#STAYHOME PROJECT Vol.01|MY FASHION FILMS from NETFLIX
ファッションメディアであるQUIとしても何か出来ることはないかと考え、「外出しないでファッションを楽しむ」をコンセプトにデザイナーや有識者の協力と、QUIスタッフで「劇中のファッションに影響を受けた映像作品/ファッションを感じる映像作品」をセレクトした。
※選出作品は動画配信サービス「NETFLIX」で視聴可能なものに限定しております。(2020年4月現在)
映画宣伝マン 岩館佐知子|オススメNETFLIX作品 3選
『しあわせのパン』
2012年/日
監督:三島有紀子
出演:原田知世 大泉洋 ほか
この映画は、ポスターのビジュアルから映画の中の世界感、すべてが私の将来の理想にぴったり(笑)。
自然の中に小さなペンションを営むのが夢で、原田知世さんのキナリな自然派ファッションだけじゃなくて、住んでいる家も飼っているヤギも、大好きな映画です。
実はこの映画に感化されて、忙しい映画の仕事を一度辞めて北海道・富良野へ働きに(いわゆるリゾート・バイトってやつ)行った事がありました。車もお金も無くて、突然に始まった私の貧乏田舎暮らしでしたけど、人も自然も素晴らしくて。でも2ヶ月経って、だんだんと東京の騒がしさに戻りたくなった。
あんなふわっとファッション、なかなか東京のオフィス務めでは着れないですよね、いつか叶うと良いな、私の北海道大家族生活(笑)。
『ビューティー・インサイド』
2016/韓
監督:パク・ジョンヨル
出演:ハン・ヒョジュ ほか
最近の韓国映画で結構好きなものの一つです。「毎日起きる度に別人になっている男性の話」。設定だけを聞くととんでもない映画なんですけど、そこに出ている役者の顔も名前も全然分からないのと、海外の映画だから違和感なくその世界感に飛び込んでいける魔法で最後は大号泣。
韓国のファッションは元々好きで、ソウルに行った事もないのに、韓国の通販で3週間待ってでも買いたい洋服が沢山なんです(笑)。
主人公の彼女を演じるハン・ヒョジュのロングコートにグレーのスパッツ、レザーのショートブーツを履くコーディネート、真似しました。でも足の長さが全然違くて。しっくりこない・・・残念。(笑)
『ゴースト・バスターズ』
1984/米
監督:アイヴァン・ライトマン
出演:ビル・マーレイ ダン・エイクロイド ほか
正直、私が生まれる前の映画です(笑)。
なんで選んだか、というと、いまだにハロウィーンで、つなぎにゴースト貯蔵器(?)を付けて街に繰り出す若い人を沢山見るな~と。
ある意味、時代を超えたファッションを作り出したヒット作だったのだな、と。おしゃれなモデルさんも時々つなぎ着るじゃないですか、かわいいですよね。
渋谷の街にハロウィーンで繰り出した事はないですけど、今年も賑やかな様子がニュースで見れると良いですよね。
ファッションデザイナー 谷田浩|オススメNETFLIX作品 3選
『阿羅漢』
1986/中
監督:ラウ・カーリョン
出演:リー・リンチェイ ほか
アラフォーの男性クリエイターなら、ひよこが生まれて初めて見たものを親と思うみたいな感じでおそらくDNAレベルで刻み込まれている中国(香港)映画のかっこよさ。
阿羅漢Tシャツあったら買うよね。
『ハイパーハードボイルドグルメリポート』
2017〜/日
ディレクター:上出遼平
出演:小籔千豊 ほか
ファッションにうつつを抜かせる現状が幸せだと気づかされる衝撃映像の連続。
グルメリポートの添え物感がすごいのもなんかいい。
NETFLIXで「ハイパーハードボイルドグルメリポート」を観る
『Daft Punk: Revealed.』
2014/米
監督:ジョン・ウィルケール
出演:ダフト・パンク レベッカ・スミス ほか
みんな大好きダフトパンクのドキュメンタリー。
これさえ観ればもうケミカルブラザーズと混同しなくて済むね。
NETFLIXで「daft punk: revealed.」を観る
Profile _ 谷田浩(たにだ・ひろし)
STOF/bedsidedrama/STORAMA/VOY/Waltermatiefなど多くのブランドを手がけてる人。旅と漫画と柴犬と垢抜けないポメラニアンとエキゾチックショートヘアが好き。
Instagram:@byestof @bedsidedrama_jp
KAMADO編集長 柿内奈緒美|オススメNETFLIX作品 3選
『エターナル・サンシャイン』
2004/米
監督:ミシェル・ゴンドリー
出演:ジム・キャリー ケイト・ウィンスレット ほか
「さよならの代わりに記憶を消した」のキャッチコピーが気になって観たのが最初。
ストーリーはもちろんの事、ミシェル・ゴンドリー監督のちょっとシュールな世界観がとにかくいい。
時々観かえす、大好きな映画です。ちょっと奇抜な格好がしたくなる…。
『アメリ』
2001/仏
監督:ジャン=ピエール・ジュネ
出演:オドレイ・トトゥ ほか
この映画が上映された時、ちょうどカフェで働いてた事もあってサントラ聴いてはちょっとアメリ気分。笑
アメリのすべてが、オシャレでかわいい。人生で1番、パリにかぶれた時代です。
『ビッグ・フィッシュ』
2003/米
監督:ティム・バートン
出演:ユアン・マクレガー ほか
空想と現実を行き交う不思議な世界と親子のつながりをティム・バートン監督が描いた作品。
フワフワとした空想、悲しい現実。すべての美しく優しい描写が心に残る作品です。
出てくる場面場面が不思議なんだけど、ステキ。
Profile _ 柿内奈緒美(かきうち・なおみ)
KAMADO編集長:アート・工芸・民藝・モノづくりバイリンガルウェブマガジン/すこしのお金でアートがもらえるかもしれないKAMADO KUJI で新しい文化圏を創っている。
https://kamado-japan.com/
Instagram:@naomi_kakiuchi @kamado.japan
QUIエディター Masayoshi Yamada|オススメNETFLIX作品 3選
『ウォールフラワー』
2012/米
監督:スティーブン・チョボスキー
出演:ローガン・ラーマン エマ・ワトソン ほか
サム(エマ・ワトソン)とパトリック(エズラ・ミラー)の2人がとにかくいいやつで、どんなに抵抗しようとも好きになるしかない映画。
リアルなアメリカの高校生活を切り取った至極の青春映画で、学校生活のほかパーティーやプロムなどファッション的にも見どころ満載。
音楽はThe Smiths、Yonic Youth、David Bowieなどミレニアル世代のツボをとことん突いてくるところも最高な一作。
『マイ・プライベート・アイダホ』
1991/米
監督:ガス・ヴァン・サント
出演:リヴァー・フェニックス キアヌ・リーブス ほか
23歳でこの世を去った伝説の名優リヴァー・フェニックスと、若かりし頃のキアヌ・リーヴスの最高にクールでディープな一本。
サングラス越しのリヴァーの眼差しが放つ危険な色気に酔いしれる。
『トレインスポッティング』
1996/英
監督:ダニー・ボイル
出演:ユアン・マクレガー ほか
言わずと知れた90年代青春ドラッグ映画の金字塔。とことんおバカな内容も面白いんだけど、なによりも劇中の音楽が最高の一本。
Iggy Pop、Primal Scream、New Orderなど、シーンに大きな影響を与えたバンドがずらりと並ぶ。
俺はファッションっていうのは土地とか時代の文化を自分なりの嗜好や解釈のメタファーとして纏うものだと思っていて、この作品も、自分が音楽的にもファッション的にも影響を受けた90年代のロックシーンと切っても切れない関係の映画ってことでピックアップ。
QUIアートディレクター 生方宏明|オススメNETFLIX作品 3選
『ミッドナイト・ゴスペル』
2020/米
監督:ペンドルトン・ウォード
キャラクターデザインが兎に角お洒落で可愛いアニメ作品だが、その内容はどこまでも深いNETFLIXオリジナル作品。
数多ある地球という仮想現実のパラレルワールドをゲーミフィケーションされた状態で行き来しゾンビパニック中の地球に降り立ってインタビューするシーンから始まるトンデモアニメーションである。
個人的な主観ではあるが、ここ数年の異常気象や、新型コロナウィルスが蔓延する世界において、ロボティクスやAI、その他テクノロジーの進歩が連れてくるシンギュラリティに向けて一気に加速されたように思う。
この作品に触れることで改めて「地球とは何か、現実とは何か、世界とは、平和とは、そして人間とは何か」を考えるきっかけになるのではないだろうか。
『ナイトアース』
2020/英
制作:Plimsoll Production
ナレーション:Samira Wiley
こちらも同じくNETFLIXオリジナルのドキュメンタリー作品。
「夜の海は ― 人間に恐怖を抱かせる」という一節から始まるこのドキュメンタリー作品は深い暗闇の中を撮影できる最新のテクノロジーを駆使して撮影されており、ネイチャー系のドキュメンタリーでは間違いなく最高傑作である。(ちなみに私は夜の海でも、海面に浮かんで星空を眺めるのが大好きだ。)
こちらはファッションを感じるというよりは、自然というアートに完膚なきまでに叩きのめされる作品だ。しかし、服を着ることも無い全ての生き物が生まれながらにして持った圧倒的なバランスに象られた造形センス、ファッションセンスを心ゆくまで感じて欲しい。
数々のBBC制作作品や、NETFLIXでも視聴可能なSilverback Films制作のOUR PLANETなどに惚れ込んでいた私にとって、最も先進的なアプローチと圧倒的な美しさを届けてくれている。
『F♡LL♡WERS』
2020/日
監督:蜷川実花
出演:中谷美紀 池田エライザ ほか
台詞、カット割り、キャスティング、音楽、衣装、美術、映像表現における全てにおいて「オシャレ」その一言に尽きる。現代の闇とポップのバランスが計算され尽くされておりスピード感も心地良い。
渦中の沢尻エリカがカットされずに本人役で出演していることも話題だが、彼女は圧倒的な存在感を出した最後の映像作品となっているので是非とも第一話で確認して欲しい。
まさに今という時代をテーマごと切り撮った蜷川実花の最高傑作ではないだろうか。
カメラマンの中谷美紀の美しさ、女優志望の池田エライザの可愛らしさに酔いしれつつ、脇を固める浅野忠信、金子ノブアキ、夏木マリ、コムアイのスパイスを味わいながら、名前をそのままに出演している大森南朋、MIYAVI、川谷絵音にも注目して欲しい。タブーを恐れないNETFLIXのスタンスを改めて評価したい作品である。
- Art Direction/Edit : Hiroaki Ubukata
- Produce : Shun Okabe