Ambientecの新作「Vosco」、木材がもたらす新たな魅力
“手に持って移動できる光”を提案してきた<Ambientec>にとって、木材を取り入れた新たな試みでもある。
木材を取り入れた新しさは、手に取ったときにも感じられる。
木の質感がそのまま残る滑らかな手触りは印象的で、過度な加工を感じさせない。触れた瞬間に、素材そのものの存在が伝わってくる。
木材の採用で生まれた、新たな魅力
これまで<Ambientec>は金属やガラスといった素材を中心にプロダクトを展開してきたが、今回初めて木材を取り入れた。
その変化は見た目にも現れており、「Vosco」はこれまでの製品とは異なる、やわらかさや温度を感じさせる空気感をまとっている。

Photo by Hiroshi Iwasaki
木部には、家具メーカー<カリモク>の技術が活かされている。
手に持って使うことを前提とした使い心地や仕上がりに加え、<Ambientec>がこれまで培ってきた防水性や耐久性への考え方も、この木部の設計に反映されている。
木材の採用も、そうした蓄積の延長にある。
“自然痕”を活かす木材使い
今回の「Vosco」で印象に残るのは、木材の扱い方だ。
節や色ムラ、虫食いといった、これまで家具では避けられてきた要素を「自然痕」として捉え、そのまま活かしている。

従来であれば家具づくりには使われにくかった木材をあらためて活かすことは、里山の資源をもう一度暮らしの中へ戻す試みにもつながっている。
家具では均一性が求められることも多く、こうした個体差は敬遠されることもある。
「Vosco」では、それぞれの違いをひとつの個性として受け止めている。
一点ごとに表情が異なることで、既製品でありながら、それぞれに固有の佇まいが感じられる。
長く使い続けるための構造

「Vosco」は、木に負担をかけない内部構造を採用し、パーツごとの修理や交換ができる設計になっている。
中心の木部はS・M・Lの3サイズに切り替えられるほか、メープルとウォルナットの2種類から選択でき、使い続ける中で交換することも可能。
暮らしや用途の変化に合わせて構成を変えながら、長く付き合っていける設計だ。
光・香り・音が重なる展示体験

Ambientec Gallery Tokyoでは、発売にあわせて「Synesthesia #02」が開催された。
会場は、<FUEGUIA 1833(フエギア イチハチサンサン)>の香りや音楽とともに、「Vosco」の光を体験できる構成。光だけでなく、香りや音を介して「Vosco」の魅力を立体的に感じられる展示となっていた。
用意されていた香りは「マラブリーゴ」。冷え込む季節の始まり、焚火を囲む時間をイメージした香りで、スモーキーさやウッディ、レザーのニュアンスが重なる、落ち着いた香りだ。
実際に空間に身を置くと、炎の揺らめきを思わせる「Vosco」の光と自然に重なり合い、全体に温かさを添えていた。
また、選曲されたサウンドリストも用意されており、展示の余韻を持ち帰るような感覚も印象に残る。
ライフスタイルへ接続する展示
Karimoku Commons Tokyoでは、「Vosco」を居住空間の中で見せるスタイリング展示も行われている。
ショールームでプロダクト単体として見ると、木材を取り入れた見え方は新鮮である一方、その変化をまだ少し特別なものとして受け取ってしまうところもある。
ただ、Karimoku Commons Tokyoのような居住空間を想定した場所で見ると、その見え方は大きく変わる。
家具や空間の中に自然と馴染み、照明としてだけでなく、暮らしの景色をつくる存在として立ち上がってくる。

ショールームで見る「Vosco」と、生活の中で見る「Vosco」。そのあいだをつなぐ場所として、この展示は「Vosco」の良さをより具体的に見せてくれる。暮らしの中に置かれたときの美しさや馴染み方も、ここではよりはっきりと見えてくる。
木材を取り入れた「Vosco」は、<Ambientec>のプロダクトに新しい魅力をもたらした。見た目の変化だけでなく、素材の個体差を受け入れる考え方や、長く使い続けるための設計まで含めて、この新作の輪郭が形づくられている。
製品情報

Vosco メープル

Vosco ウォルナット
「Vosco」は、メープル/ウォルナットの2種、サイズはS・M・Lの3展開。光源はLEDで、色温度は1700〜2400K。調光は4段階で、LOWでは最長180時間の連続点灯が可能だ。
2025年のミラノサローネ/エウロルーチェで発表された「Vosco」は、2025年にはADA - Archiproducts Design Awards 2025 照明部門を受賞し、2026年3月にはiF Design Awardも受賞している。
充電は専用充電台とUSB Type-Cに対応。素材には木材のほか、亜鉛合金、ポリカーボネート、アクリル樹脂、シリコンゴムなどを使用している。
スペック
メープル S / ウォルナット S
価格:66,000円(税込)
サイズ:外径 約115mm × 高さ 約197mm
重さ:本体 820g、充電台 58g
メープル M / ウォルナット M
価格:68,200円(税込)
サイズ:外径 約115mm × 高さ 約237mm
重さ:本体 890g、充電台 58g
メープル L / ウォルナット L
価格:70,400円(税込)
サイズ:外径 約115mm × 高さ 約277mm
重さ:本体 960g、充電台 58g

連続点灯時間(4段階調光)
LOW:180時間
MID:45時間
HIGH:15時間
EX-HIGH:5時間
展示概要
Karimoku Commons Tokyo スタイリング展示
会期:3月19日(木)〜5月中旬頃まで
会場:Karimoku Commons Tokyo
住所:東京都港区西麻布2-22-5
営業時間:12:00〜18:00
休館日:不定休
アクセス:東京メトロ表参道駅A5出口より徒歩10分
Karimoku Commons Tokyoは、ショースペースに加え、オフィスやギャラリー機能も備えたハイブリッドな空間。家具を実際に使いながら、カリモク家具の活動や考え方に触れられる。
ウェブサイト:https://commons.karimoku.com/
Instagram:@ambientec_official @karimoku_official
- Text & Edit : Y.O(QUI)