ゆりやんレトリィバァ – みんな最高
ブランドのローンチにあわせて、現在の活動の拠点であるロサンゼルスから一時帰国したゆりやんにインタビューの機会を得た。
トレーニングのハードルを低くして、挑戦しやすしてくれるウェア
― まず、「YURYUR(ユーユー)」というブランド名の由来について教えてください。ゆりやんさんのインスタグラムに「Make you YOU!(あなたをあなたにしよう!)」というメッセージを投稿されていましたが、そこからでしょうか?
そうですね。トレーニングをする上で、「こうならないといけない」とか「こうやらないといけない」とか、そういうのはなくて、一生付き合っていく自分の身体を、健康で好きなようにすることが一番大事やと思ったんです。そういう思いを込めながら、ゆりやんレトリィバァからこじつけて「YUR」のつづりにしました。
― かわいい名前ですよね。ゆりやんさんらしさもあって素敵です。
字面がかわいいのが良いなと、スタッフみんなで言ってたんでうれしいです。
― カラーはオールブラックなんですね。
最初はいろんな色をやりましょうって感じやったんですけど、履き心地とか着心地とか触り心地にめっちゃこだわって、「これもうちょっとこうなりますか」「この生地ありますか」と要望を出しまくってたら、じゃあ1色だけになりますよと(笑)。でもだれでも着やすいし、逆に良かったです。
― 第一弾としては色の楽しさよりも、快適性や機能性にフォーカスしたと。
はい。とくにスパッツは履き心地にめっちゃ自信持ってて。私もいろいろスパッツを持ってるんですけど、トレーニングするときに自然に選んでいるのはYURYURになってます。
― すでにご自身でも愛用されているんですね。
めちゃ使ってます。
― 近年、トレーニングウェアやフィットネスウェアのブランドが隆盛をみせていますが、それらのブランドと比べてYURYURのユニークなポイントはどこでしょうか?
たとえばこのTバック。私はスパッツにパンツの線が出るのが嫌でTバックを履きたいんだけど、Tバックって後ろもTなら前もTみたいな。それは履き心地が悪いから、前が広いTバックがあれば良いのにとか、股の部分もちゃんと布の面積が広くて痛くないTバックがあったら良いのになってところから始まってる。トレーニングのハードルを低くして、挑戦しやすしてくれるウェアがYURYURだったら良いなと思います。
― 他のおすすめ商品もピックアップして教えていただけますか?
リブ素材のショート丈のスパッツはどうでしょう。リブ素材だから私服っぽいし、スパッツ一丁で歩くのに抵抗がある人も、ちょっと軽減されるかなと。Tシャツやスウェットを合わせても良いし、上からジーパンとか履いてウエストのロゴ見せしてもかわいい。そうやって私服にも取り入れてもらったり、家でゴロゴロしたりするときにも着てもらいたいです。
― 基本的に女性の身体にフォーカスしたものづくりだと思いますが、男性が着られるアイテムもありますか?
チンチンがあるとどうなんやろうって私にはちょっとわからないので、おすすめできるかどうか(笑)。でも気にならなければぜひ着ていただきたいですね。タンクトップのカップは抜けるんで男性が着てもかわいいですし、レッグウォーマーも寒いときにおすすめですし、スパッツも人間向けなんでだれでもいけるかと。
― ローンチしたばかりですが、今後ブランドとしての展望があれば伺えますか?
YURYURって読みにくいんですけど、パッと見てユーユーって読んでくれるようになったらうれしいな。国も性別も関係なく、みんなが楽しく着れるブランドになってほしいしいです。
自分の持ってるカードを最大限に活かして、かわいい組み合わせを作る
― ゆりやんさんは6年間のトレーニングライフを通じて自分自身を大切に思えるようになったそうですが、トレーニングのどういった部分が自己肯定感を上げてくれるのでしょうか?
たとえば「こうなりたい」という身体があって、でもそれが骨格的にめっちゃ足が長いとか、めっちゃ背が高いとか、そういうのってトレーニングじゃ変えられないじゃないですか。だから結局、私も自分のことを諦めかけてたんです。「どうせ無理やし」とか、「もう食べてどうなってもええねん」とか。
でもトレーニングってやればやるほど結果も出てくるし、「私は足も長くないし背も高くないけど、私のこういうところはなんか良いな」って見えてくる。人の持ってるカードをうらやましいって思ってもしょうがないから、自分の持ってるカードを最大限に活かして、どんだけかわいい組み合わせが作れるか、今はそういうマインドが良いなと思えるようになりました。
― たしかに、絶対に勝てないカードってきっとないですもんね。
うん、そう。みんな最高。そのカードをどうやって使うかが大事。
― とはいえ、トレーニングに二の足を踏んでる人や、やっても続かない人も多いと思うんです。
わかります。
― そういう方にアドバイスをいただけますか?
人間って、歳を重ねていくじゃないですか。来年はまた1歳老いてるんか、歳は取りたくないなあとか思ったりして。でも待って。トレーニングしてたら来年のほうが身体が仕上がってるやん。
― 年々進化していく。
自分の持ってるもんを自分の好きなように育てて、どんどん元気になって楽しくなっていくのに、やめる理由なくないですか?
― たしかに。じゃあまずは、最初の変化の実感が湧くところまでは続けないとですね。
実感湧かなくても大丈夫。
― 本当ですか?
このYURYURを着ていただけたらね(笑)。
― なんと(笑)。
YURYURを着てジムに行ってみたいなとか、運動してみたいなとか、身体を出してみたいなとか、そういうきっかけになったらうれしいです。
― ブランドからは少し離れた質問になりますが、ゆりやんさんがファッションに求める要素は何でしょうか?
「今日、服ミスった」というとき、はよ帰りたくないですか?
― そうなりますよね。
でも「今日良いの着てる」というときは、ちょっと買い物行ってみたり、寄り道してみたり。流行ってるからとかじゃなくて、そういう気持ちにしてくれるファッションが良いなと思います。
― 自分を気分良くしてあげることを大事にしているんですね。
それが言いたいです。
― 昨年からロサンゼルスに拠点を移されましたが、現地での生活はいかがですか?
毎日楽しいです。まだ行って1か月ぐらいで1回帰ってきちゃったんですけど、今。でも旅行や観光で行く1か月とは、住むってなったら全然違って。ホームシックにもなりました。
― 仕事に対する意識の変化もありましたか?
まだ向こうで仕事という仕事ができてないんですけど。でも変わらず好きなことをできるように、自分を折らずにやっていきたいなと思います。
― ちなみに以前『極悪女王』で取材させていただいた際には、この作品が海外での名刺代わりになればとおっしゃっていました。
めっちゃなりましたよ。いつも道を歩きながら「ドゥドゥーン(Netflixの起動音)」って言ってます(笑)。
Profile _ ゆりやんレトリィバァ
1990年生まれ、奈良県出身。関西大学4年生のときに、NSC(吉本総合芸能学院)大阪校の35期生として入学。「NSC大ライブ2013 ~史上最多1000人の芸人が本日誕生!?」の大阪校で優勝し、NSCを首席で卒業。17年の在阪賞レース「第47回 NHK上方漫才コンテスト」で、女性ピン芸人初の優勝をはたす。同年、第1回「女芸人No.1決定戦 THE W」でも優勝。19年にはアメリカのオーディション番組『アメリカズ・ゴット・タレント』に出場し、米国旗柄の水着を着て手首を回すダンスで、世界から注目される。「R-1グランプリ2021」では、悲願の初優勝。昨年はお笑いタレントに加え、ラッパーとしてもデビュー。アイドル、俳優、声優ほか、マルチな才能で活躍中。
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Information
YURYUR(ユーユー)
ゆりやんレトリィバァがディレクションする、自然体の美しさを引き出すトレーニングウェア。
- Photography : Kaito Chiba
- Edit : Yusuke Soejima(QUI)
- Text&Edit : Yusuke Takayama(QUI)