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街では流れないクリスマスソング 2024 | ディスクユニオンスタッフが教える、かけがえのない音楽 # 17

Dec 3, 2024
首都圏を中心にしながら、名古屋、大阪まで、音楽CD・レコード店を展開し、ビギナーからマニアまで多くの音楽ファンの絶大な支持を集める「diskunion(ディスクユニオン)」。ロックやソウル、ジャズ、JPOP、クラシックなど、さまざまなジャンルごとに精通したスタッフが在籍するのもディスクユニオンの大きな魅力になっている。ここではそんなマニアックなスタッフたちが毎月のテーマに沿って、おすすめのアーティストの作品を紹介していく。

連載第17回目となるテーマは、「街では流れないクリスマスソング 2024」

各ジャンルを担当する音楽マニアならではの深い知識と独断と愛情にあふれるリコメンドを楽しんでほしい。ここで見つけたディスクユニオンの“推し“が、あなたにとってかけがえのないライブラリーになることを願いつつ。

街では流れないクリスマスソング 2024 | ディスクユニオンスタッフが教える、かけがえのない音楽 # 17

Dec 3, 2024 - MUSIC
首都圏を中心にしながら、名古屋、大阪まで、音楽CD・レコード店を展開し、ビギナーからマニアまで多くの音楽ファンの絶大な支持を集める「diskunion(ディスクユニオン)」。ロックやソウル、ジャズ、JPOP、クラシックなど、さまざまなジャンルごとに精通したスタッフが在籍するのもディスクユニオンの大きな魅力になっている。ここではそんなマニアックなスタッフたちが毎月のテーマに沿って、おすすめのアーティストの作品を紹介していく。

連載第17回目となるテーマは、「街では流れないクリスマスソング 2024」

各ジャンルを担当する音楽マニアならではの深い知識と独断と愛情にあふれるリコメンドを楽しんでほしい。ここで見つけたディスクユニオンの“推し“が、あなたにとってかけがえのないライブラリーになることを願いつつ。

インディ伝説のロウが調理したクリスマス・ソング達「CHRISTMAS」

recommend by 商品部 ロック担当 松坂 貴亮さん
USインディとお菓子が大好きなロック担当です。クリスマスはチキンをいっぱい食べる!

アーティスト名:LOW
アルバム名:CHRISTMAS(1999年/KRANKY)

スタッフのおすすめコメント:

アメリカはミネソタ州が生んだインディ伝説ロウ。90年代ポスト・ロックブーム内でスロウ / サッドコアの様式美を確立させ、評価とセールスも上々。ブーム時のみならず20年代以降のインディ・シーンにも影響を与える、ミュージシャンズ・ミュージシャンの鏡になりました。

そんな彼等が1999年、KRANKY RECORDSより出したのが本作『CHRISTMAS』。直球のタイトルが物語るように、ロウが調理したクリスマス・ソング達はここまで相性が良いのか!と唸ってしまう程。周辺がシンシンと雪が降り積もる木造の小屋、薪が燃えるストーブの前でロウが冬や祝祭感に寄ったスロウ / サッド・コアを奏でている姿….と妄想してしまいます。もちろんコンセプト関係無くロウが録音した90年代の大名盤としても楽しめるので、ぜひ再生ボタンを押して切なくも朗らかさに満ちた哀愁を浴びて!

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夢の中で童心に還らせてくれる「For Christmas, For Children」

recommend by 商品部 物流担当 稲垣 吉人さん
気になったものは何でも試しに聴く者です。メタル、パンク、プログレ、フリージャズ、サントラ、実験音楽など。一番好きなミュージシャンは浅川マキ。

アーティスト名:Karl Jenkins / Mike Ratledge
アルバム名:For Christmas, For Children(1981/Music De Wolfe,2024/Wasabi Records)

スタッフのおすすめコメント:

英国プログレ/ジャズロックおよび、カンタベリーロックの最重要グループであるSoft Machineに在籍した両者が、共同作業による連名名義で1981年に発表した作品です。2024年に国内有数のインディペンデント/リイシューレーベルであるAir Mail Recordingsの姉妹レーベル、Wasabi Recordsによって初めてCD化されひっそりと売られている今作、今回のお題である巷では流れないクリスマスソングにピタリ当てはまるものになっております。

収録されている楽曲は民謡や童謡の他クリスマスにちなんだ楽曲。なので聴き手に対し随所に聞き覚えのある感覚を生み出します。プロダクションはアナログチックな質感の、キーボードのみによるシンプルなもの。アレンジはややミニマルにしてキュート、あるいはユーモラスな印象を持たせてくれるものであり、巷で流す…というよりは部屋の中で流す事で楽曲が部屋の中を跳ね回り、さながら夢の中で童心に還らせてくれる様な感覚を持たせてくれる作品です。

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クリスマスシーズンならではの美しさが魅惑的に表現された「Christmas Blues」

recommend by 商品部 ソウル/ブルース担当 Sさん
商品部 ソウル/ブルース担当

アーティスト名:Sabrina Claudio
アルバム名:Christmas Blues(2022/SC Entertainment・Atlantic)

スタッフのおすすめコメント:

2022年にリリースされた、クリスマスがテーマのアルバムです。オリジナルが5曲、カバーが3曲収録されており、The WeekendとAlicia Keysがゲスト出演しています。どの楽曲も彼女のスタイルである穏やかでありながら感情を込めた歌い方で、クリスマスシーズンならではの美しさを魅惑的に表現されています。

私が特にお勧めしたい曲は、8曲目「Warm December」です。暖かい歌詞でも彼女が歌うとどこか切なさを感じるようにも聴こえます。この曲はアルバムに先立ってリリースされた楽曲で、ミュージックビデオとライブ映像が公開されています。彼女の世界観を表現しているクリスマス仕様の様々な衣装やメイクによって、ビジュアルの面でも楽しむことができます。アルバムのジャケットもお気に入りです!ゆっくりと感情が流れるようなこのアルバムを聴いて、まだ眠っていたい布団の中でクリスマスを感じたいです。

伝説的ラップデュオOUTKASTのデビュー曲はなんとクリスマスソング「Player’s Ball」

recommend by 商品部 ヒップホップ担当 小林 卓矢さん

アーティスト名:OUTKAST
アルバム名:Player’s Ball(1993年)

スタッフのおすすめコメント:

ジョージア州アトランタの伝説的ラップデュオOUTKAST。「Ms. Jackson」「Hey Ya!」「The Way You Move」等々、多数のヒット曲を持つ彼らであるが、なんとデビュー曲はクリスマスソング!

1994年のデビューアルバム「SOUTHERNPLAYALISTICADILLACMUZIK」の収録曲だが、元々は前年に発表された所属レーベルLaFaceのクリスマスコンピ「A LaFace Family Christmas」の為に製作された曲で、同郷のORGANIZED NOIZEによるプロデュース。アトランタで行われる伝統的なイベントについてスムースなトラック上でラップしており、一般的なクリスマスソングとは一線を画した内容となっている。この曲は1993年11月に発売されデビュー曲にも関わらずビルボードのHot 100で最高37位、Hot Rap Songsチャートでは1位を記録した。

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ELTON JOHNの極上のバラード「COLD AS CHRISTMAS

recommend by ディスクユニオン 柏店 西川 昌志さん
U2好きのJ-POP担当

アーティスト名:ELTON JOHN
アルバム名:Too Low For Zero(2003年 ユニバーサルミュージック インターナショナル)

スタッフのおすすめコメント:

ヒットチャート上では75年をピークに下降線を辿りますが、80年代の復活作と言われているのが『Too Low For Zero』です。全盛期のド派手な感じでは無いですが、「I’M STILL STANDING」や「KISS THE BRIDE」などのヒット曲を輩出しています。その中でも「COLD AS CHRISTMAS」はかなり葛藤を感じる曲ですが、メロディもアレンジも極上のバラードです。

もう1曲ELTON JOHNのクリスマスソングをご紹介します。73年『Goodbye Yellow Brick Road』の時代に遡って、「Step Into Christmas」のB面「Ho! Ho! Ho! (Who’d Be A Turkey At Christmas)」という曲です。陽気なクリスマスパーティー気分が味わえて楽しい気持ちになりますのでこちらもあわせてお薦めします。


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吉井和哉のソロ楽曲の名曲「バッカ」

recommend by ディスクユニオン 北浦和店 藤原 理希さん
理希と書いてミチキと読みます。新入社員として走りだした29歳です。日本のロックもPUNKも愛してます。Jリーグ、お笑いも愛してます。

アーティスト名:吉井和哉
アルバム名:バッカ (2007/EMIミュージック・ジャパン)

スタッフのおすすめコメント:

クリスマスソングと聴いて1盤最初に浮かぶのがこの曲でした。孤独で悲しいクリスマスソングで、サウンドも街の灯りと路地裏の暗さを行ったり来たりするような。年末のせせこましさと共に来る日本のクリスマスの浮き沈みを感じるのがとても良い。吉井和哉のソロ作品のなかでもかなりの名曲です。いつ聴いても冬の景色に連れてかれる感覚があります。また曲のタイトルが『バッカ』なのがセンス超いいです。すごい。

吉井和哉本人がサラリーマンに扮して演じるMVはとてもオススメ。醸し出す哀愁が強いからなのか、僕は毎回目頭が熱くなってしまうので個人的にはあまり観ないようにしています。(笑)KREVAや金子ノブアキ、レギュラーの西川くんが出てきたりしてそこもおもしろいです。またTHE YELLOW MONKEYの名曲「JAM」とシンクロさせている部分もあり、当時子供で出演していた男の子と女の子が大人になって登場したりしています。

バンドではキラキラに輝いているロックスターも自分たちと同じ人間なんだな。と思わせてくれたのは吉井和哉のソロの楽曲で優しさに触れている気もして、僕自身の心の奥底に染みわたっています。CDシングルに入っているLIVE音源もとってもオススメです。大変安価で手に入りますので是非。


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現在のミスチルとは似ても似つかないバイブスを感じる「12月のセントラルパークブルース」

recommend by 商品部 インディ・オルタナティブ・ロック担当 櫻田 健蔵さん
商品部インディ、オルタナティブロック担当バイヤー

アーティスト名:Mr.Children
アルバム名:12月のセントラルパークブルース (2000/ Toy’s Factory)

スタッフのおすすめコメント:

「街をうめ尽くすクリスマスツリーを見てたら涙が出てきた、ちょっと待て僕はもう三十だぜ十二月のセントラルパークブルース」私の気持ちを代弁してくれるかのような歌詞をこの世に残してくれたのは、ミスチルが2000年にリリースした9THアルバム『Q』の7曲目に収録されている「12月のセントラルパークブルース」という楽曲。クリスマスの時期に恋人を日本に残し渡米中である男の女々しい語りが、桜井和寿の紗に構えたねっちこい歌声と合わさり、尋常じゃないくどさと中毒性を感じさせてくれます。現在のミスチルとは似ても似つかない生々しいバイブスにもギャップ萌えです。

恐らく歌詞の中に出てくる男は恋人と付き合ってまだ1か月ほどでしょう。恋愛の始まりは何よりも勢いが大事だと思うので、カップルイベントの中で周年記念に次ぐ権力を持つ神聖なクリスマスを一緒に過ごせないという事実は、付き合いたての2人にとって大きな痛手であることは間違いありません。なんて妄想も膨らむ面白い楽曲です。

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「DIVE INTO MUSIC.」に込められた想い

世界中どこにいても同じ音楽を楽しむことができる今の時代に、ディスクユニオンは違和感を感じています。なぜなら、本来音楽というものは、ひとりひとりが自らの手で触れて、自らの脚で探して出会うべきものだからです。だからこそ私たちディスクユニオンは、見たことのない曲、聴いたことのない世界を求め、音楽の海へ飛び込んでいきます。そしてこの想いを「DIVE INTO MUSIC.」というスローガンに込め、お客様と共有して参ります。

diskunionHP:https://diskunion.net/
公式youtube:https://www.youtube.com/@diskunion_official
instagram:https://www.instagram.com/diskunion/

前回の記事はこちらから
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どこにもないインストゥルメンタル入門 | ディスクユニオンスタッフが教える、かけがえのない音楽 # 16
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