いま行くべきアートイベント|2025年3月
東京国立近代美術館にて「ヒルマ・アフ・クリント展」開催
ヒルマ・アフ・クリント 《10の最大物,グループIV,No. 3,青年期》 1907年 テンペラ・紙(キャンバスに貼付) 321×240cm ヒルマ・アフ・クリント財団 By courtesy of The Hilma af Klint Foundation
抽象絵画の先駆者、ヒルマ・アフ・クリントのアジア初となる大回顧展。スウェーデン出身の画家アフ・クリントは、ワシリー・カンディンスキーやピート・モンドリアンら同時代のアーティストに先駆け、抽象絵画を創案した画家として近年再評価が高まっている。
本展では、高さ3mを超える10点組の絵画〈10の最大物〉(1907年)をはじめ、すべて初来日となる作品約140点が出品される。代表的作品群「神殿のための絵画」(1906–1915年)を中心に、画家が残した資料や、同時代の神秘主義思想や女性運動といった多様な制作の源の紹介をまじえ、5章立ての構成により画業の全貌を見ることができる。
「ヒルマ・アフ・クリント展」
日時:2025年3月4日(火)~6月15日(日)
時間:10:00-17:00(金・土曜は10:00-20:00)入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(ただし3月31日、5月5日は開館)、5月7日
場所:東京国立近代美術館
住所:〒102-8322 東京都千代田区北の丸公園3−1
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銀座メゾンエルメス フォーラムにてグループ展「スペクトラム スペクトラム」が開催
Installation view of the exhibition “Spektrum,” 2024 「スペクトラム」 展示風景(2024年)
© Isabelle Arthuis / Courtesy of Fondation d’entreprise Hermès
タイトルである《スペクトラム》とは、ドイツ語表記によるスペクトル(Spectrum)で、物理的な現象の分布や範囲(光学や音響に用いられるスペクトルなど)を表すと同時に、亡霊や幻視といった超自然的な存在や、また比喩的に扇子を意味するなど、広い射程とグラデーションを持つ言葉である。ベルリンを拠点とするエマニュエル・カステランの拡張的個展として展開したブリュッセルから、本展「スペクトラムスペクトラム」では、《スペクトラム》という言葉に含有される振れ幅や共鳴を鏡のような道具として用いながら、展覧会を一つの小説のように捉え、真実と虚の〈あいだ〉 にとどまることのできる居場所として、密やかな室内のナラティブを生み出そうとするものだ。
「スペクトラム スペクトラム」
日時:2025年3月20日(木・祝)~6月29日(日)
時間:11:00~19:00(入場は18:30まで)
休館日:水曜日
※開館日時は予告なしに変更の可能性がございます。随時こちらでお知らせ致します。
入場料:無料
場所:銀座メゾンエルメス フォーラム 8・9階
住所:〒104-0061 東京都中央区銀座5丁目4−1 8階
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「HYPER MUSEUM HANNO」オープニング特別企画展に、ヤノベケンジ「宇宙猫の秘密の島」を開催
3月1日に誕生する、現代美術館「ハイパーミュージアム飯能」にて、オープニング特別企画展 ヤノベケンジ「宇宙猫の秘密の島」が開催される。ミュージアム館内の作品のほか、
【オープニング特別企画展】ヤノベケンジ「宇宙猫の秘密の島」
会期:2025年3月1日(土)~8月31日(日)
開館時間:10:00~17:00(入館は閉館の30分前まで)
会場:ハイパーミュージアム飯能
住所:〒357-0001 埼玉県飯能市宮沢327−6
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アニエスべー ギャラリー ブティックにて「わたしたちの返事:1975-2025」が開催中

アニエスベー ギャラリー ブティックでは、3月23日(日)まで、片山真理、小林エリカ、スクリプカリウ落合安奈、東京QQQ(アオイヤマダ、かんばらけんた、Kily shakley 、KUMI、高村月、ちびもえこ、平位蛙、MONDO、山田ホアニータ)x 海老坐禅(河野未彩、磯部昭子、冨沢ノボル、二宮ちえ、Oi-chan)による展覧会『わたしたちの返事:1975-2025』を開催。本展では、1975年以降に生まれ、異なる世代や分野で活躍するアーティストたちがこの映画の声を読み解き、身体、記憶、対話、土地、生き様、そしてアイデンティティというそれぞれの物語をもとに「わたしたちの返事」を紡ぎ出し、過去と現在、個と社会、性別を超えた視点が交錯する中で、今日のジェンダーをめぐる問いに対する新たな可能性と視座を提示する。「わたしたちの返事:1975-2025」
会期:2025年2月22日(土)− 3月23日(日)
休廊日 : 月曜日(2月24日除く)
時 間 : 19:00−21:00
場所:アニエスベー ギャラリー ブティック
住所:東京都港区南青山5-7-25 ラ・フルール南青山2F
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DIC川村記念美術館にて「DIC川村記念美術館 1990–2025作品、建築、自然」開催中
2025年4月1日から休館するDIC川村記念美術館は、1990年に千葉県佐倉市の緑豊かな北総台地に開館し、34年にわたり、移ろう季節とともに活動を続けてきた。梅や桜の花がほころぶ頃、館内の全ての展示室を用いてコレクション展示が行われる。
「環境・建物・作品の3 つの要素の調和」は、美術館の理想の姿として設立時に示されたものだが、時とともに「作品、建築、自然」の三要素として再定義され、今現在まで指針としてきた。企画展やイベントの新鮮な魅力と比べ、変化の少ないコレクション展示は、ともすると注目されにくいものだが、三要素の融合が最も純粋な形で現れる場として、DIC川村記念美術館では開館以来何よりも大切にしてきた。個々の作品の存在を受け止め、鑑賞する個人との語らいが生まれるよう細部まで熟慮された建築は、それぞれ全く異なる意匠を持つ11の展示室を基本として設計されている。島々のように連なる展示室は、光の零れる窓のある廊下で結ばれ、屋外の自然を感じ、眼と心の休息を促すことで、次なる作品との出会いに気持ちを整えてくれるだろう。
「DIC川村記念美術館 1990–2025作品、建築、自然」
会期:2025年2月8日(土) – 3月31日(月)
開催時間:9:30 – 17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜(ただし3月31日は開館)
入館料:一般1,800円、学生・65歳以上1,600円、高校生以下無料、障害者手帳をお持ちの方と付き添い1名まで無料
会場:DIC 川村記念美術館
住所:千葉県佐倉市坂戸 631
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- Edit : Seiko Inomata(QUI)