QUI

ART/DESIGN

9/17(水)より国立新美術館で開催「ブルガリ カレイドス 色彩・文化・技巧」、ブルガリ史上最大の展覧会

Sep 6, 2025
国立新美術館とブルガリが共催する、日本におけるブルガリ史上最大規模の展覧会「ブルガリ カレイドス 色彩・文化・技巧」が、2025年9月17日(水)から12月15日(月)まで開催される。

9/17(水)より国立新美術館で開催「ブルガリ カレイドス 色彩・文化・技巧」、ブルガリ史上最大の展覧会

Sep 6, 2025 - ART/DESIGN
国立新美術館とブルガリが共催する、日本におけるブルガリ史上最大規模の展覧会「ブルガリ カレイドス 色彩・文化・技巧」が、2025年9月17日(水)から12月15日(月)まで開催される。

本展は、「美しい(カロス)」と「形態(エイドス)」を意味するギリシャ語に由来する「カレイドス(Kaleidos)」というタイトルが象徴するように、色彩という刺激的な言語を通して、ジュエリー、アート、クラフツマンシップが響き合う万華鏡のなかを巡るかのような、豊かな探検へと訪れる者を誘う構成だ。ブルガリ・ヘリテージ・コレクションおよび個人コレクションから厳選された約350点のジュエリーが展示され、その色彩豊かな輝きが、メゾンの歴史と芸術性を物語る。

本展覧会では、ブルガリの色彩の革命を3つの章を通して探求する。展示は、「色彩の科学」「色彩の象徴性」「光のパワー」の3章で構成され、ジュエリーと色彩の関係を科学的・象徴的・感覚的にひもといていく。

第1章:色彩の科学

色彩がジュエリーにもたらす視覚的効果を、科学的な視点から探る章。
本章では、ブルガリがいかにして色を芸術表現へと昇華させてきたかを、厳選されたアイコニックな作品を通じて紹介する。

なかでも注目されるのが、イタリア国外では初公開となる《ブレスレット》。ゴールドとプラチナにダイヤモンドとシトリンをあしらい、宝石が放つ豊かなオレンジ色のスペクトルが、ローマの夕焼けの温かみあるゴールドの色調を想起させる作品だ。

《ブレスレット》 ゴールド、プラチナ、シトリン、ダイヤモンド 1940年頃 ブルガリ・ヘリテージ・コレクション

その横に展示される、プラチナにカボションカットのサファイア、ルビー、ダイヤモンドをあしらった《バングル》は、ブルガリのシグネチャーである赤と青のコントラストを讃えるもの。特徴的なカボションカットによって、宝石の深み、輝き、色の強度が際立ち、印象的な色彩表現が生まれている。

《バングル》 ゴールド、プラチナ、ルビー、サファイア、ダイヤモンド 1954-55年 ブルガリ・ヘリテージ・コレクション

また、リン・レブソン旧蔵の《「ビブ」ネックレス》と《ペンダントイヤリング》も紹介される。ゴールドとプラチナに、エメラルド、アメシスト、ターコイズ、ダイヤモンドを大胆に組み合わせたその構成は、ブルガリの色使いの革新性と、宝石の組み合わせに対する審美眼を体現している。

《「ビブ」ネックレス》 ゴールド、プラチナ、エメラルド、アメシスト、ターコイズ、ダイヤモンド 1968年 リン・レブソン旧蔵 ブルガリ・ヘリテージ・コレクション

《ペンダントイヤリング》 ゴールド、プラチナ、エメラルド、アメシスト、ターコイズ、ダイヤモンド 1968年 リン・レブソン旧蔵 ブルガリ・ヘリテージ・コレクション

第2章:色彩の象徴性

色がもつ文化的・感情的な意味に焦点を当てる本章では、ジュエリーを通じて色の物語を紐解く。
《ネックレス》は、7つの壮麗なエメラルドにちなみ「セブン・ワンダーズ」とも称され、イタリアの著名女優たちに愛された逸品。ジェイドやエメラルドが象徴する精神性や富のイメージを通じて、色と意味の結びつきを浮かび上がらせる。

《ネックレス》 プラチナ、エメラルド、ダイヤモンド 1961年 ブルガリ・ヘリテージ・コレクション

第3章:光のパワー

私たちが色を感知するうえで欠かせない“光”の役割に着目する章。反射素材やカット技法を通じて、光が宝石に与える生命を視覚化する。
《コンバーチブル・ソートワール=ブレスレット》には、アメシストやターコイズなど多彩な色石がちりばめられ、光と色が織りなす変化の美を体現。まさに展覧会タイトルが示す“万華鏡”のような視覚体験がここに集約される。

《コンバーチブル・ソートワール=ブレスレット》 ゴールド、アメシスト、ターコイズ、シトリン、ルビー、エメラルド、ダイヤモンド 1969年頃 ブルガリ・ヘリテージ・コレクション

さらにフィナーレを引き立てるのが、スリートーンカラーのゴールドにシルクコードとダイヤモンドをあしらった優美な《「セルペンティ」イブニングバッグ》。ブルガリの「メローネ」バッグの伝説的な成功を物語るこの貴重なバッグは、当時多くの人々に支持され、高い人気を博した。ホワイト、レッド、そしてイタリア語で「アクア・ディ・マーレ」と呼ばれる希少なブルーグリーンの色調がゴールドに織り交ぜられ、メゾンの卓越した金細工の技術と美意識が見事に融合している。

《「セルペンティ」イブニングバッグ》ホワイト、レッド、「シーウォーター」グリーンゴールド、シルクコード、ダイヤモンド 1978年頃 ブルガリ・ヘリテージ・コレクション

また、展覧会の構成要素として現代アートも取り入れられており、ララ・ファヴァレット、森万里子、中山晃子の3名の女性アーティストが、それぞれ色彩への独自のアプローチを作品に託している。

ララ・ファヴァレットは、サイトスペシフィック・インスタレーション《レベル5》で、回転する洗車ブラシによって色と動きのエネルギーを視覚化。工業的な素材を有機的に転化させ、機械と身体の境界を問う。森万里子の《Onogoro Stone Ⅲ》は、古事記の創世神話に着想を得て、神聖な起源と宇宙の均衡を象徴するような瞑想的空間を構築。中山晃子の《Echo》では、水、音、鉱物顔料が混ざり合いながら形成される流動的なフォルムが空間に投影され、ブルガリのジュエリーと共鳴しながら、儚くも鮮やかな色彩の変容を体験させる。

展示空間のデザインは、日本の建築家ユニット「SANAA」とイタリアのデザインユニット「フォルマファンタズマ」が手がけており、古代ローマのモザイクや東京のイチョウの葉に着想を得た構成が特徴。柔らかく光を透過する素材や曲線的なフォルムが、来場者を感覚の旅へと導く。

色彩、文化、技巧が織り成す、比類なき美の探求。時を超えたブルガリの美意識と、日本との創造的な対話が交差するこの展覧会は、ハイジュエリーとアートの新たな接点を提示するだろう。

【開催情報】
展覧会名:ブルガリ カレイドス 色彩・文化・技巧
会期:2025年9月17日(水)~12月15日(月)
会場:国立新美術館 企画展示室2E(東京都港区六本木7-22-2
開館時間:10:00~18:00(金・土曜日は20:00まで、入場は閉館の30分前まで)
休館日:毎週火曜日(ただし9月23日[火・祝]は開館、9月24日[水]は休館)
観覧料:一般 2,300円、大学生 1,000円、高校生 500円
※中学生以下無料
※障害者手帳をご持参の方(付添の方名を含む)は入場無料
主催:国立新美術館、ブルガリ
後援:在日イタリア大使館
展覧会HP:https://www.bulgari.com/ja-jp/stories/kaleidos-exhibition
美術館HP:https://www.nact.jp
※本展は日時指定制。詳細は展覧会公式ホームページ等で告知予定。

NEW ARRIVALS

Recommend