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小芝風花 – 信じているから、好きでいられる

Mar 25, 2026
世界を魅了した大ヒットアニメーション『映画 えんとつ町のプペル』から約5年。最新作となる『映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~』が、いよいよ公開を迎える。
物語の鍵を握るキャラクター・ナギの声を担当した小芝風花が、本作を通して向き合った、信じること、続けることについて。

小芝風花 – 信じているから、好きでいられる

Mar 25, 2026 - FILM
世界を魅了した大ヒットアニメーション『映画 えんとつ町のプペル』から約5年。最新作となる『映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~』が、いよいよ公開を迎える。
物語の鍵を握るキャラクター・ナギの声を担当した小芝風花が、本作を通して向き合った、信じること、続けることについて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

shirt ¥88,000・denim bustier ¥49,500・denim skirt ¥132,000 / sacai (03-6418-5977), boots ¥310,200 / Gianvito Rossi (Gianvito Rossi customer service 03-3403-5564), ear cuff GD ※each ¥22,880・SV ¥18,480 / KNOWHOW jewelry (knowhowjewelry@gmail.com), ring〈left hand〉GD×BKstone ¥16,500・GDpinky ¥7,700 / Jouete (0120-10-6616), ring〈right hand〉SV ¥31,900・GD ¥34,100 / Rieuk (info@rieuk.com)

 

やれるだけのことはやったという事実が自信になる

― 観ていてグッとこみ上げてくる瞬間が何度もありました。年齢を問わず、大人も子どももそれぞれの視点で楽しめる作品ですよね。

映像も綺麗で、すごくかわいいキャラクターがたくさん登場して、誰もがワクワクできる物語になっていると思います。

劇中で(主人公の)ルビッチが飛行艇で飛ぶシーンがあるのですが、最初は失敗してしまうんです。でも悪いのは、失敗することじゃなくて、失敗を恐れて挑戦しないこと。ルビッチたちは失敗で終わらず、その経験をどう次につなげるか、トライアンドエラーを繰り返して成長していきます。

子どもたちにはルビッチの姿から“挑戦する心”を受け取ってほしいし、日々を忙しく過ごすお父さんやお母さんたちにも「もうちょっと気楽に見守っていていいんだな」と思ってもらえるんじゃないかなと。きっとどんな方にも刺さる部分がある作品なので、ぜひ観ていただきたいです。

― 小芝さんは、人に化けた植物の精霊・ナギの声を演じましたが、どんなことを意識しましたか?

好奇心旺盛で活発な女の子だという部分以外はあまり自分で作りこまず、西野(亮廣)さんに指導していただいたことをしっかりやろうという意識で臨みました。

― 西野さんからは、明確な指示があったのでしょうか?

そうですね。ガス役の(吉原)光夫さんは声が低くて大人っぽいじゃないですか。それに対して私は声が高いので、掛け合いをしたときに親子みたいに聞こえたら嫌だなと思って、最初はテンションを落とし気味でやっていたんですけど、西野さんからもっと明るくていいと言っていただけて。

「本当にいいの?」と内心ハラハラしていたんですけど、実際に作品を作っている西野さんが一番正解を持っているはずだから、信じてついていこうと思いました。

― 西野さん、パパッと迅速にジャッジしてくれそうなイメージがあります。

めちゃくちゃ早かったです。違うところは違う、もう少しこうして、と細かく言ってくださるし、いいところは一回でOK。きっと、その場で生まれるものを大切にされているんだろうなと感じました。

― ナギのキャラクターで魅力的だと感じた部分はありますか?

失敗したときの批判がすごい世の中じゃないですか。SNSが盛んになって、誰もがちょっとした発言や行動で炎上してしまうことがある。それを見て育つと、新しいことに挑戦すること、失敗することが怖くなってしまいますよね。

そんな中でも、ナギは自分の興味があることにすごく純粋で、植物なのに人に化けてまで人間界に飛び込んでいく。私自身は勇気がある方じゃないので、そのパワフルさがすごく素敵だなと思いました。

― とはいえ、小芝さんも10年以上にわたって人前に出る仕事を続けて、しかも声の仕事という新たなフィールドでも挑戦されていますよね。勇気を持って新しい一歩を踏み出すためには、どんなことが大切だと思いますか?

私は結構ビビリで失敗が怖いから、とことん準備します。やれるだけのことはやったという事実は、確実に自分の自信になるので。その自信が欲しくて、毎回できる限り準備しています。

今回の歌もすごくプレッシャーだったので、2ヶ月前からボイトレに通って教えてもらい、毎日家で練習していました。

― 小芝さんの歌声、素晴らしくて驚きました。

「今回歌うんですけど」って言われて、私もびっくりしました(笑)。

 

役の成長の過程を声で表現する

― 2024年のアニメ映画『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』で聴いた小芝さんの声が魅力的で、本作も楽しみにしていました。

うれしいです。ありがとうございます。

― アニメの声優としては本作が2作目ということですが、現場はいかがでしたか?

今回は光夫さんと一緒にアフレコできたので、掛け合いがリアルにできて、とても演じやすかったです。そして光夫さんと西野さんが仲良しで、現場の空気感がよかったので、あまり緊張せずに臨めました。のびのびと自由にやらせていただきました。

― ご自身の成長を感じることも?

これまでは海外作品の声だったので、アフレコのときに英語も入っていたんですよね。それをどう日本語で表現するかという難しさはありましたが、ある意味で正解に近いものはあって。

でも今回はそれが全くなかったので、光夫さんと一緒にアフレコできて本当によかったです。一人だったらどうしようって、ずっと心細かったと思います。

― いつものお芝居と同じような感覚で取り組めたようですね。普段から役作りで声を意識することはありますか?

めちゃくちゃあります。

たとえば、NHKのBS時代劇で『あきない世傳 金と銀』というドラマを2024年からやらせていただいていて、この春にはパート3が放送されるんです。(小芝さん演じる主人公の幸の)役の年齢は11歳から始まっていて、今回は40代に入ります。

― 実年齢とはかなり差がありますね。

だからこそ、その成長の過程を声で表現する部分がかなり大きくて。年齢を重ねるごとに少しずつ声のトーンを落としたり、会話の間も徐々に伸ばしていったり。もちろん演じる役の性格にもよりますが、声は大事にしています。

― 今後も声のお仕事を?

できたら嬉しいな。(本作に登場する異世界ネコの)モフのようなキャラクターっぽい声もやってみたいです。自分が声を務めたキャラクターのぬいぐるみが欲しい(笑)。

 

無駄だと思える時間も、実は尊い時間

― 小芝さんは本作からどんなメッセージを受け取りましたか?

前作は「自分自身を信じること」、そして本作は「相手を信じて待つこと」が大きなテーマだと感じました。今は時間を節約して効率よく進めることが重視される時代で、相手を信じて待つよりも自分がテキパキと動いたほうが早かったりもする。それはそれでいいことですけど、無駄だと思えるその時間も、実は尊い時間なんですよね。

「こうやって動いたら効率がいいよ」というアドバイスさえ、場合によっては相手を信じられていないともいえる。大人になって他の誰かを信じることの怖さと、それでも信じて待つ勇気について考えさせられました。

― 誰かを信じて待ち続けるのは、本当に難しいことだと思います。たとえば仕事では、若手に最後まで任せられず、つい自分で巻きとってしまう人も多いですよね。信じて待つことが相手のためになり、ゆくゆくは自分を救ってくれるかもしれないのに。

それこそいつか子どもができたとき、私が着替えさせたほうが早いからと、いつもやってあげていると、その子の成長の機会を奪うことになっちゃうんだろうなって。“自分でできた”という達成感も、逆に“どうしたらできるんだろう”と考えるきっかけも奪ってしまう。親が自分を責めたり、他の子と比べたりすることなく、その子のペースを信じて見守ってあげることが大切だと感じました。

―  信じることに加えて、続けることや諦めないことも作品のテーマだと感じました。小芝さんはキャリアを通して、続けることや諦めないことにどう向き合っていますか?

やっぱり、好きという気持ちが根本にあると思います。

― どんなときに“好き”を感じますか?

台本を読んで自分の役がすごく好きだと思えたとき。この役の感情を伝えたいと感じたとき。お芝居を通して自分の感情が変わるとき。監督の言葉で、自分になかった発想がスッと降りてきたとき。作品を観た方が「楽しかった」と言ってくださったとき。そんな瞬間は、やっぱりモチベーションが上がります。

そしてこのメンバーなら、作品をもっとよくできる、物語をしっかり伝えられる。そう信じているからこそ好きでいられる。最初から失敗すると思って始める人なんていないじゃないですか。

何かを始めるときって、誰だってうまくいくことを信じているんです。だから、その心を素直に感じて、自分が信じているものにたどり着くための道を探す。私は、そんな模索が好きです。

 

Profile _ 小芝風花(こしば・ふうか)
1997年4月16日生まれ、大阪府出身。2012年、「息もできない夏」で俳優デビュー。2014年に『魔女の宅急便』で主人公を演じ第57回ブルーリボン賞新人賞、第24回日本映画批評家大賞新人賞を受賞。最近の主な出演作は、NHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(25)、Amazon Original「私の夫と結婚して」(25)、TBS「19番目のカルテ」(25)など。春からは、NHK「あきない世傳 金と銀3」の放送を控える。声の出演では「ロード・オブ・ザ・リング ローハンの戦い」(24)、吹替で『くるみ割り人形と秘密の王国』(18)など。
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Information

『映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~』

2026年3月27日(金)全国公開

出演:永瀬ゆずな、窪田正孝、MEGUMI、小芝風花、吉原光夫、土屋アンナ、山寺宏一、藤森慎吾、伊藤沙莉、東野幸治、錦鯉、森久保祥太郎
製作総指揮・原作・脚本:西野亮廣
監督:廣田裕介
アニメーション制作:STUDIO4℃
原案:「チックタック 〜約束の時計台〜」にしのあきひろ著(幻冬舎)
主題歌:「えんとつ町のプペル」ロザリーナ(ソニー・ミュージックレーベルズ)
配給:東宝・CHIMNEY TOWN

『映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~』公式サイト

© 西野亮廣/「映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~」製作委員会

  • Photography : Yoshitake Hamanaka
  • Styling : Miku Ogawa
  • Hair&Make-up : Ayaka Kanno
  • Text&Edit : Yusuke Takayama(QUI)

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