NEW GENERATIONS vol.14 – REJAY|Musician
第14回は、18歳のシンガー・REJAYへのインタビュー。その唯一無二の歌声にNulbarichのJQが魅了され、2024年にデビューを果たしたばかりの瑞々しい才能に迫る。
TOP ¥ 26,400、PINK BRA ¥ 31,900/FUMIKA_UCHIDA (CLIFF co.ltd 03-5844-6152)
RED BUSTIER ¥ 22,000/SIMONE WILD (Filg Showroom 03-5357-8771)
LINGERIE CORSET ¥ 6,490/Top of the Hill Kouenji (03-6383-1372)
DENIM SKIRT ¥ 3,850/Little Trip to Heaven Shimokitazawa (050-3385-7975)
DENIM PANTS ¥ 16,500/Harajuku Cicago Shimokitazawa (03-3419-2890)
CARDIGAN、BELT、SHOES/STYLIST’S OWN
BODY SUITS ¥ 9,900、TANK TOP ¥ 5,500、SKIRT ¥ 33,000、SHORT ¥ 6,600/JANTIQUES (03-5704-8188)
SUEDE FLOWER ¥ 81,400/FUMIKA_UCHIDA (CLIFF co.ltd 03-5844-6152)
BELT ¥ 5,390 /Little Trip to Heaven Shimokitazawa (050-3385-7975)
BOOTS ¥ 192,500 /ISABEL MARANT (ISABEL MARANT AOYAMA STORE 03-6427-3443)
TIGHTS、SOCKS / STYLIST’S OWN
幼少期から培われた表現者としての礎
― まず、幼少期のお話から順にお聞かせください。出身は北海道のニセコですよね。今だと海外からも多くの方が訪れるリゾート地として栄えています。
生まれはオーストラリアで、生後8か月ぐらいでニセコに引っ越してきました。ニセコはここ十数年で一気に栄えていったので、私が小さかったころは今のような感じではなかったです。
― 今ではバイトの時給も東京より高いらしいですよね。オーストラリアからニセコに移住した理由は知っていますか?
私の母方の祖母がニセコでペンションをやっていて。もともと両親はオーストラリアにいたんですけど、ニセコがすごく好きだったので1年間行ってみようとなったらしく。実際に住んでみたらよすぎて、そのままずっと住んじゃってる、みたいな(笑)。
ー お父さんがオーストラリア人で、お母さんは日本人?
そうですね。
― ご両親がウインタースポーツ好きだったんですか?
父親がすごくスポーツ好きで。家族でスノーボードやスキーに行くこともよくありましたね。
― REJAYさん自身もアクテイブな子でしたか?
ずっと外で遊んでいる子供だったと思います。秘密基地を作ったり、木登りをしたり。
― 自然豊かな環境で。そうすると音楽にはどこで触れたのか気になります。
父親がずっと洋楽をかけていました。あと、私自身もミュージカル映画や歌うことが大好きで、合唱部に入ったり、歌を習い始めたり。地元のいろんなイベントで歌わせてもらうこともあり、そこで少しずつ歌うことに興味を持ち始めました。
― お父さんも音楽をやっていた?
はい。今もニセコでバンドを組んでおり、ボーカルをやっています。
― やっぱり音楽一家でもあったんですね。どういう音楽を聴いて育ちましたか?
小さいころは父親からThe Beatlesをすごく聴かされたのは覚えています。私自身でも本当に幅広い音楽を聴いてきましたが、一番多く聴いてインスパイアされたのはBillie Eilishかもしれません。
― 子供のころから人前で歌っていたそうですが、当時から音楽で食べていけたらという気持ちもあったのでしょうか?
合唱を始める前、5歳ぐらいから歌手になりたいとずっと考えていました。
― 音楽を聴くこと、歌うことが好きで、そこから自身で作詞作曲を手掛けるようになったことも、今につながる大きなステップですよね。
本当に小さいときから、ふざけて曲を作り合う友達がいて、50曲ぐらい作ったんですよ。魚についてとか、虹がどうこうとか、本当にちょっとした曲を作っていて楽しいなと。それからいろんなアーティストにインスパイアされて、自分の感情を曲に入れたいと思い始めたのは10代になってからですね。
― 天才肌だ。その友達もすごいですね(笑)。作曲はすべて独学で?
そうですね。
― 壁に当たることはなかったですか?
上京してからいろいろ学び始めて、どういうふうに曲を作ったら人の心を掴めるかと考えだすと、今までのようにただ単純に音楽を作っているだけでは、そこからかけ離れてしまう。音楽を学べば学ぶほど、深くておもしろいですね。
― 逆説的ですよね。やればやるほど、わからないってことがわかってくる。
本当にそうですね。
― 嫌になることはないですか?
自分にとって音楽は日記みたいなもので。なにがあっても音楽に帰ってこれるという部分はずっと大切にしたくて。これからいろんな壁にぶつかることもあると思うんですけど、それでもずっと音楽に帰ってきたいというのは強く思います。
デビューへと導かれたJQとの出会い
― デビューのきっかけは、Nulbarich のJQさんからのコンタクトだったそうですね。
私がYouTubeにアップしていたカバー曲をJQさんが聴いて「いいね」ということでプロデュースをしてくれることになりました。
― YouTubeでも熱心に活動していたんですか?
フォロワーがたくさんいたわけではないんですけど、何万回か再生されている動画もありました。
― それを観てDMをくれたと。びっくりしませんでした?
最初はびっくりしましたね。親にどうしようと話して。
― JQさんの第一印象は?
つかめない人ですよね(笑)。でも、私がJQさんの前で最初に歌ったときに、めちゃくちゃちゃんと向き合って聴き入ってくれて、やさしい人なんだろうなと安心しました。
― 楽曲の制作はどういった形で行っているのでしょうか?
曲によっても違うんですけど、たとえば歌詞をJQさんに見てもらって、「ここはダメ」と言われた部分を書き直したり。
― これまでは自分が好きなように作ってきたわけで、指摘されるとなにくそと思う瞬間もあると思うんですけど、それでも確実に作品がよくなっていく感覚はありますか?
私は私の世界でしか音楽をやってこなかったからなにもわかってなくて。それこそBillie Eilishを聴いていいなと思っても、その感情を分析できない。でもJQさんは本当に音楽の天才なので、なぜ惹かれるのかを言語化して教えてもらえるんです。すごく自分の音楽に対する視野が広がっているように思います。
― REJAYさんらしさを人に伝えるためにはどうすればいいか、JQさんには見えているんでしょうね。
JQさんは音楽面で、私自身よりも私のことを知っていて。だからそこをうまく引き出せるのかなと思います。
― 今年2024年2月には、Nulbarichのライブのオープニングアクトで、Suzanne Vegaの『Tom’s Diner』と自身の1stシングル『Too Late』を披露しました。あの規模感のライブにいきなり立つのはしびれますよね。
すごいプレッシャーで、これまでのステージとは立ったときの感覚が全く違いました。
― 声は震えないものですか?
Nulbarichさんのライブは2日間あって、私は2日目にやらせていただいたんですけど、初日の終演後に1回ステージに立ってみたんです。そうしたら震えすぎて、家に帰って泣いちゃうみたいな状態で。「もう無理だ!」って思ってたんですけど、当日立ってみたら全く平気で。歌ってみたら「あ、楽しい」みたいな(笑)。もちろん緊張はしたんですけど。
― 最初『Tom’s Diner』はかっこよすぎました。曲はご自身で選ばれたんですか?
JQさんにサジェストしてもらって。
― REJAYさんが生まれるよりずっと前、80年代の曲ですよね。
私もなんとなくは知っていたんですが、すごくいい選曲ですよね。
音楽と向き合って生まれた1st EP『18』
― REJAYさんが音楽と向き合ううえで大切にしていることはなんでしょう?
さっきも言わせてもらったんですけど、音楽をずっと好きでいたいということと、音楽が私の帰れる存在であってほしい、心のよりどころであってほしいということです。
― 音楽を通して、だれかに届けたい、伝えたいという気持ちもありますか?
ありますね。最初は自分だけのために音楽をやっていたんですけど、今はいろんなアーティストから私がインスパイアされるように、私自身もいろんな人をインスパイアしたいと思っています。
― REJAYさんの曲は日本語と英語で書かれていますが、もともとバイリンガルですか?
日本で育ってきたので、日本語のほうが流暢にしゃべれるんですけど。私自身、洋楽や洋画に触れることが多かったり、ニセコがグローバルだったり、父親の影響があったりして、英語にすごい興味があって。学校でも英語科に行くことが多かったです。
― 歌詞では比較的平易な言葉を使っているように感じました。歌詞を書く際に気をつけていることはありますか?
私は小さいころからずっと英語で書いてきたので、そっちのほうが得意なんです。譜割りとか歌詞の当てはめとかは英語の感覚が身についてて。でも先に英語で書いちゃうと、後から日本語を入れても英語と結びつけるのが難しくなっちゃう。だから英語と日本語を同じタイミングで入れていくようにしています。まだちょっと難しくて、そこは私の課題点でもあるんですけど。
― どちらかの言語で考えるのでなく、英語と日本語を直接出力するような。
そのほうが難しい言葉を使わずにストーリーが成立する気がします。
― 2024年3月には1st EP『18』がリリースされました。タイトルはREJAYさんの現在の年齢を表しているそうですが、EP全体を通してのコンセプトがあれば教えてください。
子供と大人の中間みたいな年齢で、そんな今の自分が感じたことを全て素直に書いています。
― 収録曲について、ひと言ずつコメントをいただけますか? まず1曲目はデビューシングルでもある『Too Late』。
『Too Late』は実体験の恋愛について書いた曲です。一番最初に出した曲ということもあり、かなり思い入れはありますね。
― 2曲目は『Secret』。
『Secret』は、自分が大切な相手に伝えたいことを伝えられない。この秘密を伝えてしまったら、彼から見える私が変わってしまうかもしれないというもどかしい気持ちを込めています。日本語で始まって、サビが英語なんですけど、さっき話したようにわかりづらくならないように意識しました。
― 3曲目は『18 girl』。
「18歳、無敵」みたいな気持ちで書きました(笑)。JQさんとも話してアマピアノ(南アフリカ発祥のハウスの派生ジャンル)をやってみたいなと。
― 4曲目が『Let’s Just Be』。5曲目にはその日本語バージョンが収録されています。
『Let’s Just Be』は一番最初にJQさんと作った曲です。私は失敗したことや嫌だったことをすごい悩んじゃうんですけど、その気持ちは昨日に置いて、今日は自分の好きな自分で行こうとチアアップするような曲です。
日本語バージョンは、JQさんがNakamuraEmiさんの独特な表現と『Let’s Just Be』のメロディーを掛け合わせたらすごくいいんじゃないかと。英語の歌詞の意味とか、どういう気持ちで書いたとか、すごく詳しく伝えて、それをEmiさんならではの歌詞で返してもらって、私が歌わせてもらいました。
18歳のリアルとこれからのビジョン
― パーソナルな部分についても質問させてください。まわりの友人からはREJAYさんってどういう人だと言われますか?
話す前はちょっと怖そう、みたいな。話しかけていいのかなって。でも仲良くなって心を開いたら、変なやつだってよく言われますね(笑)。
― 音楽以外ではどんなことに興味が?
絵を描くことがすごく好きです。運動も好きなので、今までいろんなスポーツをやってきました。
― 運動歴は?
幼稚園ぐらいから水泳を7〜8年やって、バスケを3年、弓道を2〜3年やって、今はキックボクシングを習っています。あと、スキーは3歳ぐらいからずっとやっていて、今も冬は絶対にニセコで滑っています。3年ぐらい前からはスノボもやっています。
― 絵は、どんな絵を描かれるんですか?
あんまり色を使わず描くことが多いです。EPのジャケ写も描かせていただいていて。私が鉛筆で描いた絵にデザイナーさんが色をつけてくださったんです。
― 独自の世界観があって、めちゃくちゃ惹かれます。今日はファッション撮影もさせていただきましたが、普段からファッションは好きですか?
好きです。最近はヒッピーな要素を取り入れるのが好きで。アクセサリーとかバンダナとかをつけたり、タイトなシルエットにバギーなパンツを合わせたり。
― ヘアは地毛ですか? カラーやパーマは?
なにもしていないです。
― いいですね。ヒッピースタイルがすごく似合いそうです。
ありがとうございます。だんだん髪色が明るくなっていて。小さいころはもっと黒かったんですけど。
― 今18歳で、これから先どういう大人になっていきたいですか?
ずっと自分の好きなものに素直でいたいです。大人になればなるほどいろんな選択肢や、まわりからの「こうしたほうがいい」というような意見も増えてくると思うんですけど、そこにとらわれすぎずに自我を持って自分の好きなことをやり続けられることが一番かっこいいと思うので、そこを大切にしたいですね。
― REJAYさんは、今までもそうやって歩んできていますよね。ではミュージシャンとしてのビジョンはいかがでしょう?
それこそ音楽をずっと好きでいたいということと、早くツアーを回りたいなというのはありますね。
― 海外でもやっていきたい気持ちはある?
そうですね。日本ももちろん、いろんな国の方にも同じように心に響く曲を作りたいとは思っています。
Profile _ REJAY(リジェ)
北海道ニセコ出身の18歳。オーストラリア人である父の影響で、幼少期からさまざまなジャンルの音楽を聴いて育つ。13 歳から作詞作曲を始め、YouTubeにカバー動画などをアップしていたところ、NulbarichのJQにその歌声を発掘され、JQプロデュースの元で活動を始める。影と透明感の両極を兼ね備えた唯一無二な歌声を持つ。
Instagram X
INFORMATION
「J-WAVE presents INSPIRE TOKYO 2024 -Best Music & Market- supported by TimeTree」
REJAYが、2024年7月14日(日)13:45〜14:15にMARKET FIELDにて出演!
※MARKET FIELDは観覧フリーとなります。
<MARKET FIELD>
開場/開演 OPEN 11:00 / END 20:00(予定)
会場:代々木公園イベント広場・ケヤキ並木
<LIVE FIELD>
開場/開演
13日 OPEN 14:00 / START 15:00
14日 OPEN 14:00 / START 15:00
15日 OPEN 15:30 / START 16:30 / END 19:00頃(予定)
会場:国立代々木競技場 第一体育館
主催:INSPIRE TOKYO実行委員会
企画・制作:J-WAVE / J-WAVE MUSIC / DISK GARAGE
特別協賛:TimeTree
後援:東京都/渋谷区(MARKET FIELDのみ)/渋谷区観光協会
お問い合わせ:DISK GARAGE
- Model : REJAY
- Photographer : Fumiya Hitomi
- Stylist : Mizuki Hirano
- Hair&Make up Artist : Miri Sawaki
- Text : Yusuke Takayama(QUI)
- Edit : Miwa Sato(QUI)