中島セナ – 見えない部分を想像する
ディズニーの作品に携われたことがうれしかった
― ディズニープラスオリジナルドラマ『ワンダーハッチ -空飛ぶ竜の島-』では、空想好きの高校生・ナギを演じられています。脚本を読んで大切にしたことはなんですか?
撮影時にちょうど同い年だったので、等身大の高校生を演じられたら良いなと思って臨みました。ナギはちょっと学校に馴染めてなくて、そういうところは私と似ているかもしれません。
― では本作に限らず、お芝居する際に心がけていることや、目指しているところがあれば教えてください。
私はお芝居についてまだ掴み切れていないなって思うことがすごくあるんです。でも共演者の皆さんや監督さんなどまわりの人に刺激されて、自分のかたちにできるものがあれば良いなと思っています。
― いろんなスタッフやキャストと一緒になって作品を作り上げることに楽しさを感じている?
そうですね。とくに制作側のスタッフさんの仕事内容にも興味を持つことが多いので、それを間近で見られるのはすごくうれしいです。
― ものづくり自体に興味があるんですね。
はい。とても興味があります。
― ものづくりといえば、中島さんは絵を描かれているそうですね。どういう絵を描いているんですか?
今は油絵をやっています。
― 絵のモチーフは?
習っているので、課題を提示して描くことが多いです。
― ちゃんとテクニカルな部分を勉強されているんですね。
― 中島さんは年々着実にキャリアを積まれていますが、本作はこれまでの作品とは異なる部分も多かったのでは?
ドラマで主演させていただくのも、3〜4か月もの撮影期間というのも初めてで。映画だと長くて2か月ぐらいなので。
あと子供の頃からディズニーの作品はよく観ていたので、そこに携われることがすごくうれしかったです。ナギは普通の高校生の服装でしたが、(異世界の)ウーパナンタの人たちの衣装は独特でしたし、セットもすごくて、村をまるごと作ってしまうなど規模感に圧倒されました。
― 完成した作品をご覧になった感想はいかがでしょう? アニメやCGとの融合も見どころなので、撮影時とはだいぶ印象が違ってきそうですよね。
声優としては参加していなかったので、アニメパートを観たのは完成してからでした。撮っている順番はバラバラなので、「ここがこうなってるんだ」とか、「このアニメのシーンとつながるんだ」とか、自分の中で整理がついて、いち視聴者としてすごく楽しめました。
― 見どころがあれば教えていただけますか?
人も自分も信じていなかったナギが、(奥平大兼さん演じる)タイムと出会ってどのように変化していくのか注目していただきたいです。
コロナ禍でプラスになったこともあった
― QUIで前回撮影させていただいたのが2020年4月。それからはコロナ禍とほぼ重なっていましたが、どのような3年間を過ごしてきましたか?
私は高校受験のときがコロナ真っ只中で、受験の形式がかなり変わった年でした。コロナ禍で人と関わる機会が減って、ナギのように心の壁を感じるようになってしまったり、好きなものを見つけにくかったり、大変な人はすごく大変な時期だったと思うんです。
でも私は家にいることが多くなって、それが合っていたのか、自分にとってはプラスになったこともありました。だから自分の中では、コロナ禍のすべてをマイナスに捉えているわけではなかったです。
― たしかにこれまでの常識が覆るような、良い変化もたくさんありましたよね。
ー 最後に、2020年と同じ質問をさせてください。全7問です。
【問1】美の多様性が求められる時代。セナさんが美しいと思うのはどんな人ですか?
変容していく人。やさしい人。
【問2】自身がモデルとして心がけていることは?
体調管理です。そしてモデルとしても女優としてもフラットでいることを心がけています。
【問3】女優として、演じることは好きですか?
3年前に比べると、お芝居の現場に慣れてきたかもしれません。でも演じるということが楽しいとか、苦しいとか、そういうことを感じることすらまだ難しいなと思います。
【問4】14歳(2020年当時、現在は17歳)という年齢が注目されることも多いですが、「若い」ということをプラスに捉えていますか?
昔と変わらず年齢を気にすることはありません。
【問5】自分の性格や外見で変えたいところは?
結構頑固なので、柔軟に取り組めるようになりたいです。
【問6】一方、世の中で変わってほしいなと思うことはありますか?
最近はSNSなどで、あまり考えずに発信する人が多いように思います。人の見えない部分を想像することや、声を聴くことを、大事にしたいと考えています。
【問7】いま、新しく始めてみたいことは?
ひとり旅です。東北に行って、ぼーっとしてみたいです。
Profile _ 中島セナ(なかじま・せな)
2006年生まれ、東京都出身。 ’17年にスカウトされモデルデビュー。以来、大塚製薬『ポカリスエット』KANEBO『I HOPE』のメインキャラクターに抜擢される。また『WE ARE LITTLE ZOMBIES』『クソ野郎と美しき世界』などの話題の映画にも出演。待機作に2024年5月公開の『あこがれの色彩』がある。
dress ¥101,200 / Mame Kurogouchi (Mame Kurogouchi online store), ear cuff ¥20,900・ring ¥97,900, bangle ¥44,000 / ENEY (ENEY MATSUYA GINZA 03-3566-2139), shoes by stylists own
Information
『ワンダーハッチ -空飛ぶ竜の島-』
2023年12月20日(水)より、ディズニープラス「スター」で独占配信
出演:中島セナ、奥平大兼、エマニエル由人、SUMIRE、津田健次郎、武内駿輔、嶋村侑、三宅健太、福山潤、土屋神葉、潘めぐみ、宮寺智子、大塚芳忠、田中麗奈、三浦誠己、成海璃子、新田真剣佑(友情出演)、森田剛
監督:萩原健太郎
アニメーション監督:大塚隆史
脚本:藤本匡太、大江崇允、川原杏奈
キャラクター原案・コンセプトアート:出水ぽすか
プロデューサー:山本晃久、伊藤整、涌田秀幸
制作プロダクション:C&Iエンタテインメント
アニメーション制作:Production I.G
© 2023 Disney
- Photography : Takashi Kamei
- Photo Retouch : Ryota Kamimura(IINO GRAPHIC IMAGES)
- Styling : Kotomi Shibahara
- Hair&Make-up : SHUTARO(vitamins)
- Art Direction : Kazuaki Hayashi(QUI)
- Text&Edit : Yusuke Takayama(QUI)