【BEHIND THE SCENE】YUKI HASHIMOTOがロンドンファッションウィークにて2022春夏コレクションを発表
2019春夏コレクションから同ブランドをスタートし、ロンドンファッションウィークの参加は先シーズンに引き続き2回目となった。
QUIでは、先に行われたキャンペーンヴィジュアル、ルック、ムービーの撮影現場に潜入した。
9月某日関東のとあるスタジオにて撮影が行われた。
撮影前感染対策が行われたスタジオでは、デザイナー、スタッフによる入念なセッティングが行われていた。
今シーズンは、1950年代が重要なキーワードになっている。
時代背景として、第二次世界大戦後冷戦構造が確立、経済が急速に復興し都市開発が活発に行われたことが挙げられる。
その中でも橋本が今シーズン着目したのは、1950年代モダニズム建築の巨匠であるル・コルビュジエが携わったインドの都市チャンディーガルの都市計画。
スタジオの中央に作られた道、その周りに点在する瓦礫の山はどこか冷たさを持っており、過渡的な都市を彷彿させた。
今回のテーマの中でもう一つ欠かせないのは、1989年にアメリカで制作された映画『Mystery Train(ミステリー・トレイン)』。
本作は1950年代アメリカ・メンフィスのホテルを利用することになる3組の登場人物それぞれの出来事を3編に分けたオムニバス形式で描かれ、各編のストーリーが同時刻帯に進行しお互いに影響しあう群像劇作品。
同作は今シーズンのテーマである1950年代の街と人との交点を知るために欠かせない作品となった。
ブランドを始める際、橋本の親友が描いてくれた絵も同作を題材にした作品だったという。
ル・コルビュジエ建築特有の冷たさと、『Mystery Train』に登場する人間味溢れるキャラクターの相反するようにも見える二つの要素を融合させ、ブランドならではの世界観で表現した。
コレクションの構想は今年4月頃から。
世界的なパンデミックで生活様式が大きく変わる中で、街やその中で営まれる生活、衣服の在り方について改めて考え、様々なファッションの方法を探っていきたいと思った。
また、1950年代と今では生活様式が大きく異なるが、その中でも変わらない「外に服を着ていくこと」をポジティブに捉えられるような服作りをしたという。
アイテムとしては、街を走る車のシートベルトモチーフに、ショルダー部分にベルトが配置された象徴的なトレンチコート、チャンディーガルの地図を切り抜いたパッチワーク技法を使い、レーザーカットを用いてカットオフしたシャツなど、細部まで”街や人々”を感じられるディテールにこだわった。
他にもブランドらしくアップデートされたハリントンジャケットや、ライダースジャケットなど50年代に流行したアイテムがコレクションを彩る。
L.A発祥のシューズブランド<Article no.(アーティクルナンバー)>とのコラボレーションアイテムもラインナップ。
様々なシーンで履くことのできるシューズに仕上がっている。
ロンドンでのコレクション発表も追い風となり、国内外から注目を集め、躍進を続ける<YUKI HASHIMOTO>から今後も目が離せない。
発表されたコレクションのムービー、ルックは以下から見ることができる。
YUKI HASHIMOTO 2022SS COLLECTION
film Director:Koei Taga
Director of Photography:Daniel Lazoff
Gaffer:Lisa Koski
Music:Sapphire Slows
Hair & Makeup:Teruaki Shinjo(Shiseido)
Cast:Kaan,Pedro,Takuma Amakasu
Movie Production:Grid inc.
Producer:Kento Teranaka(Sun Design Institute.)
Photographer:Kiyotaka Hamamura
Still Photographer:Norihiko Ishizuka
Press:Keitaro Nagasaka(Sakas PR)
collaboration with Article no.
- Photographer : Norihiko Ishizuka