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波瑠 – 好きになる勇気

Mar 19, 2022
ドラマ『恋に落ちたおひとりさま~スタンダールの恋愛論~』に主演する波瑠と考える、よりよい恋をして、よりよく生きるために大切なこと。

波瑠 – 好きになる勇気

Mar 19, 2022 - FILM
ドラマ『恋に落ちたおひとりさま~スタンダールの恋愛論~』に主演する波瑠と考える、よりよい恋をして、よりよく生きるために大切なこと。

自分をリカバリーできる場所を持てると人は強くなれる

― ドラマ『恋に落ちたおひとりさま~スタンダールの恋愛論~』を観させていただいたんですが、まずはコメディとしてすごく面白くて。話数を重ねるごとに引き込まれて、全10話を一気観しちゃいました。あとは恋愛だけでなく行動することや変化することの大切さへの気づきもあり、どんな世代の人にも勇気をくれる作品だなと感じました。波瑠さんはできあがった作品をご覧になっていかがでしたか?

撮影をしていたときは、(波瑠さん演じる)主人公の聡子の妄想が膨らみすぎて中世の衣装になるシーンとかファンタジーなところがどんなふうになるのかなと思ってたんですけど、想像以上にかわいらしい作品になったなということが印象的でしたね。

― お気に入りのシーンはありますか?

(小日向さん演じる)スタンダールが愛情深くてチャーミングで、聡子の部屋でかけ合いをするシーンは大変ですけどとても楽しかったです。小日向さんが今日はどんなお芝居をされるんだろうと、いつもワクワクしていました。

― 観ていても、小日向さん劇場って感じでした。

ほんとうにそのとおり。面白いですよね。

― 聡子は一人でいるとき、同僚といるとき、恋人といるときなどシチュエーションごとにテンションがコロコロ変わるところがすごくコミカルなんですけど、人格が定まらないことってリアルでもあるなと。

それは台本を読んで撮影に入るときに、まさに考えたことで。物語序盤の聡子にとって一番居心地がいいのは一人の時間なんですよね。人と関わると自分のコンプレックスが目の当たりになって、自信を持てなくなってしまう。だから聡子って人の目を見て会話できないんです。自分が想いを寄せている(瀬戸康史さん演じる)涼介の目も見れないのに、自分の妄想の世界だと見つめ合える。

― おぉ、そんな違いが。

きっと聡子にとってこれさえなければ普通なのにという思い込みがあるんですよ。人から見たら大したことがなくても、自分の問題って重大に受け止めがちじゃないですか。それが聡子を黙らせているんだという表現にも繋がったらいいなと思って、現実では萎縮していても、妄想の世界ではのびのびとコミュニケーションするように心がけました。

― 役作りはされましたか?

聡子がこの作品を通して進むのは彼女自身の幸せのための道なんですけど、その過程では自身の中にあるコンプレックスの蓋を一回開けて、受け入れなきゃいけない。だから私も自分自身のコンプレックスや自信のない部分に改めて向き合う必要があったんですが、それが辛くて。元気なくなるんですよ(笑)。普段は見ないようにしているから生きていけるんですが。

― 恋愛は人生を更新していく手段の一つで、聡子は恋愛と向き合ううちに、自身の過去とも向き合っていきます。聡子を演じることで、波瑠さん自身が気づかされたことはありましたか?

聡子がのびのびと頑張れるようになったことには、スタンダールという存在がすごく大きくて。自分を肯定してくれる存在が側にいるというのは、失敗を恐れない勇気になると思うんです。

私もめんどくさがりで一人が好きで神経質なところもあって、人と関わるのが得意とは言えません。でも、家に帰ってきたときに安心感に包まれて元気を取り戻せるなら、外でももうちょっと無理して自分が苦手だと思っていることにも取り組めるのかもしれない。そう思うと、自分をリカバリーできる場所を持てると人は強くなれるのかなと、聡子を演じて思いました。

― お話を聞いていると聡子と波瑠さんって近いというか、シンパシーを感じているような。

私も自分の世界に没頭して世間と離れることが好きですし、人と関わるから自信がなくなる、だから一人でいようとなっちゃう聡子の思考回路はよくわかりますね。

 

自分を好きになってから誰かを好きになる

― 物語の中ではスタンダールがさまざまな恋愛ノウハウを披露します。なるほどと思わせるものも多かったです。

スタンダールのアドバイスってすごく愛情深いんですけど、聡子に嫌な思いをしてほしくないというのが前提としてあるので、周囲に対して厳しいんですよね。聡子をいいなと思ってる男の子が、こういう服似合うんじゃないですかって言ってくれたら「それはお前の肌が見たいだけだ!」みたいな(笑)。それもふくめてスタンダールって人はかわいいなと。

― では、恋に臆病になっている女性に対して波瑠さんがアドバイスするならどんな声をかけてあげますか?

私も言えた口じゃないですけど、何よりも自分を大切にすることだと思います。自分を大切にしてあげる感覚がないと、無理しすぎる恋愛や頑張りすぎる恋愛になっちゃうんじゃないかなって。世の女の子たちは、まず自分を好きになってから誰かを好きになればいいんじゃないかなと思いますね。

― 自分を大切にするというのは具体的には?

自分のことを理解して、自分で自分のことを慰めてあげたり励ましてあげたり、そういう感覚になれるかどうか。「今日は失敗したけど、あなたのそういうところ私は好きだよ」っていう感覚を自分に対して持ってあげるだけで大丈夫だと思える気がします。

― 波瑠さん自身も自分を慰めてあげてるんですか?

私は家に犬はいるんですけど、一人でしゃべっちゃうんですよ。仕事でやった失敗とか、恥ずかしいっていう感情を処理しきれなくて、お風呂に入りながら「あ゛ーー」って声が出る(笑)。「でもね…あなただって頑張ったじゃない」と慰めています。

― 自分にご褒美をあげたりはしないんですか?

ありますよ。今日はデリバリーで焼き肉を食べてしまおうかなとか。お弁当ですけどね。

 

背中を押してくれるような作品になれば嬉しい

― 共演の男性陣、小日向文世さんと瀬戸康史さんの印象を教えていただけますか。お二人の素敵なところが知りたいです。

小日向さんは今回始めてご一緒したんですけど、たくさんお見かけしているのではじめましてっていう感じがあんまりしなくて。いろんなことをお話してくださるので、空き時間もすごく楽しかったです。スタンダールのお芝居ってずっとしゃべるじゃないですか。それを小日向さん自身がすごく楽しみながらやられているので、こっちもワクワクできるというか。現場全体の雰囲気まで良くしてくださるような素晴らしい大先輩とご一緒できて光栄でした。

瀬戸さんはやさしくて、調和させる人って印象ですね。あんなにかっこいいんですけど、すごくいい意味で女友達とか女兄弟と話しているような雰囲気を持っているんです。男の人ってこれ何の話、オチは何なのってなるじゃないですか。でも瀬戸さんはどんな話も嫌な顔をせずうんうんって聞いて、女性の役者さんやスタッフさんの中でも違和感なくいられる方で。

― それは瀬戸さんが美容とか女性の好きなことに詳しいということではなくてですよね。

そんなに中身がなくても会話できるという。たぶんすごく珍しいタイプの男性だと思います。

― 瀬戸さんってモテそうですね(笑)。

とってもしゃべりやすいので、モテちゃうと思います。

― 『恋に落ちたおひとりさま~スタンダールの恋愛論~』はPrime Videoでの配信で1話30分のドラマということで、いつものテレビドラマと取り組み方に変化はありましたか?

作品への取り組み方自体は普通のドラマや映画と変わらないんですけど、観る側としてはすごくいいところがありますよね。移動とかで次の乗り換えまでに観ちゃおうとか、いろんな空き時間で好きなタイミングで観られるじゃないですか。

― 本当に観やすいというか、テンポよく観られました。ぜひ気軽に観ていただきたいですね。では最後にこれから本作をご覧になる方にメッセージをお願いします。

恋愛モノですが、コメディで笑えるところもあって、恋愛にドキドキするところもあって、そして登場人物たちが想い合う姿に温かい気持ちにもなれる作品です。主人公の聡子の成長する姿が皆さんの背中を押すような、応援として届けば嬉しいです。

 

 

Profile _ 波瑠(はる)
1991年6月17日生まれ。東京都出身。O型。最近の主な出演作はドラマ『ナイト・ドクター』『愛しい嘘~優しい闇』など。

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Information

波瑠さん主演ドラマ『恋に落ちたおひとりさま~スタンダールの恋愛論~』

2022年3⽉18⽇(⾦)より配信スタート
ご視聴はこちら ※視聴にはプライム会員登録が必要です。

出演:波瑠、瀬⼾康史、佐藤⼤樹(EXILE/FANTASTICS)、⾺場園梓、織⽥梨沙、⼩野花梨、阿部純⼦、⼭内圭哉、尾美としのり、池内博之 / ⼩⽇向⽂世
監督:前⽥哲
脚本:櫻井智也、
神森万⾥江
原作:⽔野敬也 「運命の恋をかなえるスタンダール」(⽂響社)

『恋に落ちたおひとりさま~スタンダールの恋愛論~』公式Twitter

  • Photography : Yutaro Yamane
  • Styling : Chihiro Momma
  • Hair&Make-up : Ai Inuki
  • Art Direction : Kazuaki Hayashi(QUI / STUDIO UNI)
  • Edit : Sayaka Yabe
  • Text&Edit : Yusuke Takayama(QUI / STUDIO UNI)