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MADNESSとは。ブランド10周年、ショーン・ユー来日インタビュー

Mar 7, 2024
香港を拠点に活躍する人気俳優、Shawn Yue(ショーン・ユー)が手がける<MADNESS(マッドネス)>が、ブランド設立10周年を機に日本での本格展開をスタートする。
QUIでは、原宿でのポップアップのために来日したショーン本人にインタビュー。<MADNESS>を始めたきっかけや、日本のファッションシーンからの影響、ものづくりへのこだわりなどに迫った。

MADNESSとは。ブランド10周年、ショーン・ユー来日インタビュー

Mar 7, 2024 - FASHION
香港を拠点に活躍する人気俳優、Shawn Yue(ショーン・ユー)が手がける<MADNESS(マッドネス)>が、ブランド設立10周年を機に日本での本格展開をスタートする。
QUIでは、原宿でのポップアップのために来日したショーン本人にインタビュー。<MADNESS>を始めたきっかけや、日本のファッションシーンからの影響、ものづくりへのこだわりなどに迫った。

ブランドのストーリー

自分に似合う、自分がほしい服を作りたいという思いから<MADNESS>を始めました。当時、たまたま腕に入れたタトゥーがそのままブランド名になっています。いい意味での狂気とか、変態性という感覚がマッチするかなと。俳優には変態な人が多いので(笑)。あとは読みやすいところもポイントですね。

ファッションが好きになった原点は、裏原宿のカルチャーです。初めて触れたのは18歳でした。『Boon』など日本の雑誌を夢中になって読んでいましたね。そして、このブランドのこの洋服をこう変えたらもっとかっこよくなるんじゃないかと考えることがすごく楽しかったんです。

今回ポップアップを開いたキャットストリートは、僕が日本で一番足を運んだ場所です。ほぼすべてのショップに入ったことがあるんじゃないかな(笑)。昔の原宿ってちょっとマイナーで、どのショップも独自の風格を持っていて、それがすごく魅力的に映ったんです。ショップを巡るうちに、藤原ヒロシさんやNIGOさんといった方々と触れ合って、裏原宿がより好きになっていきました。

 

ものづくりへのこだわり

<MADNESS>として決まったコンセプトはないのですが、あえて言えば自分の好きなものを作ることがコンセプトです。でも自分の好きなものが一貫しているので、10年前と今でテイストに大きな変化はないと思います。毎年ほんの少しずつシルエットを変えているぐらいでしょうか。

最も重視しているのは品質です。あとは服として使いやすいかどうか。お客さんが簡単に着こなせて、デイリーに着られることがポイントになっています。コラボレーションに関しては、友人のデザイナーと話をしていくうちにこういうものを作ったら面白いんじゃないかっていうところから始まることが多いですね。

ブランドを代表する商品はデニムです。デザインや素材、縫製はもちろん、本当に細かいところまで突き詰めています。たとえばボタンホールなどの糸は通常だったら黄色を使うことが多いんですけど、ファッションとして合わせやすいように白をチョイスしたり、デイリーユースしやすいようにシルエットを少し細くしたり。そういった細かいこだわりにまで注力しているので、作るのにも一番時間がかかりますね。

今日僕が着ているデニムは、今季2024SSのサンプルで作ったもの。でも、もし10年前のデニムを今穿いたとしても全く色褪せず着こなせるはずです。

 

日本のファッションシーンについて

とても個性にあふれていることが、日本のファッションの魅力だと思います。流行に流されず、デザイナー自身が本当に好きなものをリリースしている印象があります。

今後は日本で<MADNESS>の常設ショップも計画していて、一度は中目黒でいい場所が見つかったんですけど、残念ながら他の方に決まってしまって。なぜ中目黒かというと、今の中目黒って昔の原宿にちょっと似ているんです。人が少なくて、とても静かで、知る人ぞ知る、インディペンデントな雰囲気があるので。

日本のお客さんはファッションに対してとても深い理解があり、いろんなジャンルの中からよりよいものを選ぶ目を持っています。そんな人たちの目に叶うようなものづくりをしていきたいと思っています。

 

<MADNESS>のこれから

10年間、自分が好きなことをやってきたので、つらいとか苦しいとか、苦労を感じることはあまりなかったです。でも本当に納得できるものだけを作るクリエーションの部分と、発注する量などビジネス的な部分のバランスをとるのは、やっぱり難しいですね。

僕は自分が若いころのファッション文化が一番好きで、今は世界的に消費のサイクルが早すぎると感じていて。スマホひとつで簡単に買える時代になったことで期待感がどんどんなくなり、印象に残りにくくなっています。昔はひとつひとつのアイテムにより作り手の思いが込められていてユニークでしたよね。とくに裏原宿はDIY精神がすごくあって。

だから僕はこれからも、本当に作りたいと思ったものを作っていきたい。今は<MADNESS>というブランドが、自分が作りたいものをすぐに作って皆さんと共有できる場になっているイメージです。だけど自分が好きでやっているだけなので、ある日もう疲れてやりたくないなと思ったら、そのタイミングで閉めてしまうかもしれませんが(笑)。

 

Profile _ Shawn Yue(ショーン・ユー)
1981年11月13日生まれ、香港出身。2000年に俳優デビュー。主な出演作に、台湾ドラマ「あすなろ白書」(2002)、映画『インファナル・アフェア』シリーズ(2002/2003/2004)、『ベルベット・レイン』(2004)、『頭文字D THE MOVIE』『ドラゴン・スクワッド』(2005)、『かちこみ!ドラゴン・タイガー・ゲート』(2006)、「軍鶏 Shamo」(2007)、「恋の紫煙」(2010)、「ファイアー・レスキュー」(2013)、『狂獣 欲望の海域』(2017)などがある。2014年には自身が手掛けるファッションブランド<MADNESS>をスタート。

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  • Photography : Kaito Chiba
  • Text : Yusuke Takayama(QUI)

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