Live honestly — starring Mayuu Yokota
ほんとうに行きたいところは
そのまっすぐな視線の先にある。
横田真悠の進む道。
Interview with Mayuu Yokota
横田真悠インタビュー
— 短編映画制作プロジェクト『MIRRORLIAR FILMS Season1』の中の1作、『Petto』の脚本を最初に読んだときの感想を教えてください。
すごくおもしろくて興味をそそられたんですけど、それがどんな映画になるんだろうというのは一度読んだだけでは想像もつかなくて。
— 横田さんが演じた女子高生の愛美子(めみこ)も衝撃的なキャラクターでした。
そうなんですよ。自分が演じるというのは分かって読んだので、最初はできるかなと不安にもなりました。
— たしかに一度で飲み込むのは難しそうな役どころです。演じるにあたって、どこからアプローチしていきましたか?
愛美子は学校に来てないとはいえ、ただ自分の興味があることをやっているだけの子だと思ったので、実際は役作りが特に難しいということはなかったです。周りから見るとちょっとヘンなところもありますが、彼女自身はそこに違和感を持っていないので。
— 天真爛漫というか無垢な女性ですよね。やりたいことをまっすぐにやる愛美子の姿は、横田さん自身と重なるところもありますか?
年齢を重ねるにつれて、興味を持ったらすぐに行動するということが、だんだんできなくなっちゃったなとは感じています。でも、できれば愛美子みたいでありたいです、私も。
— 愛美子の幼なじみでクラスメイトの春乃を演じた吉田美月喜さんとの共演はいかがでしたか?
吉田さんからたくさん話しかけてくれて、すごくやりやすかったです。私は自分から話せない性格なので助かりました。あと、お芝居しているときの目が印象的で。
— 目というのは?
目で訴える、まなざしの圧のようなものがすごかったです。
— 劇中では愛美子とペットのふれあいも見どころだと思うんですが、横田さん自身はペットを飼われた経験はありますか?
自分で飼ったことはないです。
— そうなんですね。すごく自然にかわいがっていましたが。
かわいかったというか、おもしろかったです。実際に飼うなら大型犬がいいなあ。
— 枝優花監督からはどのような演出がありましたか?
春乃と愛美子が会ってから先の道中、ちょっと不思議で怖さを感じるような映像になるのですが、そこは監督からセリフのトーンはもうちょっと落とした方がいいとか演出が入り、何回か繰り返してやりました。
— 観ていて観客を引き込ませる大切なシーンだと感じました。
そうですね。じらすというか、その先が気になるところだと思うので。
— 完成した作品を観た感想を教えてください。
私は春乃の視点で観ていましたが、春乃が将来についてずっと悩んでいて(夢を追うことを)決意するという、すごく短いできごとなんですよね。それこそ誰にでもある悩みにフォーカスして描かれていることで、春乃の感覚がストレートに伝わってきました。
— メッセージ性が凝縮されるというのも短編映画の良さかもしれませんね。横田さんは10月公開の短編映画製作プロジェクト『DIVOC-12』にも出演されていますが、一般的に短編映画は観たことがないという人も多そうです。
私もあまり観る機会はなくて。今回『MIRRORLIAR FILMS Season1』を観終わったときには、映画を3本観た後ぐらい疲れました。映画を1本観るのってすごく体力を使うのに、短編とはいえそれが9本。もうジェットコースターみたいです。
— こうやってバラバラの作品を一度に観ると、映画にはやれることがいろいろあるんだなと思わされました。
ほんとうにそう思います。1作1作のエネルギーも大きいですが、集まったときによりパワフルさを感じました。
— ご自身が出演された『Petto』以外で気になった作品はありましたか?
山下敦弘監督の『無事なる三匹 プラスワン コロナ死闘篇』は、私も出たいなと思いました。おじさん側の女の子バージョンがやりたいなって。
あとは藤原知之監督の『無題』。女の子が最後に言っていたセリフにすごく考えさせられました。
— 『MIRRORLIAR FILMS』のキャッチコピーには「だれでも映画を撮れる時代の幕が開く」とあるんですが、もし横田さんが撮るならどんな作品を?
難しい……何でもありですもんね……。パニック映画が好きなので、ハラハラどきどきするようなものを撮ってみたいかな。最近だと『EXIT』っていう韓国映画がおもしろかったです。
— 短編だと短時間に予算をギュッと凝縮して、誰も観たことがないようなパニックが描けるかもしれないですね。では少し、作品以外のお話もお聞かせください。横田さんはモデルと女優を軸に活動されていますが、そこに共通する部分はありますか?
表現するという部分では一緒かもしれませんが、お芝居だとそこに言葉と時間がついてくるので全然違いますね。
— たとえばカメラを向けられるということでは似ているのかなとも思うのですが。
カメラを向けられる感覚も違います。モデルだと服を見せる、もしくはビューティのお仕事だとメイクを見せるという感覚なんですけど、映像は誰かになりきった自分が撮られているという感覚なんです。
— なるほど。撮られること自体は好きですか?
好きです。でも映像は、こうして話しているところにカメラがあるって状況に慣れないし、まだ得意とは言えないです。
— 言われてみれば、どれだけ自然に演じてもそこにカメラがあるって状況は不自然ですよね。そしてこの春からはモデルと女優に加えて、『世界の果てまでイッテQ!』で出川ガールとしても活動されています。
『イッテQ!』は小さい頃から観ていて、ずっと出たかった番組で。これからバラエティを精力的にがんばりたいというよりは、とにかく『イッテQ!』をがんばりたい!
— 横田さんがキャリアをスタートした雑誌『Seventeen』は女優の登竜門だともいわれていて、活躍されている女優さんがすごく多いですよね。出川ガールの箭内夢菜さん、『MIRRORLIAR FILMS Season1』の森川葵さんや三吉彩花さんもそうですが。
自分が『Seventeen』に入ったときも(広瀬)アリスさんやすずさんなど女優として活躍している方がいて、そんな中でやっていたから自分も女優をやらなきゃと勝手に感じてて。そういう意識が『Seventeen』のみんなにあるのかもしれません。
— 進学校みたいなものでしょうか。みんな勉強できるからこそ、勉強するのに適した環境になっていくような。
でも私は高校時代に何度かレッスンを受けてすごく苦手意識を持っちゃって。ピン表紙がきまったときにも女優をやっていなかったことがプレッシャーでした。
それが何年ぶりかに演技をやってみたら感覚が変わっていて。お芝居することに対して恥ずかしさがなくなって、自分のままで生きていたら言えなかったセリフが言えるのはすごく楽しいなと捉えられるようになりました。
— 人の人生を生きるのはすごく大変だけど、おもしろうそうだなとも思います。では『Seventeen』出身で切磋琢磨する間柄の人はいますか?
永野芽衣はすごく仲が良いので、お互い「これ観たらおもしろかったよ」とか「ヒロイン決まっておめでとう」とか、そういうやりとりはあります。
— 『Seventeen』で注目している後輩は?
永瀬莉子ちゃんはすごいきれいで、女優さんって感じがします。雑誌で勝手に見てるだけで、撮影も一緒になったこともないですけど。ただのファン(笑)。
— 最後に、横田さんが目指す女優像について教えてください。
作品ごとに「同じ人だとは思わなかった」と言われるような女優になりたいです。作品がおもしろくて、「この人、横田真悠だったんだ」と後から気づかれることが理想ですね。
Profile _ 横田真悠(よこた・まゆう)
1999年6月30日生まれ。東京都出身。「Seventeen2014」のグランプリに選ばれ、モデルデビューを果たす。2020年11月号まで「Seventeen」の専属モデルを務め、現在は「non-no」の専属モデルとして活躍。TOKYO GIRLS COLLECTIONなど多くのコレクションに出演しており、抜群のスタイルを活かしなんでも着こなすファッショニスタとして10代の女子高生を中心とした多くの若者に支持されている。数々のCMにも出演しており、2018年10月には、NHK『プロフェッショナル~仕事の流儀~』に史上最年少で出演を果たした。
さらには、日本テレビ「3年A組―今から皆さんは、人質です―」でおしゃれ好きな原宿系の女子高生を演じて連続ドラマデビューを果たす。最近はLAで開催されたDiorのワールドイベントに呼ばれるなど活躍の場を広げている。
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Information
横田真悠さん出演
映画『MIRRORLIAR FILMS Season1』
2021年9月17日(金)よりアップリンク吉祥寺、イオンシネマ他全国順次公開
境界線(ボーダー)を疑え。“変化”をテーマに、俳優、映画監督、漫画家、ミュージシャンなど総勢36名が監督した短編映画をオムニバス形式で4シーズンに分けて公開するプロジェクト第1弾。
監督:安藤政信、枝優花、武正晴、西遼太郎、花田陵、針生悠伺、藤原知之、三吉彩花、山下敦弘(五十音順)
出演:安藤政信、飯島望未、宇野祥平、奥村心結、春日潤也、河井青葉、木村多江、友近、永井理子、仁村紗和、本田響矢、水澤紳吾、森川葵、山口まゆ、山田孝之、山中蓮名、山本浩司、山本剛史、横田真悠、吉田美月喜、渡辺大知、渡辺哲(五十音順)
©2021 MIRRORLIAR FILMS PROJECT
- Photography : Kyoko Munakata(SIGNO)
- Styling : Aya Ishida
- Hair&Make-up : Conomi Kitahara(KiKi inc.)
- Art Direction : Kazuaki Hayashi(QUI / STUDIO UNI)
- Text&Edit : Yusuke Takayama(QUI / STUDIO UNI)