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感情を揺さぶるようなストーリーが見えてくる服を CRAIG GREEN|DSM Ginza OPEN HOUSE

Apr 30, 2026
国内外から参加者が集い、限定アイテムやインスタレーションで全館が華やかに盛り上がるDover Street Market Ginzaのオープンハウス。来日することが珍しい海外のデザイナーも「出展できるのは特別なこと」と口を揃える。QUI編集部は、日本でも着実にファン増やしている注目ブランドに会場でインタビュー。ロンドン生まれのデザイナーが手がける<CRAIG GREEN(クレイグ・グリーン)>は、春の訪れを告げるようなファンタジックなコレクションでエレファントスペースに季節の彩りを運んでいた。

感情を揺さぶるようなストーリーが見えてくる服を CRAIG GREEN|DSM Ginza OPEN HOUSE

Apr 30, 2026 - FASHION
国内外から参加者が集い、限定アイテムやインスタレーションで全館が華やかに盛り上がるDover Street Market Ginzaのオープンハウス。来日することが珍しい海外のデザイナーも「出展できるのは特別なこと」と口を揃える。QUI編集部は、日本でも着実にファン増やしている注目ブランドに会場でインタビュー。ロンドン生まれのデザイナーが手がける<CRAIG GREEN(クレイグ・グリーン)>は、春の訪れを告げるようなファンタジックなコレクションでエレファントスペースに季節の彩りを運んでいた。

—Dover Street Market Ginzaのオープンハウスに参加するのはブランドにとってどういう意味があると思いますか。

Dover Street Marketとの取り組みは12年も続いているのですが、オープンハウスには初参加となります。インスタレーションのメインともいえる1階のエレファントスペースで<CRAIG GREEN>の世界観を表現できることを光栄に思っています。

—今回のインスタレーションのコンセプトを教えてもらえますか。

Dover Street Market Ginzaでの展示は、これまでにニューヨークやロサンゼルス、パリのDover Street Marketでお披露目してきたインスタレーションのシリーズ最終章のような位置付けです。ニューヨークやパリと同じ展示物もあるのですが、今回のいちばんのスペシャルはゾウさんが<CRAIG GREEN>のパーティに飛び入り参加してくれたことです(笑)。



—エレファントスペースはDover Street Market Ginzaにとって特別な場所ですが、今回のインスタレーションは来場者にどのように感じてほしいと思って企画したのでしょうか。

2026年の春夏コレクションは「未来を見据える」という前向きな感情をコンセプトにしています。壁面を明るいイエローで埋め尽くしたのは、イエローというのはポジティブさと同時にパワフルな感情まで引き出してくれる色だと思っているからです。Dover Street Market Ginzaは訪れることで多くの刺激を得られる場所でもあるので、お客さんには<CRAIG GREEN>の世界観に触れることで、さらにポジティブからパワフルまであらゆることを感じ取ってほしいです。


—インスタレーションに展示されている4ルックはDover Street Marketのエクスクルーシヴだそうですね。

2026年の春夏コレクションの全てに鮮やかなテキスタイルを使用しているわけではないのですが、Dover Street Marketの限定コレクションにはサイケデリックな色や柄を選びました。Dover Street Market Ginzaのお客さんは、主張や印象が強いテキスタイルから「未来を見据える」というコレクションのコンセプトを汲み取ってくれるのではないかと思っています。

—<CRAIG GREEN>は、ワークやミリタリーをリファレンスにしている印象がありますが、デザインの美学として大切にしていることはありますか。

<CRAIG GREEN>のコレクションは「ユニフォーム」がベースにしつつ、相反する価値観を提示することにチャレンジしています。機能的であること、そしてエモーショナルであること、そういう相反するような要素を掛け合わせることをクリエイティブにおいて最も大切にしています。ショーなどお客さんの興味や関心を惹きつけて、共感してもらうには感情を揺さぶるようなコレクションストーリーやデザインは不可欠ですからね。

—なぜユニフォームに着目したのでしょうか?

両親も祖父もユニフォームで働く仕事をしていたので幼い頃から私にとって身近な服でした。またユニフォームには仕事服以外に、宗教的な衣服や学校の制服などもあります。用途は全く別物であってもどれも似たようなスタイルやシルエットで、作り方まで同じというのはとても興味深いです。

—ユニフォームは「同質性」の象徴のようなものですよね。

学校の制服もそうですが、ユニフォームのように全員が同じデザインの服を着ることは個性が埋もれると思われがちでもあります。ですが、私はユニフォームはソーシャルクラスもヒエラルキーも打ち消してくれる素晴らしいファッションだと思っています。またユニフォームを着ることで感じる「グループとしての一体感」もとても心地の良いものだと思っています。


—<CRAIG GREEN>のコレクションではあまり記憶はないのですが、今回のような鮮やかなテキスタイルを採用しようと思ったのはどうしてでしょうか。

2026年の春夏コレクションのクリエーションはビートルズからスタートしているんです。ただ、ビートルズのファッションやスタイル、音楽というのをリファレンスにするのではなく、コレクションに落とし込んだのはその時代背景です。ビートルズが登場した当時は若者たちが自分のアイデンティティを模索している時代でもありました。そして、社会的な階級や地位とも関係なく、どこの家庭のカーペットやベッドカバーに見られたのが今回の春夏コレクションに重なるような鮮やかな色柄です。60年代ではソーシャルクラスに関わらずどこの家庭でも使われていたテキスタイルを、今の時代のファッションに反映することで新鮮な表現が生まれると思いました。今の時代は個人の価値観を重要視することが盛り上がっていますが、一方で「一体感」というのも大切だと思っています。ちなみにビートルズも同じ格好と同じ髪型をしていましたよね(笑)。

—60年代のカーペットやベッドカバーの色柄からインスピレーションを得ていたのは意外でした。

カーペットでもベッドカバーでも暮らしにとって身近なものですよね。特にベッドカバーは身体にやさしく触れるもので誰にとっても親密な存在のはずという発想からコレクションに落とし込みました。

—「違います」と言われるのは覚悟のうえですが、ヒダやスリットのデザイン、レイヤードの雰囲気から第一印象では着物のように見えました。洋服のパターンはどう考えたのでしょうか。

着物に見えたんですか?本当に?パターンについては今回のコレクションでは色柄にフォーカスしたかったのでシンプルさを意識しました。ベットカバーそのままのように見せたかったので、あえて装飾性などは施しませんでした。そこが着物の雰囲気と重なったのかもしれないですね。

—そんな<CRAIG GREEN>のコレクションを、Dover Street Market Ginzaのファンにどのように楽しんでほしいですか。

自分がデザインした服を「こう着てほしい」と考えたこともないので、すごく難しい質問ですね。こちらから押し付けたりしたくはないので、そこは自由に楽しんでもらえたらうれしいです。


about Craig Green

2012年にクレイグ・グリーンによって設立されたロンドン発のブランド。ユニフォームやワークウェアといった実用的な要素をベースに、独自の構造やレイヤリングによって再構築し、機能性と抽象性を併せ持つスタイルを提案している。
「守る」「包む」といったテーマを軸に、衣服と身体、個人と集団の関係性を探求し、しばしば彫刻的で儀式的な表現へと展開される。近年では軽やかさや可変性にもフォーカスし、動きや変化を内包したデザインへと進化。コンセプチュアルでありながら実用性も備え、現代メンズウェアの新たな可能性を提示し続けている。

Instagram:@craig__green

  • Photography : Kaito Chiba
  • Text : Akinori Mukaino(BARK IN STYLE)
  • Edit : Yusuke Soejima(QUI)

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