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LIFE/STYLE

前例のない本をつくる、「GIFT STORY -Birthday-」|ミモザブックス

Sep 3, 2026
2026年8月、ミモザブックスから「GIFT STORY -Birthday-」シリーズ第4弾として刊行された、住野よる『ぷれぜんと "のっと!!" ふぉーゆー』。
「誕生日に本を贈る」という体験を提案する本書は、物語だけでなく、手に取った瞬間から特別な時間を感じられる美しい造本も魅力の一つだ。

そんな一冊を手がけたのが、ミモザブックス代表であり編集者の照山朋代さん。今回は、装丁を担当したデザイナー・名久井直子さん、そして製本を担う日宝綜合製本の松尾精一郎さんに、本書に込めた思いやこだわりについて話を聞いた。それぞれの立場から語られる言葉を通して、物語が形になっていくまでの背景に迫る。

前例のない本をつくる、「GIFT STORY -Birthday-」|ミモザブックス

Sep 3, 2026 - LIFE/STYLE
2026年8月、ミモザブックスから「GIFT STORY -Birthday-」シリーズ第4弾として刊行された、住野よる『ぷれぜんと "のっと!!" ふぉーゆー』。
「誕生日に本を贈る」という体験を提案する本書は、物語だけでなく、手に取った瞬間から特別な時間を感じられる美しい造本も魅力の一つだ。

そんな一冊を手がけたのが、ミモザブックス代表であり編集者の照山朋代さん。今回は、装丁を担当したデザイナー・名久井直子さん、そして製本を担う日宝綜合製本の松尾精一郎さんに、本書に込めた思いやこだわりについて話を聞いた。それぞれの立場から語られる言葉を通して、物語が形になっていくまでの背景に迫る。

本を「贈る」という体験をつくる|編集者・照山朋代

ー「GIFT STORY -Birthday-」シリーズをつくろうと思ったきっかけや、そこに込めた思いを教えてください。

照山朋代(以下:照山):このシリーズには、これまで編集者として働いてきたなかで感じていた、さまざまな思いを込めています。

もともと私は16年間、会社員として編集の仕事をしていました。大手出版社で小説の編集をしていると、制作にかけられる予算や、価格を決めるうえでの制約も多く、できることが限られていると感じる場面がありました。少しでも価格を抑えて本をつくっても、それだけで売れるわけではない。だったら、多少価格が高くても、「これなら買いたい」と納得してもらえるものをつくりたい。そんな気持ちがありました。

もう一つは、編集者としての自分自身への問いです。文芸の編集は、著者が書いてくださる作品のクオリティに大きく依存している仕事でもあります。もちろん、作品をより良くできるよう、多くの人に届けられるように力を尽くしますが、それ以外に、編集者自身ができることはないのだろうか、と考えるようになりました。

会社を辞めて独立し、自分で本を売っていかなければならなくなったことで、その思いはより強くなりました。本の内容を読んでもらうこと以外にも、手に取るきっかけをつくりたい。そこで考えたのが、「プレゼント」という購入動機です。

自分のためだけでなく、大切な人のために買う。贈られた人が気に入ってくれたら、今度は誰かに贈ったり、自分で買ったりしてくれるかもしれない。そうやって、本そのものが人から人へとつながっていくような商品をつくってみたい。そんな思いから、「GIFT STORY -Birthday-」シリーズを始めました。

ーさまざまな表現方法がある中で、「本」という形だからこそ届けられる魅力や価値は何でしょうか。

照山:映像や音声とは違って、文章や本は、著者と読者が一対一の関係を築ける、特殊な媒体だと思っています。
映像や音声は、ある程度受動的に見たり聞いたりすることができますが、文章は、読む人が自分の意思で、自分のスピードで読み進めて初めて成立するもの。だからこそ、本は読者と作品、ひいては著者とのあいだに、とても親密な関係を築きやすいのだと思います。その親密さこそが、本という形だからこそ届けられる魅力なのではないでしょうか。

ー著者が描いた世界観や言葉を、一冊の本として読者へ届けるために、大切にしていることは何ですか。

照山:会社員時代の反省とも少しつながるのですが、小説の単行本を、書店で流通させることを前提につくろうとすると、基本的には「四六判」というサイズになります。四六判は、128mm×188mmほどの大きさで、一般的な小説の単行本によく使われている規格です。こうしたサイズや造本が、ある種の決まりごとのようになっていることから、一度そこから離れてみたいという気持ちがありました。

通常であれば、著者が原稿を書いている段階から、ある程度本のサイズや造本のイメージが固まっていることも多いと思います。でも私はそうではなく、まず書き上げられた原稿を読んで、そこから装丁や造本についてみなさんに相談しながら決めていく。効率という意味では、決して良いやり方ではないと思いますが、作品に合わせて臨機応変に、その作品から受け取ったものを本という形にしていくことを大切にしています。

ー作品に合わせて一冊の形を決めていくというつくり方は、一般的な本づくりと比べると、やはり珍しいのでしょうか。

照山:作品に合わせて本の形を決めていくことは、一般的な書籍でも行われているのですが、選ぶことのできる選択肢が多いとは言えないと思います。

特装本に限って言えば、大手出版社で刊行されることもありますが、作品ごとにここまで違う造本にするシリーズはあまり例がないと思います。こうしたつくり方をすると、刊行までのスケジュールをあらかじめ組むことが難しくなるのではないでしょうか。

このシリーズは、あらかじめ決められた仕様やスケジュールに作品を合わせるのではなく、作品を起点に、その作品にふさわしい本の形を考えていく。そういう意味では、より「作品ありき」のつくり方をしています。

ー本書を制作する中で、「ここだけは大切にしたい」と考えていたことや、譲れなかった部分を教えてください。

照山:まず大切にしたかったのは、「高級感」です。今回は著者から「家をモチーフにしたい」という希望もあったので、これまでのシリーズよりも少し可愛らしい方向に寄った本になるだろうと考えていました。その一方で、シリーズを通して5,500円という価格設定は決めていたので、可愛らしさと高級感、その両方をどう成立させるかは大きなポイントでした。

私は5,500円という価格を、決して安いとは思っていません。自分自身が本を買うとしても、気軽に出せる金額ではない。だからこそ、5,500円を出して買ってくださった方に、目に入るたびに気分が上がるような、何度見ても満足してもらえる本にしたいと思っていました。

そのためには、買った瞬間の印象だけではなく、あとから隅々まで見たときにも「いい買い物をした」と思ってもらえることが大切です。細かな部分のずれがないか、どの角度から見ても断面が美しいか。そうした一つひとつの精度にもこだわりました。

名久井さんにも細かく相談し、松尾さんにもサンプルを確認するたびに要望をお伝えしながら、仕上がりを調整していきました。単に「かわいい」「豪華」というだけではなく、手元に置いていることで少し美意識が高まるような、そんな幸福な体験を届けられる本にしたい。その思いを、最後まで大切にしていました。

ーサンプルを何度もつくりながら調整を重ねたとのことですが、特にこだわった部分や、印象に残っているやり取りはありますか。

照山:かなりうるさく、いろいろ申し上げましたよね(笑)。サンプルも4〜5回はつくっていただきました。

松尾精一郎(以下:松尾):いえいえ。最初は、窓の段差をもう少し深くしたほうがいいのではないか、というお話がありました。紙の厚さなども含めて、もっと立体感が出る仕様にできないかと。

名久井直子(以下:名久井):最初は窓枠の形で段差をつけたかったのですが、そこまで細くするのが難しいことがわかって、今の形になりました。また、本全体の形も、加工上の難しさを考慮しながら試作を重ね、現在の形に調整していきました。

作品を「本の形」にする|装丁デザイナー・名久井直子

ー今回の企画内容や、住野よるさんの原稿をご覧になった際、最初にどのような印象を持たれましたか。

名久井:照山さんから「お家型にしたい」というご希望は、かなり早い段階から伺っていたので、それを念頭に置きながら考えていました。内容については、あまり詳しくお話しできないのですが、物語のなかに「家」が出てくるので、読み終えたときに感じるものを裏切らないような形にしたい、という思いはありました。

あと、私はすごく現実担当なので(笑)、「これをどうしたら実現できるかな」ということを考えていました。作中に登場するのがドールハウスなので、そのドールハウスを模したものにしたいというのは住野さんのご希望でした。そこを受けて、実際にどういう形なら実現できるのかを考えていきました。

ー装丁デザインを進める中で、特に悩んだことや、試行錯誤を重ねた部分を教えてください。

名久井:やっぱり、造本の仕様を決めるところですね。今回の本は、今までにない綴じ方をしているので、どうしたら安全で、かつ大量生産に向いているものにできるか、というところはかなり悩みました。

ー「今までにない」というのは、具体的にはどのような点でしょうか?

名久井:製本は基本的に四角い形を前提としているので、今回のような形は一般的ではありません。絵本などでは変わった形のものもありますが、ある程度ページ数のある小説をこの形でつくるのは、なかなか難しいと思います。

松尾:製本会社からすると、「斜めに大量生産でカットする」ということ自体がかなり例外的です。一冊、二冊であれば丁寧に揃えて切ることもできますが、今回は数千冊を納期内に仕上げる必要がありました。角度を一定に保ちながら、いかに効率よく加工するか。そこから現場と相談しながら進めていきました。

名久井:しかも、この屋根の端がちょうど角に当たっているので、すごく意地悪なデザインなんですよ(笑)。少しでもずれると、すぐにわかってしまう。

松尾:この角度も、実はきちんと計算して決めています。直角三角形の角度を計算して、必要な数値をお渡ししたり。久しぶりに三角形の角度を計算しました(笑)。

ー専門的なことがわからない人が見ても、「ここは見てほしい」というポイントを一つ挙げるとしたら?

名久井:窓の側面まで、茶色に揃えているところですね。

松尾:これは、最初から名久井さんがこだわっていた部分です。断面の色については、かなり早い段階からご希望がありました。

名久井:最初のサンプルでは、断面が白かったんです。今回は「家」の形なので、表面だけでなく、側面や断面まで含めて一つの家に見えることが大切だと考えました。できるだけまとまりのある色で揃えたいと思っていました。

「できる」を探して、一冊を形にする|製本・松尾精一郎

ー最初に装丁デザイン案をご覧になったとき、どのような印象を持ちましたか。

松尾:いや、もう「難しいな」と(笑)。
最初に東京で打ち合わせをした際、名久井さんがその場で紙や造本の構造を描きながら、「こういうことは可能ですか?」と相談されて。

名久井:最初は、窓の部分に透明なフィルムを入れて、ガラスのようにしたかったんです。

松尾:そうでしたね。これを量産するにはどうすればいいのか、かなり悩みました。

ー最終的には別の仕様になりましたが、やはり量産が難しかったのでしょうか。

松尾:今でも、どうやって量産するのが正解だったのかわからないくらいです(笑)。100部、200部であれば手作業でも対応できるかもしれませんが、数千部となると、機械を使わなければ難しい。最初の案は、それほど量産に適した仕様ではありませんでした。

そこから試行錯誤を重ね、最初の案と比べて、現在の仕様なら量産できるという現実的な形が見えてきました。

ー特に試行錯誤を重ねたのは、どの部分でしょうか?

松尾:窓の立体感ですね。最初のサンプルは、窓の部分に段差はついていたものの、厚みが足りず、印刷しただけのような印象になってしまいました。せっかくの造本なので、もう少し立体感を出せないかと考えていました。

紙の組み合わせも工夫しています。今回は3種類ほどの紙を組み合わせ、名久井さんからの「できるだけ厚みのある紙を使いたい」という要望に応えるため、薄い紙を5枚貼り合わせて厚みを出しました。窓のある部分とない部分で紙の枚数を調整し、表紙から背表紙まで、全体の厚みができるだけ揃うように仕上げています。

ー機械だけではなく、職人さんの経験や技術が重要になるのは、具体的にどのような工程でしょうか。

松尾:やはり、表紙の貼り合わせの工程ですね。紙にのりを全面につけて貼ると、のりの水分によってどうしても紙が反ってしまいます。そのままではきれいに仕上がらないため、あらかじめ反り方を見ながら調整します。一度、反りを直す機械に通して、少し逆方向に反らせておく。そうすると、実際に貼り合わせたときに、ちょうど平らに戻るんです。

こうした工程には、細かな調整が必要です。紙は大きくなるほど反りも目立つので、どの程度反らせておくかは経験がものをいいます。職人は、そうしたわずかな違いまで見ながら仕上げています。

ー編集者やデザイナーの意図を汲み取り、一冊の本として形にするうえで、大切にされていることを教えてください。

松尾:まだ「意図を汲み取る」ところまで十分に達しているかはわかりませんが(笑)、できる限りデザイナーさんの思いに近いものをつくりたい、という気持ちはあります。

すべてを100%そのまま実現することは難しくても、できる限り近づける。そのために、どうすれば実現できるのかを考えることが、私たちの仕事だと思っています。

特に照山さんからは、「紙の文化を残したい」という思いを強く感じています。情報を伝えるだけなら、紙でなくてもできる。でも、紙の質感や形、手に取ったときの感覚まで含めて伝えられるのは、本だからこそだと思います。

一冊を形にする、それぞれの仕事

ー完成した本を初めて手に取ったとき、どのように感じましたか。

松尾:私は「美しい」「かわいい」という感覚よりも、「やっとできた」という安堵の気持ちが大きかったですね。最初から制作の過程を見てきたので、完成した本を手にして、まず「ここまで来た」という思いがありました。もちろん、実際に形になったものを見て「かわいい」「きれい」とも感じましたが、それ以上に、完成したことへの喜びが大きかったです。

照山:私は、色校を出していただいた段階では、この複雑な構造が最終的にどう仕上がるのか、実はまだきちんとイメージできていませんでした。本の構造上、家の色校と窓の内部の色校が別々に出てきたので、色味について「少し暗いかも」といった判断はできても、それが実際に一冊に組み上がったときにどうなるのかは、正直わからなかったんです。

だから、実際にサンプルを手にしたときは、「あ、ちゃんとかわいいものができた!」と思いました。率直に言うと、まずは安堵ですね。そのうえで、本当に美しい仕上がりになっていて、「松尾さん、ありがとう!」という気持ちでした。

名久井:本当に「ありがとう!」しかないですね。
私は、かわいいものになること自体は、ある程度想像できていました。ただ、実際に完成品を見て、特に印象に残ったのは、ここの断裁部分でした。

今回は、表紙の段差があることで、断裁した際に背の紙が引っ張られ、切り口がきれいに揃わない可能性がありました。途中で何度も相談しながら進めていた部分だったので、最終的にどう仕上がるか気になっていたんです。実際に完成品を見てみると、想像していた以上にきれいに仕上がっていて。「おおー、そこまでいけたんだ!」と、そこが一番感動しました。

ーそれぞれのお仕事はどのような役割を担っていると考えていますか。

照山:私はMBTIでいうと「仲介者」なんですけど、まさに自分の仕事は仲介者だなと思っています。著者の熱量を受け止めて、それを名久井さんや松尾さんに伝え、さらに読者に魅力的なかたちで届ける。その間をつなぐ役割ですね。

このシリーズを続けていくなかで、印刷や製本の現場の方たちのすごさを伝えたい、という気持ちも強くなってきました。一冊一冊丁寧につくってくださっていることや、職人さんたちのこだわりによって、美しさがまったく違ってくること。そういう部分も、もっと伝えていきたいと思っています。

特殊な製本をお願いできる製本所や函をつくる製函所など、こうした技術を持つところも少しずつ減ってきています。今、継承しておかなければ、一度途切れてしまったら、同じかたちでは二度と続けられないかもしれない。だからこそ、少しでもそのすごさを伝えていきたいと思っています。

名久井:照山さんは以前、大きな会社にいらしたからこそ、今の環境が面白いんじゃないかなと思うんです。大きな会社の場合、実際につくる現場と編集者の間に、それぞれ担当する部署があります。ですから、編集者が職人さんと直接やり取りすることは、ほとんどありません。

でも今は、照山さんが直接、現場の方とつながっている。そこで職人さんたちのすごさを目の当たりにしていること自体が、面白いのではないかなと思います。

照山:16年間会社にいましたけど、こんなに密にやり取りさせていただいて、職人さんたちのすごさを直接感じられる機会は、あまりありませんでしたね。

名久井:間にいくつかの部署が入っていると、例えば「これはできません」と言われたら、「できないんだ」で終わってしまう。でも、直接つながっていれば、「では、どうしたらできますか?」「何ならできますか?」と話し合える。そういうことは大事なんですよね。大きな会社だと、「前例がありません」で終わってしまうこともあります。でも今回は、そうではなかった。

ー大きな会社だったら、今回の本は実現しなかった可能性もありますか。

名久井:実現できなかった可能性は高いですね。もう、こんなの無理ですよ(笑)。

照山:背にも何も入っていませんし、ISBNというバーコードもありません。既存の流通には、そのままでは載せられない仕様なんです。既存の流通形態を一度離れてつくった本、ともいえると思います。

名久井:ただ、大量生産して多くの人に届ける本にとっては、バーコードが入っていることも重要です。それがあるからこそ、全国の書店にスムーズに届けることができる。それはそれで大切な仕組みだと思います。一方で、既存の仕組みから離れることで、こういう本だからこそ実現できる仕様もある、ということですね。

照山:今回の製本には、まだ名前がついていないですしね。

ー名久井さんは、ご自身の役割をどのように考えていますか。

名久井:私は、「現実化する」仕事だと思っています。こういう少し特殊なものを、「こうすれば実現できるのではないか」と考え、日宝さんに伝える。それが私の役割だと思っています。

ー松尾さんはいかがですか。

松尾:最終工程で「形にする」ことですね。関係するさまざまな現場との橋渡しをしながら、最終的にこの形に仕上げることに、使命感を持って取り組みました。特に今回は、名久井さんからいただいた製本仕様を、どうすれば実現できるかということが大きな課題でした。

表紙の窓については、賀陽紙器株式会社の平井さんが重要な役割を担ってくださいました。窓のズレをできる限り抑えるにはどうすればいいか。そうした課題を含め、関係する職人さんたちと連携しながら形にしていくことが、私の役割だったと思います。

ー今回の本づくりを通して、新たな発見や驚きはありましたか。

照山:私は、こうした本づくりは、チャレンジ精神によって実現していくものなのだと感じました。前例のないところから始まっても、皆さんが試行錯誤を重ねながら、実現できる形を見つけていく。その姿を見て、とても刺激を受けました。

松尾:「できないだろう」と思っていたことが、試行錯誤を重ねるなかで、実際に「できる」ものになっていったことですね。窓の加工や斜めのカットも、最初は難しいと思っていましたが、実際にきれいに仕上がったものを見ると、素晴らしいなと感じました。

名久井:私自身は、まったく新しい発見というより、今ある技術を応用することで、新しい本をつくれるのだと改めて感じました。これまでいろいろな工場を見てきて、「これができるなら、こうすればこんなこともできるのではないか」と考えてきたことが、今回、実際の形になりました。もちろん、皆さんの努力があってこそですが、既存の技術を組み合わせることで、新しい本を生み出せるのだと思います。

照山:前回の森見登美彦さんの『宝島』も名久井さん、松尾さんと一緒に本をつくったので、またお二人と仕事ができたらと思っていました。今回もこうして三人で一冊の本を形にすることができて、本当に嬉しいです。

本は単なる「もの」ではなく、読書という体験そのものだと思っています。だからこそ、「贈る」という行為を通して、本をひとつの体験として受け取ってもらいたい。自分の日々や大切な人に思いを馳せたり、美しい本を手に取って、少し自分をいたわったり、ほっと一息ついたり。そんな時間を届けられたら嬉しいです。

ミモザブックス代表・照山朋代
新潮社で小説新潮、単行本の編集に携わる。2023年に株式会社ミモザブックスを創業。「物語のちからに、祈りをこめて」をモットーに、新しい読書体験を届けるべく出版活動を行う。物語と犬が好き。
ウェブサイト:https://mimosabooks.co.jp/
Instagram:@mimosabooks_

ブックデザイナー・名久井直子
武蔵野美術大学卒業後、広告代理店を経て、装丁の仕事をはじめ、現在に至る。2014年第45回講談社出版文化賞ブックデザイン賞受賞、2022年BEST BOOK DESIGN FROM ALL OVER THE WORLDにてBronze Medal受賞。主な仕事に『あたしとあなた』(谷川俊太郎)、『黄色い家』(川上未映子)ほか。
X:@shiromame

日宝綜合製本
国内最大規模の製本設備と熟練の技、企画提案力を強みに、大ロットの上製本から自費出版、御朱印帳まで幅広く手がける製本のプロ集団です。
日本になくてはならない「宝」のような会社を目指しています。
大学製本所:@daigakuseihonsyo
日宝綜合製本:@nippoh_goshuin

販売情報

『ぷれぜんと "のっと!!" ふぉーゆー』住野よる
伝説のデビュー作『君の膵臓をたべたい』から11年。新作スピンオフ作品が発売!

出版社 ミモザブックス
定価 5,500円(税込)
判型 105mm×180mm(変型)
頁数 72頁
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住野よる (すみのよる)
2015年『君の膵臓をたべたい』でデビュー。新人としては異例の大ベストセラーとなる。23年『恋とそれとあと全部』で第72回小学館児童出版文化賞を受賞。他の著書に『また、同じ夢を見ていた』、『よるのばけもの』、『か「」く「」し「」ご「」と「』、「麦本三歩の好きなもの」シリーズ、『この気持ちもいつか忘れる』、『告白撃』などがある。デビュー10周年記念作『夜想い』が2026年7月22日に双葉社より刊行された。

▼一冊の本に宿る、手仕事|ミモザブックス

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一冊の本に宿る、手仕事|ミモザブックス
Sep 03, 2026

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