万葉集の恋メイク #1 – 夏の夜の、いびつなわがまま –
ある和歌に詠まれた、甘く、切なく揺れる恋心を、
東急百貨店「TOKYU DEPARTMENT STORE BEAUTY」の2023年夏ニューアイテムと、
QUIの精神を表現したメイクアップテクニックで描く。
会えない日々が続いた。けれど、ようやく触れられた夜。恋人に向けて、「この瞬間だけは、愛の言葉を聞かせてよ」と詠んだ和歌である。
言葉がすべての不安を和らげるわけではない。それでも、お決まりの言葉ではなく、本音を剥き出した言葉が欲しい。それが二人の儚い関係を続ける道だと、相手に言い聞かせているのだ。
参考現代訳/
ずっと、あなたが恋しかったから。やっと逢えたひとときくらい、愛の言葉を惜しみなく聞かせて。二人の関係を、このまま願い続けるならば。
高揚感に染まるヴェールな頬
素肌までも美しく魅せる
ヴェールのような薄膜と高発色。
血色感を引き立てるラベンダーカラーを
頬から目尻までワイドにのせれば、
躍るように浮き立つ、主役級の高揚頬に。
光彩が揺らめくセンシティブなまなざし
透けるような色と濡れたような輝きが、
目もとにみずみずしさと透明感をプラス。
パープルとブルーのグラデーションをこめかみまで広げて、
エアリーな遊び心を。
下まつ毛にピンクレッドをのせると、
カラーコンシャスでアンニュイに締まる。
唇にドラマティックな意志を宿して
マットで濃密な質感のルージュクリーム。
オレンジニュアンスのレッドは、
ヘルシーでセンシュアルな印象を演出。
上唇のリップラインをややオーバーに引いてぼかし、
鼻との距離を縮めることで、凛とした小顔美人に。
どちらかと言うと、私の交友関係は狭く、深く。
「あ、これは伝えておいたほうがいいな」と感じたことはすぐ伝えたいので、メールやDMよりも断然電話派です。
年齢を重ねるごとに言葉で駆け引きすることもなくなり、より素直で、シンプルな表現を大切にするようになりました。
私の場合はそのほうがきっと、愛を伝えられる気がします。
ただ恋に関しては、「誘いたいけど誘えない」みたいな躊躇だとか、
甘酸っぱい緊張感があるとテンションが上がりますよね。
それって、すごくポジティブでハッピーな瞬間なのかもしれません。
Profile _ 夏子
1996年東京都生まれ。
2015年、ファッション誌『SEDA』の専属モデルとしてデビューし、数々の雑誌やキャンペーンなどに出演。
2016年に女優デビューし、2022年にフジテレビ系ドラマ「アイゾウ 警視庁 心理分析捜査班」で地上波連続ドラマ初主演を果たす。
現在、映画「ABYSS (アビス)」(監督:須藤蓮)や映画「岡本万太」(監督:真田宗仁郎)が公開待機中。
Instagram
[モデル:上]
JACKET ¥63,800(KLICHÉ|KEII Design LLC. contact@kliche.jp)
TOPS ¥28,600(RUMCHE|BRAND NEWS 03-3797-3673)
EARCUFF ¥25,080 (NOMG https://nomg.jp/)
[モデル:中]
DRESS ¥137,500(KLICHÉ|KEII Design LLC. contact@kliche.jp)
EARCUFF ¥23,100(shisui https://shisui-water.stores.jp/)
[モデル:下]
BLOUSE ¥108,900(NOHRA|Maison SUZU 03-5738-8554)
- Model : Natsuko (TopCoat)
- Photography : Kei Matsuura (STUDIO UNI)
- Hair&Makeup : Tomoko Okada (TRON management)
- Styling : Noriko Miyazaki
- Art Direction : Makiko Higuchi (STUDIO UNI)
- Text : Megumi Nakajima (STUDIO UNI)
- Supervision(Waka / Japanese language teacher) : Yuko Yoshida