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LIFE/STYLE

Marimekkoが日本の食卓へ、アジアの食文化に寄り添う新テーブルウェアコレクションが登場

Aug 27, 2026
フィンランド発のデザインハウス、<Marimekko(マリメッコ)>が、日本をはじめとするアジアの食文化に向けた新たなホームコレクションを発表した。東京で開催されたプレス向けの特別プレゼンテーションには、<Marimekko>で30年以上にわたりプリントデザインやホームウェアコレクションを牽引してきたデザインディレクター、Minna(ミンナ・ケメル=クトゥボネン)氏が来日。ブランドのクリエイションを支えるプリントメイキングのフィロソフィーや、デザインが生まれるまでの工程について、自らプレゼンテーションを行った。

Marimekkoが日本の食卓へ、アジアの食文化に寄り添う新テーブルウェアコレクションが登場

Aug 27, 2026 - LIFE/STYLE
フィンランド発のデザインハウス、<Marimekko(マリメッコ)>が、日本をはじめとするアジアの食文化に向けた新たなホームコレクションを発表した。東京で開催されたプレス向けの特別プレゼンテーションには、<Marimekko>で30年以上にわたりプリントデザインやホームウェアコレクションを牽引してきたデザインディレクター、Minna(ミンナ・ケメル=クトゥボネン)氏が来日。ブランドのクリエイションを支えるプリントメイキングのフィロソフィーや、デザインが生まれるまでの工程について、自らプレゼンテーションを行った。

会場に足を踏み入れると、まず目に飛び込んできたのは、リビングルームを思わせるキッチンテーブルと、そこに並べられた<Marimekko>を象徴するウニッコ柄の可愛らしい食器たち。壁面や什器にも大判のウニッコモチーフがあしらわれ、ブランドの世界観を存分に体感できる空間がつくられていた。今回発表された新たなテーブルウェアは、ウニッコをあしらったボウルやプレート、豆皿、箸置きなど、日本をはじめとするアジアの食文化に馴染みのある食器類。取り入れやすいサイズや形も特徴で、一人分の料理を盛り付ける小皿から、大人数でシェアできる深めのボウルや平たい大皿、丼ものにも使いやすい深皿まで、豊富なラインナップが展開された。大きな柄を大胆にあしらいながらも、料理を引き立てる余白があり、和食器とも自然に馴染みそうな佇まい。鮮やかな赤やグリーンの器に、ベージュやホワイトを基調としたアイテムを組み合わせることで、ひとつの食卓の中にもさまざまな表情が生まれていた。

アジアの中でも、特に日本にフォーカスが当てられたテーブルウェア

今回のコレクションについて、まず知りたいのは、なぜ<Marimekko>が日本をはじめとするアジアの食文化に向けて、新たな器をつくるに至ったのかということ。その背景には、<Marimekko>が17年前に発表したセラミックコレクション「Oiva(オイヴァ)」の存在がある。デザイナー、サミ・ルオッツァライネンによって生み出されたOivaは、以来、<Marimekko>のテーブルウェアを代表するシリーズとして展開されてきた。

デザインディレクター、Minna(ミンナ・ケメル=クトゥボネン)氏

「17年前、<Marimekko>では初めて、ブランド独自のセラミックコレクションを発表しました。それが『Oiva』です。その長い年月のなかで、私たちは、アジアの国々やアジアの食文化には、Oivaシリーズのなかでも、より細やかに対応した特別なアイテムへのニーズや可能性があることに気づいてきました」そう語るMinna氏。今回発表されたコレクションは、そうした長年の経験や気づきをもとに、日本の食文化をより深く意識して開発されたものだという。「今回のコレクションでは、特に日本の食文化について深く考えながら開発を進めました。まず日本で、そしてグローバルでも初めてとなる新しいアジア向けのセラミックコレクションをご紹介できることを、とても嬉しく思っています」

日本の食卓に馴染むサイズや形を採用しながらも、そこにあるのは単なる「日本向け」のローカライズではない。<Marimekko>が長年培ってきたデザインの考え方を、異なる食文化のなかでどう生かすかという試みだ。

食卓をひとつの「建築」として考える

その思想を象徴するのが、Minna氏がプレゼンテーションで語った「テーブルセッティング=建築」という考え方だ。「<Marimekko>では、テーブルセッティングをひとつの『建築』のように捉えています」

器は、料理を盛り付けるためだけのものではない。一つひとつが美しいプロダクトとして成立しながら、組み合わせることでひとつの食卓をつくり、料理そのものも引き立てていく。「それぞれの器は料理を盛り付けるためのものですが、同時に、一つひとつが美しい独立したプロダクトでもあります。そして、器同士が美しく調和しながら、料理そのものも引き立ててくれる。そうした関係性を大切にしています」

小さな豆皿や箸置きから、深さのあるボウル、大皿まで、それぞれが単体でも存在感を持ちながら、組み合わせることでひとつの景色をつくり出していた。そして、その食卓を印象づけるのが、もちろん<Marimekko>を象徴するプリントだ。

2Dから3Dへ。ウニッコを「器」にするという挑戦

会場では、実際にアトリエで制作されたデザイン画や、大判のウニッコ柄など、普段なかなか目にすることのできない貴重な資料も公開された。完成した製品だけを見ていると、一つの柄に見えるものも、その背景には、手を動かし、形を描き、色を重ね、試行錯誤を繰り返すクリエイションのプロセスがある。

生地・プリントカラーのスワッチ

柄・配色確認用のモックアップ

なかでも今回のコレクションで興味深いのが、もともと布地のためにつくられた2次元のウニッコを、立体的なセラミックの器へと落とし込んでいることだ。「今回の開発では、実際に陶器の型をつくる前に、3Dプリントを使って、あらゆる角度から立体的な形を確認し、完璧に仕上がっているかを検証しました」平面に描かれた柄を、そのまま器に配置すればいいわけではない。器には曲面があり、見る角度によって柄の見え方も変わる。だからこそ、2次元のデザインを3次元へと変換するための、新たな試行錯誤が必要になる。

「もともとウニッコは、布地のためにデザインされた2次元のパターンです。そのため、2次元のためにつくられた柄を、3次元の器にしたときにどう成立させるのか、改めて考える必要がありました。元のデザインが持っている雰囲気やトーン、そしてデザインの感覚を保ちながら、立体的な形に合わせていく。そのためには、細部までとても慎重に検討する必要があります」

何気なく手に取る器の表面には、実は平面のプリントを立体へと変換するための、緻密なデザインワークが隠されている。今回のプレゼンテーションを通して見えてきたのは、<Marimekko>にとってプリントが単なる装飾ではなく、暮らしを彩るための大切な表現だということ。アトリエで生まれたデザインが、形や色を変えながら器へと落とし込まれていく過程には、長年培われてきたものづくりへのこだわりが息づいている。

30年以上にわたり<Marimekko>のクリエイションを牽引してきたMinna氏の言葉からは、ブランドの象徴であるウニッコを、時代や文化に寄り添いながら新たな形で届けようとする姿勢が感じられた。今回のテーブルウェアは、そんな<Marimekko>のデザインを、より身近な「食卓」という場所へと広げる新たな提案だ。料理と器、そしてそこに集う人々がひとつの風景をつくり、そのなかにウニッコが彩りを添える。完成した一枚の柄の向こう側には、デザイナーの手仕事と、長い時間をかけて培われてきた<Marimekko>独自のものづくりが息づいている。日々の食卓に取り入れることで、いつもの食事の時間が、デザインを身近に感じる豊かな文化的体験へと変わっていく。鮮やかな色彩と大胆なプリントが、料理や人々の会話とともに、いつもの食卓に新たな彩りと華やかさを添えてくれそうだ。

 


 

Marimekko

<Marimekko(マリメッコ)>は、1951年に創業されたフィンランドを代表するデザインハウス。独創的なプリント柄と鮮やかな色彩表現を特徴とし、ファッションをはじめ、バッグ、食器、インテリア雑貨まで幅広く展開している。ブランドの代名詞となっているのが、デザイナーのマイヤ・イソラが手がけたケシの花モチーフ「ウニッコ(Unikko)」。大胆でありながら温かみのあるグラフィックは、時代を超えて世界中で親しまれている。「斬新なデザインで日々の暮らしを明るく彩る」という哲学のもと、北欧モダンデザインの先駆者として、生活に美しさと喜びを添えるプロダクトを発信し続けている。

Website:https://www.marimekko.jp/
Instagram:@marimekkojapan

  • Edit : Miwa Sato(QUI)

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