ベルリン徒然日記 -Vol. 1 -|24-25秋冬 ベルリン・ファッション・ウィーク
コペンハーゲン同様、ファッション文化が根付くベルリンならではの“個性”を探しにQUIも訪れた。ドイツ伝統のクラフトマンシップに基づいたブランドやダークでありながらもクリエティビティの富んだブランドなどベルリンのブランドは、チェックするに値するブランド達ばかり。初めて訪れたベルリン・ファッションウィークの様子をブログ形式でご紹介。
お馴染みとなったLCCに乗り込み、早朝の便でベルリン・ブランデンブルク空港へ。
今日は生憎の雨模様。パリもベルリンも大雨です。
空港に到着し、電車のチケットを手配して市内へ向かいます。
コペンハーゲン同様、ベルリンも市内へのアクセスは断トツ電車が便利です。
こちらはゾーン制で空港から市内は3.2ユーロでした。
電車に揺られること約40分でアレクサンダー駅に到着です。
今日はこのまますぐにショーがあるので、会場へ向かいます。
いつぶりかわからないぐらい久しぶりのベルリン。
街には第二次世界大戦の記憶もたくさん残っています。
知りたい・知らないといけない知識欲をかきたてられる都市。
そんなベルリンの記念すべき1個目のショーは<Olivia Ballard(オリヴィア バラード)>
会場は、アレクサンダー駅から徒歩10分ほどのプレッセカフェ。今回のファッションウィークではこの会場で多岐にわたり様々なブランドがショーをする場所です。
すでにベルリンのファッショニスタ達がたくさん集まっていました。
ランウェイの中央には雲ようなセットが組まれ、La Chatte(XXX)というアーティストの登場と浮遊感のある心地の良い音楽とともにショーはスタート。枕を抱えたようなスタイルのルックや、布団がそのままドレスになったようなルック、パジャマライクなものまで登場。
素材もベロアやサテン、シフォンといった終始「心地良さ」を感じるコレクションで、何度も転調する音楽が、夢の中での浮遊感を表している感じがしました。
本日は1本のみなので、会場を後にしホテルへ。
ドイツといえばのビール(笑)をたくさんいただきました!
1日目に続き、雨模様の2日目は沢山のショーにご招待いただきました。
初めてお目にかかるブランドも多く、本当に楽しみな2日目です。
ベルリンタワーを横目に、<Maximilian Gedra(マキシミリアン ゲドラ)>のショーへ向かいます。
会場周辺に着くと、タクシーを降りる前から凄い個性的な人ばかり!
会場は「NEST3」、普段イベントスペースの会場内は黒で統一され、薄暗い雰囲気です。
ベルリンはジェンダーに対しても本当に開放的かつ自由で、会場内はジェンダーを超越したファッショニスタが沢山。奇抜とかではなく個性のぶつかり合いがとても楽しい。
ハードな印象が強い、このブランドのスタートを飾ったのはとっても大きなニードルのようなショルダーのワンピース。抜群の存在感です。
2023年に立ち上がったばかりのこのブランド、ジェンダーという垣根はなく、誰でもトライできる前衛的なハイファッションルックが約20種類登場。またモデル一人一人のルックにコンセプトがあるかのような、モデルウォークがとても印象的でした。硬いプラのような素材のドレスやボリュームたっぷりのフェイクファージャケットなど、会場からはルックの登場のたびに歓声が起き、このブランドの期待値を感じました。
次に向かうのは<IMPARI(インパリ)>のショー。
会場は少し離れた「ARTCO gallery」にて開催されます。
小さなアートギャラリーの上下2階をフルで使用したランウェイは大混雑。
無事に中に入ることができると共にショーがスタート。
パフォーマーが登場し、ペットボトルやゴミをそこら中に捨てる演出が印象的でした。
その散乱されたゴミをまるで未来から回収に来たようなルックのモデルたちが続々と登場。もちろん、ルックは全てリサイクルやアップサイクルから創り出されたもので、普段よく見かけるゴミから出来たとは思えない発色豊かなルック達。フォルムも美しくデザイナーの提示する未来を見ているようなコレクションでした。
ゆっくりする時間もなく、どんどん次へ向かいます。
お次にお邪魔するのは<Haderlump(ハーダーランプ)>のショー。
今回DHLとのコラボラインもあるとのことで個人的に楽しみにしていました。
会場はショッピングモールの跡地のような廃墟感漂う場所で、会場の中に入ると銀世界が広がる。
着席とほぼ同時にショーがスタート。
全てデットストック素材から作られたという今回のコレクション。
古いカウスキンを用いたバイカージャケットなど、捨てられるはずの素材を循環させる事を今回のテーマに掲げており、「DHLとのコラボは再利用を新たなレベルへと引き上げる」というデザイナーの想いが込められた素晴らしいショーでした。
その後、すぐさまタクシーに飛び乗って向かうは日本でも大人気の靴下ブランドの<HAPPY SOCKS(ハッピーソックス)>のショー。
ソックスブランドがどのようなショーを見せてくれるのか期待に胸を膨らませながらショーへと向かいます。
会場はアンダーグランドな裏路地にある自動車修理工場の倉庫の中で行われます。
このままアフターパーティーも開催されるという事で、会場はとっても広いです。
オレンジに統一された空間に、溢れんばかりの招待客でごった返す中でのランウェイ。
世界初の靴下ランウェイショーは、ストリートスタイルが印象的で、多種多様な老若男女が靴下と共に個性をアピールしまくる、ちょっと今までのランウェイとは違ったプレゼンの仕方に圧倒されました。
アフターパーティーに参加したかったのですが、本日最後のショーへと向かいます。
会場はポツダム広場近くの「Kulturforum」。
ここで行われるのは<NAMILIA(ナミリア)>のショーです。
夜もかなり遅くなってきましたが、沢山のファッショニスタが集まり会場は熱気であふれていました。なんといっても本日訪れた中で一番、おしゃれで個性的な人が沢山。
目が覚めるようなスタイルのゲストだらけで、あちらこちらに目を奪われっぱなしでした。
ドイツは人種の問題に対して、とても先進的で自由なイメージがありますが、この<NAMILIA>のショーでは1番ジェンダーレスやLGBTQといったワードが必要ないくらい一人一人が自由に自分のすきを楽しんでいる印象をとても受けました。とても素敵です。
ルックも、もちろん男女という性別は超越しミリタリーでパンクロックなスタイルが沢山展開されました。
2日目は、沢山回れて幸せな時間を過ごせたので、凄く満足した1日となりました。
後編へ続く。
- text : Tetsu Charles Kawamoto