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機能美が導く“無敵”をまとう服 | KODY PHILLIPS コーディー フィリップス

Jul 31, 2025
ミリタリーやユーティリティを基盤とし、細部に至るまで機能美と遊び心が共存するデザインで注目を集める新進気鋭のデザイナーズブランド<KODY PHILLIPS(コーディー フィリップス)>。「ADDITION ADELAIDE」での日本初のPOP UPも話題を呼んでいる中、KODY PHILLIPS氏本人にインタビューを実施。ブランドの哲学からディテールのこだわりまで、彼の思考と美意識を掘り下げた。

機能美が導く“無敵”をまとう服 | KODY PHILLIPS コーディー フィリップス

Jul 31, 2025 - FASHION
ミリタリーやユーティリティを基盤とし、細部に至るまで機能美と遊び心が共存するデザインで注目を集める新進気鋭のデザイナーズブランド<KODY PHILLIPS(コーディー フィリップス)>。「ADDITION ADELAIDE」での日本初のPOP UPも話題を呼んでいる中、KODY PHILLIPS氏本人にインタビューを実施。ブランドの哲学からディテールのこだわりまで、彼の思考と美意識を掘り下げた。



—ブランドとして最も大切にしていることはなんでしょうか。

何よりも重視しているのは「クオリティ」です。型紙を完璧に仕上げ、それを維持したうえで適正な価格を保つこと。ブランドとしての独自性やオーセンティシティであることも非常に重要だと考えています。

—デザインに頻出する「ロープ」「ビジュー」「ラッソ」などの装飾にはどのような美学が込められているのでしょうか。

そういった装飾や要素に哲学的な意味があるのかどうかは自分でもわからないというのが正直なところです。純粋に自分が好きだからデザインに取り入れているというのが最もふさわしい答えかもしれません。ただ、洋服が好きな人が、それらの装飾を好きになってもらえたらと思っています。



— <KODY PHILLIPS>が考えるミリタリーとラグジュアリーの融合とはなんでしょうか。

自分にとって大きなインスピレーション源となっているのがミリタリーです。機能性を重視した設計に魅力を感じていて、超ニッチなポケットやランダムに配置されたディテール、調整可能な要素などが特にお気に入りです。ですが年齢を重ねるとともに服の構造をより深く理解するようになり、ラグジュアリー的な要素にも惹かれるようになってきています。現在はその両者をミックスし「派手すぎないけれど確かな存在感を持つ」バランスというものを意識しています。

—デザイン哲学としている「Functionality is my preferred method.(デザインするうえで機能性が第一である)」という言葉にはどのような想いがありますか。

もともと自分のために服を作り始めたこともあり、日々の生活で自分が本当に必要としている機能を盛り込むようにしています。例えばウエストの調整機能、スマホがぴったり入る隠しポケット、裁縫用の糸切りや指ぬきを入れるための太もも前のスラックスポケット、裾を引きずらないように後ろを少し長くしたデザインなどが代表例です。日常において使い道のないディテールにはあまり意味を感じません。

—機能性=隠し味という姿勢について少し詳しく聞かせてください。

何気ないディテールが、ある瞬間にその真価を発揮する。その発見が好きなんです。ジッパーだらけの普通のバッグに見えるAccordion Bagも実際に開けてみると、みんな驚く。そういう要素を取り入れることが単純に楽しいんです。

 

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—Accordion Bag やRip Van Kody のような機能的アイテムを作る上で意識していることはありますか。

Accordion Bagは、NYで生活を始めたときに「買い物袋を全部自分で持って帰らないといけない」と知って毎週8袋近くも運ぶのが辛くて作ったんです。Rip Van Kodyはデザインに行き詰まっていたときに「全部のアイディアを一着に詰め込んでみよう」と思い切って挑戦した結果で、予想以上に好評でした。

—実用性、見た目、遊び心のバランスはどのように取っていますか。

それは非常に繊細なバランス感覚が必要になります。だからこそ「慎重にやる」か「思い切って振り切る」か、どちらかに決めて取り組むようにしています。ディテールでは特に金具などにはこだわっていますし、常に自分のコンセプトに忠実であることを意識しています。何百年にもわたる服の歴史からインスピレーションを受け、それを自分なりに再解釈し、形にしています。


—着る人にセクシーさ、クールさ、自信を持たせたいという想いは、どのように表現していますか。

<KODY PHILLIPS>を着た人には「無敵」だと感じてもらいたい。それが根底にある想いです。だからこそパターン、素材、トリム、縫製の細部に至るまで、徹底的に時間をかけます。「着心地がいい」、「手がかからない」、「見た目も悪くない」というのが揃っているのがお気に入りの服の条件だと思うんです。私自身もそういう服が好きですし、そこを目指してデザインしています。

—シルエットと素材選びについても教えてもらえますか。

シルエットに関しては「普通より30%だけドラマチックにする」のが自分の好みです。素材に関しては「ドレープ感のある重めのクレープ素材」にハマっています。手触りがオイリーな感じも好きですし、ダブルフェイスの素材も好みです。薄手の生地はあまり得意ではなく、シワになりにくい素材を最優先にしています。個人的にはマットとサテンを組み合わせたようなコンビネーションも大好きです。

—ソーシャルメディアからのフィードバックを活かしているとも聞きました。

フォロワーとの1対1のやりとりは、とても大切にしています。ブランドのSNSも昔から使っている個人アカウントのままで運用していて、支えてくれる人たちの優しさにはいつも感謝しています。

—ソーシャルメディアからのフィードバックで改良したアイテムについて教えてください。

Accordion Trousersはフロントジッパーが苦手という声が多かったため現在はその仕様を見直しました。股下の長さについても調整が難しく、標準的には31インチ程度に設定しています。Lasso Shirtについてはホックが外れやすい、ロープが硬い、丈が短すぎるなど多くのフィードバックをいただき、20ヶ所近くも改良を加えました。

 

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— POP UPを通じて日本のファンにどのような体験を提供したいですか。

その場にいる全員が「セクシーで、強くて、ガラスの向こうの人たちより60%格上」だと感じられるような体験をしてほしいです。私たちチーム全員が心を込めて作ったコレクションなので、その熱量がしっかり伝わればうれしいです。Love u guys!

-POP UP 概要
発売日:2025年7月26日(土)〜 8月3日(日)
取り扱い:ADDITION ADELAIDE 店頭および公式オンライン(http://www.adelaide-addition.com
開催場所:ADDITION ADELAIDE(東京都渋谷区神宮前4-19-8 アロープラザ1F
営業時間:12:00 〜 20:00

ADDITION ADELAIDE 公式Instagramはこちら

  • Text & Edit : Yusuke Soejima(QUI)

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