QUI

FASHION

楽天・ファッションウィーク東京 2026年春夏コレクションガイド — 鮮烈さより深く響く“誠実な服づくり”

Sep 20, 2025
2025年9月1日(月)〜9月6日(土)、楽天・ファッションウィーク東京 2026年春夏コレクションが開催された。
身体と感覚、都市と自然、日常と非日常といった多層的な要素を織り合わせながら、各ブランドが今季ならではの視点を提示。精緻なクラフトや構造的な実験、伝統の継承と再解釈を通じて、衣服に宿る物語が多彩に展開された。鮮烈な主張よりも深く響いたのは、“誠実な服づくり”だった。
東京発の新鋭から老舗メゾンまで、注目のコレクションをご紹介。

楽天・ファッションウィーク東京 2026年春夏コレクションガイド — 鮮烈さより深く響く“誠実な服づくり”

Sep 20, 2025 - FASHION
2025年9月1日(月)〜9月6日(土)、楽天・ファッションウィーク東京 2026年春夏コレクションが開催された。
身体と感覚、都市と自然、日常と非日常といった多層的な要素を織り合わせながら、各ブランドが今季ならではの視点を提示。精緻なクラフトや構造的な実験、伝統の継承と再解釈を通じて、衣服に宿る物語が多彩に展開された。鮮烈な主張よりも深く響いたのは、“誠実な服づくり”だった。
東京発の新鋭から老舗メゾンまで、注目のコレクションをご紹介。

mukcyen/ムッシャン

<mukcyen>の2026年春夏コレクションのテーマは「況 ; bracing」。 “構え”という所作を通じ、有限な時間と感覚の在り方を問いかけた。ブランドを象徴するセカンドスキンはカットソーで展開され、キュプラを重ねたルームウェア感覚の着心地や、外出可能な即応性を備えたエンカプセレーションシリーズへと進化。鞄の造形と肩甲骨を意識したスキャプラハーネスやストレッチコットンのジャンプスーツなどが登場し、儚さではなく勇ましさを美の価値として提示した。

mukcyen 2026SS COLLECTION RUNWAY

någonstans/ナゴンスタンス

<någonstans>の2026年春夏コレクションのテーマは「Mountain Trail」。新緑の山道を歩く静けさや景色の移ろいを、都市にも馴染むウェアへと翻訳した。サイクリングやトレイルランの動きを取り入れ、可動性を意識したカッティングと機能性をミニマルに昇華。岩肌や稜線の“鋭さと滑らかさ”を立体パターンで表現し、山小屋の温もりや高山植物、青空の色彩をパレットに取り入れた。

någonstans 2026SS COLLECTION RUNWAY

ANCELLM/アンセルム

<ANCELLM>の2026年春夏コレクションは、「視点を変えた経年変化の提案」という言葉に始まるブランドコンセプトに沿い、クラフトによって“経年変化をデザインする”姿勢を可視化した。児島のアトリエで職人と制作し、独自調合の色を幾層にも重ねた加工が水彩画のような奥行きを生み出した。ジャケットやデニムなどを通じて、着込むほどに新たな表情を宿す服の価値を示した。

ANCELLM 2026SS COLLECTION RUNWAY

HARUNOBUMURATA/ハルノブムラタ

<HARUNOBUMURATA>の2026年春夏コレクションのテーマは「YOUR SILENT WATERFALL」。会場中央に人工的な“静かな滝”を設置し、水や霧の偶発美を受け止める都市の女性像を描いた。極軽のオーガンジーによる霧のようなドレスや、ラフィア素材のフリンジ、光のスペクトルを映したカラーパレットが展開。20時間以上の手作業によるスモッキングデニムや、京都の老舗織元の協力で実現した帯織を用いたスカートなども登場し、触れられない美が着る人の存在によって立ち上がる瞬間を表現した。

HARUNOBUMURATA 2026SS COLLECTION RUNWAY

yoshiokubo/ヨシオクボ

<yoshiokubo>の2026年春夏コレクションのテーマは「Tailored for the spin」。ダンサーやエクストリームスポーツの回転運動からインスピレーションを受けた。精密な仕立てに躍動感を融合させたジャケットやパンツがランウェイを彩る。回転の力学をデザインに転換し、スポーツのエナジーとテーラードの知性を共存させた。

yoshiokubo 2026SS COLLECTION RUNWAY

Haute Mode Hirata/オートモード平田

<Haute Mode Hirata>の2026年春夏コレクションに宿ったのは「伝統と革新」。フランス由来の技法と日本の感性を融合させた帽子を31点披露した。スパットリー木材によるチップ制作やストローブレード、マニラ麻、ファーフェルト、パラブンタル、パナマといった素材を用いて手仕事を駆使。<mister it.(ミスターイット)>や<Tamme(タム)>、<RYUNOSUKEOKAZAKI(リュウノスケオカザキ)>が衣装を手がけ、帽子を魅せるシルエットを追求したピースがランウェイを彩った。ねぶた和紙や西陣引箔を用いた帽子も登場し、クラシックとモダンを往還する姿勢を示した。

Haute Mode Hirata 2026SS COLLECTION RUNWAY

pillings/ピリングス

<pillings>の2026年春夏コレクションのテーマは「mybasket」。 “いつもの”をキーワードに日常の断片をすくい上げた。朝の鴉や充電器、窓や付箋、買い忘れやアラームといった光景を服に転写。シャツやパンツを中心とした日常着に落とし込み、平凡の中に潜む温度を肯定するコレクションとなった。

FASHION
Pillings 2026年春夏コレクション、“便利”の裏側に見る人間らしさとは
Sep 05, 2025

pillings 2026SS COLLECTION RUNWAY

FETICO (by R)/フェティコ

<FETICO>の2026年春夏コレクションのテーマは「The Depth of Her」。芸術家レベッカ・ホルンや写真家イリナ・イオネスコから着想し、女性の複雑さと強さを掘り下げた。ランジェリー由来のディテールやダマスク柄を取り入れたドレスやデニムビスチェが展開。新しいアイコンバッグ「Arch」、レースアップのバレエフラット、<BLANC(ブラン)>とのアイウェア、フリンジアクセサリーやスイムウェアまで揃い、規範を超えた美の選択を後押しした。

FASHION
FETICO 2026年春夏コレクション、設立5周年を迎え、女性の美学を追求したブランドの世界観の深淵をのぞく
Sep 18, 2025

FETICO 2026SS COLLECTION RUNWAY

FDMTL/ファンダメンタル

<FDMTL>の2026年春夏コレクションのテーマは「Echo of [ ]」。ブランド設立20年を迎え、自身を見つめ直す“こだま”を軸に構成された。インディゴを中心に据え、ジャケットやパンツなど幅広いアイテムを展開。青の世界を通じて継続する対話を記録し、静かな余韻を残すコレクションとなった。

FDMTL 2026SS COLLECTION RUNWAY

Chika Kisada/チカ キサダ

<Chika Kisada>の2026年春夏コレクションのテーマは「Trace」。肌の上に立ち上がる輪郭や動きの軌跡から理想の身体を探った。ドレスやセットアップなどが展開され、街の呼吸に触れるような曲線と内なるリズムを造形へ転写。バレエ的感性と現代の緊張感を融合させ、動きそのものを纏うスタイルを描いた。

Chika Kisada 2026SS COLLECTION RUNWAY

VIVIANO/ヴィヴィアーノ

<VIVIANO>の2026年春夏コレクションのテーマは「Neo Romanticism」。静寂の中でロマンティックを“静かな強さ”として再定義した。クチュール的な構築や刺繍、ラッフルを用いたドレスやジャケットが登場し、1920〜60年代のクチュールや70年代のレトロスポーツの要素を重ねた。過去と未来を往還する新たなバランスを提示した。

VIVIANO 2026SS COLLECTION RUNWAY

YUEQI QI/ユェチ・チ

<YUEQI QI>の2026年春夏コレクションのテーマは「EQUINOX」。昼夜平分を想起させる均衡や転換点を軸に構成された。ドレスやトップス、アクセサリーなどが展開され、光と影のコントラストが印象的に描いた。自然のリズムを取り込み、均衡の美を追求する姿勢を示した。

YUEQI QI 2026SS COLLECTION RUNWAY

ORIMI/オリミ

<ORIMI>の2026年春夏コレクションのテーマは「ELSEWHERE」。東京の都市空間に漂う疎外感や浮遊感を、日常服を歪ませることで表現した。 怒肩のジャケットや一体型のジャンプスーツ、ワイヤー入りのフリルシャツ、瘤のように肩に張り付くバッグなどが登場。スタイリングはデザイナーの旧友Leung Pak Tingが担当し、都市の日常に違和感を差し込みアンビバレンスを描いた。

ORIMI 2026SS COLLECTION RUNWAY

NEW ARRIVALS

Recommend