一丈四方の庵から暮らしを問い直す、21_21 DESIGN SIGHT企画展「方丈記に学ぶ –生きるを編み直す小さな建築–」
鎌倉時代初期の1212年に書かれた『方丈記』は、日本三大随筆のひとつ。災害や疫病、社会不安が相次ぐ時代を背景に、世の無常や自然との共生、京都・日野山に構えた一丈四方(約9㎡)の小さな庵での隠遁生活が綴られている。鴨長明が暮らした庵は現存しないものの、その記述は住まいの本質を問うものとして読み継がれ、文学作品でありながら「真の建築書」とも形容されてきた。
本展では、建築家、デザイナー、美術家、企業などが、一丈四方(約9㎡)というスケールを手がかりに、それぞれの「方丈庵」を構想し、素材や構造、道具を介して現代の暮らしや生き方を問い直す。展覧会ディレクターの塚本由晴は、災害が頻発し、都市型社会の脆弱性があらわになる現在、産業や制度によって編まれた生活を、自分たちでもう一度編み直すきっかけをつかむ試行として本展を位置づけている。

正田智樹+竹中工務店+veigによる庵 スケッチ
ギャラリー1では、正田智樹と大山 亮、増井柚香子(6lines studio)のリサーチをもとにした展示を展開する。『方丈記』に記された要素を手がかりに鴨長明の庵を検証的に再現する空間展示に加え、写本や解説、翻訳本を通して、同書が時代を超えて読み継がれてきた軌跡をたどる。さらに、さまざまな時代や立場の人々が構えてきた「庵」を紹介し、「方丈」という小さな空間に託されてきた思想や哲学に光を当てる。

江頭 慎と、本展展示予定作品(部分) Photo by David MacSweeney, Founder, 9DASHLINE.

大室佑介+川長組「川崎長太郎の物置小屋再建」(2015年) 撮影:若林勇人

小渕祐介+中村 純による庵 模型 撮影:東京大学小渕研究室

須田悦弘「朝顔」(2026年)(本展展示予定作品)

2m26「niwatorigoya」(2022年) 撮影:Yuki Okada
一方、ギャラリー2には、江頭 慎、大室佑介+川長組、小渕祐介+中村 純、2m26、山口 晃の5組がそれぞれ構想した現代の「方丈庵」が並ぶ。実際に内部へ入れるものから、鑑賞を中心とするものまで、異なる形式の「方丈庵」が展開される。ギャラリー1の入口には田部井美奈、サンクンコートには正田智樹+竹中工務店+veigによる庵が現れ、須田悦弘の作品も会場内に配される。
開催情報
21_21 DESIGN SIGHT企画展「方丈記に学ぶ –生きるを編み直す小さな建築–」
会期:2026年8月28日(金)– 2027年1月11日(月・祝)
休館日:火曜日(9月22日、11月3日は開館)、11月21日–23日、年末年始(12月27日–1月3日)
開館時間:10:00–19:00(入場は18:30まで)
六本木アートナイト特別開館時間:10月31日(土)10:00–22:00(入場は21:30まで)
入場料:一般1,700円、大学生800円、高校生500円、中学生以下無料
会場:21_21 DESIGN SIGHTギャラリー1&2
住所:〒107-0052 東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン
主催:21_21 DESIGN SIGHT、公益財団法人 三宅一生デザイン文化財団
後援:文化庁、経済産業省、港区教育委員会
特別協賛:三井不動産株式会社
協賛:株式会社竹中工務店
展覧会ディレクター:塚本由晴
グラフィックデザイン:田部井美奈
会場構成:正田智樹
アーカイブ編集:大山 亮、増井柚香子(6lines studio)
学術協力:杉本欣久
参加作家:江頭 慎、大室佑介+川長組、小渕祐介+中村 純、正田智樹+竹中工務店+veig、須田悦弘、田部井美奈、2m26、山口 晃
問い合わせ:03-3475-2121
ウェブサイト:www.2121designsight.jp
Instagram:@2121designsight