スリルとリアルがせめぎ合う日常着、注目すべき3ブランド
kudos
創業者でデザイナーは工藤司。早稲田大学を卒業後、アントワープ王立芸術学院に進学。中退後、服作りの基礎を学ぶためにパリにてパターンの学校に通いながら<JACQUEMUS(ジャックムス)>や<JW Anderson(JW アンダーソン)>でデザインアシスタント、<Y/PROJECT(ワイプロジェクト)>でパターンアシスタントとして経験を積む。自身にとっての“ヨーロッパ卒業コレクション”として作品を制作し、2017年4月に帰国。2017-18年秋冬シーズンにデビュー。
kudosのクリエイションについて
「どこかにあえてツイストを入れていこうというマインドは無い」と<kudos>の工藤司。自身の感覚としてはその時々のテーマや空気感を落とし込んだときに生まれるカッティングやグラフィック、それが自然と表現に繋がっているという。
QUI編集部が気になったアイテム <アルファベットシャツ>
「アルファベットのグラフィックが描かれたシャツは、イスラエルのKornitという会社で作られたサステナブルプリンターを使用した作られた生地。デザインの元となっているのは僕の描いたクレヨングラフィック」(デザイナー工藤司)
RequaL≡
2016年、リコール(Re:quaL≡)として活動を開始。ブランド名は「Re:quaL≡ Re:時の単位 / :equal=常に=等しく(≡)」という意味。構築的なフォルムと、ダイナミックなデザインが特徴。2020年秋冬より東京コレクションに参加。2022年春夏コレクションはロンドンファッションウィークの公式デジタルプラットフォームで発表した。2023-24秋冬コレクションでは「歩きスマホ」の弊害を若い世代に訴えたいNTTドコモとのコラボレーションによるショーを発表するなど精力的に活動をしている。
RequaL≡のクリエイションについて
実験を経て失敗の活かし方を実践しているという<RequaL≡>のデザイナー土居哲也。失敗をする事で意味・言葉が宿り、問題定義や課題解決の糸口に繋がると語る。
QUI編集部が気になったアイテム① <ニットセーター>
「天然和糸を用いたハンドニットセーター。ウエスト部より下は編む過程の前後を想起させる意図で製作を行った。夏でも和糸は非常に涼しい」(デザイナー 土居哲也)
QUI編集部が気になったアイテム② <テーラードジャケット>
「職人の手仕事により脱着式のオリジナル肩パッドを仕立て、取り外しを可能とする事で構造に複数の視点を取り入れ男性像を再定義。本来、服は動かない。だが、服を着た人が動く事で、服が人を動かす事はごく稀にある。そんな人間像の再解釈を」(デザイナー 土居哲也)
BASE MARK
スタンダードをモードに遊ぶ。普遍的なアイテムをモードに昇華させることでファッションを進化させる。テーラードのパターンアレンジを得意とし、シグネチャー素材のウールをベースに、レイヤードや異素材とのハイブリットなど独自の発想とテクニックを駆使してウール本来のイメージを大胆に転換。新しいウールの価値を創造する。
BASE MARKのクリエイションについて
あくまでベースはスタンダード。そこにテーマに沿ったディテールで変形させたり、異素材とのコンビで既視感の無いものに変化させるのが自身の癖と話すデザイナーの金木志穂。既視感が無いからこそ、実験的に感じられる。
QUI編集部が気になったアイテム ① <変形シャツ>
「広角レンズで覗き込んだような世界を洋服のディテールに落とし込んだ23SS。シャツ、ジャケットとも襟元にフォーカスを当て、下方向に向けて伸びる様に変形を加えた。シャツに関しては、シャツはハーフトップインナーでヘルシーに」(デザイナー 金木志穂)
QUI編集部が気になったアイテム ② <テーラードジャケット>
「広角レンズで覗き込んだような世界を洋服のディテールに落とし込んだ23SS。ジャケットはアームホール下の開きからの袖出しでカジュアルスタイルをモードに楽しんで」(デザイナー 金木志穂)