ファッション業界人が注目しているブランド図鑑 vol.8【N 〜 P】
ここでは、ファッション業界人100名が注目しているブランドを紹介。
大御所ブランドから、新進気鋭ブランドまで、業界人ならではの視点にも注目したい。
NAMACHEKO ー yume / フリーランスPR
<NAMACHEKO(ナマチェコ)>はアート作品からインスパイアされていて、抽象的な概念を服に落とし込み、独創的なデザインで形作られているものが多くあります。そんな中でもシンプルで無駄のないミニマルなデザインのアイテムや独自のパターンで創ったテーラリングが一押しのアイテムです。
NAMACHEKO
https://www.instagram.com/namacheko/
NICKLAS SKOVGAARD — 内田 アミ / CARV STORE バイヤー
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国内未上陸の<NICKLAS SKOVGAARD(ニクラス スコウゴー)>は、洋服のデザインやシルエットもですが、クリエイティブな面で特に魅力的です。特にルックの見せ方は80年代っぽい雰囲気で素敵だなと注目しています。
NICKLAS SKOVGAARD
https://www.instagram.com/nicklasskovgaard/
NKNIT — GENSEI / Make up Artist
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ユニセックスで楽しめる<NKNIT(ンニット)>は絶妙な丈感とシルエットで常にトレンドを押さえています。デザインはシンプルですが色味の使い方が大胆でワクワクします。日常のスタイリングにちょっとプラスすると、オシャレに見えるところが好きです。小物も大人が楽しめる遊び心が入っていて、毎シーズン必ず欲しいアイテムが出ています〜。
NKNIT
https://www.instagram.com/nknit_official/
NO MAINTENANCE — 新川 陸斗 / ON TOKYO SHOWROOM , PR
元々アーカイブの販売をしていたLA拠点のデザイナーによって2020年に創設された新進気鋭のブランド。
アーカイブのコレクターとして世界的にも知名度があり、たくさんの服を見てきたからこその豊富な知識が<NO MAINTENANCE(ノー メンテナンス)>にも随所に反映されていますが、彼らのオリジナリティも共存しています。今後日本でも展開が広がっていくと思い選出しました。
NO MAINTENANCE
https://www.instagram.com/nomaintenance/
NOU — 島田 辰哉 / スタイリスト
いくつかの名義を経て、純粋なハンドメイドのニットブランドに終着した<NOU(ノウ)>。
自分自身で制作した不要になったニットを一度解体し、毛糸を一本ずつスチームで伸ばし、さらにそれを一枚のニットに編み上げた作品です。サステナブルな概念を通り越して、破壊と再生を繰り返し、手作業の重なり合いが一つのアート作品のよう。一枚ずつ表情の違うニットは不定期に販売される予定で、1stコレクションからどんな進化を遂げるのかとても楽しみです。
NOU
https://www.instagram.com/nou.jp/
NULABEL — 西澤 祐哉 / ENKEL , STUDIO FABWORK PRESS
ここ最近の<NULABEL(ニューレーベル)>は、現代のモノづくりに日本古来の伝統的な技法を巧みに取り入れたとても新鮮なアイテムが並んでいます。2024春夏、秋冬シーズンは、古来より日本で親しまれてきた柿渋染めと暮染めにフィチャー。驚かされたのが、全てのアイテムに柿渋染めと暮染めが施されている点です。展示会でフルラインナップを見てその独特な色彩の景色に圧倒されました。各アイテム毎に色の出方や表情に変化があり、奥行きのあるコレクションだったと強く記憶に残っています。実際に触れてみると現代の新しい素材ではあるものの、どこか懐かしさや親しみやすさのある感触。このような「手触り感」のあるブランドにとても魅力を感じます。
また、所謂「職人さん」と呼ばれる方々の後継問題もよく耳にするので、日本の職人と古くからある伝統技を受け継ぐ「架け橋」となる存在になってほしい、という思いも込めて注目しています!
今後も色々なチャレンジをしていくと伺ったので、引き続き期待したいです!
NULABEL
https://www.instagram.com/the_nulabel/
OMAR AFRIDI — 福村 豪 / 伊勢丹新宿店 メンズ館6階 メンズクリエーターズ スタイリスト
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<OMAR AFRIDI(オマール アフリディ)>は現デザイナーの市森さんと菊田さんが前身の英国ブランド<LEON BARA(レオンバラ)>をリブランディングしたブランドで、メンズクリエーターズでも人気ブランドの一つです。トレンドのUKモードな印象が先行する中で、手に取って服を見てみると生地やパターン、ディテールに対する繊細かつ深いアプローチが随所に感じられます。過去と現代を繋いだような感覚の服で、着た時の印象も一言でかっこいいです。是非店頭で袖を通して良さを感じていただきたいです。
OMAR AFRIDI
https://www.instagram.com/omarafridi_official/
OUR LEGACY — 大沢 駿介 / EDSTRÖM OFFICE PR & Communications
デザイナーのヨックムとクリストファーの2人が1枚のグラフィックTシャツから始めた<OUR LEGACY>は、国内外で幅広い年齢層から支持を獲得し、インディペンデントなスタイルと体制を貫いている彼らのクリエイションに注目しています。
ミラノで毎シーズンコレクションを発表しながらも、不定期でリリースしているOUR LEGACY WORK SHOPは、サステナブルとクリエイションの2軸を高いレベルで両立している唯一無二のプロジェクトと感じます。生産過程で余った残布をブランドは一度も廃棄したことがなく、持続可能なファッションへのコミットメントが他ブランドとのコラボレーションへも繋がり、<Emporio Armani(エンポーリオ アルマーニ)>や<Stüssy(ステューシー)>とのコラボレーションコレクションを発表しました。来年で20周年を迎える<OUR LEGACY>、これからの挑戦に期待しています。
OUR LEGACY
https://www.instagram.com/ourlegacy/
PALY HOLLYWOOD — 高橋 正之 / GR8 BUYER
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俳優のジェームス・フランコと、<FUCKING AWESOME(ファッキン オーサム)>や<Madhappy(マッド ハッピー)>で経験を積んだデザイナーのカイル・リンドグレンが設立したブランドです。
洋服をキャンバスに見立て、メッセージやフォトを散りばめたデザインが特徴的です。他のブランドにはない哀愁が漂う世界観も見どころの一つで、モチーフの表情が豊かに仕上げられているなど細部に拘った職人技術がブランドを支えており、これからが楽しみなブランドとして選考しました。
PALY HOLLYWOOD
https://www.instagram.com/palyhollywood/
PASTOR NOVA — 野口 裕輝 / 4K PRアシスタント
<PASTOR NOVA(パストルノヴァ)>は、2023秋冬からスタートした新鋭ブランドで、ウールにフォーカスしたデイリーファンクショナルウェアを展開しています。メインアイテムは、ウールと化学繊維をミックスさせた他にはない生地感が特徴で、独自のシルエット感と着心地を実現しています。また、特に機能性が優れていて独自の「3LAYER INSULATION SYSTEM」という3層構造システムにより中綿をメンブレンでサンドする事で熱をキープしながら湿度をコントロールし、ダウンに匹敵するほどの保温性があるアイテムやSOLOTEX®を使用したものなど、デイリーにも冬のアウトドアシーンにも取り入れられます。そのほかにも、メリノウールを使用したアイテムも多く、一度着ると着心地と肌触りの良さから離れられません。ウールと化学繊維をミックスさせた斬新なアプローチが、今後もブランドの伸びを感じています。
PASTOR NOVA
https://www.instagram.com/pastor_nova_official/
Pinkorange — 大西 正之 / PR, SALES
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ヴリーランド島で生まれた<Pinkorange(ピンクオレンジ)>は、夕焼けにちなんで名づけられたオランダのファッションブランドです。彼らにとって、最大の情熱を捧げる自然とアートが融合したデザインが特徴です。毎シーズン、隔絶された自然の中に身を置く特別な体験や感覚からインスパイアされたコレクションを発表しており、アムステルダムをベースに活動するグラフィックアーティストやフォトグラファーを短期間で島に招き制作を行っています。この人里離れた自然界の環境で、アーティストたちが創作するユニークな作品は、<Pinkorange>のコレクションの土台となっています。作家が、大自然の中で感じたエネルギーを込めた作品を、テキスタイルに落とし込むコレクションは面白いものに仕上がっています。
Pinkorange
https://www.instagram.com/pinkorange_official/
Product Twelve — 田中 大海 / etoqkバイヤー
<Product Twelve(プロダクトトゥエルブ)>は、2015年にデザイナーの川瀬正輝さんが中嶋峻太さんと共にスタートした<almost black(オールモスト ブラック)>が始まりです。2019年に実用性を重視したラインとして進化、2021年には川瀬さんの誕生月である「12」という数字にタイムレスで長く愛されるものづくりへの想いを込めて新たにスタートしました。「Redesigning the Basics」をコンセプトに、ベーシックなデザインに新しい視点と実用性を加えたウェアを展開しています。シンプルな見た目ながら、袖を通すと感じる絶妙なフィット感や、機能性とデザインのバランスがとても魅力的です。高機能素材と緻密なディテールが備わっており、都市生活からアウトドアまで幅広く対応できる汎用性があります。私自身、日常でたくさんのアイテムを愛用しており、テックすぎずカジュアルすぎず、困ったときにさらっと気軽に手に取れ、見栄えもよく、他にない独自の存在感を感じさせてくれる点がお気に入りです。川瀬さんのプロダクトに対する情熱や細部へのこだわりが、アイテムにも表れていてプロダクトとしての機能と美しさを両立させる魅力は、今後も進化を続けていくであろうと、目が離せないブランドです。
Product Twelve
https://www.instagram.com/product_twelve/
PROTOTYPES — 沼本 博史 / ADDITION ADELAIDE store manager
デムナ(Demna)が率いる、<VETEMENTS(ヴェトモン)>で経験を積んだチューリッヒを拠点とするローラ・ベハム(Laura Beham)と、カラム・ピジョン(Callum Pidgeon)が2021年に設立したブランドです。毎シーズン、ラインナップの多くはビンテージやデッドストックを再利用したアップサイクルのアイテムが占めており、一点物のピースを制作することで、着用者のアイデンティティを引き出し個人の表現の自由を奨励することをコンセプトに掲げています。マルタン・マルジェラから脈々と繋がる系譜を感じさせる脱構築という手法において、他大勢のデザイナーとは大きく異なる点はサイジング。オーバーサイズ一辺倒だったここ数年のストリートに対し、着用する個人のボディラインを極端に露出させる明らかに異質なアプローチで試行錯誤を重ねています。随所の縫い目は一本、背中のロゴマークは型紙を乗せてスプレーでハンドペインティングされ、アクシデンタルに感覚で組み合わされた素材達は、一見粗野で乱雑に見えますが様々なアイデアや出会いによって近未来と混同するかのように新鮮に映ります。時代の先を行く彼らのスタイルは、単なるリメイクブランドで終わらせないエネルギーを纏っています。
PROTOTYPES
https://www.instagram.com/prototypes.ch/