職人が縫った服を壊すという衝撃、 「AIREI HANDSTITCHED KHADI HOODIE」QUIエディター副島のイットアイテム vol.5
福岡出身。
広告の企画やプランニングをやりながらQUIに従事。
ファッションが好きになったきっかけは「アントワープ6」。<ANN DEMEULEMEESTER>のレイヤードスタイルにどハマりしたことでデザイナーズにのめり込む。
普段の趣味はサッカー観戦とサイクリング。
AIREIとは
<AIREI>は、2020年にデザイナーのDrew Curry(ドリュー・カリー)が設立したロサンゼルス拠点のブランド。
職人によって手作業で作られるアイテムは、それぞれシリアルナンバーと職人の名前がタグに記載される。
ドリュー・カリーは、インドからも強く影響を受けており、背面のアイコンであるステッチは極楽浄土の道標の色である黄色で縫われている。
2022年のLVMHプライズのセミファイナリストであり、Kendrick Lamar(ケンドリック・ラマー)やBillie Eilish(ビリー・アイリッシュ)などセレブリティも愛用する。
既成観念を離れた服作りを追求することで、現代のメンズウェアに新風を吹き込む。
AIREIの魅力とは?
今回ご紹介したいのは、アイテムはもちろんだが、<AIREI>というブランドの面白さ。
先日「DOVER STREET MARKET GINZA」でも即完した<AISCS(アシックス)>のコラボレーションもそうだが、作るプロダクトに宿る「創造的破壊」という精神性に衝撃を受けた。
クリエイターや職人に敬意を込めつつ、それを破壊することで一つのデザインが出来上がる。インドで影響を受けたデザイナーであるからこそのデザインと言えるのだろう。
「THE ELEPHANT」で見させていただいたジャケットは、一見シンプルなボタンダウンのワークジャケットと思いきや、生地全体が薄いコットンのガーゼに包まれており、それを火で炙るとポケットなどが出てくる仕様になっている。
このジャケットは、火で燃やなくとも着用はできるのだが、アシックスのコラボレーションに至ってはガーゼを燃やさないと履くことすらできない。
THE ELEPHANTで購入したブラックのフーディ
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今回「THE ELEPHANT」で購入させていただいたフーディーは、ブランドのアイコンともなっている切りっぱなしのデザイン。
フロントには「Destiny」の文字が手縫いで縫い代によって文字が書かれる。手縫いなので、洗濯や着ていくことで糸が取れていくと思われるが、
長く着用することで、職人が手縫いした「Destiny」の文字が糸がほつれて無くなっていくとのこと。文字通り、それも運命とでもいうのだろう。
手縫いの職人の名前がしっかりタグに記載されており、職人の技術をリスペクトしつつ、それを着用することで壊していく。
大量生産ではできないからこそのプロダクトを存分に楽しめるのは、このブランドならでは。
ぜひ服好きの読者にはチェックしていただきたい異彩を放つブランド。
-AIREI取扱店舗はこちら
Dover Street Market Ginza
The Elephant
Baby’s All Right
など