兵頭功海 – 唯一無二の存在を目指して
一生の思い出に残る体験
— チーム・ハンサム!(以下:ハンサム)のニューアルバム『GET IT BACK!』が2020年12月23日に発売されます。兵頭さんは、今回からハンサムに仲間入りされたんですよね。
ええ。まだメンバー全員とは会えておらず、あまり実感がないんですよ。レコーディングも個々で行っているので、会う機会がなくて。でも、こうやってハンサムの取材をしていただき、自分が発信できることでハンサムの一員になったんだと嬉しく思います。
— 携わる前と今で、ハンサムの印象は変わりましたか?
変わりましたね。まず、「チーム・ハンサム!」というインパクトのあるグループ名が印象的すぎて。「自分で言っちゃうんだ」という戸惑いからのスタートでしたね。
それから、所属する前の2020年2月に東京・両国国技館で開催されたハンサムライブの映像を見て、こんなに曲を覚えられるのか、踊れるのか、パフォーマンスができるのかとすごく不安になりました。
— 歌やダンスもたくさん覚えないといけませんよね。
もともと歌や楽器に触れることが好きなこともあり、歌うこと自体に苦手意識はありませんでした。小さい頃から大好きなカラオケにしょっちゅう行っていたので、とても楽しんで歌えています。一方でダンスは全く経験がなく…。かなり不安要素です。
— ハンサムのYouTubeチャンネルでダンスに挑戦されている動画を拝見しました。
ありましたね。新人ハンサムがそれぞれの得意分野をレクチャーする企画。僕は新原泰介くんにダンスを教えてもらって。誰かから本格的なレッスンを受けるのは初めてだったのですが、もうついて行くのに必死で。かっこよく踊りたいのになかなか思うようにいかなくて、悔しかったですね。ぜひ、そちらのYouTubeチャンネルもチェックしてみてください。
— 読者の皆さん、ぜひ。ダンスが苦手とのことですが、ハンサムの活動で楽しんでやっていることや楽しみにしていることはありますか?
レコーディングがすごく楽しいです。ヘッドホンをつけて鏡の前に立ち、歌って音を調整したり。音楽が流れて自分の声が聞こえると「うおー!」と感動します。いい経験ができたなと思います。
— 今回のアルバムでは、全13曲が収録されているんですよね。特に思い入れのある曲はありますか?
やはり、メンバー全員で作った曲『GET IT BACK!』は自分の中で一生の思い出に残るのではないかなと。世界が大変な時に、ハンサムとして何ができるかとメンバー全員が考え、初の試みである作詞に挑戦して。ファンの皆さんに何か届けられないかという、先輩方やスタッフの皆さんの熱い想いを肌で感じられたことはとても刺激的だし、メンバーの一員として取り組めたことが嬉しいです。
— 『GET IT BACK!』には前向きになれるような力強くやさしい言葉が多いですよね。兵頭さんのお気に入りのフレーズはありますか?
最後の「つかみ取れよ 心の春を」ですかね。実はこれ、僕が提案したフレーズなんです。僕のハンサムへの加入が決まった頃には8割くらい曲ができあがっていて、最後のフレーズだけが決まっていない状態でした。
途中からの参加だったので、新しく僕の意見をぶち込むというよりは、ここまで皆さんが考えてくださった過程や想いを僕なりに汲み取って、その中で自分が伝えたい言葉をいろいろ提案してみたんです。それでできあがった歌詞を見てみると、この言葉が選ばれていて。本当に嬉しかったです。
— その言葉にはどのような想いを込められたんですか?
歌詞の序盤は「携帯に埋れていく」「不安定と寄り添って過ごして」など、リアルな世界をイメージさせる表現がされているのですが、それが次第に「空」「春」のような前向きな言葉が増えていくんです。いろんな感情や葛藤を抱えているけど、最後には心を明るく、自分自身を鼓舞するような言葉で締めくくりたい、と思いました。
— 勇気付けられる人がたくさんいると思います。今回のアルバムでは、メンバーが4つのユニットに分かれ、それぞれのテーマで新たな楽曲に挑戦されるんですよね。兵頭さんは、RAPに初挑戦されたとか。
そうなんです。ハンサム初のRAPユニットで、曲作りに最も難航したチームでもあります。メロディーを選び歌詞を入れ、75%くらい仕上がってきたと思ったら、「やっぱり違う」と全部やり直し。また一から曲を探して、の繰り返しです。
他のユニットは、もうレコーディングをはじめているのに僕たちはまだ歌詞ができていなかったり。すごく大変だったんですが妥協せず最後までやり切れたんじゃないかなと。僕たちの等身大の想いをぶつけた、真っすぐな楽曲に仕上がっています。
— きっとメンバーとの絆も深まったんじゃないですか?
そうですね。最初はオンラインでミーティングをしていたのですが、みんな熱くなってきて「直接会って決めようぜ」となったり。長い時間をかけて一緒に考えた分、チームワークもバッチリだと思います。早く皆さんに僕たちの曲を聴いてほしいです。
— 同世代の方たちとのお仕事は、いい相乗効果が生まれそうですね。
とても刺激的です。ハンサムに参加するまで、同じ事務所の同世代の方と接する機会がなかなかなくて。皆さんの存在はもちろん知っていたし、いつかお会いしたいなと思っていました。今回、ハンサムを通して仲間の仕事に向き合う姿勢を見て、「僕も頑張ろう」と何度も思わされました。まだ会えていないメンバーと会うのも今からすごく楽しみです。
一生自分に満足することはないと思う
— 憧れている人はいますか?
好きな俳優は染谷将太さん。画に映ったときの存在感が圧倒的だなと。彼にしかないオーラがあって、彼にしかないお芝居があって。表情や空気感もすごく独特というか、唯一無二な存在だなと。
僕も、僕だけにしか出せない空気感、表情、お芝居を作り出したい。きちんと主演をはれて、求められたこと以上の力を発揮できる役者になりたいです。
— 唯一無二の存在になるために、意識されていることはありますか?また、ご自身の強みは何だと思いますか?
僕は、すべてにおいて未熟です。きっと、一生自分の状態に満足することはないと思います。ただ、目の前のことにベストを尽くしていきたい。その気持ちや泥くささ、みたいなところが僕の強みなのかもしれないし、その気持ちをより磨いていこうと思います。
— 表現することで大切にされていることはありますか?
妥協しないこと。準備は絶対に怠らないです。たとえセリフが1つしかなくても、そのひと言に全力を注げるように何度も台本を読み込んで準備をします。
それは歌やダンスも同じで、ファンの皆さんにお届けすることになったらできるまで練習して、より良いものにする努力を惜しまない。当たり前のことですが、その基本を大事にしています。
— 今年は新型コロナウイルスの流行で、一人で自分自身と向き合う時間も多かったと思います。ご自身の中で何か変化はありましたか?
ありました。俳優として、これまで僕なりのペースで頑張ってきましたが、新型コロナウイルスの影響で何もできない状態になり自分の無力さを感じました。SNSを見ていると歌手の方がライブをしたり、ダンサーの方がダンスを披露したりしていて、自分には何ができるだろうと悩む時期もありました。でも、考えていても仕方がないのでとにかくいろんなことをやってみようと。
— どんなことに挑戦されたんですか?
自粛期間中はギターを猛特訓しました。あと、語学を勉強したり、これまで全くしていなかった料理をはじめたり。今すぐに披露することはできないけど、いつかきっとプラスに繋がると信じて取り組んでいました。
家での過ごし方が充実してからは前向きに物事を考えられるようになったし、生活にもハリが出ました。これまで仕事場と家の往復で、家では寝て過ごすことしかしてこなかったので。お家時間を有意義に使えるようになったのも良かったなと。
— 不安な自粛期間をそのように乗り越えられたんですね。今回のアルバムでは兵頭さんのいろんな表情が見られるのではないかと、とても楽しみです。最後に、アルバムを楽しみにされているファンの皆さんへメッセージをお願いします。
今回のアルバムには、ハンサムメンバー一人ひとりの想いが詰まっています。特に、全員で作詞をした表題曲の『GET IT BACK!』は自分自身を鼓舞し、また誰かの背中を押すパワーのある曲です。僕自身、一生懸命取り組んだ想い入れのある曲なので、ぜひ楽しみに待っていてください。そして、今後のハンサムとしての活動もぜひ応援していただけると嬉しいです!
Profile _ 兵頭功海(ひょうどう・かつみ)
1998年4月15日生まれ、福岡県出身。2018年、GYAOとアミューズが共同実施したオーディション第1回「NEW CINEMA PROJECT」の出演者部門でグランプリを受賞し、映画『五億円のじんせい』に出演する権利を獲得。その後、AbamaTV人気企画『恋愛ドラマな恋がしたい2』に出演し注目を集め、2019年3月より放送の『騎士竜戦隊リュウソウジャー』(EX)に、カナロ/リュウソウゴールド役で出演。最近では、LINEオリジナルドラマ『昔、好きだった人からLINEが届いた。』、TOKYO MX『片恋グルメ日記』、MBS『社内マリッジハニー』などに出演。
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Information
チーム・ハンサム! NEWアルバム
SUPER HANDSOME COLLECTION『GET IT BACK!』
2020年12月23日(水)発売
- Model : Katsumi Hyodo
- Photography : Kei Matsuura
- Styling : Kentaro Okamoto
- Hair&Make-up : Akihiro Ohno(ENISHI)
- Art Direction : Kazuaki Hayashi
- Text : Yui Hosomi
- Edit : Yusuke Takayama