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西野七瀬 – 出会いで変わる

Jun 8, 2022 - FEATURE
俳優・西野七瀬。乃木坂46の卒業以来、相次ぐ話題作への出演、日本アカデミー賞での受賞など、目覚ましいキャリアを重ねている。最新の出演映画『恋は光』、そして演じることへの想いについて話を聞いた。

恋はやっぱり難しい。映画『恋は光』について

― 完成した作品をご覧になった感想から教えていただけますか?

脚本を読んでいても撮影をしていても、こういった雰囲気の作品になるとは想像できなかったので、試写で観たときには「わあ」という驚きがありました。

― 映画として観たときに、発見や感動があった?

そうですね。シーンの間に撮影した風景などが入り、音がつくことで、作品の世界が広がったように感じました。

― 西野さんが演じた北代は、神尾楓珠さん演じる西条に片想いを続けている幼なじみという役どころでした。演じる上で大切にしたところを教えてください。

北代は基本ちょけているタイプなんですけど、実は誰よりも敏感で、周りを見ているバランサーなんです。演じてるときはずっと「本当に北代はすごい子だ」「偉いな」と思ってて。他のことをしていてもちゃんと周りに気を配るように意識しましたね。

― 北代は演じやすかったですか?

最初の頃は、小林(啓一)監督が思う北代と、私が思う北代の像に少しズレがあったんです。ある時、神尾くんと私が雑談しているところをたまたま見た小林監督が、「今の喋っている感じで北代を演じてほしい」と言ってくださって。雑談していた感じで北代を演じてみたら、監督の北代像とピッタリ合ったみたいで。その感覚が掴めてからは、悩まずに演じることができました。

― そういう些細な会話が役のヒントになるんですね。

その瞬間を小林監督が見つけてくださったので、ありがたかったです。

― 小林監督からは他にどのような演出がありましたか?

神尾くんと二人のシーンは、幼なじみの関係性が見えてこないと薄く感じてしまうので、小林監督の提案で、3分間お互いの顔を見つめ合いながら二人の架空の思い出を想像する時間を作りました。

小さな頃からお互いを知っている設定なので、こんなことがあったなとか、ずっと一緒にいるから気付かなかったなとか、そんなことを3分間で考えて。本読みは何度かしていたんですけど、この時間が幼なじみの距離を作るためのすごく良い時間になりました。

― 小林監督が演出で大事にしたいところが見えてくるやり取りですね。

それまで私は神尾くんにずっと敬語で話していたんですけど、その3分間が終わったあとは自然にタメ口で話そうかなって思えて。それからは、撮影の合間もよく喋るようにして、幼なじみの距離をどんどん掴んでいきました。

― 本作で神尾さんが演じた西条には、恋する女性が光って視えます。西野さんには、恋をしている人がどんな風に見えますか?

えーーー(笑)。なんかルンルンして、楽しそうに見えます。おしゃれもメイクもしっかりしていると、好きな人といい感じなのかなとか。でも、あまり(自分から恋愛の話は)聞かないタイプなので、本人が話したいタイミングのときに聞くようにしています。

― 友達ともあまり恋バナはしないんですか?

そうですね、恋バナは全然しないです。でも聞くのは楽しいので好きですよ。以前「グータンヌーボ」という番組のMCをやっていたので、そこでいろいろな人の恋愛観は聞いてきましたけど、この作品のように恋について深く考えてはいませんでした。

― では『恋は光』に出演して、「恋」と向き合ってみて何か変化はありましたか?

考えても恋はやっぱり難しいですね。答えが出ないまま終わってしまいました(笑)。

 

楽しみながら役に向き合う。理想の役者像について

― 第45回日本アカデミー賞では新人俳優賞と優秀助演女優賞の受賞、改めておめでとうございます。お芝居することに対しての気持ちに変化は?

ちょっとプレッシャーを感じたり、少し見られ方が変わったりするところもあるのかなって思いましたけど、やることはこれまでと変わらないと思うので、あまり気にしないようにしています。(受賞は)良い思い出になりましたし、これからの励みにもなりました。

― 乃木坂46のメンバーとしてキャリアをスタートしていますが、お芝居にはもともと興味があったんですか?

そうですね。ずっとやってみたいなという思いがありました。今もまだお芝居の経験が豊富ではないですけど、いっぱいいっぱいだった昔に比べたら楽しみながら向き合えているようになってきました。

― お芝居を楽しめるようになったきっかけの作品は?

『あさひなぐ』という薙刀(なぎなた)の映画に参加したときに、お芝居することの楽しさを感じられるようになりました。現場も楽しかったですし。でも、英(勉)監督がすごく褒めてくださる人だったので、単純にそれが嬉しかったのかもしれません(笑)。いい作品、いい監督、スタッフさんに出会えてご一緒できたことが大きかったです。

― これからご一緒してみたい監督はいますか?

なかなか同じ監督の作品に出られることは無いことかもしれないですけど、これまでご一緒した監督とは、またいつか他の作品でご一緒したいですね。今の自分を見てもらって、ちょっとは変わることができていたら嬉しいです。

― 西野さんはどんな役者になっていきたいですか?

いろいろな印象を持ってもらえるような、役によってしっかり演じ分けができる役者になっていきたいです。素の西野七瀬のイメージを消せるようになるのが理想ですね。

 

 

Profile _ 西野七瀬(にしの・ななせ)
1994年5月25日生まれ、大阪府出身。2011年に乃木坂46の第1期メンバーのオーディションに合格し、デビュー。17年に映画『あさひなぐ』(英勉監督)で主人公を演じ、18年末に同グループを卒業。以降、数々の作品に出演。主なTVドラマ出演作に、「電影少女 -VIDEO GIRL AI 2018-」(18/TX)、「あなたの番です」(19/NTV)、「アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋」(20/CX)、「ホットママ」(21/Amazonプライム・ビデオ)、「ハコヅメ〜たたかう!交番女子〜」(21/NTV)、「言霊荘」(21/EX)、「恋なんて、本気でやってどうするの?」(22/KTV)、映画出演作に、『一度死んでみた』(20)、『鳩の撃退法』(21)、『あなたの番です 劇場版』(21/佐久間紀佳監督)などがある。『孤狼の血 LEVEL2』(21/白石和彌監督)では、日本アカデミー賞の優秀助演女優賞および新人俳優賞を受賞した。
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jacket ¥39,600・pants ¥28,600 / LENZ (info@lenzlupe.com)、earrings ¥19,800・bangle ¥30,800・ring ¥15,400 / e.m. (e.m. AOYAMA 03-6712-6797)、shoes Stylist’s Own.

 


 

Information

映画『恋は光』

2022年6月17日(金)全国公開

出演:神尾楓珠、西野七瀬、平祐奈、馬場ふみか、伊東蒼、宮下咲
脚本・監督:小林啓一
原作:秋★枝「恋は光」(集英社ヤングジャンプ・コミックス・ウルトラ刊)

『恋は光』公式サイト

©秋★枝/集英社・2022 映画「恋は光」製作委員会

 

 

  • Photography : Atsushi Kimura
  • Styling : Kanako Onituka
  • Hair&Make-up : Maiko Inomata
  • Art Direction : Kazuaki Hayashi(QUI / STUDIO UNI)
  • Text : Sayaka Yabe
  • Edit : Yusuke Takayama(QUI / STUDIO UNI)