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ART/DESIGN

いま行くべきアートイベント|2024年12月

Dec 1, 2024
12月開催のアートイベントの中からQUIおすすめのイベントをピックアップ。詳細情報も併せてチェックを。

いま行くべきアートイベント|2024年12月

Dec 1, 2024 - ART/DESIGN
12月開催のアートイベントの中からQUIおすすめのイベントをピックアップ。詳細情報も併せてチェックを。

BLUM東京にて奈良美智 「I Draw the Line」が開催中

Yoshitomo Nara We Are Outlaws Yes!, 2024 Acrylic on wood 30 1/8 x 26 7/8 x 2 1/2 inches (76.5 x 68.2 x 6.5 centimeters) Photo: Hayato Wakabayashi  © 2024 Yoshitomo Nara; Courtesy of the Yoshitomo Nara Foundation and BLUM Los Angeles, Tokyo, New York

ここ1年間に生み出された作品を多く含むこの展覧会において、作家はモノクロームの描線によるドローイング、抑制された色使いのペインティングなど、切りつめられた造形による表現の可能性を追求している。今年6月からスペインのビルバオ・グッゲンハイム美術館で始まった大規模な個展が現在ヨーロッパを巡回中の奈良。BLUMでの9回目となる本展では、国際的な評価が高まり続けているこの作家の現在地を知ることができる。

奈良美智
にらむような目をした少女や動物を、一見するとシンプルで漫画のようなスタイルで描くことで知られる奈良美智。すでに売れっ子の奈良美智ではあるが、そんな彼でも東日本大震災の後6か月の間には1枚しか描けなかったとのこと。「自分が何ができるかと考えたら、人として何かはできるけど、美術は即効性のあるカンフル剤みたいなことはできない、ということを痛感しました。」
アーティスト・イン・レジデンスのオファーが震災の前にあったため、結局、震災後にそこにいて、そして学生の中に混じって制作をした。大学へは通常は1日だけ講演して終わったり、ワークショップをちょっとやって終わるのだが、結局半年もいることになる。奈良美智はその間、絵を描くことができなかったから、直接手を使って何かできることと思って、粘土を使ったものづくりも始めている。それが作品の幅を広げることにつながり、さらに作品としての評価も高くなってきている。
Instagram:@michinara3

奈良美智 「I Draw the Line」
日時:2024年11月7日(木)〜2025年1月11日(土)
時間:12:00 〜 18:00
休館日:月曜日、日曜日、祝日
場所:BLUM
住所:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前1-14-34 原宿神宮の森 5F
公式サイト
Instagram:@blum_gallery

神楽坂の新スペース「PAAMA」開設、記念展示にイ・カンホの「Obsession」を披露


カンホはスタイロフォームやポリ塩化ビニル、鉄、陶土など、多様な日用品を用いて幅広い表現をするデザイナーで、現在韓国のデザインシーンをリードする人物だ。今回の展覧会では、カンホの特徴的なスタイルであるロープやケーブルを使った編み込む作品が紹介される。「Obsession(執着)」と名付けられたこのシリーズは、プランターとしての役割を果たしながら、カンホの手によって編み込まれた作品群が独自の存在感を放つ「PAAMA」の内装デザインを手掛けるインテリアデザイナーの関裕介が、この展示のために什器も製作し、よりカンホの世界観を強調している。

LEE KWANGHO
Lee Kwangho(イ・カンホ)1981年京畿道九里市(ソウルの隣接市)生まれ。弘益大学校で金属造形デザイン学科を学んだ後、ソウルを拠点に活動している。農業を営む祖父が、身近な素材から日用品を手作りしていた記憶から、ありふれたものに新しい意味と機能を与えるという手法で継続的に新しいシリーズを発表している。エルメス、フェンディ、ポルシェ、サムスンなどの企業をクライアントに持ち、世界各地の国際展示会で作品を発表している。また、作品はモントリオール美術館やサンフランシスコ近代美術館のパーマネントコレクションとして収蔵されている。
kwangholee.com
Instagram:@_kwangho_lee

イ・カンホ個展 「Obsession」
日時:2024年11月16日(土)~ 12月7日(土)
時間:13:00 – 18:00 ※休日:日、月、火
場所:PAAMA
住所:東京都新宿区矢来町160-1サクラハウス神楽坂矢来町1F-B

▼ニュース記事

 

ポーラ美術館にて「カラーズ ― 色の秘密にせまる 印象派から現代アートへ」開催

現代社会の多様化や個性化により、ファッション、インテリアはもちろん、環境、健康、美容などの分野でも色彩の果たす役割が拡がっています。一方、最も身近な存在となったスマートフォンには10 億色以上の再現力があるように、いつしか私たちは厖大な色彩の世界に巻き込まれてしまっているとも言える。

本展覧会は、近代から現代までの美術における「色彩」に注目し、色彩論や色を表現する素材との関係にふれながら、その役割についてあらためて考察するものである。チューブ入りの油絵具を巧みに扱い、さまざまな色彩によって視覚世界を再構築した19 世紀の印象派や新印象派をはじめ、20 世紀のフォーヴィスムの絵画や抽象絵画、そして色彩の影響力によって観る者の身体感覚をゆさぶる現代アートにいたる近現代の色彩の美術史を、おもに絵画や彫刻、インスタレーションによって読み直す。

「カラーズ ― 色の秘密にせまる 印象派から現代アートへ」
会期:2024 年12月14日(土)― 2025 年5月18日(日)
会場:ポーラ美術館 展示室1、2、3、アトリウム ギャラリー
住所:〒250-0631 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原 小塚山1285
展覧会特設ページ

 

WHAT CAFE、40歳以下のディレクターら15名が「うちらの時代」をテーマにアーティストを紹介

アートギャラリーカフェ WHAT CAFEは、2024年12月14日(土)から12月25日(水)まで、WHAT CAFE EXHIBITION vol.39 「Emerging Directors & Curators U40」を開催する。

本展は、アート業界で活躍する40歳以下のギャラリーディレクターとキュレーターが集い、彼らがそれぞれの観点で選び抜いたアーティストとその作品を紹介するグループ展である。EDC U40展は、エネルギッシュで時代に変革を起こせる世代である彼らが活躍するプラットフォームを作ることを目指し、「うちらの時代」をテーマに、東京を拠点に活動する15名のディレクター・キュレーターがアーティストを1名ずつ選出し展示空間を構成。

WHAT CAFE EXHIBITION vol.39 「Emerging Directors & Curators U40」
展示期間:2024年12月14日(土)~12月25日(水)
会場:WHAT CAFE
住所:〒140-0002 東京都品川区東品川2-1-11
営業時間:11:00~18:00(最終日は17:00閉館)
入場料:無料
公式サイト

 

東京都現代美術館にて「坂本龍一|音を視る 時を聴く」が開催

本展では、生前坂本が東京都現代美術館のために遺した展覧会構想を軸に、坂本の創作活動における長年の関心事であった音と時間をテーマに、未発表の新作と、これまでの代表作から成る没入型・体感型サウンド・インスタレーション作品10点あまりを、美術館屋内外の空間にダイナミックに構成・展開する。これらの作品を通して坂本の先駆的・実験的な創作活動の軌跡をたどり、この類稀なアーティストの新しい一面を広く紹介。 坂本龍一の「音を視る、時を聴く」ことは、鑑賞者の目と耳を開きながら、心を揺さぶり、従来の音楽鑑賞や美術鑑賞とは異なる体験を生み出す。

「坂本龍一|音を視る 時を聴く」
会期:2024年12月21日(土)-2025年3月30日(日)
開館時間:10:00-18:00(展示室入場は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日(1月13日、2月24日は開館)、12月28日-1月1日、1月14日、2月25日
会場:東京都現代美術館 企画展示室 1F/B2F ほか
住所:東京都江東区三好4-1-1
公式サイト

 

徐震、陸平原、李漢威ら3名のアーティストを迎えたグループ展がPARCELにて開催

本グループ展では、徐の最新作を含むすべての作品が、日本で初公開となる。絵画そのものの本質的な価値が、進化し続けるメディアによって揺さぶられる現代において、水墨画、切り絵、禅画、2D と 3D のデジタルプリントなどの形式を通して、絵画がもつ「不確かさ」をテーマと照応させている。

徐震 (シュー・ジェン)
1977年生まれ、上海在住。
アーティスト、キュレーター、MadeIn Company主宰。
徐震 (シュー・ジェン)は、中国現代美術における象徴的な存在と見なされており、2004年には中国現代美術賞で「最優秀アーティスト賞」を受賞。彼の作品は、インスタレーション、ビデオ、絵画、パフォーマンスなど、さまざまなメディアを網羅している。

陸平原(ルー・ピンユアン)
陸平原(ルー・ピンユアン)は1984年に中国の浙江省で生まれ、上海を拠点に活動。彼の作品は、テキスト、インスタレーション、絵画、彫刻にわたり、物語性とメタファーが込められており、美術史、古典文学、大衆文化、個人的な体験からインスピレーションを得て、現実と同質の巨大なファンタジーの世界を構築し、現代人の精神的な苦境を明らかにし、人間と宇宙の間に存在する可能性を再発見しようと試みている。彼の作品は国内外の美術館やビエンナーレで広く展示されている。

李漢威(リー・ハンウェイ)
李漢威(リー・ハンウェイ)は1994年に中国の江蘇省徐州で生まれ、2018 年に上海視覚芸術学院を卒業し、現在は上海を拠点に活動。彼の実践は、商業広告や映画の形式をメタファーとして適応させることに基づいている。コミュニケーション方法の研究を通じて、リアルな世界と SF の偽物が共存するフィクションの世界における世界観を、CG画像を用いて構築し、現代の文化形態と個人のアイデンティティの交差点を提示している。李は、2019年の「ART POWER 100 YOUTH POWER」や 2020 年の「ディオール写真・視覚芸術賞 若手タレント部門」にノミネートされ、2023 年には「ポルシェ・ヤング・チャイニーズ・アーティスト・オブ・ザ・イヤー」に選出された。

「Competitive Meditation」
Xu Zhen 徐震 (シュー・ジェン)
Lu Pingyuan 陸平原 (ルー・ピンユアン)
Li Hanwei 李漢威 (リー・ハンウェイ)

開催期間:2024年11月23日(土)‒2025年1月12日(日)
場所:PARCEL
住所:東京都中央区日本橋馬喰町 2-2-1 DDD HOTEL 1F
月・火・祝日休み

▼ニュース記事

  • Edit : Seiko Inomata(QUI)

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