ファッション業界人100名が注目するブランド図鑑 2026 vol.3【D-H】
DAUAN JACARI — Kim Smith / DOMICILE TOKYO manager, Musician
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アフリカ系アメリカ人としての視点を軸にしたクリエイションは、ごく普通に日常に溶け込むアイテムを、NYらしいハンドメイドの感性で再構築したもの。リアルさとクラフト感のバランスが他にはない魅力を放っています。象徴的な「Jacari Jeans」は、深い股上と大胆なプロポーションが生み出すヒップホップバイブズが際立つ一本。視覚的にもメッセージ性のある存在感で、スタイルの核になるパンツです。DOMICILE TOKYOでも高い人気を誇る「Spiral Boxer Skirt」は、<Gap(ギャップ)>のアンダーウェアをパッチワークしたもの。デニムやスラックスの上から重ねるだけで、いつものスタイリングを一段引き上げてくれるレイヤードピースとして活躍します。個人的にルックやキャンペーンにしっかりと力を注いでいるブランドには強く惹かれ、「Spiral Boxer Skirt」のキャンペーンでは、NYのストリートスナップシーンで知られる Quancey Bullを起用。作り込みすぎていないリアルな視線を通して切り取られたビジュアルは、ニューヨークの日常が持つ空気感や質感をそのまま写し出しています。街・人・カルチャーを含めてプロダクトを語る姿勢が、<DAUAN JACARI(ドーアン・ジャカリ)>のかっこよさを際立たせています。
DAUAN JACARI
https://www.instagram.com/dauanjacari/
DICO COPENHAGEN — 雫瀬 永紡 / 女優・モデル
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ライニングやインソールにまで本革を使う丁寧な作り、そしてアッパーの Escovado レザー(100%牛革)が持つ独特のムラ感と深い表情にときめきを感じます。マットで奥行きのある質感も特有で、履くほどに深まっていく経年変化がたまりません。北欧らしいミニマルさがあり、クラシックな佇まいも重すぎず、軽すぎずで、どんなスタイルにもフィットするので重宝しています。日々、惹かれていくブランドです。
DICO COPENHAGEN
https://www.instagram.com/dico.copenhagen/
Dina Shaker — 平井 名王企 / Vase オーナー
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ここ数年のVaseはアフリカのブランドに注目しています。先シーズンから取り扱いをスタートさせたナイジェリアの<Tj Who(ティージェー フー)>に続き、今シーズンから展開をスタートさせる<Dina Shaker(ディナ シェイカー)>はエジプトが拠点。アフリカのブランドからはその広大な大地に敬意を祓い、魂の叫びのような印象を受けます。<Dina Shaker>の服は生地、パターン、縫製全てが建築的であり、柔らかく、鋭く、神聖な女性のための鎧です。Vaseでは一部仕様、サイズを変更しユニセックスで提案しています。
Dina Shaker
https://www.instagram.com/dinashaker/
Dior Homme — 松本 陽真 / モデル
クリエイティブディレクターのジョナサン・アンダーソンによる、少年性と遊び心を兼ね備えた上品な服作りに心惹かれました。多くのルックで目に留まった金のバックルが今季を象徴するようで気になっています。初めてラグジュアリーを買うかも。
Dior Homme
https://www.instagram.com/dior/
DONE! — 白井 里奈 / PR
2024年5月にミラノでスタートしたバックパックを中心としたブランドが<DONE!(ダン)>です。モダンなテーラーリングと洗練されたストリートウェアを融合させたコレクションには、主にサステナブルな防水プレミアムファブリックを使用。機能性と遊び心が調和したバランスがとても気に入っています。<DONE!>は設立当初から「Save the Planet」との連携し、気候変動と環境危機の流れを逆転させることを共通の目標としているところも応援したいポイントです。
DONE!
https://www.instagram.com/done.supply_
ELLA DOUGLAS — 溝口 翼 / fernweh代表
ロンドンのセントラル・セント・マーチンズを卒業したばかりの新生デザイナーで、fernwehでは卒業コレクションでデザインしていた帽子をセレクトしましたプレタポルテの本格的な洋服の量産はまだ行っていないようですが、今後どんな方向にブランドの舵をとっていくのか、いろんな意味で注目してます。
ELLA DOUGLAS
https://www.instagram.com/ella.i.douglas/
everyone’s mother — 中森 帆香 / ファッションスタイリスト
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私の愛用品はスカート、クッションカバー、ネックレス。特にお気に入りは大きなポケットが2つ付いた「garden skirt」と名付けられたフレアスカートです。「デザイナーが作品制作に利用するための貝殻や小石集めの際に使用しているものと同じ」というエピソードを聞き、迷わず購入してしました。私は普段はポケットを使うことはあまりなく、デザインの一部という認識が強かったのですが、ポケットに幸せを詰め込めるようなゆったりとした時間を過ごしたいと思い愛用しています。素敵なファッションアイテムは世の中にあふれていますが、私は購入する際の基準として「買った時の気持ちやエピソードを数年後にも思い出せるかどうか」ということを意識するようになりました。それも<everyone’s mother(エヴリワンズ マザー)>との出会いがきっかけでもあります。これからもずっと大切にしていきたいアイテムたちと大好きなファッションを楽しんでいきたいです。
everyone’s mother
https://www.instagram.com/everyones_mother_/
FORMA — 田村 拓也 / KIOSQUE CCバイヤー
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<FORMA(フォルマ)>はエティエンヌ・デルーとレイ・ボクサーの夫婦デュオによるフランス、パリのブランドです。ライフスタイルアイテムを明確にシンプル化した衣類を展開していますが、デザインに捻りを加えたり、アーティスト性を感じさせるアイテムもあり、毎シーズンかっこいいコレクションを披露しています。日本では取り扱いも少ないですが、今後成長していってほしいと思えるブランドです。
FORMA
https://www.instagram.com/____forma/
GABI GAMEL — 伊藤 智子 / ロンハーマン ウィメンズバイヤー
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デンマークとフランスの血を引くデザイナー、ガブリエラ・ハイ・ド・パスクアリン・ガメルによるコペンハーゲン発のレディースウェアブランド、<GABI GAMEL(ガビ ガメル)>。フェミニンな素材とマスキュリンなシルエットを掛け合わせ、感覚的でありながら芯のあるアプローチで、さりげなくセクシーな魅力を纏うスタイルを生み出しています。使用する素材の多くは、ヨーロッパ各地で調達されたデッドストックやアップサイクル生地で構成され、限定数量で生産されるため、一点一点が唯一無二の存在感を放ちます。2026年春夏より日本に上陸した、ロンハーマンエクスクルーシブとして買い付けたお気に入りのブランド。若いデザイナーのフレッシュな感性から生まれるコレクションに、私たちは強く惹きつけられました。ジャケットに多く用いられるツイード素材をフーディーに落とし込み、裏地にはスウェット素材を採用するという新鮮なアプローチ。さらにスウェット素材のパーカーやパンツにはレースやラインストーンをあしらい、カジュアルの中に繊細な表情を添えています。ロンハーマンの今季のテーマ「Sweet, Sour, Whisper of Bitter」を体現する、フェミニンとマスキュリンが美しく共存するアイテムが揃う点も、注目すべき理由のひとつです。
GABI GAMEL
https://www.instagram.com/gabigamel_/
GALILEE BY SEA — 中江 悠人 / Seiya Nakamura 2.24 SALES
<GALILEE BY SEA(ギャリリー・バイ・シー)>を手がけるのはスタイリストやコンサルタントとしても活躍するマーク・ライズ。彼ならではの感性から生まれるプロダクトは、テーラリングをベースにしながらも遊び心のあるディテールや軽やかな色使いの新鮮なバランス感覚が魅力で、毎シーズンのコレクション発表が待ち遠しいほどです。2026年春夏で登場したクロップドリブのギンガムチェックシャツは、チェックしておきたい一着です。
GALILEE BY SEA
https://www.instagram.com/galilee_by_sea/
gardouch — 辻 ゆず夏 / スタイリスト
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gardouch
https://www.instagram.com/gardouch/
HeavenlyJelly® — 李未玲 / Ray BEAMS バイヤー
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ジェリーシューズといえば真夏のアイテムで子供っぽいイメージがありますが、<HeavenlyJelly®(ヘブンリージェリー)>はバレエシューズ感覚で履けるのが素敵だと思いました。透け感のあるPVC素材なのでお好みのレッグウェアと合わせたり、盛夏ならフットネイルとスタイリングしたり、そんな楽しみ方ができるブランドなので注目しています。
HeavenlyJelly®
https://www.instagram.com/heavenlyjelly/
HELS — 徳永 啓太 / ファッションジャーナリスト
デザイナーの出口壮夫氏は服作りを学んだ経験を持ちながらも、本業はグラフィックデザイナーとして活躍しており、これまで数々のインディペンデントブランドのグラフィックを手がけている。デザインの着想源は、自身が制作した人形「Helsドール」に着せる服。そのドール服を基に人間が着る服へと展開させている。このプロセスは、まるで着せ替え人形のような感覚を呼び起こし、「人はなぜファッションを楽しむのか」という根源的な問いを投げかけているように感じられた。出口氏が手がけるグラフィックワークは、見たことがあるようで全く知らないロゴやマークが特徴的。それは、あたかも古着屋で発見した、大昔に発展した企業のロゴが入った珍しい逸品を見つけたような感覚になるが、実際にはブランドの新作であり、ロゴも架空のものである。この記号が持つ雰囲気(時間軸)と洋服の時間軸が交錯し、一瞬「バグる」ような感覚に陥ることが、このブランドのユニークな視点だ。
HELS
https://www.instagram.com/helswg/
HIDAKA — 高橋 正之 / GR8 BUYER
独自の視点から生まれる<HIDAKA(ヒダカ)>は、日常にユーモアをもたらすアクセサリーブランドです。シーズナルコレクションと定番アイテムの2軸で展開され、遊び心あふれるデザインはGR8でも高い人気を誇ります。ビンテージウォッチを再構築したシリーズやタバコのパッケージをアッシュトレイへと転用したアイテム、オリジナルのRING WATCHなど、どれもスタイリングのアクセントになるユニークなものばかり。尽きることのないアイデアから、次にどんなクリエーションが生まれるのか、毎回楽しみにさせてくれるブランドです。
HIDAKA
https://www.instagram.com/hidaka.sh/
Hikari Hayashi — 高野 公三子 / 明治大学特任講師(前「ACROSS」編集長)
ファッションブランドとしての歩みは始まったばかりですが、その表現の独自性と思想の明確さから、今後グローバルな評価へとつながっていく可能性を強く感じさせるのが、林ひかりさんです。昭和女子大学在学中から、素材に触れ、手を動かしながら形を探る制作行為そのものに強い関心を抱き続け、卒業後は「ここのがっこう」や「ファッションフロンティアプロジェクト」(2025年のグランプリを受賞)での経験を通じて、既存のファッションの枠組みを静かに、しかし確実に拡張する表現へと到達しました。糸から織られた布を手で裂き、薄く伸ばしてレースのように再生するその制作行為は、素材と身体、時間を往還する輪廻的な思考に支えられています。そうしたアプローチは、<Chika Kisada(チカ キサダ)>のコレクションへのコラボレーション参加によっても評価されており、今後の展開が注目される存在です。
Hikari Hayashi
https://www.instagram.com/hikar__work/
HOMMENA — 河村 伊将 / 25hours / service. ディレクター、藤田 佳祐 / THE FOUR-EYED CEO
河村 伊将 / 25hours / service. ディレクター
<BOTTER(ボッター)>や<NINA RICCI(ニナリッチ)>で経験を積んだデザイナーが、2024年に日本を拠点に立ち上げたブランドです。初めて展示会に伺ったのはファーストシーズンで、ちょうど1年前になります。国内ブランドではあまり見られない色彩感覚やテキスタイル、自ら手引きで行うパターンワークやテーラリングへの強いこだわりは、洋服そのものはもちろん、デザイナーの加藤大地氏との会話からも強く伝わってきました。あのときに感じた高揚感はいまでも鮮明に覚えています。彼の強い信念から生まれるプロダクトは決して安価ではありませんが、コレクションの説得力や洋服としての完成度を実際に目にしていただければ、多くの純粋に洋服を愛する人の心を掴むはず。これから日本を代表する存在となり、日本市場を越えて海外でも活躍していくことを強く期待しています。
藤田 佳祐 / THE FOUR-EYED CEO
<HOMMENA(オムナ)>は2024年秋冬シーズンにデビューしたばかりですが、個人的には「久々に新鋭の国内メンズブランドが現れた」という感じです。THE FOUR-EYEDでは2026年春夏コレクションから正式に取り扱いが始まります。きれいに縫える、きれいなテーラードが作れるというのはメンズブランドにとって非常に重要なポイントだと考えています(あくまでも個人的な意見ですが)。基礎がしっかりした上で崩せることと、崩すことしかできないこととは雲泥の差を感じるのですが、デザイナーの加藤さんが作り出すデザインはまさに前者。どれも品がありながらユーモアさを感じさせてくれます。また、私が魅力を感じるブランドのほとんどには余白*を与えてくれるという共通点があり(※着こなしの幅や汎用性、スタイリングによる印象の変化があること)、ショップディレクター、バイヤーとして、さらにそれを着る一個人としても、これから"どう料理してやろうかな"と思わせてくれる貴重なブランドです。
- Edit : QUI Editrial Team、Akinori Mukaino(BARK IN STYLE)






