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日本で初のイベントを実施した注目のブランドXANDER ZHOUを直撃!QUI編集部がインタビュー

Nov 7, 2023
中国人デザイナーであるザンダーゾウが2007年に立ち上げた<XANDER ZHOU(ザンダー・ゾウ)>。クリエーションがひしめき合うロンドンコレクションで喝采を浴び、本国中国では若い世代のファッションフリークやファッションリーダー的な著名人から支持されながら、日本ではまだまだ知る人ぞ知るブランドだ。実は密かに注目し続けていたQUI編集部は日本での初イベントを開催するという情報をキャッチし、大阪を訪れたデザイナー、ザンダーゾウにインタビュー。日本でいち早く取り扱いを始めたセレクトショップのオーナーにも<XANDER ZHOU>の魅力について伺った。

日本で初のイベントを実施した注目のブランドXANDER ZHOUを直撃!QUI編集部がインタビュー

Nov 7, 2023 - FASHION
中国人デザイナーであるザンダーゾウが2007年に立ち上げた<XANDER ZHOU(ザンダー・ゾウ)>。クリエーションがひしめき合うロンドンコレクションで喝采を浴び、本国中国では若い世代のファッションフリークやファッションリーダー的な著名人から支持されながら、日本ではまだまだ知る人ぞ知るブランドだ。実は密かに注目し続けていたQUI編集部は日本での初イベントを開催するという情報をキャッチし、大阪を訪れたデザイナー、ザンダーゾウにインタビュー。日本でいち早く取り扱いを始めたセレクトショップのオーナーにも<XANDER ZHOU>の魅力について伺った。

Xander Zhou Interview

—まずはそもそものような質問になりますが、どうしてデザイナーを志したのでしょうか

大人になってから誕生日にミシンをもらったことをきっかけに、完全に独学でしたが服を作ってみたんです。それが「自分で服を作る」という第一歩だったような気がします。自分が興味を持ったことに対しては独学で追求していくことが多いです。子供の頃も伝統的な中国絵画に興味を持っていましたが、それも独学でした。

 

—<XANDER ZHOU>のブランドコンセプトを教えてもらえますか

ひと言で伝えるならば「宇宙」です。<XANDER ZHOU>というブランドは
あらゆる種類の「宇宙」によって表現されています。

—デザイナーとしてのキャリアのポイントとなったエピソードなどがあるなら教えてください

私のキャリアに大きな影響を与えたのは、間違いなく2012年にGQ UKに選出されたこと、そして第1回のロンドン・ファッション・ウィークメンズに参加したことです。

当時のGQ UKの編集長であり、LFWメンズの会長でもあったディラン・ジョーンズはGQ UKと協力してロンドン・ファッション・ウィークメンズに参加させたいと思う中国人メンズウェアデザイナーを探していました。そこで発掘されたことにより、私は初めて「世界」と出会うことができたのです。

 

24SSコレクションは「A.I.volution」を掲げていましたが、毎回のコレクションテーマはどのように決めていますか?

私のコレクションはすべてが繋がっているんです。横につながっているものもあれば、縦につながっているものもあり、点と点を結ぶことで私が作る物語の「顔」が浮かび上がってきます。なのでシーズンごとに私がどのストーリーラインを追求するかは完全に主観です。

 

まずは自身の頭の中でストーリーイメージを膨らませ、そのストーリーに登場するキャラクターの生み出し、最後にそのキャラクターが着る服をデザインしていきます。私が生み出すキャラクターは人間だけではありません。人造人間やロボットなど、さまざまなヒューマノイドが存在します。

 

—「A.I.volution」で表現したかったことはなんでしょうか。また人工知能の発展に伴い期待していることはありますか?

「A.I.volution」という言葉は「人類の現在とこれから」を的確に表していると思っています。

A.I.はさまざまな形で私たちの生活に関わるようになり、A.I.の良い点や悪い点についても人それぞれの意見が飛び交っています。
私の考えとしてはA.I.のような未知なるものに直面したとき、人間はそれを恐れるのではなく、それを研究していく必要があるということです。
たとえ、未知なるものが脅威をもたらしたとしてもそれを理解する努力をしていれば対処する方法も見つかるはずですし、共存することだって可能なはずです。
そう考える私は将来に関しては根っからの楽観主義者ともいえますね。

私のデザインには毎シーズンのようにその楽観主義が反映されていると思います。

 

24SSコレクションを象徴するアイテムやルックはどれになりますか?

今回のコレクションを象徴するルックといえば、オープニングルックとクロージングルックになります。

同一人物であることがわかると思いますが最終的には6本の腕を持つ超人的な知性者に進化を遂げていきます。2つのルックの間には今回のコレクションのテーマにもなっている「A.I.の進化的」な関係があります。


(左)オープニングルック(右)クロージングルック

—ショーに登場する人工知能や超人たちは「I love you」と表示された携帯電話を手にしていましたが、彼らはどのような会話をしているのでしょうか

24SSコレクションからは「SFロマンス」を強く感じませんでしたか?


ショーの登場人物たち外見だけに目を向けると冷たい印象かもしれませんが、誰もがロマンチックな心を持っているのです。たとえ人造人間であっても、彼らは自分の感情を表現することができます。

「愛」は人類とすべての将来の知的種にとっての究極の命題です。

 

—「未来の銀河社会」は<XANDER ZHOU>のコレクションにかかせない舞台となっています。過去よりも未来の方が面白いということでしょうか

未来と過去、どちらが面白いのかは私にはわかりません。私たちの世界は循環されていて、過去も一種の未来になる可能性があります。今後のコレクションでも想像力を駆使して起こり得る未来を探求し続けていくつもりです。これからも私たちの世界を好奇心を持って観察し続けていきたいです。

 

—受注会を含めて日本でのイベントは初めてということですが開催の経緯を教えてください

大阪の「11747391」、東京の「KIOSQUE CC」で取り扱ってもらうようになって約6年になります。ブランドとセレクトショップは緊密なパートナーとして共に成長し、おかげで多くの日本のお客様にブランドを知ってもらうことができました。

私としては<XANDER ZHOU>の服を誰にどう着てほしいという思いなどは特にありません。実際にInstagramでも<XANDER ZHOU>の服を自由にコーディネートして楽しんでいることがわかります。

今回のイベントによって、そんな日本のファンの皆さんと会える機会ができたことがとてもうれしいです。

 

—<XANDER ZHOU>の今後の未来、方向性について教えてください

私は自分の作品の独立性を維持したいという考えをずっと持っています。どのシーズンでも自分自身をありのままに表現したいと思っているので、それが現時点で私が断言できる<XANDER ZHOU>の唯一の方向性です。

 

最後に今回のインタビューを担当したQUI編集部スタッフから。

「ロンドンコレクションが大好きでよくチェックをしていたのですが、そこで異彩を放っていたのが<XANDER ZHOU>でした。男性モデルを妊婦さんのように見立てたショーの演出は強烈に印象に残っています。
ロンドンコレクションでは初の中国人デザイナーであり、同じアジア圏ブランドとしてずっと注目していましたが情報が少ない。そんな謎めいたところにも惹かれていたので、今回インタビューが叶いとてもうれしかったです」

 

Shop Owner Interview

<XANDER ZHOU>を日本でいち早く取り扱った「goffa group(ゴッファグループ)」のオーナーにブランドの魅力について伺った。

 

—<XANDER ZHOU>から感じる唯一無二の魅力とは

私たちにとってのモードとは?その答えは「新たなファッションの創造」なんです。

洋服の系統や区分が明快である昨今においてジャンルレスで独創性に満ち、流行や時代に左右されずに自分と向き合い、新たなクリエイションを発表し続ける<XANDER ZHOU>は希有な存在ともいえます。

弊社にとっては理想のようなブランドです。常に新しいアイデアが詰め込まれたコレクションを毎シーズン発表してくれる。それが彼の魅力です。「これを着たらどんな印象になる?」、「こんな素材は見たことない」、「この服はどんな作り?」など、高いレベルでのモードを魅せてくれる事を私たちも毎回楽しみにしています。

 

—「11747391」と「KIOSQUE CC」でセレクトした理由は

<XANDER ZHOU>は私たちにとっての理想のモードです。セレクトした理由はズバリ毎シーズンのように変化する「新しさ」です。ショップでは新旧の洋服を
取り扱っていますが、<XANDER ZHOU>の洋服に古着を掛け合わせることでまた新しいスタイリングが生まれます。そんな尽きることのない連続性がたまらなく、セレクトし続けています。

 

—<XANDER ZHOU>の私物でいちばんのお気に入りは

22SSのソックスとブーツがコンビになったシューズがお気に入りです。

ソックスを履いた時のようなフィット感とスリムなシルエットが特徴的で、<XANDER ZHOU>のモチーフであるドラゴンや陰陽のマーク、ロゴなどが柄に詰め込まれています。ゴムのような特殊素材にも「FUTURE」を感じています。今シーズンも魅力的な飛行船モチーフのシューズが登場するなど、洋服だけでなく新たなクリエイションに富んだシューズにも注目しています。

 

—24SSのマストバイアイテムを挙げるとしたら

「see-through layered jacket」です。インナーがアウターの外側にひっくり返っているデザインをたまに見かけることはありますが、こちらはタンクトップが最も外側で、次にTシャツ、ブルゾンと3段階でひっくり返っていて、デザインとしても史上初ではないでしょうか。

<XANDER ZHOU>の凄いところは激しいデザインでもやりすぎてない感のあるクオリティコントロールの高さです。「未来のワークウェア」がコンセプトであり、どのアイテムからもFUTUREな香りを感じ、着用欲に駆られるモノが多く困っています(笑)。

 

<Xander Zhou(ザンダー・ゾウ )>スペシャルローンチジャパンツアー アイテム紹介

イベントではXANDER ZHOUがこれまでに発表してきた象徴的なアイテムやブランドのInstagramで話題を呼んだ23年秋冬コレクションの飛行船シューズを販売。

また上海で発表された24年SSの新作コレクションのパーソナルオーダーも可能となっている。

大阪でのイベントは終了してしまったが、東京の方は、ぜひこの機会に足を運んでみてはいかがだろうか。

(左上)「SHORT VEST(AW17) 価格  ¥32,000 + tax
(右上)「JACKET IN THERMOCHROMIC FABRIC」(SS18) 価格 ¥134,000 + tax
(左下)「THE RESOLUTION LONG-SLEEVE T-SHIRT」(SS22) 価格 ¥32,000 + tax
(右下)「Airship 3.0」(23AW) 価格 ¥70,000 + tax

11747391
大阪府大阪市中央区西心斎橋1丁目5-25 ジネスビル2F,3F
11/5(sun) XANDER ZHOU S/S24 preview, A/W23 exclusive and archive 12:00-20:00(終了)

@11747391.st

KIOSQUE CC
東京都渋谷区神宮前6丁目24-2 原宿芳村ビル2F
11/12(sun) XANDER ZHOU S/S24 preview, A/W23 exclusive and archive 12:00-20:00

@kiosque_cc

23AWに関しては、イベント以外の日程でも店舗でご覧いただけます。

@xanderzhou
24SSコレクションはこちら

 

All Photo
  • text : Akinori Mukaino
  • Photo : Raizou Kuroda
  • Photo : Yoshiki Murata
  • interview & translation : Tetsu Charles Kawamoto

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