NEW GENERATIONS vol.12 – Kanto Kurosawa|Photographer
第12回はフォトグラファーの黒沢鑑人。
<tanakadaisuke(タナカダイスケ)>2024年春夏コレクションのルックをはじめ、QUIで先日公開された「#19 . ONLY ME ー さりげない個性をプラスする上質な古着の魅力」の表紙を飾った俳優・坂東龍汰を撮影するなど、ルックからエディトリアルまで、活動の幅を広げる注目のフォトグラファー。
そんな彼に今まであまり語られていないパーソナルな部分や、今後の展望などを伺った。
1998年生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業後、イイノメディアプロに入社。2023年にフォトグラファーとして独立。エディトリアル、ルック撮影、ポートレートなど主にファッションの撮影を中心に活動。
Interview with Kanto Kurosawa
ー 写真を撮り始めたのはいつから?
本格的に撮り始めたのは、大学3年生のときにスタジオ撮影に初めて触れた時からです。何もない真っ白なところから一つの世界を作って、その世界がスタジオ外の世界とつながる感覚が面白くてそれが真剣に写真を撮っていこうと思ったきっかけでした。
ー 仕事の中で最もやりがいや興奮を感じる瞬間は?
シャッターを切っている時です。撮影がうまく行っている時はなおさらでこの瞬間のために生きていると確信させてくれます。
ー 使用しているカメラは?
Canon EOS R5
ー 仕事するうえで大切にしていることは?
撮影する対象、撮影メンバーに対して最大のリスペクトを持つことです。
ー 影響を受けた人、尊敬している人は?
影響を受けた人はFloria Sigismondi、Davide Sorrenti、Bernard Buffet、Marie Laurencin、Tim Burton、Stephen King、挙げ出したらキリがないほどたくさんの方に影響を受けています。
尊敬している人もたくさんいます。自分は多才なタイプではないので自分にできないことができる人は常に尊敬しています。
ー 日々どのようなインプットを?
本屋さんに行って、新旧問わず気になる写真集やエディトリアルを見たり、日常的に小説や映画を見て常に感覚を研ぎ澄ますようにしています。感覚が鋭くなっているときは、日常にあるものをより深く読み取れるようになるような気がするので大切にしています。
ー 趣味など仕事以外の好きなモノ、コトは?
1. ホラー映画が好きで空いた時間があるとよく見ています。最初は怖いもの見たさで見ていたのですが、徐々にその演出の幅と奥深さに惹かれるようになって気づけばオタクになっていました。
2. アニメが好きです。いまだにあの魅力的な世界に行くことはできないか模索しています。
3. 表現が頭でっかちになりそうな時に一度リセットさせてくれるので小説が好きです。
ー 掲載した作品について
前半はビューティストーリーで最近で一番好きな作品の一つです。怖さ、ユーモラス、不気味、愛らしさ、その狭間で生まれる美しさを追求した作品です。
後半は、パーソナルワークとして行っているセルフポートレートのシリーズです。自分を写した写真を傷つけて、それをさらに複写して第三者として見るときに生じる感覚が不思議で定期的に作っています。こちらは写真の概念を解剖するという意味でも続けていきたい作品です。
ー 自身が考えるかっこいい作品の条件とは?
作品には自分の今までの経験や見てきたものが滲み出るものなので、そこに作品へのストイックさが垣間見える作品は、はちゃめちゃにかっこいいと思います。
ー フォトグラファーとしての将来の展望は?
写真を撮ることほどの快感はないと思うので、その欲求のままに生涯写真を撮り続けられたらと思います。
- Edit : Yukako Musha(QUI)