AMIRI 2026年秋冬コレクション、ハリウッドの記憶から生まれるモダン・アメリカン・ラグジュアリー

今シーズンの着想源は、ハリウッド・ヒルズに位置するローレル・キャニオンにある。ハリウッド黄金時代を築いた映画界の人物たちが居を構え、1970年代以降はカウンターカルチャーや音楽、創造性の拠点として都市文化に根付いてきた場所である。当時の西海岸の思想や価値観は、現代の視点と重ね合わされ、多様性や個性、包括性を反映したコレクションに落とし込まれている。
世界観は、ショー空間にも反映された。使い込まれた家具やオブジェが配置され、理想化されたローレル・キャニオンの邸宅を思わせる空間に。ランウェイショーという形式にとどまらず、現代の男性と女性の生活像を映し出す場として設えられている。

コレクションの雰囲気を定義するうえで欠かせないカラーは、ノスタルジアを帯びた深いメルローやバーガンディ、セージやミントグリーン、鮮やかなブルーが用いられ、唯一無二の<AMIRI>のパレットが描かれている。ローレル・キャニオンとパリを結ぶような、クラフトと創造性の対話を感じさせる配色が、コレクション全体を包み込む。

主軸に据えたテーラリングには、マイク・アミリの考えるフォーマルウェアの在り方が映し出されている。メンズのフォーマルウェアにおいて重視されているのは、自然体で個性が感じられること。ヘンリーネックの上にブレザーを羽織り、ドレスシューズの代わりにブーツを合わせるといったスタイルはブランドの思想を分かりやすく表したようなスタイルだ。

また、気取らない自由さと個性を備えたテーラリングは、昼はドレスアップとして、夜はデニムと合わせて着用される想定で展開。デニムにはベルベットのフロッキー加工が施され、アクセントとして用いられた刺繍が目を惹き、特別なアイテムへと姿を変えていた。

ボーイフレンドスーツは彼女が着用し、繊細な刺繍ニットは彼女のワードローブから彼の元へ。長く着用され、愛されてきたかのような風合いとともに、ジェンダーを超えて着用されるアイテムが揃い、フォーマルウェアは現代の生活に寄り添うワードローブとして提示されている。

ウエスタンウェアや軍服風ジャケット、レザー、クラシックデニムといったモダン・アメリカン・クラシックの要素も随所に見られる。これらのアイテムに、ブランドならではの仕立てやバランス感覚が加えられ、コレクションに奥行きをもたらしている。

アクセサリーやシグネチャーアイテムにも進化が見られる。カッティングによって明確に保たれるシルエットのもと、ハンドバッグ「ハニー」と「イースト・ウェスト・ポシェット・クラッチ」は新たな解釈で登場する。アイウェアの提案は広がり、<AMIRI>オリジナルのウエスタンブーツもアップデートされた。

2026年秋冬コレクションを通して<AMIRI>は、フォーマルと日常、ステージと生活を分け隔てることのないワードローブを提案した。衣服を個人の延長として捉え、多様な背景やライフスタイルを受け入れるという考え方が、メンズとウィメンズの両ラインを横断し、一貫した形で表現されていた。
マイク・アミリ
CREDITS:
Creative Director: Mike Amiri
Styling: Ellie Grace Cumming
Casting: Noah Shelley
Hair: Eugene Souleiman
Make-Up Artistry: Lucy Bridge
Music: Simon Parris
Location: Le Carreau du Temple
Filmed / Streamed by: Atlantis Film & Video
AMIRI
https://amiri.com/en-jp
- Edit : Yukako Musha(QUI)





















