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「メタル」展、金属が響かせる感覚のレイヤーを探る——銀座メゾンエルメス ル・フォーラムで10/30（木）開幕

Oct 30, 2025
銀座メゾンエルメス ル・フォーラムにて「メタル」展が開催される。会期は2025年10月30日（木）から2026年1月31日（土）まで。エルメス財団による書籍『Savoir & Faire 金属』（10/24刊）と呼応し、金属の両義性をテーマに掲げたグループ展だ。参加作家は榎忠、遠藤麻衣子、エロディ・ルスールの3名。音、映像、造形といった異なる感覚領域から、金属という素材が秘める質感と象徴を立ち上げる。（PHOTO：Élodie Lesourd | Walking Through the Land of Falsity(courtesy K.Smolenski) | 2016 ©Élodie Lesourd）
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「メタル」展、金属が響かせる感覚のレイヤーを探る——銀座メゾンエルメス ル・フォーラムで10/30（木）開幕

Oct 30, 2025 - ART/DESIGN
銀座メゾンエルメス ル・フォーラムにて「メタル」展が開催される。会期は2025年10月30日（木）から2026年1月31日（土）まで。エルメス財団による書籍『Savoir & Faire 金属』（10/24刊）と呼応し、金属の両義性をテーマに掲げたグループ展だ。参加作家は榎忠、遠藤麻衣子、エロディ・ルスールの3名。音、映像、造形といった異なる感覚領域から、金属という素材が秘める質感と象徴を立ち上げる。（PHOTO：Élodie Lesourd | Walking Through the Land of Falsity(courtesy K.Smolenski) | 2016 ©Élodie Lesourd）

本展は、自然素材の職人技術を再考・継承・拡張するプログラム「スキル・アカデミー」に連なる企画でもある。書籍『Savoir & Faire 金属』で社会学者・歴史家ユーグ・ジャケが述べる“金属の両義性”——冷たさと温かさ、硬質と流動、技術と詩のはざま——その振幅が、展示空間に多層のかたちで響き合う。

それぞれの作家は、異なる方法で金属に向き合う。
エロディ・ルスールは、メタル音楽に根差す記号や他者のインスタレーションをハイパーリアリズム絵画へと翻訳し、音の残響を絵画空間に宿すことで、視覚と聴覚のあいだに揺らぐ感覚を立ち上げる。

Élodie Lesourd | The Breathe Of The Death Is The Only Sound(courtesy N.Gale) | 2024 ©Élodie Lesourd

Élodie Lesourd |The Half of Half-and-Half(courtesy T.Blass) | 2014 ©Élodie Lesourd

Élodie Lesourd | Synopsie (blackSheart) | 2019 ©Élodie Lesourd

 

遠藤麻衣子は、朱や水銀といった日本古来のモチーフを媒介に、映像の中で内的宇宙と外的象徴を交差させ、感覚の閾（いき）をやわらかく撹乱する。

Maiko Endo | Space | 2025 ©Maiko Endo

Maiko Endo | Jizai | 2024 ©︎3 EYES FILMS, JST ERATO INAMI JIZAI-BODY PROJECT

Maiko Endo | X | 2022 ©︎Maiko Endo / Tokyo Photographic Art Museum

 

榎忠は、鉄球としての地球を想起させるスケール感や、廃材を再生する行為を通じて、工業と生活の境界に刻まれた時間の痕跡を可視化する。

Chu Enoki | RPM-1200 | 2006 - 2020 | Hyogo Prefectural Museum of Art Photo: Ichiro Mishima | Courtesy of ANOMALY ©Chu Enoki

Chu Enoki | Bar Rose Chu | 1979 | Photo: Teizo Yoneda ©Chu Enoki

Chu Enoki | Space Lobster P-81 | 1981 | Photo: Teizo Yoneda ©Chu Enoki

関連企画として、展覧会担当者によるギャラリー・ツアー（10/31［金］、11/14［金］各17:00、約40分）と、11/21以降の毎週金曜17:00のガイド・ツアーを予定。また、参加アーティストのトークやエロディ・ルスールによるパフォーマンスも開催される（詳細は後日WEBサイトにて発表）。

書籍『Savoir & Faire 金属』は、冶金史から建築、工芸、アート、メタル音楽までを横断し、金属をめぐる思考の地層を編む一冊。展覧会とともに読むことで、金属という存在が映し出す“人の手の記憶”がより立体的に浮かび上がる。

金属が放つ冷たさと温かさ、そのあいだに生まれる静かな共鳴を、銀座の空間で感じてほしい。

【プロフィール】
榎忠（Enoki Chu）
1944年兵庫県生まれ。1970年代から鉄や銅などの金属を用いた作品を発表し、工業社会と人間の身体との関係をテーマに制作を続ける。銃や大砲をモチーフにしたシリーズや、鉄球を地球になぞらえたプロジェクトなど、金属と社会の象徴的関係を多角的に探る実践で知られる。
Instagram：@chuenoki

遠藤麻衣子（Maiko Endo）
ヘルシキ生まれ。映画監督・映像作家。長編映画『KUICHISAN』（2011）でデビュー後、映画と美術を横断する活動を展開。朱や水銀など日本古来のモチーフを媒介に、身体と精神、現実と幻視のあいだを行き来する映像インスタレーションを制作している。
Instagram：@kuichi_tech2020

エロディ・ルスール（Élodie Lesourd）
1978年フランス生まれ、パリ在住。ロック音楽文化のライブ空間や他者の作品を題材に、ハイパーリアリズム絵画を制作。音と視覚の関係を探りながら、音楽文化の記号を美術の文脈に再構築する独自の実践を続けている。
Instagram：@elodie_lesourd

【開催情報】
展覧会名：「メタル」
会期：2025年10月30日（木）～2026年1月31日（土）
会場：銀座メゾンエルメス ル・フォーラム（東京都中央区銀座5-4-1 8・9階）
開館時間：11:00〜19:00（入場は18:30まで）
休館日：水曜日
観覧料：無料
主催：エルメス財団
後援：在日フランス大使館／アンスティチュ・フランセ
URL：https://www.hermes.com/jp/ja/content/maison-ginza/

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