【東コレ2023秋冬】QUI編集部が選ぶ、マイベストアイテム3選|Rakuten Fashion Week TOKYO 2023AW
「スタイリング視点」「アイテム視点」に分けて、1ブランドずつピックアップ。
本記事では「アイテム視点」で選出した、3ブランドのアイテムをご紹介。
<TANAKA>のヴィンテージのスカーフがドッキングされたブルゾン – RECOMMEND by 編集部 副島
東京ファッションアワード受賞による支援を受けて、今回初めてのランウェイを開催。ニューヨークの街並みを再現したショー自体もすごく印象に残っているのだが、今回はその中から、純粋に欲しいなと感じたアイテムをピック。
<TANAKA(タナカ)>といえばデニムだが、今回はショーに合わせて、デニムにどう合わせていくかの提案も随所に散りばめられていた。
その中で、個人的に目を引いたアイテムはヴィンテージのスカーフがドッキングされたブルゾン。
こちらのスカーフはフランスの友人に見つけてもらってものだそう。
古着を再構築したようなアイテムとなっており、袖が取り外せる仕様になっているので、スタリングの幅も広がりそう。
もちろん、今回選ばさせてもらった理由の大きな部分は個人的に欲しいと思ったものであることが前提だが、デニムだけにとどまらない、これからブランドのものづくりを感じさせるアイテムとなっており、これからの<TANAKA>の可能性を感じさせるアイテムになっていると心動かされたことも理由の一つ。
またショーの最後に、デニムの織り機の映像が流れ、生産背景へのリスペクト共に日本の伝統技術の素晴らしさを改めて実感すると共に、「これまでの100年とこれからの100年を紡ぐ衣服」というブランドコンセプトに基づいた新たな<TANAKA>の誕生を予感させた。
TANAKA 2023AW COLLECTION RUNWAY
<VEIN>のシルバーペイントが施されたスウェットパンツ – RECOMMEND by 編集部 武者
多層な黒色の彩りを描くピエー ル・スーラジュや、外的な光を受けて時空感覚を変質させるアニッシュ・カプーアの作品から着想を得た<VEIN>の2023秋冬コレクション。
アニッシュ・カプーアといえば、シカゴにある著名な「クラウド・ゲート」通称「ザ・ビーン」のように、光を反射するシルバーを思い浮かべるが、そんなシルバーは<VEIN>のコレクションでも目を惹くものだった。
中でもシルバーのスウェットパンツは、アイテムの佇まい、シルエットやデザイン全てにおいて魅力的に感じた。
ピッカピカのシルバーであれば、なかなか履きこなしづらいと思うが、こちらはブラックのスウェットパンツにシルバーの塗装が施され、擦れすら良い味を出しており、大人が身につけたいシルバーアイテムだと思った。
写真ではわかりづらいが、裾のドローコードは、実は裾だけでなく、外側の側面にも這わせてあるので、ドローコードを絞るだけで、雰囲気をガラッと変えられる優秀さを併せ持つ。
美しくシンプルなシャツと合わせて、サラッと緊張感を解くように合わせたい。
<KEISUKEYOSHIDA>のラテックス素材の“LOVE YOU”ボディスーツ – RECOMMEND by 編集部 佐藤
無数の”LOVE YOU”がペイントされた<KEISUKEYOSHIDA>のラテックス素材のボディスーツ。<KEISUKEYOSHIDA>の23AWコレクションではシグネチャーアイテムのトレンチコートをはじめ、深いスリットの入ったドレスや首元のフリルが特徴的なブラウス、テーラードジャケットなどほとんどのアイテムをブラックやグレー、ネイビーなどの暗色でまとめあげていた。
そんな中で、このボディスーツが登場してきた衝撃は忘れられない。吉田氏のパートナーが、ある日買ってきた無数の“LOVE YOU”が描かれた絵。それに心を奪われ、Ikumi Kakiharaに依頼して出来上がったのがこのピースである。プレスリリースでも記されている『狂おしいほどの無数のLOVE YOU』に、人間らしい汚さと真っ直ぐな心を手に取るように感じた。
ランウェイのように一枚で着たときの圧倒的なインパクトと、皮膜のようなラテックスの素材感は是非スタイリングに取り入れてみたい。