ポーラ美術館にて「ゴッホ・インパクト―生成する情熱」展が5/31(土)より開催、ゴッホの影響と現代の変奏を辿る
本展は、開館以来初めてゴッホをテーマに据えたもので、彼の生涯にわたる画業や思想、そしてそれがどのように日本と世界のアーティストたちに受け継がれ、変奏されてきたかを多角的に探る構成となっている。
展覧会の見どころ
1. 情熱の軌跡、芸術家の魂を揺さぶる“パッション”
うねるような筆触と鮮烈な色彩。ゴッホの独自の画風は、多くの時代と地域で模倣されながらも、彼の激しい生涯と深く結びついた“情熱(パッション)”として芸術に大きな影響を及ぼした。
2. 日本におけるゴッホ受容の歴史
『白樺』などの文芸誌を通じたゴッホの受容から、岸田劉生や前田寛治、中村彝ら日本人画家たちへの影響を検証。ゴッホの「パッション」は、日本の近代美術にも強く浸透していた。
3. 現代アートにおける“ゴッホの変奏曲”
森村泰昌や福田美蘭、桑久保徹、フィオナ・タンら現代アーティストによる作品を通じて、ゴッホの遺産がいかに再構築され、現代に響いているかを紹介。特に森村泰昌のセルフポートレートシリーズでは、ゴッホへの強いオマージュが込められている。
展示作品の一例
フィンセント・ファン・ゴッホ《ヴィゲラ運河にかかるグレーズ橋》1888年 油彩/カンヴァス 46.8×51.3 cm ポーラ美術館
フィンセント・ファン・ゴッホ《アザミの花》1890年 油彩/カンヴァス 40.8×33.6 cm ポーラ美術館
岸田劉生《外套着たる自画像》1912年(明治45) 油彩/カンヴァス 41.1×31.8 cm 京都国立近代美術館
森村泰昌《自画像の美術史(ゴッホ/青い炎)》2016年(平成28)
アーカイバルピグメントプリント/カンヴァス 65.0×54.5 cm ポーラ美術館
copyright the artist, courtesy of ShugoArts
福田美蘭《冬-供花》2012年(平成24) アクリル/カンヴァス 181.8×227.4 cm 豊田市美術館
桑久保徹《フィンセント・ヴィレム・ファン・ゴッホのスタジオ》2015年(平成27) 油彩/カンヴァス 181.8×227.3 cm 個人蔵
©Toru Kuwakubo, Courtesy of Tomio Koyama Gallery
フィオナ・タン《アセント》2016年 2部構成:HDインスタレーション(16:10) 5.1サラウンド・サウンド 77分(ループ);写真インスタレーション
(151枚) ベルナール・ビュフェ美術館
他、スーラ、ゴーガン、セザンヌ、マティスなどポーラ美術館コレクションからの貴重な名品も出品予定。
情熱に生き、芸術に殉じたゴッホの“インパクト”は、世紀を超えて現代にまで共鳴し続けている。本展ではその軌跡と広がりを、壮麗なコレクションと共に体感することができるだろう。
「ゴッホ・インパクト―生成する情熱」展
会期:2025年5月31日(土)〜11月30日(日)※会期中無休
会場:ポーラ美術館(展示室1・2・3)
所在地:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285
開館時間:9:00〜17:00(最終入館16:30)
入館料:大人 2,200円、大学・高校生 1,700円、中学生以下無料
主催:公益財団法人ポーラ美術振興財団 ポーラ美術館
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