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Multifaceted — starring Hiroya Shimizu

Nov 13, 2020 - FASHION
どう見るか。どう在るか。
俳優・清水尋也のいまを捉える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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Interview with Hiroya Shimizu

— 清水さんが主演された映画『青い、森』が映画祭で上映されたのが2018年の10月だったそうですが、撮影はいつ行われたのでしょうか?

(確認して)…2018年の7月だったので、2年ちょっと前ですね。

— なるほど。それからずいぶん時間が経ちましたが、記憶力には自信がありますか?台本を憶えることも多いと思うのですが。

暗記は得意ですね。台詞を憶えるのも早いと思います。僕は写真で憶えるので。

— 写真で?

目で写真を撮るように記憶します。その画像を確認すれば、どこに何が書いてあったか分かるんです。

— すごい。目で見たことを脳に焼き付けるんですね。

テスト前もノートをスキャンするように記憶して、あそこに書いてあったことだと思い出せばいい。だから台本も句読点の位置まで憶えているんです。

— では撮影時に、強い記憶として残っているエピソードはありますか?

これを話すとまた(監督の)内山さんに怒られちゃうと思うんですが(笑)、僕が森の中で横たわってハアハアしている、予告編でも使われているシーン。そこでずっと息が切れている芝居をしていたら酸欠になっちゃって。

(公式サイトの写真を見せて)これ気絶しかけているんですよ。

— え、リアルに?

リアルです。疲れた芝居をすることで実際に酸欠気味になることはよくあるのですが、そのシーンはあまりにもカットがかからなすぎて、気づいたら監督に頬を叩かれていました。

— 内山監督も「まさか」ですよね。気づいてくれて良かった。『青い、森』の監督は井手内創さんと内山拓也さんの2人体制でしたが、いかがでしたか?

リハーサルでも現場でも2人からそれぞれいろんな演出がありましたが、それに対して2人の意見が食い違うこともなく、お互いが理解し合っているように感じました。だから僕はとくにやりにくさというのはなかったですね。2人とも気さくで話しやすい方ですし、楽しかったです。

— 最初の上映から2年たって、いま改めてこの作品を観たときにどのように感じましたか?

僕は好きな作風ですね。監督2人の「普通じゃない」ところがよく出ているなってことを改めて強く感じました。作品自体に明確な答えがあるわけじゃないですし、他の青春映画にはない神秘的なものを感じるんですよね。

僕は『青い、森』を(自身が演じる)波の物語でなく、(門下秀太郎さんが演じる)志村と(田中偉登さんが演じる)長岡の物語だと思っているんです。撮影中も自分が主人公だという意識はなくて、2人がより物語に入り込めるような見え方をしないといけないと思っていました。

— 波はフィルムカメラでたくさんの写真を撮っていましたが、プライベートでも写真をよく撮りますか?

うーん。撮るとしたら、おもしろいものを撮ります。

— おもしろいもの…たとえば?

この前、渋谷で見つけたのがすごくパンクな防犯カメラ。盗られないようになのか、カメラの上と後ろに黒いトゲトゲが付いていたんですよ!モヒカンにしか見えなくて、これは撮りました。

あとは友だち。一緒にいる仲間は撮ります。一時期はインスタントカメラにはまって、みんなでスケボーやドライブに行くときには買って撮ったりしていました。

つい最近だと、六車勇登っていう仲の良い俳優がInstagramを始めるから一眼レフを買ったっていうので、みんなで写真を撮りに行きましたね。

— 清水さんは自分のカメラが欲しいと思うことはないですか?

僕、荷物を持つのが嫌いなんです。自分の荷物を増やしたくないので傘も大嫌いで、基本はポケットに入る荷物だけで出掛けます。だから撮るのは好きなんですけど、カメラを持つのは向いてないなって。

— 劇中では「物事には表と裏がある」という台詞が何度か出てきました。清水さんは、物事の表裏をどう捉えていますか?

明確に表と裏があるというよりも、どんな物事でも見る角度や見る人によって見え方が違ってくるということはありますよね。たとえば僕は人前に出る仕事なので、僕が何をしても「尋也くんすごい」って言ってくれる人もいるし、逆に「なんだこいつは」と言ってくる人も必ずいる。その見え方は見る人それぞれの個性なので、僕がどうこういうことではないし、僕だって僕の側からの偏った見方しかできないわけです。

たとえば恋愛でもそうですよね。どっちが悪いってわけじゃないけど、価値観が違うからケンカになっちゃう。他にも、車にひかれそうな人を僕が突き飛ばしたら、その人が転んで膝をすりむいた。こちらは善意でやったことでも、相手はすりむいた膝の痛みに怒りを覚えるかもしれない。だから結果としてはごめんなさい、ただ僕としてはこういう理由があってやりました、という風に話すようにしています。

— 人と人がわかり合うのは本当に難しいことですよね。

そうですね。だから僕はどう見られるかということに関しては割り切っています。でも自分の中ではこうだという意志は持つようにしています。

ただ、アドバイスは別ですけどね。受けとった言葉の裏に善意があるのかどうか、それを見きわめるのが大事だなと思います。

— 清水さん自身には「裏」はないですか?

普段から自分自身を隠しているつもりはないですが、もしバラエティ番組に出演した場合、素だとひと言もしゃべらなくなっちゃうので…。できるかぎり盛りあげるというのは嘘をついているわけじゃなくて、やれること、やるべきことをやっているという。

本当の意味で僕の素を見たことがある人間は家族以外いないでしょうね。あとはさっき言った六車。基本的には自分から壁を作ったりはせず、だれとでも仲良くなれる性格です。人見知りもしないですし、楽しいのが一番だと思っているので。

— では最後に映画『青い、森』の見どころをお聞かせください。

ありがたいことに僕の名前を一番最初に書いていただいているんですけど、門下と偉登を観て欲しいですね。僕ももちろん頑張りましたけど、この2人がめっちゃいいんですよ。

2人には性格の差、思考の差があって、それぞれのカタチでもがいている感じが泥臭くもあるけれど、すごくきれいなんです。今回改めて作品を観て、彼らの芝居が生というか作り物感が一切なかったので本当にすごいなと思いました。

— 短い映画ですけど、そこの部分にしっかり時間も割いて描いている印象を受けました。

そうなんです。感情描写が丁寧なんですよね。だから芝居のときも、監督からは感情の流れに関する指示が多かったです。僕らもティーンでしたし、とくに2人はしごかれていたのも知っているのでよりグッときましたね。ぜひそこに注目してご覧ください。

Profile _ 清水尋也(しみず・ひろや)
1999年6月9日生まれ。2012年ドラマ『高校入試』(フジテレビ)でデビュー。映画『渇き。』で壮絶ないじめにあう役、『ソロモンの偽証』ではクラスメイトに恐怖を与える不良役という両極端な役を演じ脚光を浴びる。主な映画出演作に『ちはやふる 上の句・下の句/結び』、『貞子』、『ホットギミック ガールミーツボーイ』、『甘いお酒でうがい』等。待機作に 映画『東京リベンジャーズ』(2021年公開予定)、声優初挑戦にして主演を射止めた劇場アニメ『映画大好きポンポさん』(2021年公開予定)等がある。2019年、第11回TAMA映画賞 最優秀新進男優賞を受賞。
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Information

清水尋也さん出演映画『青い、森』

2020年11月6日(金)よりアップリンク吉祥寺、11月中旬よりアップリンク京都ほか全国順次公開

「喪失」を経て残された者たちが、それでもなお人を思い懸命に生きる姿・・・。現代を生きる“わたしたち”への物語。

監督:井手内創、内山拓也
出演:清水尋也、門下秀太郎、田中偉登 ほか
主題歌:原田郁子(クラムボン)「青い、森、、」

『青い、森』公式サイト

 

  • Model : Hiroya Shimizu
  • Photography : Kenta Karima
  • Styling : Hironori Yagi
  • Hair&Make-up : Tomoya Nakamura(Maison de Noche)
  • Art Direction : Kazuaki Hayashi
  • Edit&Text : Yusuke Takayama