MeiMeiと共鳴するフューチャリスティックスタイル
まだ見たことのない、MeiMeiの核心に触れる。
日本生まれ中国籍の18歳。中国・アメリカ・日本育ちのZ世代華僑のトリリンガル。親が世界中で仕事をする関係から中学卒業までに中国・アメリカ・日本など合計11の地域に移り住む。特異な環境で育ち、16歳の高校進学ではアメリカの名門「Idyllwild Arts Academy」に入学。この学校には世界中からクリエイターやアーティストを夢見る子供達が集まる。入学後も歌うこととSNSの発信を続けたMeiMei。
その映像を見たレコード会社の目にとまり、2年間のアメリカと日本でのトレーニングを経て、17歳の2021年7月にグローバルアーティストとしてワーナーミュージック・ジャパンよりデビュー。
苦悩と希望
―日本・中国・アメリカを転々と渡り歩き、3ヶ国語を操るトリリンガルシンガー・MeiMeiさん。幼少期はどのように過ごされていましたか?
両親の仕事の関係で小さい頃から色んな地域を転々としてきました。友人との別れは辛かったです。また時に、人種差別という壁にぶつかることも。国籍が違うだけで心ない言葉を言われることもあり、傷つき落ち込みました。
でも、私のことを理解してくれる友人もいました。成長するに連れ、「価値観や人生観が合わないのなら仕方ない。私は私だ」と、次第に前向きに考えられるようになったんです。最初はネガティブに考えていた引越しも、今では新たな出会いにワクワクできるポジティブなものへと変わりました。
―さまざまな場所での経験が、MeiMeiさんを強くしたのですね。
おかげで打たれ強くなりました。歌の練習でダメ出しをされても、いちいち落ち込まず「もっと頑張ろう!」と前に進めます。
―歌手になろうと思ったきっかけは?
家族や親戚の集まりで歌を披露した時に、みんなが嬉しそうに笑顔を向けてくれたこと。その光景に私まで嬉しくなり、将来は歌手になりたいと漠然と思っていました。
そして、歌手というお仕事への想いがより強くなったのが8歳の頃。セリーヌ・ディオンさんが『タイタニック』の劇中に歌う「マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン」を聞いて涙があふれてきたんです。その頃は、英語もうまくなかったため、歌詞の意味は理解できていなかったのですが、歌声やメロディーに心を撃たれ感動し、音楽の偉大さを感じました。私がエナジーをもらったように、私も誰かにエナジーを届けられる歌手になりたいと強く思いました。
―これまで様々な場所でいろんな価値観に触れてきたMeiMeiさんだからこそ、伝えられる言葉やメロディーがありそうですね。音楽を制作する上で、影響を受けている人はいますか?
アメリカのシンガーソングライター、チャーリー・プースさんと、イギリスのシンガーソングライター、エド・シーランさんがすごく好きです。チャーリー・プースさんは、暮らしの中にあふれる生活音で音楽をつくられる方。例えば、2022年1月にリリースされた新曲「ライトスイッチ」は、ライトをつける時のスイッチ音がベースサウンドに取り入れられているんです。生活音を音楽に取り入れるという発想が面白いですよね。エド・シーランさんは歌詞がとても魅力的。優れたストーリー性と頭に残るキャッチーなメロディーがクセになります。私自身、「頭に残るメロディー」と「ストーリー性の軸が通った歌詞」をつくることを意識しています。これは大好きなおふたりの音楽から影響を受けている部分もあると思います。
―MeiMeiさんの新曲「Strangers feat.MIYAVI」も耳に残るメロディーとメッセージ性の強い歌詞が印象的でした。とてもかっこよかったです。
ありがとうございます。世界的なギタリストであるMIYAVIさんをはじめ、素晴らしいプロフェッショナルな方々と一緒に作り上げた、とてもパワーのある曲です。
―MIYAVIさんとのコラボレーションはいかがでしたか?
ずっと尊敬していた方とご一緒できたことは本当に奇跡で光栄なことだと思います。今でも信じられないほど嬉しいです!MIYAVIさんからは、たくさんの刺激と学びをいただきました。MIYAVIさんの音楽に向き合う姿勢や素晴らしいテクニックをリアルで感じ、私もより良いアーティストになりたいと心から思いました。
―この曲をどんな方たちに届けたいですか?
この作品を通して、不安や悩みを抱えている人たちへ希望や勇気をお届けできたら嬉しいです。ぜひ、聞いてみてください!
最新ファッションを着こなす
―さて、ここからはMeiMeiさんが夢中になるファッションについて。今回の「#NEW GENERATIONS」企画の撮影では、フューチャリスティックスタイルに挑戦していただきました。着用された衣装はいかがでしたか?
フューチャリスティックなものは大好きなので、今日のスタイリングは全て気に入りました。中でも印象に残っているのは、頭に被っていたクラウンをマスクのようにして顔を覆ったときのスタイリング。アートでフューチャリスティックなムードにテンションが上がりました。今気になっているブランドの<YOHEI OHNO(ヨウヘイオオノ)>も衣装として着用し、改めてかっこいいなと。
―とてもお似合いでした。今、MeiMeiさんご自身が注目しているファッションについても教えてください。
VRファッションに注目しています。日本では浸透していませんが、アメリカや中国では流行り始めています。一番手軽に楽しめるものは、ネットショッピングするようにバーチャルの服を買い、自分の写真を購入元に送付すると、バーチャルの服と自分の写真を合成してくれるものです。本当に着ているような綺麗な写真が返ってくるのですが、実際は画像に合成加工が施されているんです。デジタルだから環境負荷もなく、エコにも繋がっています。
手に取れないものにお金を使いたくないという方も多いと思いますが、実際やってみると普段着ないような服にもチャレンジでき、服を買うよりも安価で手に入るのでお勧めしたいです。特にお勧めしたいブランドは「DRESS X」。購入前に実際にARで試すこともできるので、気に入ったものを試してみて納得して購入することができます。また、メタバースなどバーチャルの世界に入る際にアバターに服を着させることもできます。NFTとしては、服のデジタルナンバーを買って所有権を持つことで、所有権のない人がアイテムを購入すると所有者にお金が入るシステムになっています。今後バーチャルの流行はさらに加速していくのではないかと思っています。
―VRファッション、興味深いです!他、ファッションでのこだわりはありますか?
「スパークリング」のアイテムが好きで、ダウンジャケットやシューズにキラキラしているものを取り入れて楽しんでいます。また、珍しいデザインの服を着ることも好き。アイテムもシルバーなどをプラスして、フューチャー感を取り入れたり、レザー素材のものを買ったり、独特なデザインのものを買うことが多いです。
基本的にはトレンドに左右されず、自分が良いと思ったものを直感的に購入していますが、たまにトレンドのカラーなども購入します。目に入ったものを買いがちで、独特なデザインだったら購入してしまうこともしばしば。最近気に入っているレインボーカラーのダウンは、3年前に購入したものの当時は着ることなく放置したままで、今年の初めから着始めました。買ってから着ていないものもありますが、いずれ着たくなると信じています。
―スタイリングバランスで意識していることがあれば教えてください。
モノトーンのコーディネートであれば、足元にインパクトのあるシューズを取り入れるなど、色や素材のバランスを大切にしています。外出する際の服装はオンオフで分けていて、仕事の時はちゃんとして見えることや着心地にこだわり、プライベートでは新しいスタイリングに挑戦するようにしています。プライベートで満足のいくスタイリングができれば、仕事へ着ていくラインナップに加えられます。アイテムとしては、昨年の終わり頃から脚長効果のある厚底シューズに目覚めました。コーディネートのアクセントになるだけでなく、丈の長いパンツにも合わせて履きこなすことができるのでコーディネートアイテムの幅が広がっているように感じます。今はかっこいいスタイルに挑戦したいと思っていて、レザー素材の服を合わせてどのようにかっこよさを出せるか考えています。
音楽と同じようにファッションが大好きなので、とことん追求していってしまいます。ヘアスタイルはバリエーションが少ないものの、アップスタイルにすることが多く、メイクはアイラインを工夫し、どうやったら目が大きく見えるのか考えながらメイクしています。目元にビビットカラーを入れることもハマっていて、最近はピンクのアイシャドウを購入し、アイラインのポイントとして活躍しています。
服とマッチすることはもちろんですが、綺麗なメイクでいかにパキッと見えるかを心掛けています。また、3D効果のメイクも学び、骨に沿ってメイクすることで立体感を演出できるようにしています。
―ファッションからメイクまで、研究しながら楽しまれているんですね。では、最後の質問です。MeiMeiさんにとって、ファッションとは?
人に印象を残すために重要なもの。
特に今はマスクを着用していて顔の印象を残すことができないので、ファッションでの印象付けが必要になっています。また、印象付けることが自分自身を守ることに繋がっているなと。例えば、「可愛い」から「かっこいい」ファッションに雰囲気を大きく変えたら周囲の空気感が変わるように、「印象」で自分自身を強く見せることができる。
もちろん楽しむことが前提ではありますが、機能的にも、精神的にも自分を守ってくれる「家」のような存在です。
- Model : MeiMei(Warner Music Japan Inc.)
- Photographer : Ryohei Hashimoto
- Stylist : Masumi Yakuzawa(Tron)
- Makeup Artist : Riina
- Hair Stylist : Koki Noguchi(Tron)
- Producer : Shun Okabe(QUI)
- Art Director : Kazuaki Hayashi(QUI / STUDIO UNI)
- Text : Yui Hosomi(STUDIO UNI)
- Text : Yukako Musha(QUI)