SEVESKIG – RECOMMEND by 編集部 副島

＜SEVESKIG（セヴシグ）＞は「実際に商品を手に取り、着て感動する物作り」をコンセプトに掲げるブランド。
デザイナー自身が通ってきたカルチャーであるバイク、アニメ、パンクが洋服に落とし込まれ、どうしてもアイテムの見た目に目が行きがちだが、展示会でお話しした時の説明含め、裏づけされた技術やデザインの背景に心動かされた。生地に関しても、デザイナー自身バイクに乗り日本中を旅しながら生地を探すそう。

今回のコレクションは「IF WE BREAK DOWN THE WALLS（もし壁を取り払えたら）」と題し、世界中で起こる争いや分裂を表現。
争いから生まれる傷を表現したレザーカットのダメージ加工の上に、平和の祈りを掲げたスラブの花の刺繍を施すなど、それぞれのアイテムにおいての服作りにおける技術とアイデアは、やっぱり面白い。

今回、ベストルックに上げさせていただいたのは、展示会でも目を引いたレザージャケットを合わせたルック。
ジャケットの丈感とレザーの丈感のレイヤードが個人的にツボ。
単丈でありながら、腕周りに大きゆとりのあるレザージャケットに、同系色のベージュのセットアップを合わせつつも、おおぶりなネックレスやヘアバンドとサングラスなど、小物のアクセントも効いている。

SEVESKIG 2024SS COLLECTION RUNWAY

SEVEN BY SEVEN – RECOMMEND by 編集部 武者

デザイナーがサンフランシスコで生活をし始めた90年代中盤、“ファッションとはアイデンティティである”ということを学び、リベラルなカルチャーを見つめ直すことからスタートしたブランド＜SEVEN BY SEVEN（セブン バイ セブン）＞の今シーズンは、インドでの生産背景にインスピレーションを得ているという。

こちらのルックでまず目に入るのは、＜SEVEN BY SEVEN＞を象徴する「解体と構築」を経て制作されたデニムのノースリーブジャケット。クタッとした質感がスタイリング全体のこなれ感を助長している。
ジャケットの下には、Tシャツに、ネルシャツのようなチェック柄のパンツ、柔らかい印象に導くクロシェハットと、リラックスなムードが畳み掛けるように押し寄せるが、そこにスエードのシャープなブーツ、マルチカラーのチェック柄のバッグを加えることで、全体のリラックス感に良い緊張感や違和感を与えている。
ヴィンテージアイテムを普段取り入れる際にも応用できそうなスタイリングテクニックで、ぜひ真似したいと思った。

SEVEN BY SEVEN 2024SS COLLECTION

KANAKO SAKAI – RECOMMEND by 編集部 佐藤

私がベストスタイリングに選んだのは、JFW NEXT BRAND AWARD 2024 グランプリを受賞し、初めてランウェイ形式でコレクションを発表した＜KANAKO SAKAI（カナコ サカイ）＞のルック。

今回のコレクションでは「海の感じや宇宙っぽさを演出したかった」と話していたサカイ氏。
色使いや生地、素材選びからその想いは感じ取れた。真っ暗な闇を照らす無数の星のような輝きが美しいラメのトップスに同色のシックで洗練されたパンツとテーラードジャケット、その隙間から覗くシャラシャラと風に靡く音が波を連想させるフリンジ。ブラックでまとめられていながら、涼しげな印象が残るのは軽快さと抜け感を生み出すサンダルのおかげなのだろう。このスタイリングが生み出す爽快で軽やかな艶やかさは＜KANAKO SAKAI＞しか出せないモノなのだと感じた。

KANAKO SAKAI 2024SS COLLECTION