探究心と好奇心がみちびく、衣服のイノベーション – 2025年新作でみる132 5. ISSEY MIYAKE –
Dec 26, 2024 - FASHION
永遠に終わらないこの自問自答に、妥協せず向かい続ける姿勢。
職人的なものづくりへの探求心と、子どものような好奇心を持ち合わせ、作り出されたその回答は、常にファッションデザインに革命を起こし続けてきた。
身体と心。どちらも欠けることなく、双方に喜びをもたらすプロダクト。
それが、イッセイ ミヤケなのだと思う。
この課題に挑戦し続けるために、日本のものづくりの未来を見据え、2007年からリサーチワークを開始していたのが、三宅一生率いる研究開発チームReality Lab.(リアリティ・ラボ)だ。
このチームから生み出されたブランド<132 5. ISSEY MIYAKE>は、Reality Lab.の英知と精神を表象するブランドだといえる。
本特集では、2025年1月から6月にかけてリリースされる新作を紹介するとともに、<132 5. ISSEY MIYAKE>のイノベーティブな精神、ブランドの挑戦やフィロソフィにも触れていく。(画像:© ISSEY MIYAKE INC.)
132 5. ISSEY MIYAKE
2000年代初頭より未来を見据えた素材開発と革新的な表現をテーマに、三宅一生が世代を超えて編成されたチームと共に活動をスタート。その成果として2010年にブランドが誕生。工学による折りたたみの構造や再生素材の研究を背景に、ブランド名には、一枚の布(1次元)から3次元の立体造形を作り出し、折りたたむことで平面の2次元に、装うことで時間や次元を超えた5次元の存在になるように、との思いが込められている。再生ポリエステル生地を基本素材としながら、天然素材との混紡、植物由来の繊維を配合した素材を開発するなど、環境・社会・生活のよりよい循環を見つめ直すデザインを目指す。
2025年新作“研究”テーマ 「CONTINUITY(連続)」
2025年1月から6月にかけて、新作がリリースされる。
この一連のテーマとして研究開発チームのリアリティ・ラボが掲げたのは「CONTINUITY(連続)」。
このテーマを軸に、1月、2月「平面の連続」。3月、4月「立体の連続」。5月、6月「曲線の連続」と、異なる「連続」を表現することに挑戦した。
これはブランドのいわゆるコレクションコンセプト的発想ではなく、<132 5. ISSEY MIYAKE>が衣服のさらなるイノベーションを起こすために選んだ研究テーマなのだと感じた。
このテーマが導き出したプロダクトから、新たな“発見”と“驚き”を感じてほしい。
- Text : Kaori Sakai(QUI/STUDIO UNI)
- Edit : Shun Okabe(QUI)
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