日本展覧会「Sweater Weather」をGALLERY TARGETで開催

GALLERY TARGETでは、この度、ノースフェイス、アディダス、ステューシー、デュラセル、フィルソン、スーリー、ラコステ、パラディウム、シュプリーム、ナイキなどの広告写真を手掛けるピーター・サザーランドの展覧会を開催する。9年ぶりとなる今回の展覧会では、写真を使ったコラージュ作品を中心に近作を披露する。

Peter Sutherland(ピーター・サザーランド)
https://www.instagram.com/petersutherland/
1976年生まれ。
コロラド在住。ドキュメンタリー・フォトグラフィーのテクニックを使い、隠れた笑いや美を撮り続けているフォトグラファーでフィルムメーカー。2001年、ニューヨークのメッセンジャー達を撮ったドキュメンタリー映像「Pedal」を発表。サンダンス映画祭に出品され注目を集める。2003年には「Gator」ことマーク・ゲイター・ロウゴウスキーを中心にした1980年代のスケートボードシーンを追ったドキュメンタリー「Stoked : The Rise and Fallof Gator」で撮影監督を務めた。2004年に初の写真集「Autograf: New York City’sGraffiti Writers」、2006年にDVD/フォトブック「Pedal」(共にPower House Books)を発表。以後、精力的に数多くの写真集を発売する傍、「i-D」「VICE」などのエディトリアル、「POPEYE」の連載、ノースフェイス、アディダス、ステューシー、デュラセル、フィルソン、スーリー、ラコステ、パラディウム、シュプリーム、ナイキなどの広告写真を手掛ける一方で、リチャード・プリンスや自身が興を持つアーティストや題材のドキュメンタリーを撮り続ける。

「Sweater Weather」by Peter Sutherland
会期:2025年1月28日(火)-2月18日(火)
営業時間:12:00 〜 19:00
※月曜・日曜・祭日休廊
会場:GALLERY TARGET
住所:東京都渋谷区神宮前5-9-25
URL:https://www.gallery-target.com/
オープニングレセプション_1月28日(火) 18:00 〜 20:00 ※どなたでも入場可能
B1では宮下卓己による「つぼぼっち展」を同時開催

▼ニュース記事

  • Edit : Seiko Inomata(QUI)

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