ファッション業界人が注目しているブランド図鑑 vol.7【M】
ここでは、ファッション業界人100名が注目しているブランドを紹介。
大御所ブランドから、新進気鋭ブランドまで、業界人ならではの視点にも注目したい。
Madhappy — 鳥山 脩 / 伊勢丹新宿店 メンズ館6階 メンズクリエーターズ バイヤー、高橋 卓巳 / Pred PR【2名選出】
鳥山 脩 / 伊勢丹新宿店 メンズ館6階 メンズクリエーターズ バイヤー
伊勢丹新宿店メンズ館では取り扱いがないのですが…。自由でポジティブなメッセージが込められたグラフィックや、リラクシングながら綺麗に見えるシルエットなど、LA発らしい日本からは生まれにくい空気感が好きで注目しています。相反する単語を並べたブランド名や、実は社会問題を解決することを目的に設立された背景など、アウトプットのみではなくブランドの考え方や哲学にも注目しています。
高橋 卓巳 / Pred PR
ロサンゼルス発のブランド<Madhappy>のアイコニックなアイテムは、肉厚で柔らかい着心地がとても良いスウェット、パンツは特にシルエットも綺麗です。毎シーズン発表するカラーリングはパステルカラーなどが多く他ではあまり見ないのも特徴です。去年本格的に日本に上陸し、現在は公式オンラインのみで購入が可能です。すでに「Dover Street Market Ginza」や「BA-TSU ART GALLERY」でポップアップショップをオープンし注目を集めています。
世界をより楽観的でポジティブな場所に変えることを目指し、メンタルヘルスの重要性にも焦点を当て、精神的な健康を支援する取り組みを続けています。これまでに「ニューヨーク・ヤンキース」や<UGG(アグ)>、<SALOMON(サロモン)>などともコラボレーションしており、今後も様々なブランドとのコラボレーションが予定されています。
Madhappy
https://www.instagram.com/madhappy/
Malibu Sandals — 兼次 恵利 / 4K PRアシスタント
2015年にスタートし、来年で10周年を迎える<Malibu Sandals(マリブサンダルズ)>。
様々なシューズを取り揃えていますが、なかでも昨今トレンドとして注目を集めるクロッグタイプは季節やシーンを問わず、ソックス合わせでも履ける万能アイテムです。“世界で最も快適で、スタイリッシュ且つモダンなサンダルを作ること”をブランド使命として掲げており、カリフォルニアのマリブに代表される歴史と自然の美しさからインスピレーションを得ています。シグネチャーモデルの「CANYON」や、クロッグタイプの「COLONY」はマリブに存在する渓谷やエリアからネーミングしており、ブランドの当地愛を感じ取れます。
また、デザイン面はメキシコの伝統靴「ワラチ」をモチーフにした編み上げデザインが特徴で、リラックスした雰囲気ながらも高級感漂うヴィーガンレザーがファッション映え。履き心地の良さもすばらしく、フットベッドには快適なフィット感のある「EVA」素材を使用し、軽量で疲れにくいのが魅力的です。
Malibu Sandals
https://www.instagram.com/malibusandals/
MARIE ADAM-LEENAERDT — 福崎 綾子 / THE WALL PR director , overseas dept. director
<GIVENCHY(ジバンシィ)>や<BALENCIAGA(バレンシアガ)>などで経験を積んだデザイナーのマリーが手掛ける<MARIE ADAM-LEENAERDT(マリー・アダム=リーナエルト)>は、日常的な装いに複合的な構造や正確なカッティング、独特なドレープなどの意外な組み合わせを得意とするブランドです。特に流行やシーズンに左右されないスタイルが魅力的。2024秋冬より、「ADELAIDE」にて日本初上陸する気鋭なブランドで注目してます!
MARIE ADAM-LEENAERDT
https://www.instagram.com/marlastar/
MARKGONG — UNA / モデル, DJ
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四川省出身のマーク・ゴン氏が2018年にニューヨークで立ち上げたブランドです。自信と強さに溢れた女性像を『GONG GIRL』と名付けスタイルを提案しています。ティーンの頃に観ていたという「セックス・アンド・ザ・シティ」のサマンサ・ジョーンズをミューズに掲げたコレクションに興味を惹かれて知りました。女性らしさやセクシーさを誰にも媚びることなく表現し、力強くファッションを楽しむ姿勢は私自身も大切にしている部分ですぐにファンになりました。
MARKGONG
https://www.instagram.com/markgong_official/
MASHA POPOVA — Sota / モデル
ロンドンで活躍するデザイナー名を冠した<MASHA POPOVA(マーシャ ポポヴァ)>。鮮やかな配色や凝ったディテールはドレスアップにもってこい。アイテムーつ一つに強い印象があり、王道をいかないかっこ良さに惹かれます。
MASHA POPOVA
https://www.instagram.com/mashapopovap/
MASSES — 竹川 淳 / フリーランス
90年代末に登場し、その後瞬く間に人気を得た<TENDERLOIN(テンダーロイン)>。このブランドの立役者だった二人が2018年より手がけるブランドが<MASSES(マシス)>。
ヴィンテージへの造詣が深く、リ・プロダクションではなくオリジナルウェアとして提案するプロダクトは出色の出来です。オリジナルで作成するテキスタイル、精緻な縫製、細部までこだわったディテールワークなどはヴィンテージを通ってきた世代だからこその説得力に満ちています。
また、80年代末〜90年代初頭の東京でごく一部の人間たちが楽しんで大切にしていたスタイルを現代に落とし込んだコレクションは、切り取る側面が独特なのも特徴。2024秋冬シーズンに登場するレザーパンツや他プロダクトなども、まさにと言えるかと思います。
MASSES
https://www.instagram.com/masses_tokyo/
MIDORIKAWA RYO — 高橋 真璃乃 / 4K PR
レザーシューズブランド<MIDORIKAWA RYO(ミドリカワリョウ)>は、浅草の靴メーカーで修行した後に独学で靴づくりをはじめ、2016年にスタートしました。
機能、耐久性をクリアすべくレザーと身近にある工業資材を使い、固定概念に問われないデザイン性と靴本来の機能である「歩行」と「保護」に重きを置き、実験と構築を繰り返しています。ファッションとしても取り入れたくなるデザイン性を追求し、独自の手法で東京にある工房で自ら量産も行っています。ひとつひとつ、デザイナーのミドリカワ氏が着想から開発、さらに製作まで全てフルハンドで行っていること、履き心地も良く、遊び心があるデザインはメンズ、レディースともに「なにこれ!」と興味を引くかっこよさがあります。
MIDORIKAWA RYO
https://www.instagram.com/midorikawaryoofficial/
Minor Planet New York — 齋藤 隆城 / ショーディレクター(KuRoKo inc.)
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ニューヨークベースのブランドで、彼らが来日した際に開催された「Spiritual sports party」というワークショップに参加したことで、その世界観に完全にやられてしまいそれ以来ずっと注目しています。クリエイティブディレクターのジェイが教えてくれるヨガやメディテーションワークが最高なので、ぜひたくさんの人に体験してもらいたいです。
Minor Planet New York
https://www.instagram.com/minorplanetny/
mister it. — 羽根 郁美 / moor PR
きっと30年後にもこのままのペースで、服を愛してつくっているんだろうな、と想像ができる「変態級なものづくり」が魅力のブランドとデザイナーです。<mister it.(ミスター イット)>の洋服を前にすると、服の立体感が感じられます。
着ていく場面を想像しながら、高揚感を与えてくれる、本当にデザイナーが言うように日常のクチュールだと思っています。洋服以外にも空間の演出や提案も得意なので(以前、伊勢丹新宿店で展示したWINDOWの作り込みもこだわりすぎていて、みてるだけで楽しかったです。)いつかこういったデザイナーが国をあげて行う大きな催事の演出に選ばれて欲しいなとずっと思っています。
mister it.
https://www.instagram.com/misterit75003/
MOSCHINO — 鈴木 達之 / Archive Store
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<MOSCHINO(モスキーノ)>は、フランコ・モスキーノが1983年に設立し、翌年にはミラノコレクションデビューを果たします。この歴史あるブランドに2024年秋冬からクリエイティブ・ディレクターに就任したのが、アードリアン・アピオラッザ(Adrian Appiolaza)。
アードリアンの特徴としては、ブランドが大切にしてきたレガシーと向き合い、研究と再解釈を繰り返して現代の価値観へアップデートできるクリエイティビティです。そのようなアティチュードの背景として、アードリアンはアーカイブコレクターとしてのその名を轟かせている点にあるといえます。彼は、<Maison Martin Margiela(メゾン・マルタン・マルジェラ)>や、<Yohji Yamamoto(ヨウジヤマモト)>、 <COMME des GARÇONS (コムデギャルソン)>などの希少な作品を多数保有し、SNSなどで発信しています。
アーカイブ収集と研究により培った目利きの視点と、様々なブランドで積み上げた確かな技術から生み出されたのが新生<MOSCHINO>なのです。デコンストラクティブかつ、コンセプチュアルアートを感じる作品を是非一度堪能してみてください。アードリアンの生み出すの<MOSCHINO>はきっとアーカイブとして、後世に語り継がれていくと思っています。
MOSCHINO
https://www.instagram.com/moschino/