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FASHION

坂東龍汰がまとう、2023秋冬メンズトレンド

Aug 25, 2023
2023-2024秋冬シーズンのメンズファションで、要チェックのアイテムや着こなしとは?
トレンドキーワードをもとに、今季のムードを反映した4つのスタイルを、俳優・坂東龍汰が身にまとった。
解説・監修はスタイリストの槌田有希。

坂東龍汰がまとう、2023秋冬メンズトレンド

Aug 25, 2023 - FASHION
2023-2024秋冬シーズンのメンズファションで、要チェックのアイテムや着こなしとは?
トレンドキーワードをもとに、今季のムードを反映した4つのスタイルを、俳優・坂東龍汰が身にまとった。
解説・監修はスタイリストの槌田有希。

 

CRAZY SILHOUETTE – クレイジーシルエット


Shibori t-shirt ¥74,800 (doublet | ENKEL 03-6812-9897)
Shirt ¥44,000 (Marvine Pontiak | OVERRIVER info@overriver.com)
Slacks ¥53,900 (Tamme | Sakas PR 03-6447-2762)
Velour pants ¥33,000 (SIMONE WILD | Filg Showroom 03-5357-8771)
Shoes ¥69,300 (Fax Copy Express* | MATT. INFO-MATT.COM)

これまでにもパファーやボンバージャケットなど定番のアウターがさまざまなシルエットへとリデザインされてきたが、今季のメンズではさらに個性を出したブランド独自のクレイジーなシルエットが多く見られた。

doublet(ダブレット)のShibori t-shirt は 1枚で着ても十分クレイジーなシルエットだが、中に何枚か着込むことでよりユニークなスタイルに。自分好みの、唯一無二のシルエットを手に入れて。

 

GRAY – グレー


Graffiti jacket ¥79,200 , Graffiti slacks ¥49,500 (FUMITO GANRYU | FOS K.K. contact@fumitoganryu.jp)
Leather collar shirt ¥110,000 (THE LAST REDEMPTION | LIGHT WORLDCORP CO,.LTD. 03-6876-1098)※シャツ付属有り
Lame fraise turtle ¥17,600 (JUHA 03-6659-9915)
Short necklace ¥39,600 ,long necklace ¥39,600 (SWAROVSKI JEWELRY | SWAROVSKI JAPAN 0120-10-8700)
Boots ¥49,500 (VIVIANO 03-3475-5725)

今シーズンは色味の強いアイテムがさまざまなブランドで象徴的に用いられていたが、一方で幅広いトーンのグレーを使ったアイテムも多く見られた。自由で幅広いカラーパレットは、パンデミックから解放され、世界的にファッションを楽しむムードになってきたことを感じさせる。

FUMITO GANRYU(フミトガンリュウ)のグレーのセットアップは、上下ともにルーズでリラックス感のあるシルエット。ラメのタートル、ジュエリー、つけ襟を合わせた。かっちり感もありながら、サイズや素材で遊び心を表現したスタイルに。

 

CONTEMPORARY COWBOY – コンテンポラリーカウボーイ


Leather jacket ¥176,000 (UNUSED | alpha PR 03-5413-3546)
Leopard jacquard vest ¥70,400 (Reference price) (GANNI customerservice@ganni.com)
Short ¥106,700 (Children of the discordance | STUDIO FABWORK 03-6438-9575)

カウボーイといえば、北米の伝統的な牛飼いのスタイル、例えばカウボーイハットやウェスタンシャツ、ジーンズなどが思い起こされるが、今季はアニマル柄や色味で現代的なカウボーイファッションを彷彿させる彷彿させるブランドが目立った。

レザージャケットの上にレオパード柄のベストをレイヤードしたスタイルは、色味を合わせることでまとまりのある印象。この秋冬にぜひ取り入れてみて。

 

CLASSY GRUNGE – 上品グランジ


Shearling jacket ¥324,500(GIORGIO BRATO | CORONET 03-5216-6513)
Gilet ¥41,800(ATTACHMENT | Sakas PR 03-6447-2762)
Knit ¥39,600(Maison MIHARA YASUHIRO | Maison MIHARA YASUHIRO TOKYO 03-5770-3291) Denim pants ¥36,300(RequaL≡ | ESTEEM PRESS 03-5428-0928)
Socks ¥4,180(MUSIC LEGS | POCO A POCO 03-3477-5006)

グランジファッションは1990年代初頭に流行した「グランジロック」から派生したファッション。グランジロックの代名詞ともいえるバンド「ニルヴァーナ」のメンバーの、着古して破れたたネルシャツやカーディガン、ジーンズ、スニーカーというスタイルが、当時の若者のファッションに大きな影響を与えた。

グランジはgrungy(汚い)という俗語が語源だが、こちらのルックではMIHARA YASUHIRO(ミハラヤスヒロ)のダメージニットやRequaL≡(リコール)の深めにスリットの入ったデニムに、あえてATTACHMENT(アタッチメント)のジレやヒールブーツを合わせることで、ただgrungyなだけではない上品なスタイリングに仕上げた。

 

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Interview with Ryota Bando

俳優・坂東龍汰インタビュー

― 坂東さんがファッションを好きになったのはいつからですか?

高校を卒業するまでは全く興味がなくて、東京に出てからですね。北海道で育ったということもあり、はじめはPatagoniaとかL.L.Beanとか機能性重視で。東京で初めて古着というものを知り、それからモード好きの友だちと出会って、COMME des GARÇONSやYohji Yamamoto、ISSEY MIYAKEなどの古着を着るようになりました。当時は全身黒でくるぶし丈のロングコートをあわせるようなスタイルをしていました。

― 当時から長く愛用しているアイテムはありますか?

5~6年前に古着屋さんで3万円ぐらいで買ったCOMME des GARÇONSのパンツ。3万円って当時の自分にとっては大金だったんですけど、店員さんに押し売りされて(笑)。めちゃくちゃヘビーに穿いて、裾もポケットも、おしりも破けちゃったけれど4回ぐらい修復して限界まで穿き潰しました。今も捨てるに捨てられず、とっています。

― 最近はどんな服装を?

今は「ちょっとおしゃれしなきゃ」というシーン以外は、夏は半袖短パン、冬はコーデュロイのパンツにダウンみたいな。本当にシンプルになりました。また機能性重視に戻ってきています(笑)。

― お仕事柄、現場で結局着替えちゃいますからね。逆にいつもビシッとおしゃれにキメて現場に入られる俳優さんっていますか?

えーだれだろう……。歌舞伎役者の片岡千之助っていう親友は、ここ数年、現場にはシャツを着ていくと言っていました。襟の付いた服のほうが背筋が伸びると。あと小松菜奈さんは4年ぐらい前に共演したときに革ジャンとか着てきてて、初めて会ったときからおしゃれでかっこよかったですね。

― 今日の撮影は秋冬のトレンドがテーマでしたが、秋冬アイテムは何か購入しましたか?

それが、最近は本当に服を買わなくなっちゃって。僕は基本的に買った服を捨てないんで、たくさん持ってるんですよね。でも今日いろんな服を着て、また物欲が出てきました。

― 今日のスタイリングで気になったのは?

最近は上下ともダボダボのシルエットが好きなんで、グレーのセットアップはすごく好みでした。

― 最近注目しているブランドは?

持ってはいないですけど、OUATはかわいいなと思っています。

― では、坂東さんが素敵だなと思う人は?

自然体で自由で、自分の考え方がしっかりあるけれど、それをひけらかすことはない素敵な先輩が僕の周りにはいっぱいいて、すごく惹かれます。そういう人って俳優としてもすごくおもしろい。行動を見ているだけでわくわくする。芸能人っぽく振る舞っているわけじゃないのに、スター性がある。

― そういった人間としての性質は、お芝居の質にも影響すると感じますか?

めちゃくちゃすると思います。僕が好きになる人は、僕が良いなと思う作品に出ていることがすごく多くて。まず人としての魅力があるからキャスティングされるんだろうなと。その人ならではの経験や感じていること、その人だけが持っている言葉、その人にしか出せない色気。そんなユニークな部分こそが一番大事だし、今後僕も培っていかなきゃと思っています。

― 9月1日(金)には、最新の出演映画『バカ塗りの娘』が公開されます。ほんとうに素晴らしい作品でした。美しくて、やさしくて、考えさせられるけど、難解ではない。そして観終わったあとに清々しさを感じられる。最近、こういう「いい映画」って意外とないなと。

冒頭、津軽塗のシーンから始まって一気に引き込まれますよね。大画面で観る色彩と音響、素晴らしいなと。撮ったときには感じられなかったディテールが、劇場という場を通して初めて伝わってきて感動しました。

― それこそが映画の力なんでしょうね。本作で坂東さんは、堀田真由さん演じる主人公・美也子の兄・ユウを演じています。観ているうちに、ユウと坂東さんが一体になっていくような感覚を受けました。

ユウは、僕と近いところがある役なんです。でも物語の最初のころは、その本来のユウが見えてこない状態で。僕は映画の中には、映っていない過去も残していきたいと思っているので、最初の美也子と2人のシーンはとくに大切に演じました。

― 家族のぎこちなさと、一方で美也子との心地いい距離感が伝わってくるシーンでした。

僕は美也子の力の抜けた雰囲気が好きで。彼女も徐々に心情が変化していって、それとともに表情も言葉の重みも変わっていくんですよね。うまいなあって。そして、それをすべて支える小林薫さんの存在感。

― 堀田さんと小林さんが並んで作業しているシーンで、二人が言葉なく通じ合っている様子が印象的でした。

それが良かったですよね。変に間を埋めようとせず、流れる空気感をそのまま使っているところが。

― 鈴木尚人役の宮田俊哉さんとも同じシーンが多かったですね。

初共演でしたが丁寧で、物腰柔らかで、紳士的な方でした。お芝居の相談もすごくしやすくて。常にユウと尚人というキャラクターの関係性で接してくださって助かりました。

― 鶴岡監督は、タイトルの「バカ」はひたむきさを表すバカだとコメントされていましたが、坂東さん自身のキャリアを振り返ってご自身は「バカだったな」と思いますか?

難しいですね。それは人から言われることだと思うので。だけど坂東玉三郎さんの言葉で、芸能を志すなら並大抵な努力ではいけない。命と健康は大事にしてください。でもそれを落とさないぐらいには努力しましょうと。僕はその言葉がすごく心に残ってて。僕がもし作品を作るってなったときににも、やっぱりバカになって頑張っている人のほうが、一緒に仕事したいなって思いますし。

― お話を聞いていると、映画の中の津軽塗の仕事についてのセリフにも通じるところがあるように感じました。

そうですね。そして常に新しいものを得たいという気持ちでやりたいと思っています。映画の中で美也子が挑戦したように、新しいことに挑戦する人のエネルギーってすごいじゃないですか。もちろん一つひとつの作品すべてが新しいんですが、その中でさらに俳優としての新しいアプローチに挑んでいきたい。

― 坂東さんって自由を愛していますよね。

そうなんです(笑)。歳を重ねてロジカルに考えられるようになってきたからこそ、感覚的なところをもっと養っていきたいんです。これから30歳、40歳となっていったときにどういう俳優になっていきたいのかはまだ漠然としていますが、いまは漠然としてていい時期なんだと思っています。

 

 

Profile _ 坂東龍汰(ばんどう・りょうた)
1997年5月24日生まれ、北海道出身。2017年、俳優デビュー。18年、NHK『花へんろ 特別編 春子の人形』でドラマ初主演。22年、『フタリノセカイ』(飯塚花笑監督)で映画初主演を務め、第32回日本映画批評家大賞の新人男優賞(南俊子賞)を受賞。近年の主な出演作は映画『スパイの妻』(20/黒沢清監督)、『冬薔薇』(22/阪本順治監督)、『峠 最後のサムライ』(22/小泉堯史監督)、ドラマ『ユニコーンに乗って』(TBS)『リバーサルオーケストラ』(NTV)、『王様に捧ぐ薬指』(TBS)など多数。現在『春に散る』(瀬々敬久監督)が公開中。待機作には『首』(北野武監督)がある。
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Information

映画『バカ塗りの娘』

2023年9月1日(金)全国公開、8月25日(金)青森県先行公開

出演:堀田真由、坂東龍汰、宮田俊哉、片岡礼子、酒向芳、松金よね子、篠井英介、鈴木正幸、ジョナゴールド、王林、木野 花、坂本長利、小林 薫
監督:鶴岡慧子
脚本:鶴岡慧子 小嶋健作
原作:髙森美由紀「ジャパン・ディグニティ」(産業編集センター刊)

映画『バカ塗りの娘』公式サイト

  • Photograph : Misuzu Otsuka
  • Styling : Yuuki Tsuchida
  • Hair : Satomi Suzuki(S-14)
  • Make up : ANNA(S-14)
  • Realization & Text : Yusuke Takayama(QUI)
  • Edit : Yukako Musha(QUI)

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